帰り着いて、あの人がお義母さんに連絡します。
携帯電話で連絡します。
暫くして、
「あぁ、お袋? 俺、秦。」
『どうしたんや』
「お袋にちょっとした報告やねんけどな。」
『ん?』
「実は、な。 また養子をとったんや。」
『またかい。 お前も好きやなぁ。 で、また女の子か?』
「ああ。 四人。」
『は? ・・なんて言うた、今?』
「だから、四人、養女にしたからな。」
『四人も? それも女の子ばっかりかい?』
「まぁ、な。」
『あんた、大丈夫なんか? 鳳翔も居るやろ?』
「ああ。 ま、鳳翔も了解済みやし。」
『まぁ、あんたらが良かったら、ええねんけどな。』
「うん。 それと、もう一つなんやけど。」
『なんや、まだあるんかい?』
「ああ。 まだや。 ・・実は、鳳翔に子ができた。」
『ん? 身籠ったんか?』
「ああ。 今日、病院に行ってきた。 6か月を過ぎてるくらいだと。」
『そうか。 そりゃ、良かったやないか。』
「産まれたら、二人とも、お袋にも抱いてもらうし。」
『ああ、楽しみにって、・・・今、二人って言うたか?』
「ああ。 言うた。 双子らしいで。」
『あんた、家族を何人増やす気や?』
「まぁまぁ、そう言わんと。 ほな、鳳翔と替わるわ。」
そう言って、電話を替わりました。
「お義母さん? 鳳翔です。」
『おお。 おめでとう。 双子か?』
「はい。 そのようで、病院でそう言われました。」
『そうか。 まぁ、元気にしときよ? 無理せんとな?』
「はい。 ありがとうございます。」
『ほな、赤ん坊を抱くことを楽しみに待ってるわ。』
「はい。 元気な赤ちゃんをお見せできるよう、頑張ります。」
『ああ、期待してるわ。 鳳翔や。 良かったな。 それじゃあ、またな。』
「はい、お義母さん。 また。」
そう言って電話を終わります。
続けて、私の母にも連絡します。
「お母さん、私。 鳳翔。」
『鳳翔かい。 どしたの?』
「お母さんに報告があるの。 実は・・・・」
皐月ちゃん達四人の養女の事を話します。
『おやまぁ。 大変やねぇ・・。 秦さんは、それでいいの?』
「うん。 私と同じよ。」
『まあ、それならいいけど・・。』
「ごめんね、お母さん。 それと、もう一つあるの。」
『もう一つ?』
「うん。 あの・・ 赤ちゃんが・・できたの。」
『あら! 赤ちゃんが? おめでとう! ふふふ。 ホントのママになるのね。』
「二人が産まれるのは、まだまだ先よ?」
『そうなの? じゃぁ、妊娠6ヶ月くらい?』
「ええ。」
『あれ? 今、二人っていった?』
「ええ。 言ったわよ。 赤ちゃん、双子なの。」
『まぁ! ふふふ。 私も二人のおばあちゃんになるのね。 お父さんもじぃじね。』
「まぁ、そうなるわね。」
『あ、お父さんと尚子には、私から言っておくわ。』
「うん、よろしくね。」
『それじゃぁね。 秦さんにもよろしくって言っておいて。』
「うん。 じゃ。」
と電話を終わります。
母もお義母さんも喜んでくれたみたいで良かったですね。
ただ、四人も養女にしたのには、呆れられていましたね。
私もあの人も、そのことで、苦笑いです。
◇
今日は食材の買い出しです。
”買い出し”と言っても、普段は商店さんからの宅配にして貰っています。
ネットや電話で注文して、夕方少し前に持ってきてもらいます。
便利ですね。
最初は、宅配なんて、と思っていましたが、聞くところによると、鎮守府の食堂の食材も、纏めて商店さんからの宅配なんだそうです。 それに便乗させてもらいました。
でも、時々、いいモノが入荷した時は、ウチ用に特別に取り置いてくれてたりします。
「今日は、昼網のいいアジが入ったよ!」とか。
漁港に近い呉では、昼網で摂れた魚が並ぶことがあります。
近海物は昼網の魚が良いですね。 脂が載っていて。
今日は、昼網のアジです。
最初の予定を変更して、今晩のメインはアジにしましょうか。
暑い夏ですから、南蛮漬けもいいですが、ちょっと趣を変えて、カレー味のフライにでもしましょうかね。
今日のアジは、大きめです。
頭を落として、内臓を取っても、私の手のサイズよりも大きいですね。
こうなっては、3枚におろしておきましょうか。
その方が食べやすいでしょう。
衣を纏わせる準備までして、揚げるのは直前でいいでしょう。 その方がアツアツですから。
ただ・・ ただ・・ 人数が多いのです。
楠木家で七人ですから。
それも、食べ盛りの中学生が五人も。
商店さんからの宅配にした理由の一つが、食材の量です。
