すみません!いつか東方の方も投稿しますので!!(いつとは言ってない)
「…飛鳥さんは逃げてください。早く」
「ちょっと待って!私も一緒に」
「飛鳥、ジンを連れて一旦逃げて」
二人に言われてか、飛鳥は渋々選択をした。
「……っ!ちゃんと戻ってきなさいよ!」
(…行きましたか。春日部さんならともかく、一般人の飛鳥さんに”鎮圧”は無理でしょう)
「…春日部さん。私が引き付けますので、指定武具を確保してください」
「…うん。お願い」
「……GEEEEEYAAAAAaaaaa!!!」
「……っ。【くちばし】では力不足ですか…。…っと、行かせませんよ」
管理官の銃撃がガルドを襲う。契約書類の効果でダメージは入らないが、獣の本能か”銃弾”に反応してか、数秒だけ怯む。
「管理官さん!確保できた……けど」
「…そうですか。……場所を変えます。お先に退避を」
「でも……それじゃあ管理官さんが」
「…構いませんから早く。私よりも指定武具を失う方が、勝率が下がることを理解してください」
「……ごめん、任せる」
「…それで正解です。……まぁ、この程度の相手なら数時間相手にしても問題ないのですが」
「……GEEEEEYAAAAAaaaaa!!!」
「…さっきから煩いですね。生き物ならもう少し会話をしたらどうですか?……取り合えず、埒が明かないですし合流しますか」
【くちばし】に残った弾丸を、全弾撃ち込んでから管理官は出口へと走り出した。
●〇●〇●
「春日部さん!こっちよ!」
「飛鳥。これ、指定武具…」
「無事に確保できたみたいね。ところで、管理官さんは……」
「管理官さんは……」
「…呼びましたか?」
(…まぁ、分かってましたよ。私の”正義”ランクではすぐに追いつけることぐらい)
「あら、お帰りなさい。ところで、ガルドは?」
「…ただいまです。ガルドは……そのうち来ると思いますよ。すみません……こんなに足が遅いとは思いませんでした」
「…管理官が速すぎるのではなくて…?」
「うん…。私でも逃げ切れるか分からないぐらいの速さだったと思うけど」
「…そうですかね?……来たみたいですよ」
「GEEEEEYAAAAAaaaaa!!!」
「来たわね…。”拘束なさい!”」
一喝、鬼種化した木々が一斉にガルドへと枝を伸ばした。
「…便利なギフトですね。春日部さん、止めはお願いします。私は攻撃されないようタイミングをずらしますので」
「任せて」
「……GEEEEEYAAAAAaaaaa!!!」
鬼化した樹を振り払うように絶叫を上げる虎の怪物。だが、その動きも管理官の銃撃に抑えられ、耀の持った白銀の十字剣に貫かれ、終わりを告げた。
「…鎮圧完了。……あっ、お土産に血でも採取しておくべきでした…」
砂となって消えたガルドを見て、少し残念がる管理官であった。
ゲーム終了を告げるように、木々は一斉に霧散した。
「おい、そんなに急ぐ必要ねえだろ」
「大ありです!黒ウサギの聞き間違いでなければ、管理官さんは怪我を負ったはず」
(管理官が怪我を?それはないと思うがな)
風より速く走る二人は瞬く間に管理官たちのもとに駆け付けた。
「管理官さん!お怪我の方は……えっ?」
「…私がどうかしましたか?」
「えっ……、えーっと、管理官さんが怪我をしたと聞いたのですが」
「…先ほど飛鳥や春日部さんにも言いましたが、この程度なら自分で治せますのでお気遣いなく」
R弾を貫通できると思っていなかった管理官は、多少のダメージを受けたが、黒ウサギたちが来る前にHP弾を自分に撃ち込んで回復していた。
「管理官。そろそろ私も耀でいいよ?私だけ苗字なのも、仲間外れみたいで嫌」
「…そうですか。わかりました、耀」
「まぁ、お前が怪我をするとは思ってなかったけどな」
「…一応怪我はしたんですが。まぁ、掠り傷ですけど」
「とにかく!無事に終わって良かったです!」
「それじゃあ、帰りましょ?もうここにいる意味もないしね」
(……博士には、黙っておけばいいでしょう)
ゲームが終わり、”フォレス・ガロ”の解散令が出たのは間もなくの事だった。居住区から避難していた人間は鬼化した木々が消えたのを知り門前に集まっていた。
「そうですか……ガルドはあなた達が」
「はい。人質の件に関しては”階層支配者”にも連絡してあります。”六百六十六の獣”が沽券を理由に元”フォレス・ガロ”のメンバーを襲うこともないでしょう」
ざわざわと衆人に声が広がる。しかし歓声のような物は少ない。人質が殺されたと知った者たちはその場で泣き崩れてされいる。それに”フォレス・ガロ”は近隣で最大手のコミュニティだったのだ。それが無くなることに対する不安もあるのだろう。代表者の男はその原因を恐る恐るジンに切り出す。
「一つ、とても重要なことをお聞きしたい」
