…理由は分かるな?
では、本編へ
木々がうねり、こちらに向かって突き刺さっていくのを、跳び退いて避けながら瞳を一度閉じて見開いた。
チャクラを目に込め、直巴の万華鏡を目に写して青い上半身の骸骨を作り出した。未完成の須佐能乎だが、チャクラの消費や肉体へのダメージを軽減するには仕方ない。
ナルトも樹海を作れないわけではないがそれもまたチャクラの消費が激しい上に封印が邪魔をしてせっかく練ったチャクラが霧散してしまう。さしずめ、樹木降誕といったところか。
あー、狡いとばかりにナルトは木の上でパンっと両手を合わせると緑の隈取りを作りさあこれでどうだとばかりに攻め立ててくる。この未完成の須佐能乎でも普通の術は通さないのだが、仙人モードになった木遁は強く外殻にヒビが入った。
最初は基本的な性質変化の術だったのに気付けばとっておきの普通の忍では扱えきれない術を使っていた。そろそろ切りやめないと白熱し過ぎてこの演習場は使えなくなってしまう。
自ら須佐能乎を解いてふぅ、と息を吐いた。
「ここまでにしておこうナルト。
そろそろ土遁で地面を均しておかんと騒ぎになる」
「いいところではあるが、それは妥当だしな」
仕方ないと肩を落とし眉尻を下げ頷かれ、木遁を解除して木を無くすと手早く互いに印を組んで地均しをしていく。そして最後にナルトが草を生やして終わりだ。
本気になると山は崩れて地を割いて谷を作りかねない。
「ところで、そろそろ出てこないか」
「うむ、その程度の隠行では察知できんわけではないぞ」
途中からじっとこちらを見てくる気配があった。驚きのあまり、一度気配が滲んだというべきなのだろうが慌てて隠れても違和感しかないし視線を感じていた。
俺は元来の神経質による違和感、ナルトは膨大なチャクラと仙術による気配探知。
感知タイプでは無いがそちらもできないわけではない戦闘タイプではある。
しばらくすると森の陰から1人の男が出てきた。
「誰かうちはの演習場で戦っているとは思って邪魔してはいけないから見ていたんだが、まさかイタチの弟だなんてな。それに気付かれてたとは…」
あーオレこれでも強い方なんだが、と肩を竦めて男は困ったように笑った。男といったがまだ少年といった方が正しいだろう。
声変わりしている途中なのか中性的な声が裏返っていたりしているが成長期特有のものだと分かる。オレはあんまり変わらないんだろうが。
目の前の男は一度見たことがある気はする。
うーん、と首を傾げたが分からない。
ハッとして、相槌をうって呟いた。
「そうか、カガミの小僧に似てるのか」
うちはには珍しいうねった癖っ毛。大抵はツンツンかサラサラに別れるのだ。
それに真面目でありながら人懐っこそうな顔立ち。そっくりだ。
「サスケはオレの爺さんの知っているのか?」
あっ、やらかした。肘でナルトにせっつかれて顔が引きつった。
「俺らの正体がバレたらどうするんぞ!
俺は先祖帰りだってじいちゃんには言っておるのだぞ」
「それ無理がありすぎだろ。
たしかにうずまきは千手の遠縁だが。万華鏡は説明できねーよ!」
木遁が使えるのは現に使えていると説明しているようだ。
写輪眼を開眼している者はある程度実力があるのも分かるが、いくらなんでも開眼が早すぎるのだ。
まあ、イタチという例外を除いてだが。俺でも12ぐらいだったし。
「マダラよ、流石に無理すぎるのでは「だからってそっちで呼んだらややこしいだろ柱間ァ!って、あ……」
や、やらかしたァァァアアアアア!!
