殺生丸転生in鬼太郎   作:さくい

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短めっす。


鬼太郎との出会い2

 平成の娯楽を求めて人間界に降りてきた俺は早速人間に変化して当てもなく歩いていた。

 

 娯楽は勿論手にいれるけど、その前にコンクリートジャングルな街を散策するのも乙なもんだよね。

 

 という考えの下、あっちにふらふらこっちにふらふら。そして思った以上に、排気ガスやら人の生活臭が酷くて鼻がひん曲がりそうになるのを我慢して別の意味でふらふら。

 戦国時代に比べて格段に妖怪少なくなったし、弱い妖気しかねぇなぁとか思ってた時である。

 

 

 立ち昇る妖気を感じ、更にほんの微かに女の子の悲鳴が聞こえた気がした。

 

 この可憐な声からして美少女だ! 多分! 待ってろよ今行くからなぁ!

 

 そんな不純な動機を胸に、妖怪の姿に戻ってからダッシュで妖気が立ち昇っている場所へ直行。

 

 

 数分を掛けて辿り着いたその場所には古き良き日本の城があった。ただし、人間界に降りてから殆ど感じなかったレベルでの濃い妖気と共に。

 

 これは、あれだ、うん。邪気も感じるし潰しても構わんのだろう?

 

 という独断と偏見でこの城を壊す事を決定。早速鉄砕牙を構えて、城の天守閣に真っ直ぐ突撃。屋根をぶち破った先に鼻毛の生えた顔だけの妖怪が、ビックリした表情で俺を見ていた。

 見てて不快だし邪気を感じるしで、取り敢えず鉄砕牙で切り刻んでから更に階下へ。

 

 一般的な建物に当たる二階ら辺に到着してから改めて周囲を確認すると更に下の方から複数の人間の匂いがした。

 

 この中の一人がさっきの悲鳴の女の子に違いない! と確信して更に鉄砕牙で城を壊しながら進行。

 そして途中で俺を足止めしようとした風の刃を飛ばす変な口をした妖怪を毒華爪で切り裂き、着物を着た女の妖怪を毒華爪の毒を鞭の様に操って真っ二つに。

 

 よっしゃ到着! と気合を入れて地下に広がる空間を見渡すと円を描くように石柱が建てられていて、其々の石柱から人間の匂いがした。

 取り敢えず降り立った場所から一番近い中央の石柱に視線を向ける。

 

 人間の霊力が石柱によって変質させられて妖力に、そしてその妖力が城に供給されているっぽい。この手の物は大抵壊せばどうとでもなるという経験則の元拳を一発。

 

 親方! 石柱の中から女の子が!

 

 そんなどうでもいい事を考えながら落ちてきた女の子をキャッチ。さてこの子をどうしようかと悩んだ所で女の子が言葉を発した。

 

「だ、れ……?」

「……」

 

 ……こんな時なんて言えば良いのかわからない。

 正直に名前を言うのも違う気がするし、正義の味方なんていうのは雰囲気的に言えない。

 だからといって黙ってるのもなぁ……。

 

 取り敢えず何か話そうと口を開いた瞬間に天井が爆発。

 

 咄嗟に飛んで避難したら、急に動いたのが悪かったのか女の子は気を失った。元々弱ってたみたいだし悪いことしたなぁ。

 ……大丈夫だよな? 何かしら後遺症が残ったりしないよな?

 

「髪の毛針! 」

 

 えっ、いきなり髪の毛が飛んで来たんですけど。しかも抱えてる女の子に直撃するコース。

 さてはさっき殺した妖怪達の仲間だなと確信しつつ、妖気を放出して髪の毛と序でに天井が爆発した事で発生した砂煙も散らす。

 

 其処には茶色の髪で片目に覆っているちゃんちゃんこを羽織った小僧とイカしてるお姉さん、壁みたいな妖怪と見るからに一反木綿な妖怪、そしてババアとジジイの計6体の妖怪達が俺を睨んでいた。

 

「その子を離せ」

「離さぬと言ったら? 」

 

