話のネタだけ考えて続きを書いていない二次創作集   作:飛翔するシカバネ

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こちらは残念ながら第1話じゃなくて書きたかった話を先に書いたものです。
どうやってここまで来るのかなんて知りません。
割と書けそうではありますけどね。


うえきの法則
最弱からの脱却〜弱虫とは言わせない!!〜


 

何故だ?

 

ロベルトは人間界での住処である家で外を眺めながら戦った植木たちの事を考えていた

 

人間なんて怖がりで弱虫のクズだ。

そのはずだ……なのにアイツらは……

 

「ロベルト、一次選考無事通過おめでとう!流石僕の息子だね」

 

背後の扉が開き、糸目の男が入ってくる。

この男が僕の父さんだ。

生まれた僕が何者かによって人間界に落とされた。

僕に会いに来る為に神候補になり、人間界を壊す手伝いをしてくれた。

 

「いよいよバトルも大詰めだ。もうすぐ僕は神の座を得て……君は空白の才で人間界を消すことが出来るわけだ」

 

そう、僕の願いは人間界を消すこと……

 

「父さん……」

「どうした?ロベルト?」

「僕は本当に人間を消してしまっていいのかな……?」

 

こんなことを話しても意味は無いのに……

それでも僕は何故かそう考えてしまった。

植木くんや佐野くん、鈴子の姿を見て人間はそこまで汚く無いと思ってしまったんだ。

 

「そうか、それを悩んでいたのか。だったらもっと早く父さんに言ってくれれば良かったのに……」

「父さん……!」

「言ってくれれば直ぐに分かったのに………君がもう、使い物にならないってことがね!」

「え?」

 

使い物にならない?

父さんは何を言って?

 

「でも良かった。そんなことじゃないかと思って君の代わりは呼んであるんだ!君よりよっぽど優秀な奴だよ」

「何言ってんの?父さん!?」

「嫌だなぁ。僕はそんなに凄くもないし、優秀でもないよ!」

 

部屋の隅の暗がりから声がした。

見ると変な模様の服を着た白髪の男が立っていた。

今喋るまでなんの気配も無かった。

 

その男は父さんにアノンと呼ばれ、アノンは父さんと呼んだ。

父さんと思っていたその男は姿は父さんでも偽物だったのだ。

そして何者かに落とされたはずだったのに父さんの偽物が僕を人間界に落としたらしい。

らしい、と言ったがもう、確実だ。

これは父さんじゃない。

人間を恨ませる為に落とした。

何故そんなことをしたのか聞いたが答えてくれるはずもなく、アノンが戦いを挑んできた。

 

「面白い!お前の努力とやらを見せてもらおうか!!」

 

 

 

 

「8分か。思ったよりも時間がかかったが……上出来だ」

 

僕はアノンに敗れさり、地に伏していた。

アノンにかすり傷しか与えられずに僕はやられた。

最強の十ツ星神器である【魔王】が通じないなんて……

人間でも……天界人でもないのか!!?

 

「じゃ、悪いけど……いただきます!!」

 

アノンが手を伸ばしてくる。

これをされれば僕はもう何も出来ない。

そう、分かってしまったが体が動かない。

 

すまない……植木くん……

君とまた戦う約束……果たせそうにもない………

 

アノンが僕の首を掴む……その瞬間に夜闇の中から鎌が飛来する。

 

「おっと!」

 

アノンは視覚外からの攻撃にも対応して避ける。

しかし、伸ばしていた手を離した為に僕から距離をとる。

 

僕はこの能力に見覚えが合った。

しかし、彼は植木くんに敗れて能力を失ったはずじゃ……

 

「貸一つだからな、さっさと起きれよ……ロベルト」

 

そこにいたのはアレッシオだった。

 

「あれ?君は誰かな?」

「彼はロベルト十団の1人のアレッシオ君だね。しかし、おかしい?君は植木くんの鉄でやられたはずじゃ?」

「ご生憎さまでピンピンしてるよ。流石に直撃だったら危なかったな。植木が初めて使ったおかげで威力が弱かったのと腹に仕込んでおいた土を鎌に変えて衝撃を分散させたのがでかいかな?後は単純に俺が丈夫だっただけだ」

 

「へぇ〜それでそのアレッシオくんがなんのようかな?」

「なんのようってロベルトに忠誠を誓ったのがロベルト十団だろ。そのロベルトがやれてるのに来ない訳にはいかないだろ」

 

という訳で、と付け足すとアレッシオくんは僕を担ぎ上げる。

 

「ロベルトを連れては行かせないよ」

「アノン……だったか?お前の能力は適当な奴に使えよ。まだ、手駒はいるんだろう?」

 

父さんの偽物は図星なのか黙ってこちらを睨みつける。

 

「大丈夫だよ、父さん。この男はここで倒せばいいだけだしね」

「そう簡単にやられるか!」

 

アレッシオは土をアノンに向かって投げる。

投げた土は空中で鎌へと変わる。

「こんなもの……」

 

アノンが手で弾こうとする……が。

 

「……レベル2」

 

アレッシオが何か呟く。

 

「!?」

 

その瞬間にアノンの指が宙を舞った。

その場にいるアレッシオを除く全員が言葉を失った。

レベル2の能力だと言うことは予測できる。

しかし、それがどんな能力なのか検討もつかない。

ただでさえ能力によって土が鎌になっていたのにそれが消えたのだから。

 

「これで才1つ失った訳だがそれでも俺の才は大量にあるんでね。次は指じゃなくて首が飛ぶぜ」

 

アレッシオとアノンは睨み合う。

緊迫した空気の中丸いボールの様なものが2人の間に入り、破裂する。

すると視界が真っ白に染まる。

 

破裂の刹那、アレッシオは2階から飛び降り、森の中をかけていく。

担がれた僕はアレッシオに問いかける。

 

「なんで逃げる!!」

「流石に今は勝てないからな。頼みの綱である天界人のお前がズタボロの状態じゃ相手にならねえ。悔しいだろうが引くしか無いだろう」

「さっきの煙幕は?」

「仲間の1人に頼んでおいた。逃げる準備が出来次第煙幕を投げ込めってな」

「マーガレットを取り込んでいるなら人間の財産に手を出せねぇ。アノンは強いだろうがさっきの戦いを見るに遠距離攻撃の手段が乏しい。逃げるには今しかない」

 

森を抜けるとジェット機が発射の準備を整え待っていた。

 

「とりあえず飛び立つぞ。後の話は安定してからだ」

 

 

 

 

 


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