「なんですか?お困りなら多少の相談には」
「いえ、その……まさか俺たちは、あなた達のコミュニティ―――――”ノーネーム”の傘下に?」
ジンの表情が強張った。それは感謝の言葉でもなければ、解放された喜びの言葉でもない。これから自分たちが、名も無き”ノーネーム”のコミュニティを背負わされるのかという失意だ。恩人に対する感謝よりも、明日を憂う心から出た言葉だった。
(…なるほど、彼らはこれが狙いでしたか)
「…十六夜。少しいいですか」
「なんだ?」
「…私は疲れたので先に帰らせてもらいます。……やりたいことも分かりましたので」
「そうか。ちゃんと名前を売っておくから安心しろ」
「…わかってます」
久々に動いたから疲れたのか、管理官は十六夜たちを置いて、先にコミュニティへと帰って行った。
その後、十六夜たちは”ルル・リエー”を始めとした、名と旗印を返還すると同時に、ジン=ラッセルの名前を広めていった。
●〇●〇●
本拠に戻った後、十六夜と管理官は紅茶の飲みつつ今回のゲームを振り返っていた。
「…お疲れ様です。目的は達成できましたか?」
「ああ、ちゃんと名前を売ってきたぜ」
「…それは良かった。……ところで気づいてますか?」
「もちろん。…で?いつまでそこで見ているつもりだ?」
「おや、気づかれていたのか」
二人が窓の外を見ると、ガラスの向こうで金髪の少女が浮いていた。
「…どちらがやります?」
「それじゃあ、俺がやろうかな!」
「お二方!紅茶のおかわりを……って、レティシア様!?」
レティシアと呼ばれた少女は黒ウサギの方を見るとにこやかに笑った。
「…黒ウサギ、知り合いですか?」
「YES!元ノーネームのお仲間なのですよ!」
「っち、なんだよ。せっかく遊べると思ったのによ」
「冗談でもやめてください!」
「……」
(【Laetitia】?……いえ、同名の別物ですか。…私の知る”レティシア”は機械人形でしたね)
「黒ウサギ…様はよせ。今の私は他人に所有される身分。”箱庭の貴族”ともあろうものが、モノに敬意を払っていては笑われるぞ」
レティシアは苦笑しながら談話室に入る。美麗な金の髪を特注のリボンで結び、赤いレザージャケットに拘束具を彷彿させるロングスカートを着た彼女は、黒ウサギの先輩と呼ぶには随分と幼く見えた。
「こんな場所からの入室で済まない。ジンには見つからずに黒ウサギと会いたかったんだ」
「そ、そうでしたか。あ、すぐにお茶を入れるので少々お待ちください!」
「それにしても…、かなりの美少女だな。目の保養になるぜ」
「…それは私に対する当てつけですか?…目の保養にされても困りますが」
「おいおい、管理官もそんな冗談言うんだな。安心しろよ、管理官も美人だと思うぜ」
「…そうですか」
「ふふ、なるほど。君が十六夜か。白夜叉の話通り歯に衣着せぬ男だな。しかし鑑賞するなら黒ウサギも負けていないと思うのだが」
「あれは愛玩動物なんだから、鑑賞するより弄ってナンボだろ」
「…否定はしません」
「否定してください!」
紅茶を淹れ終わった黒ウサギが口を尖らせて怒る。
「…それで、どのような用件で来たのですか?」
「要件というほどの物じゃない。新生コミュニティがどの程度の力を持っているのか、それを見に来たんだ。ジンに会いたくないというのは合わせる顔がないからだよ。お前たちの仲間を傷つける結果になってしまったからな」
予想していたが、やはりあの森はガルドだけの力ではなかったようだ。
「…お気になさらず。あの程度、傷に含まれませんから。っとすると、あなたは吸血鬼ですか」
「吸血鬼?なるほど、だから美人設定なのか」
「は?」
「え?」
「…はい?」
「いや、いい。続けてくれ」
十六夜はヒラヒラと手を振って続きを促す。
「実は黒ウサギのノーネームに力を秘めた新人達が入ったと聞いてな。一つ試してみたくなったのだ」
「結果は?」
「生憎、ガルドでは当て馬にもならなかったよ。……こうして足を運んだはいいが、さて。私はお前たちになんと言葉をかければいいのか」
自分でも理解できない胸のうちにまた苦笑する。十六夜は呆れたようにレティシアを笑う。
「違うね。アンタは古巣の仲間が今後、自立した組織としてやっていける姿を見て、安心したかっただけだろ?」
「……ああ。そうかもしれないな」
十六夜の言葉に首肯する。
「その不安、払う方法が一つだけあるぜ」
「何?」
「実に単純な話だ。アンタ本人がその身、その力で試せばいい。—————どうだい、吸血鬼様?」
「ふふ……なるほど。それは思いつかなんだ。実に分かりやすい。下手な策を弄さず、初めからそうしていればよかったなぁ」
「ちょ、ちょっと御二人様?」
「…私を巻き込まないでくださいね?疲れているので」
「わかってるよ。ゲームのルールはどうする?」