「マダラに、柱間?…まさか、」
、、完全にやってしまった…
助け船を出してもらおうにもナルトは謀には向かない実直な性格。補佐役がいなけば政治には向かない。
リーダーや交渉役には向いているが後ろめたいことを取り仕切る卑劣がいなければならない。
うちは一族はエリート一族と謳われるほど、情を消して任務に従事する頭の回転が速い者が多い。そのせいで暗いことを考え出すと止まらなくなるが。
「カガミの孫。説明してやるからここを離れるぞ。
これ以上人が増えたらややこしい。」
ピースを与えてしまった。
散りばめられたヒントから探られるのは面倒だ。いっそのことこちらの計画に巻き込んだほうがいい。
本来ならばもっと遠くに受信機を置いてもできるものだが、4つ置いて簡易的な四赤陽陣もどきを作り上げた。大体の底辺の一辺が1キロ未満程度のを柱間の木遁分身で運び、チャクラ供給源にさせてもらう。
人柱力の時なら六赤陽陣も作れるが、今はチャクラも心許ない上に輪廻眼を長時間するのは疲弊と眼の負担がかかり過ぎる。
「さてとどこから話そうか…」
「サスケ、まずは疑問から答える方が一番早いんぞ」
戸惑いを隠せないカガミの孫ことシスイ。
まさか、こんな子供が高度な忍術を扱って頭が混乱しているようだった。
「じゃあ、お前たちは何者なんだ?」
「うちはサスケだ。と言っても、説得力が無いな。かつては、終末の谷で相争った男の記憶を持っている。といえばいいか」
「まあ、第4次忍界大戦の記憶があるがの」
ナルト、その補足は正しいがややこしくなる。
「つまり…、初代様とマダラ様の記憶を持っている、と?第四次忍界大戦…はいつか起きるのか。」
一つ一つ情報を吟味しているようで、質問を真剣にしている。戯言とすれば信じるに値しない話だが、一先ずは嘘は言わずに真実のみを伝えた方がいいようだ。
「そうだ、俺が死んだ後とはいえ後ろで糸を操っていた。まさか大戦が起こるとは予想していなかったがな。俺や柱間は穢土転生という術で蘇った。敵対していたが。」
マダラという証拠は見せた方が早い。
写輪眼から万華鏡を開き直巴模様を浮かべた。
ナルトは軽く木を生やして 木遁使いであると軽く見せた。
若くして写輪眼ならあり得なくもないが写輪眼の上位である万華鏡ならばあり得なさ過ぎて信憑性は高い。更に木遁など、近代では柱間しか持ち得なかった血継限界。
ふむ、と顎を触って逡巡した後に頷きシスイは顔を上げた。
「穢土転生というのは二代目様が考案したと聞いたことはある。サスケ、そのお前が穢土転生されるまでの経緯を説明してくれ。どう暗躍していたのか」
「長い話になる。俺は…」
「終末の谷で柱間に敗れ、目に仕込んだイザナギによって死を免れ、墓から抜け出した。」
当時は主に土葬が主流。燃やすことなどあまりなかった。血継限界のうちは一族でも随一と言われ、うちはを調べ尽くそうとした扉間が特に俺を調べない訳が無いと踏んでの一か八かの賭けだったがその賭けに勝った。
「あの闘いは雌雄を決する為でもあり、柱間の血肉の手に入れるためでもあった。
あの碑文に書かれた輪廻眼を開眼するには必要なことだった。裏から多方面での情報を集めていたがやがて俺は年老いた時、輪廻眼を開眼した。老いた俺には無限月読を行うための尾獣を集めるなど到底敵うわけがない。」
ドン引きするな柱間。確かにお前の身体、食い千切ったけども。アレはそういうことだったのかと今更ながら納得するな。シスイは俺たちの反応を観察しているようだが、気にせず話を進める。
「ある男を利用し、尾獣を集めさせていつか蘇えさせるようにして眠りについた。俺はチャクラ体である意思をゼツという生命エネルギー体に憑依させ、黒ゼツを作った。
俺の意思と思っていた黒ゼツに見張らせてな。
全てはうちはの碑文に書かれた無限月読のために。
千手の力を得た時、輪廻眼は開かれる。
輪廻眼と尾獣を集めれば世界を一つにする、争いもない世へ誘う無限月読が行える。
万華鏡写輪眼ではそのように碑文が読める。
夢であれば因果も争いもない世界になると信じてな。」
ピクリと碑文の一文を言った時にシスイは眉を顰めた。どうやら碑文のことに心当たりがあるようで眼の色を変えた。
「そしてその利用していた男は、穢土転生を操る者と協力して俺を蘇らせた。