結構な量になりますので、私一人で持てる量ではありません。
買い出しに行くときは、誰か二人のお手伝いをお願いしています。
皆いい子達です。
ふふふ。 出かけた時は、こっそり、甘味を頂いています。
これは、あの人には内緒です。
だから、こども達は、率先して買い出しに行きたがります。
最近は宅配ですから、残念がります。 ふふふ。 仕方がないですね。
たまには、散歩がてらにお買い物もいいかもしれません。 私の運動も兼ねて、です。
さて、もう日暮れです。
そろそろ、あの人も帰ってきますね。
さ、ご飯にしましょうか。
◇
食事を終えて、居間でまったりとします。
後片付けもこども達が手伝ってくれます。
なので、あっという間に終わっちゃいます。
あ、明日の朝ご飯用に、炊飯器をセットしないと。
終わると、ホントに、まったりの時間です。
居間は、当初はフローリングでしたげど、上げ床にして、畳を敷いてもらいました。
なんだかんだ言っても、日本人ですね。
畳の、井草の匂いは、いいですね。
畳の上に、皆寝っ転がります。
「さあ、お前たち、お風呂に入っておいで。」
とあの人が言います。
はあーい、と返事をして、二つに別れて入ります。
今日は、睦ちゃんと皐月ちゃんがペアですね。
朝霜ちゃん、弥生ちゃんと卯月ちゃんが後ですか。
私はあの人にもたれています。
寄り添う、なんて軽すぎますね。
もう、ゴロニャーン状態ですね。 ふふふ。
「あ な た 。」
と言って、身も心も預けます。
あ、こんな態度でいいのでしょうか、と思います。 胎教って言うんですか、赤ちゃんまでゴロニャーンとなるのでしょうか。 ちょっと気になります。
ま、でも、今は、私の旦那様です。
こども達の視線が、ちょっと痛いですけど、もう、慣れましたね。
私たちの愛に、遮るものは、何もありませんから。 へへへ。 恥ずかしいですね。
こども達は、お風呂から上がると、あの人とと私の前に座ってきます。 ブラシを持って。
そうなんです。 湯上りのブラッシングをあの人と私の二人がしています。
何でも、私たちのブラッシングが気持ちいいんだとか。
そこまで気にしたことは無いんですがねぇ。
あの人は、コミュニケーションにはちょうどいい、なんて言っています。
終わると寝室に向かいます。
その後は部屋で何をしてるんでしょうか。
年頃の女の子ですから、おしゃれ話かな。
ま、まさか、グルメ話、とか。
そして、私たち二人もお風呂に入ります。
あの人と一緒に。
いつもあの人は、お腹を擦ります。
その顔は・・ 優しい顔、目をしています。
私も心穏やかになっちゃいます。
擦りながら声を掛けます。
「今日も元気だね。」とか「早く大きくなあれ。」とか。
まだお腹の中で動いている感じはしませんが、雰囲気は分かるみたいです。 親バカでしょうか。
洗い場で、お互いの身体を洗いっこします。
あの人が私の背中を、私があの人の背中を洗います。
ああ・・ 恥ずかしいです。
でも、背中から抱きしめられると、愛されてるんだ、って思います。
私も、抱きしめます。 お互い様です。
そして・・ 口づけは忘れません。
何度だっていいです。 何回でもしちゃいます。
ふふ。 惚れたものの弱み?強み?でしょうか。
こども達の視線もあまり気にならなくなりました。
お風呂では充分に温まります。
身体から湯気が昇るくらい、温まっています。
二人で脱衣所まで戻って、身体を拭きます。
まだまだ、ほかほかしています。
この時期は、湯上りに頂くフルーツ牛乳が美味しいです。
あの人は一気に飲んでしまいますが、私は少しずつです。
ちゃんと味わってますか?って聞きたいくらいです。
お風呂場を出て、居間で涼み、寝室へと入ります。
そこで髪を鋤いてもらいます。
私、結構長い髪ですから、大変だと思います。
三面鏡の前に座ると、あの人が後ろに立って、ゆっくりと髪を鋤いてくれます。
いつの間にか、日課になりました。
髪を鋤きながら「綺麗な髪だ」って言ってくれます。
ふふふ。 嬉しいですね。
髪は女の命、とも言いますから。
鏡を通して目が合います。
分かります。 お互いの顔が赤い事が。
そして・・ 明日の為に、今日の疲れを取る為に、二人してベッドに入ります。
いえ、お腹の子も入れて四人ですか。
あの人の胸に顔を埋めて眠るのが、私のポジションです。
目を閉じる前に、おやすみの口づけをします。
しっかりと、強く、深く口づけます。
充分に堪能した後、目を閉じます。
おやすみなさい、あなた。