「どうせ力試しだ。手間暇かける必要もない。双方がともに一撃ずつ撃ち合い、そして受け合う」
「地に足を付けて立っていたものの勝ち…と。いいね、分かりやすい」
笑みを交わし二人は窓から中庭へ同時に飛び出した。
「へぇ?箱庭の吸血鬼は翼が生えているのか?」
「ああ。翼で飛んでいるわけではないがな。……制空権を支配されるのは不満か?」
「いいや。ルールにはそんなのなかったしな」
「……どっちが勝ってもいいですが、敷地に被害を出さないでください」
「わかってるさ」
そう言い、金と紅と黒のコントラストで彩られたギフトカード取り出した。それを見た黒ウサギは蒼白になって叫ぶ。
「レ、レティシア様!?そのギフトカードは」
「下がれ黒ウサギ。力試しとはいえ、これが決闘であることに変わり無い」
ギフトカードが輝き、封印されていたギフトが顕現する。
「互いにランスを一打投擲する。受け手は止められねば敗北。悪いが先手は譲ってもらうぞ」
「好きにしな」
投擲用に作られたランスを掲げる。
「ふっ―――――!」
レティシアは呼吸を整え、翼を大きく広げる。全身を撓らせた反動で打ち出すと、その衝撃で空気中に視認出来るほど巨大な波紋が広がった。
「ハァア!!!」
怒号と共に放たれた槍は瞬く間に摩擦で熱を帯び、一直線に十六夜に落下していく。流星のごとく大気を揺らして舞い落ちる槍の先端を前に、十六夜は牙を剥いて笑い、
「カッ―――――しゃらくせぇ!」
殴りつけた。
「「—————は……!??」」
素っ頓狂な声を上げるレティシアと黒ウサギ。しかしこれまた比喩では無い。他に表現の仕様も無い。鋭利に研ぎ澄まされ、大気の壁を易々突破する速度で振り落とされた槍は、鋭い先端も巧緻に細工された柄も、たった一撃で拉げてただの鉄塊と化し、凶器となってレティシアに向けられたのだ。
(……貸しですよ)
「【魔法の弾丸】」
管理官が告げると、一秒のタイムラグもなく、蒼と金で装飾された狙撃銃が手元に現れた。
「…撃ち抜け」
引き金を引くと、光線のような弾丸が鉄塊へと向かっていき、撃ち砕いた。
「なに?…管理官か。また面白いものを持ってるじゃねーか!」
「…十六夜。もう少し方向を考えては?あのままではレティシアが潰れていましたよ」
「レティシア様!」
鼻先まで迫った鉄塊を、管理官が撃ち砕いた後、黒ウサギが窓から飛び出てきた。レティシアは驚愕しながら黒ウサギを抱き留め、翼を畳んで落下する。
「く、黒ウサギ!何を!」
レティシアが声を上げる。だが決闘を邪魔されたことに対してあげた声ではない。それだったら、管理官に対して声をあげている。黒ウサギの手に握られていた、レティシアから掠め取ったギフトカードに対する抗議の声だった。
「ギフトネーム”
「っ……!」
さっと目を背けるレティシア。歩み寄った十六夜は白けたような呆れた表情で肩を竦ませた。
「神格がない?…もしかして、御チビの言ってた元・魔王様ってのはレティシアの事だったのか」
「…元・魔王?そんな話聞いてないのですが」
「言ってないからな」
「……」
「……はい。武具は多少残してありますが、自身に宿る恩恵は……」
「なるほど、どうりで歯ごたえがないわけだ。他人に所有されたらギフトまで奪われるのかよ」
「いいえ……魔王がコミュニティから奪ったのは人材であってギフトではありません。そもそも隷属させた相手から合意なしにギフトを奪うことはできないのです」
それはつまり、レティシアが自分からギフトを差し出したという事だ。三人の視線を受けて苦虫を噛み潰したような顔で目を逸らすレティシア。
「レティシア様は鬼種の純潔と、神格の両方を備えていたため”魔王”と自称するほどの力を持ってたはず。今の貴方はかつての十分の一にも満ちません。どうしてこんなことに……」
「……それは」
「…まぁ、話があるなら屋敷で話したらどうです?」
「管理官の言うとおり、とりあえず屋敷に戻ろうぜ」
「……そう、ですね」
中庭から屋敷に戻ろうとする管理官達四人。異変が起きたのはその時だった。顔を上げると同時に遠方から褐色の光が四人に射し込み、レティシアはハッっとして叫ぶ。
「あの光……”ゴーゴンの威光”!? まずい、見つかった!」
焦燥の混じった声でレティシアが叫んだ時には、
褐色の光が視界降り注いでいた。
アブノーマリティの名前は日本語と英語どっちがいいですか?(現在英語)
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日本語がいい
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英語がいい
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何でもいい