【管理官】も異世界から来るそうですよ?   作:ネェリ

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第2話 接触

「あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いて貰うだけで小一時間も費やすとは。学級崩壊とはきっとこのような状態に違いないのデス」

 

(触り心地は悪くないですね)

 

「いいからさっさと進めろ」

 

割と本気の涙を浮かべながらも、黒ウサギは話し始めた。

 

 

 

●○●○●

 

 

 

(なるほど。まとめるとこういうことですか)

 

この世界は”箱庭”と呼ばれる異世界である。箱庭にはギフトゲームという法が存在する。

あらゆる物事はギフトゲームによって決定する。ギフトゲームは”恩恵”……才能を用いて行うゲームである。

ギフトゲームの勝者は主催者が提示した商品を入手できる。

 

(…まぁ、私が居なくてもどうにかなるでしょう。長期間私の存在が確認できない場合には”財団”に引き継ぎをしてもらうよう、話も付けてありますし…。まだ、私の”管理下”にいるので大丈夫ですかね…)

 

「待てよ。まだ俺が質問してないだろ」

 

「…私もしていないのですが、まぁ聞きたいこともないのでいいでしょう」

 

「……どういった質問です?ルールですか?ゲームそのものですか?」

 

「そんなことはどうでもいい。腹の底からどうでもいい。俺が聞きたいことはただ一つだ」

 

「…何でしょう?」

 

「この世界は……面白いか?」

 

「……YES 箱庭の世界は外界より格段に面白いことを保証いたします!」

 

 

(面白い…ですか…。そのような感情はここ数十年、感じたこと、無かったですね……)

 

 

 

●○●○●

 

 

 

「ジン坊ちゃーん! 新しい方を連れて来ましたよー!」

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの御三人様が?」

 

「はいな、こちらの御四人様が……」

 

クルリと振り返り、カチンと固まった。

 

「……あっれー、もう一人いませんでしたっけ?目つきが悪くてかなり口の悪い、俺問題児!って感じの方が…」

 

「あぁ十六夜君のこと?彼なら「ちょっと世界の果てを見てくるぜ!」と言って駆け出して行ったわよ」

 

「何で止めてくれなかったんですか!」

 

「「止めてくれるなよ?」と言われたもの」

 

「どうして教えてくれなかったんですか!」

 

「…教えなければいけなかったのでしょうか?」

 

「教えてください!管理人さんはともかく、お二人はめんどくさかっただけでしょう!?」

 

「「うん」」

 

ガクリとうなだれる黒ウサギ。

 

「ま、まずいよ黒ウサギ。世界の果てには幻獣が」

 

「幻獣?」

 

「ギフトを持った獣のことです。出くわせば最後、人間では太刀打ち出来ません!」

 

「あら残念。それじゃあ彼はゲームオーバー?」

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー?…斬新」

 

「……」

 

(そう簡単に死ぬような人間には見えませんでしたが……。まるで何か月も働いた(Ⅴランク)職員以上のスペックを持っているような…)

 

「…ジン坊ちゃん。すみませんが御三人様の案内をお願いします。黒ウサギは問題児様を連れ戻してまいりますので!」

 

そう告げると、黒ウサギは髪を緋色に染め飛び去って行った。

 

 

 

 

「紹介が遅れてすみません。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢11になったばかりの若輩者ですがよろしくお願いします」

 

「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱えているのと、白衣を着ているのが」

 

「春日部耀」

 

「管理人とお呼びください」

 

「それじゃあ箱庭に入りましょう。まずは軽い昼食でも取りながらお話を聞かせていただけるかしら?」

 

「分かりました。近くにおすすめのカフェがありますので、そちらに案内させていただきます」

 

 

 

 

「いらっしゃいませー。ご注文はどうしますか?」

 

「えーっと紅茶を三つと緑茶を一つ。あと軽食にコレとコレと…」

 

「ティーセット四つにネコマンマですね」

 

「三毛猫の言葉分かるの?」

 

「そりゃ分かりますよ。私は猫族なんですから」

 

「……箱庭ってすごいね。私以外にも三毛猫の言葉がわかる人がいたよ」

 

「ちょ、ちょっと待って。春日部さんも猫と会話できるの?」

 

「うん。生きているならどんな物とでも会話できる」

 

「……」

 

(…あなたのような人材が、我が社にも欲しかったです。……そうすれば、彼らも………生きていられたかもしれませんね)

 

「あ、あらゆる生物と会話できるとは心強いギフトですね。箱庭においてとても貴重な能力ですよ」

 

「そうなんだ」

 

「春日部さんには素敵な力があるのね」

 

「久島さんは」

 

「飛鳥でいいわ。管理人さんもね」

 

「…でしたら私も管理”官”で構いません。私は”普通の人間”ではないですから」

 

「飛鳥は、どんな力を持っているの?」

 

「私?……私の力はひどいものよ。だって…」

 

「おんやぁ?誰かと思えば名無しの権兵衛のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」

 

 

 

品のない声がジン=ラッセルを呼ぶ。そこには2mを超えるピチピチのタキシードで包む変な男が立って居た。

 

 

 

 

 

 

 

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