おっさんが異世界で無双したりしなかったり   作:一条 治

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23. おっさん、暗躍する⑥

 

 とりあえず風邪を引くといけないので、カグヤさんを湯船に入れた。

 俺とカグヤさんが向かい合って座り、その間に俺の膝に座ったシラユキさんとくらげといった図式。只今カグヤさんは、不機嫌そうにほっぺをふくらませてくらげをてしてし叩いているシラユキさんを必死にあやしている。

 前からうすうす感じてはいたが、見た目の美少女然とした佇まいとは裏腹にこの子、残念な子なんじゃ・・?

 

「・・カグヤ、ステータス見てもいい?」

 

 ちょっと気になったので聞いてみた。

 

「ステータスですか?かまいませんよ。では明日にでも神殿に行ってみますか?」

 

「神殿?・・今、見たらダメ?」

 

「ダメというか・・鑑定スキルがないと見れませんよ?鑑定スキル持ちは希少なので、大きな街の神殿くらいにしかいません。このザシールの街は大きいので問題ありませんが」

 

「・・・俺、鑑定スキル持ってる」

 

「えっ?すごい、さすがはご主人様です・・。一般的に鑑定スキルを持つのは1万人に一人と言われているんですよ」

 

(1万人に一人か・・まぁこれは隠さなくても大丈夫か)

 

「・・インベントリって知ってる?」

 

「インベントリ・・どこかで聞いたような・・・あっ、思い出しました!たしか以前に読んだ古い書物にそんな記述がありました。無限の広さを持ち時間さえも停止するマジックバッグのような物だとか・・まぁ御伽噺ですね」

 

「・・・・俺、インベントリ持ってる」

 

「えぇっ!・・さすがはご主人様。呼吸をするがごとく奇跡を起こす・・むしろご主人様こそが神なのでは・・?」

 カグヤさんが何やらブツブツと呟いているがスルーしよう。

 

「そ、それじゃちょっとステータスみせてね?」

 

「ばっちこいです!」

 

 

==========================

 

 名前:カグヤ

 年齢:20

 レベル:8

 種族:エルフ族

 職業:奴隷

 

 HP:76/76

 MP:204/204

 力:6

 スタミナ:8

 素早さ:11

 魔力:20

 

 スキル

 ・火属性魔法 ・水属性魔法 ・風属性魔法 ・地属性魔法

 

==========================

 

 

「・・カグヤって20歳なの?15歳くらいにしか見えないんだけど」

 

「エルフ族は人族と比べて長命な為、見た目の成長も遅いんですよ。なので合法です!」

 

 何が合法なのか、ツッコむのはやめておこう。

 ちょっと俺のステータスと比べてみようか。

 

 

==========================

 

 名前:ジュウジョウ オサム

 年齢:40

 レベル:27

 種族:人族

 職業:無職

(称号:異世界人 ロリ主任←NEW)

 

 HP:3600/3600

 MP:0/0

 力:360

 スタミナ:360

 素早さ:360

 魔力:0

 

 スキル

 ・言語理解 ・鑑定 (・インベントリ )

(・ステータス偽装 )

 

(ギフト

 ・ネットショッピング )

 

==========================

 ※( )内はステータス偽装の為、他人には見えません

 

 

 

 ・・・俺の称号が出世してる。なんでだよ!カグヤさんが仲間になったから?

 でもカグヤさん20歳じゃん!本人も合法だって言ってるじゃん!!・・見た目はアレだけども。

 

 ・・話を戻そう。

 

「カグヤのステータスって平均的にはどうなの?」

 

 俺が見たカグヤさんのステータスを、本人に伝えて聞いてみる。

 

「そうですね・・、HP・力・スタミナの数値は高くありません。ですがエルフ族、その中でもダークエルフはMPや魔力の数値が高いので、総合的にみると一般人よりは上でしょう。ただし、魔物を倒してレベルを上げている冒険者などはまた別になります」

 

(ふむ・・俺のステータスはなんか桁がおかしいと思ったが、レベルを上げまくっている冒険者はこれくらいなのかもしれんな。レベル1時点で俺のステータスが高かったのは、ヤクザ神のサービスだろう。魔法が使えない分、肉体を強化しておくとか言ってたし)

 

「種族がエルフなんだけど、ダークエルフじゃないの?」

 

「ダークエルフという種族はありません。エルフから極稀に肌が黒く魔力の強い子供が生まれるのですが、それを便宜上ダークエルフと呼んでいるのです。またダークエルフは忌み子とも呼ばれ、その強すぎる魔力ゆえに災いの象徴として嫌われています。特に人族至上主義のエマージス神聖国では近づく者すらおりません」

 

「ふーん、綺麗な肌なのにね」

 

「そ、そんなことをおっしゃるのはご主人様くらいでしゅ・・」

 

 あ、かんだ。カグヤさん、耳まで真っ赤ですよ。

 

「どうしてエマージス神聖国は人族至上主義なの?」

 

「エマージス神聖国はエマージス教を基にした宗教国家なのですが、何でも神託があったそうですよ。『この世界は人族のものであり、亜人は人族に仕える存在だ』とかなんとか・・。まぁ、信じているのは信者だけです。時々神託があるのですが、どれもエマージス神聖国に都合のいい内容なので・・」

 

 バカばっかりか。

 ヤクザ神がそんなこと言うとは思えないしな。見た目はともかく常識はありそうだったし。

 

「俺、あんまり常識とか知らないから・・これからも色々教えてもらえると助かる」

 

「わかりました。いつでも何でもお聞きください」

 

 そのあとに「優れた能力を持つにもかかわらず常識に疎いとか・・母性本能をくすぐられますね」とかブツブツ言いながら自分の世界にトリップしていたので、シラユキさんと先に上がりました。カグヤさんものぼせる前に上がってくださいね。

 

 

 風呂から上がり、シラユキさんを隣のベッドに寝かせようとしたらコアラのようにしがみついて離れない。やむを得ず一緒のベッドへ。

 遅れて風呂から上がったカグヤさん。当たり前のようにこちらのベッドに入ってくるので追い出そうとしたところ「わたしだけ仲間外れですか・・?」と悲しそうな顔で言われたので、やむを得ず3人一緒に寝ることに。

 両脇からケモミミ幼女とエルフ美少女に抱きつかれ、身動きがとれなくなった。

 

 すでにふたりは寝息をたてているが俺はなかなか眠れそうにない。

 シラユキさんそれは食べ物ではありません、わたしの二の腕です。

 カグヤさんちょいちょい胸をあててくるのはやめてください。

 

(おれ、眠れるかな・・?)

 

 理性と欲望のせめぎあう中、夜は更けていく・・。

 

 

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