 咄嗟に返した俺の言葉が気に食わなかったのか、小僧がちゃんちゃんこを腕に巻いて殴り掛かってきた。態々ちゃんちゃんこを腕に巻いて腕に来るダメージを軽減させようとするのは良いと思うけどさ、だったらグローブとかつけとけっていうね。

 

 殴り掛かってきた腕を掴んで来た方向に投げてお仲間の所へ返却する。

 

「くっ、リモコン下駄! 」

 

 咄嗟に遠距離攻撃をした。うん、それは当然の事なんだけどさ……それがなんで、下駄なのよ!

 下駄蹴り付けられただけじゃ、当たっても痛くも痒くも無いわアホンダラ!

 

 そう思って受けようとしたけど、ふと思った。

 

 下駄を履いてるって事はつまりは裸足。

 

 小僧の足を見てみる。

 

 ……なんか、臭そう。実際にはそこまで臭ってこないけど、汗とかの匂いがやっぱり……ね? それに下駄から妖気ならぬ臭気が漂ってる幻覚が。

 

「笑止」

 

 1秒でも触れたく無いわぁ! その一心で迫り来る下駄に向けてさっきと同じく妖気をぶつけて跳ね返す。

 跳ね返された下駄は、なんとふらふらしながら小僧の下に戻っていった。

 ちゃんと持ち主の所に帰るとか中々優秀な下駄じゃあないか。

 

 それにしてもなんでこの子に拘るのか。

 

 この子とあの小僧が恋愛関係にあるとか? その割にはあの小僧からこの子に向ける感情に情愛は感じられない。

 この子の兄弟とか? な訳ないか。容姿が違えば種族自体違うし。

 この子の友達? あるな。何か巻き込まれてたっぽいし、この子を助ける為に此処に来た感じ?

 

 そうなると小僧から見た俺は、気を失ってる友達を抱える不審者……。

 

 そこまで考えた所で小僧が今度は電気を放出してきた。だが残念、その程度なら寧ろ電気マッサージにしかならんのだ。ふはははは。

 

 

 さて、誤解を解くのも面倒そうだしトンズラしちゃいますか。

 ただ素直に女の子を渡すのは、問答無用で攻撃された手前気に入らない。

 そんなわけで軽く気絶させてからいなくなろう。

 

 

 というわけで何気にずっと持ってた鉄砕牙で風の傷をブチ込む。

 避けるんじゃ鬼太郎! とか、避けて鬼太郎! なんて無意味な言葉を投げかける目玉の小人とイケてる姉ちゃん。

 

 そんな悠長な事言ってる暇はねぇよ! と言わんばかりに速攻で小僧に直撃し、序でに後ろに控えていたお仲間全員を巻き添えにする。

 ごめんね、風の傷って単体攻撃じゃなくて範囲攻撃なのよ。

 でも安心してくれ。かなり威力弱めたから! 気絶する程度の衝撃はあれど実際の傷は切り傷程度だから!

 

「きた、ろ……?」

 

 抱えてた女の子が目を覚ましたらしい。まあ、こんだけ騒がしかったら起きるよね。

 そう思いつつ懐から母上から荷物を包む時用に渡された白の風呂敷を地面に広げて女の子を寝かせる。

 寝起きでぼんやりとした状態の女の子を寝かせるという、そこはかとない背徳感を感じたけどそこはグッと我慢する。

 

 そして女の子達に背を向けて夜空に飛び立った。

 そういやぁ、あの小僧鬼太郎とか呼ばれてたけど、どっかで聞いたことあるような無いような……。

 

 いや待てよ、その前にメッチャ大事なことに気付いた。

 俺、金持ってねぇ!!

 戦国時代の金は持ってるけど、現代で普通に使える訳ないし両替しようにも身元を確かめられたら御仕舞いだ!

 はぁ、マジかよぉ。折角人間界に降りて来たのに、これじゃあ骨折り損のくたびれ儲けじゃん……。

 そこら辺に金落ちてないかなぁ。

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