敗れ去った夢の先で   作:一辻梨

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東京駅の地下のキャラスト、ジャンプのナルトコーナー行ってきました。イタチ兄さんとサスケのグッズを主に買ってきました。人混み凄かったです。ナルトはやはり海外でも人気なのだと思い知りました。

イタチ真伝買いに行ってから次話を完成させます。


では、どうぞ


木ノ葉の影

 

 

 

木の葉が舞った。

 

二人が距離を詰め、互いに腕がぶつかり合った瞬間に勢いのあまり風が舞い上がった。

風というよりも衝撃波といったところか幼い少年達の間から発せられた。

 

 

ググ…と押し合って鬩ぎ合う右手をそのままに、左手を素早く鋭く突き刺すように振う。

 

 

ナルトは迫り来る左手を当然のごとく弾いて逸らした。

 

 

迫合いを終え、互いにザッと一歩だけ下がると再びほぼ同じタイミングで腕や足を仕掛ける。

 

 

 

 

ガスガツと刹那に音が奏でられ、拳や腕、足など交わされる攻防は眼を閉じる暇すら惜しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

どれほど打ち合っただろうか。拮抗し合う体術に差など殆どない。

 

 

 

 

 

 

 

 

やがてナルトは右手を握りしめて大きく振るうが一瞬で見切り、首を逸らして避けたと同時に足払いを仕掛けられる。

 

 

 

わざと目に付くように大きく振りかぶったのは陽動で、これも寸前のところで足払いを飛び上がって避け、振りかぶられて飛び上がった拍子に近くにあった右腕を左手で掴み両足で蹴りを入れた。

 

 

 

この反撃の仕方に予想をしていなかったのかナルトは眼を見開くや否や避けれないと判断して左腕でガードをしつつも勢いを受け流すように身体を捻り、掴まれた腕を顎を目掛けて再び振るう。

 

 

 

掴んだままの右腕のせいで空中に留まったままでは態勢を立て直すことはままならず、ギリギリで顔を逸らして顎に軽く掠り、何とかまともに入ることを防げた。

 

 

 

受け流されたもののその腕を足場にして腕から手を離してバク転を行い、後方へと距離を取り着地の勢いを逃すようにしゃがみ、その間にナルトは態勢を立て直すと距離を詰めてかかと落としを行う。が、それを見越して両腕がクロスして防ぎつつも勢いをそのままにしてクロスを緩めてナルトが足を地面にへと流し着地する寸前に大腿二頭筋と四頭筋の間に拳を当てる。

 

 

あまり勢いはないが筋肉の覆われない、筋膜の薄い場所で直に神経に痛みが行きやすく一瞬とはいえ態勢を崩し、顔を顰めつつもナルトは崩しかけた態勢をすぐさま立て直そうとする。

 

 

クロスを緩めた片手を着いて、足で一閃して両足を刈り取った。

 

 

地に着く場所が無くなり前のめりに倒れんできたのを追撃しないわけにはいかない。

 

 

もちろんそこで油断する相手ではないが一手一手を互いに読み合い、避けたり受け流したりと寸前で防いだりと攻防が目間苦しく変わる。

 

 

そこからの蹴り上げはうまく入り、先ほどまでガツ、ガスとぶつかり合いや擦れ合う音だったのがゴスッ…と余韻を残すような音が響く。

 

 

 

 

「ガハッ…!

 

 

……捕まえたぞ!」

 

 

腹から一気に抜けてくの字になって一瞬浮き上がったと思えば、蹴り上げた足を掴み両足をしっかりと地面に着けて不敵に笑った。

 

 

これはマズいと蹴り上げた足を戻そうとするが、両手でしっかりと掴まれたのかビクともしない。

片足だけでバランスが取れないわけではないが力を込め難いのは確かだ。

 

 

「クッ…てめぇ、離せよ!」

 

 

 

「離せと言って離すバカはいねー…こともないんだぞ」

 

 

噛みつくよう吠えたらムカつくような言葉を吐くのかと思いきや力一杯に腕を振るって吹き飛ばしてきた。当然、幼いとはいえ互いに忍で力はあるので軽々と飛ばせるのだ。

 