その男と俺は協力というよりも互いに無限月読という目的のために利用し合って輪廻眼を持ってしてその男を黒ゼツによって操り、輪廻天生を行わせて蘇った」
輪廻眼は破壊と創造を司る瞳。おとぎ話であるが有名な話だ。
六道仙人は輪廻眼を持ってして尾獣を創りだしたのだと。
「輪廻眼を両目に携えていたが2人の青年に破れた。
輪廻眼の開眼は画策されたある女を復活させるためだったのだと、その時初めて知った」
「どうやらうちはの祖は黒ゼツに利用され、俺たちもうちはの碑文を書き換えられて踊らされていた」
本来とは違った意味になっているのだと黒ゼツは語っていた。
それを伝えるとシスイは動揺していた。どこか非現実的なことに信憑性のあるものが混ぜられると疑心暗鬼に陥ってしまう。まあ、俺主観ではあるが実話だ。
「俺はその女に身体を乗っ取られた。
黒ゼツは俺の意思ではなく、その女の意思。
無限月読の本来の目的はチャクラを神樹に、その女に還元するものだった…」
理想の世界になどさせなかった。そして、俺を倒した二人の青年によってその女は封印されて俺は女に根刮ぎ力を奪われたせいで死んだのだと語った。簡単にまとめたらこういうことを語った。
「俺は、争いのない世界という“結果”だけを求めた。誰かと手を取り合うことを行わずにな。
先の九尾事件も俺が死んだ後のことではあるが…俺が示唆したようなものだ。全てはこのうちはマダラによって作り出された犠牲だ。
過去の清算こそ、俺が行うべき役目」
こと木ノ葉でのうちはの原罪こそ、オレが齎したもの。
里と離別をしたからこその蟠りは残り、禍根となる。
「お前も分かっているだろう、うちはと里。
本来ならば里の一つとして考えるべきものを別け隔ていることを。
このままでは」
「(マダラは…サスケは嘘は語っていない。この歳で語るには詳しすぎるし、何よりそんな表情で語るには年齢が幼すぎる。怒りを抑えた目で、自嘲するような目で語るには噛み合わない。第一、普段からのサスケは兄や親を慕っているように見える。演技と言ってしまえば一蹴できるが、サスケの語りにナルトの反応も噛み合っていた。俺が読める碑文もほぼ同じだ。作り話には思えない)
里、一族の間で血が流れるかもしれない…か。
俺は、それを危惧しているんだ。
このままではクーデターが起こり得る。
幼いお前を巻き込みたくはなかったんだが、その眼は大人達に知られては利用されかねない。
利用されるとは思えないが、万が一のことも考えるとな。
すまない…例え前世があのうちはマダラだとしても年下に頼むべきではないかもしれない…!
頼む、力を貸してくれ!イタチと俺だけで動くつもりだが、クーデターを防ぎたいんだ。
この里を、うちはの名を守らせてくれ!」
一族の中でも密かに伝えられる万華鏡写輪眼。
それを知っていてなお、頭を下げてまで頼み込んで一族と里のために動こうとしている。
フッと口から息が漏れた。
怪訝そうにシスイは顔を上げ、ナルトもこちらを伺った。
「構わんさ。一族だけでなく、里を愛することをかつて柱間は俺に望んでいた。
俺にはその時、できなかったが…シスイは一族の垣根を超えて愛することができる。
初めから協力するつもりだ。
俺はこれでも一族の長だったからな、一族の言葉に耳を傾けんわけではない。
それに言っただろう、これはオレの罪だ。清算するには少ないが、手を尽くす」
死ぬまで俺ができそうになかったことをいとも簡単にしている。
きっと、シスイは一族のためだけでなく里のためなら命でも投げ出すだろう。イズナは俺や一族のためなら何でも差し出すような子だった。うちは一族は愛する何かのためならなんだってする。
イズナは俺に目を託して一族を俺に守らせようとした。そんな危うさをシスイには感じる。
俺が———————
「サスケもシスイとやらも二人して独走はよすんだぞ。
うちはだけの問題ではない、元はといえば扉間にうちはを隔離するなと言い聞かせれんかった俺も悪いんだ。
なんなら、俺も手伝わせて欲しいんだぞ!」
そうだ、俺は一人ではない。
ナルトの言葉にハッとした。一族は結束も高いが個人の技量が高いがあまり、自分だけでできると考えて孤軍奮闘することが多い。
千手は質より量。手と手を取り合うがために自分にできる限られたことを行い、できないなら他者から協力を仰ぐ。
着眼点が違うからこそ、俺たちから見えないことを見れるものがある。
「お前には敵わんな…ナルト」
困ったように笑って見つめると、そうか?と首を傾げていた。シスイは、そういう考えもあるかと呟いて、恐らく着眼点に関して俺と同じように考えているのだと察した。
一族では似通った考え方が多いのかもしれない。
「ところで、シスイは…
どう止めるつもりだ?」
若干言いにくそうにしているのはここにナルトがいるからだろうか。
「安心しろ。こいつはアホそうだが、口は堅い。一応は元火影だ」
またの名をポンコツともいう。
ちょっと…いやちゃんと頭も回るが、バカはバカでも底抜けのバカだから口は滑らない。俺の名前は滑ったが。
俺の場合は100年弱ほど柱間と呼んでいた。
柱間も約半世紀は俺のことをマダラと呼んでいたんだ、多少は仕方ないとは思う。
シスイは躊躇いがちではあったが意を決して口を開いた。
「俺の万華鏡写輪眼の固有瞳術、
思考誘導に分類される幻術や催眠術。写輪眼自体の能力は術の見切りだが、その過程において相手のチャクラを見切りそれを乱すことにより幻術や催眠術を使用できる。
写輪眼による幻術や催眠術は完全に目を合わす個対個向き。恐らく多くのものに術に嵌めるのは向かない。それも万華鏡ならば尚更、失明のリスクがある。
「あまり奥の手を話すな。
確かにお前にとっては最終手段かもしれんが…
特に万華鏡において、その眼を用いれば使えない道理はない。
イズナに託されて捨てた、殆ど見えないに等しくなった俺の瞳ですら己が手にしようとする者もいた。
眼に関しては可能な限り秘匿しろ」
「ああ、分かってるさ。
…託された?奪ったのではなく…?」
しっかり頷きながらも何か変だったのだろうか?託されたと言ったことに疑問を持っているようだった。
「“オレの眼が兄さんの眼になる。この眼を託すから…この眼で一族を、頼んだ”……そう、言われた…。
……扉間の刀傷が元でイズナは死んだ。この遺言でなければ、俺は決して弟の遺体に手など出さん。」
弟の死体を辱めるなど、死んでも嫌だ。尤も、遺言に従った俺も俺だが。どのような手をしてでも力を欲した俺だが、元を辿れば弟を守るために力を手に入れたかったのだ。遠く古い記憶、最後の弟までも守れなかった。静かに眼を瞑り、追憶する。
「マダラは弟想いの優しい男なんぞ!顔が厳ついが…」
ナルト、お前は一言余計だ。
「…つまり、死した後に託されたんだな。伝承の方は歪められていたか。
里抜けした男として繋がらないからこそ、力を求めた恐ろしい男と扱いたかったのか…それとも持ち得た力を妬んでそう噂を流したのか…
(弟想い、か。うちはには弟想いが多いな。納得できるが。 贖罪に関しては嘘ではなさそうだな、信頼はできそうだ)
どちらにしろ、真実は奇なりということか」
独り言のように呟くと、シスイは覚悟を決めたらしく俺と眼を合わせた。うちはは瞳術の使い手。目を合わせることは基本的に憚られる行為だ。相手を油断して幻術に嵌められる可能性があるため、写輪眼を持つもの同士は信頼していない限り合わせることをしない。
リスクを伴おうともこちらを見据えたのだ。こちらからも逸らすわけにはいかない。
「サスケなら、どうする?俺たちは火影様や上層部にかけあっているんだが…」
「そうだな…まず」
伊達に半世紀以上に渡り、忍界を暗躍した訳ではない。外道も外道の手法さえ、思い浮かぶがそれはそれ。
思う存分話し合い、俺は口角を上げてナルトは困ったようにお前らしいと肩を竦めながらも笑い、シスイは納得したように頷いた。
〜過去語り中〜
サスケ「イザナギでー」
ナルト(。・ω・。)フムフム
シスイ(`・ω・´)フム
サスケ「血肉を」
ナルトΣ(゚д゚lll)アレハ ソノタメニクイチギッタノカ..!
シスイ( ゚д゚)マジカ
サスケ「碑文が」
ナルトΣ(-᷅_-᷄๑)ソウカカレテイルノカ
シスイΣ(`・ω・ ´)ナニッ!
〜策謀後〜
サスケ(。-∀-)<お前ら顔騒がしいな
ナルトΣ(・□・;)マジデ
シスイσ(^_^;)オレモカ
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