 

「さて、さっきの仕返しだ!」

 

 

 

飛ばされている途中に追いつき、追撃だとばかりに腹に拳をぶつけられた。

 

 

「ガフッ」

 

 

足を踏みしめ、力一杯に振るわれた一撃は重かったようでまともに耐えきれずに後方の木に背をぶつけた。

 

 

 

 

まともに入ったせいで起き上がるが鎧も何もないせいで結構痛い。

 

顰めつつも、

まだ戦えるためナルトに走ろうとするが——————————

 

 

「そこまで!勝者はナルトだ!」

 

 

…そういえば、これは二人だけの組み手ではなく、授業の一環としての忍組手だった。

 

 

熱くなり過ぎて、忘れていたが。

 

 

 

思い出してくると、痛みが鮮明になり始めて座り込んだ。

ナルトが近寄り、和解の印を差し出してきた。

 

 

 

「立てるか?今回はオレの勝ちだ」

 

 

 

「立てるわ!あークソ!今度は俺が勝つからな!」

 

 

 

膝に手をついて立ち上がり、和解の印を強引にするとガハハッと笑われたが蹴り上げは効いていたらしくイタタタとすぐに体を丸めた。

 

よく見れば組み手の間に怪我をしていたらしくナルトの顔や手足には血が滲んだり青アザが既にできていた。

もちろん、自分の体のあちこちにもできていたがかすり傷程度だった。

 

ナルトと違って寝る頃には瘡蓋ができるだろうが忍術を使っていればこんな程度に終わらず地面を、辺りを削っていただろう。

 

 

「あー、ナルトとサスケみたいにやるのは難しいかもしれんが二人のように真剣に取り組んで」

 

 

 

そう、これは授業中だったのだ。

しかし、二人で熱中していたせいで終業のチャイムが鳴ってしまった。担任の先生の言葉の途中で。

 

 

あちゃーとナルトは頭をかいて困ったように笑うが、この程度で終わった方が珍しいと腕を組んでフンと息をついた。

 

 

俺は悪くない。

 

 

 

むしろ俺とナルトに最初に選んだ担任の落ち度だ。

見本になると思ったか?残念だが忍以下のヤツが見ても見本にはならんぞ。

 

元火影とそのライバルの手合わせでは忍術無しの縛りプレイでも高度過ぎるからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ以降、組み手の授業では他の人からするようになったが俺とナルトは実力のあまり、他の子供では相手にならないせいで組むことすら憚れ逆にナルトとしか組めずに卒業を迎えることになるのはまだ知らない。

 

 

 

 

 

—————————————————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりなー、子供の身体じゃ筋肉が足りて無いんだぞ」

 

 

「いや、やはりリーチも違うからな。

 

 

最初の頃と比べると慣れてはきたが成長過程ですぐ変わるから日頃から組み手はしておいた方がいいな」

 

 

 

互いに今回の組み手の改善点を出し合っていく中、論点がズレてやっぱり大人の身体がいいという話になってきた。

 

ナルトはハッと思いついたように相槌を打った。ロクなこと思いついてねーよな?

 

 

「名付けて、大人変化里歩きの術だ!」

 

「ネーミングセンスの欠片もねーな!普通に大人に変化するだけでいいじゃねーか!」

 

 

アホかよ、とツッコミを終えるとため息をついた。

 

 

ボフン、と近くで変化の術をしたらしく煙に包まれたナルト。

 

晴れた先には懐かしい、柱間(ナルト)の姿だった。

 

 

 

「これでどうだ?」

 

 

「結局大人じゃなくて前世の姿かよ!」

 

 

 

ニカッと笑われたが大人の姿というよりもかつての姿でがっくりした。

まあ、一番想像しやすい姿ではある。

 

確かに忍界大戦のひと時の間に見たこの身体の青年期の姿よりも見慣れた姿のほうがしやすいだろう。

 

ほらほらお前も、と誘われ仕方なしにうちはマダラ本来の姿になった。

あの時代の、うちは一族の正装。

普段着としても使っていることが多かったソレ。

 

 

黒地に長い髪の下に隠れた家紋。

 

 

ナルトの方は袴に羽織と千手の若年寄なども多く着こなしていたそれを着ていた。アカデミーのカバンを肩からかけているせいで違和感が凄いが。

 

 

一先ず、慣れた姿なせいか歩くことには違和感がなく普通に自宅に荷物を置きに帰った。

 

母さんは今日は少し遅く、父さんはいつも通り遅いのだろう。

 

 

 

そう、慣れた感覚のせいで違和感なんて無い。

 

 

 

 

 

普通に歩いてしまったのだ…

 

 

 

 

 

「おお、サスケ(マダラ)これから甘いものでも食べに行かんか?」

 

 

「フン、ナルト(柱間)お前は夕飯は入るのか?」

 

 

ガハハハと笑うせいで余計に目立つナルト。

 

そう、途中で気がつくべきだったのだ。

 

 

方や忍の神と謳われた初代火影という皆の憧れ。

 

 

 

もう方や災厄と謳われた九尾を操った抜け忍の里の裏切り者という里の逆賊。

 

 

 

ナルトがいつも奇異の目で見られているせいで、それと付き合うために普段から人の目を気にしない。

 

 

そう、簡単に言うと里が一時的に混乱に陥った。

 

完成度高いというか元々の名前がそのままなせいで呼ばれても反応してしまう。

 

 

 

感知系ではない人は分からない。

しかもその時代に生きていた人も年老いていて、ボケて蘇った!とばかりに騒ぐ。

 

当然若い部類も当人たちを知らないから余計に。

 

 

感知系はなんとなく変化と分かるが術の精度が二人とも高すぎて何とも言えないのだ。違和感のなさに。

 

 

 

普通に違和感なく接してしまうので、いつものようにナルトを水晶から覗いた三代目火影こと猿飛ヒルゼンは度肝を抜かした。

 

 

 

「え、え?どういうことじゃ…?」

 

 

 

気配に聡いサスケはちらりと見られていることに気付いて振り返ったが敵意がないと知るや否、ナルトの歩調に合わせた。

 

 

 

普段は厭われるナルトだがこの姿だと何もなく、道すがらで前を見ていなかった少年がサスケにぶつかり倒れてしまったが起こしてあげると悪人ヅラはやはり怖かったらしく、泣いてしまった。

 

それをナルトは慰めた。

 

「男の子なのだ、泣いていては女子にか弱く見られてしまうぞ?

 

かっこよくありたいのならば堂々として、ぶつかったことを謝ると良いぞ」

 

 

「あ、おじさん…ぶつかってごめんなさい…」

 

 

「いや、前を見ていなかった俺も悪い。

 

 

すまなかったな。謝れて偉いぞ」

 

 

フッと口元が緩んで頭を撫でた。

イズナや他の弟にもこうしていたなと懐かしく思いながら立ち上がった。

 

 

「悪人ヅラでもいい奴はいるんぞ。怖がっていてはダメだぞ」

 

「はーい!おじさんたちありがとう!」

 

 

ナルトは貶しているのかよく分からないことを口に出していた、なんだろこの差。

 

 

 

ナルトは物腰柔らかいせいか子供に好かれることが多かった気がする。

 

 

 

 

 

次の日から初代とマダラが出没すると里では噂が飛び交い、下手にかつての姿になるもんではないと学んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また変化して歩きたいんだぞ」

 

「誰がするか!」

 






〜その日のうちは一家〜


「ただいま」
「お邪魔します!」

「!?」
「!⁉︎」
「!!!??!」

「ど、どちら様?」「え、え?」

「何故写輪眼?」
「どこか変かのー?」

「サ、サスケとナルト君…か?」

「「どこからどう見てもそうだろ?」」
「「「初代様とマダラ様かと」」」

「「え?」」

そこでようやく変化したままだと気付いて術を解く。

「忘れていたのー」
「すっかりな」

のほほんとしているが術の精度が高過ぎて写輪眼をもってしてようやく分かった。流石は俺の子となるフガクとミコト。成長しているなと感心したイタチ。次の日から広まった噂に流石2人、と嬉しい模様。親バカの図が完成。
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