脳内選択肢のせいで何回も死にかけるんですけど   作:七不思議

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……七不思議です。

今回は名誉挽回するために頑張って書きました。

故に、誤字、脱字などあったら指摘してください。

それでは本編どうぞ( ・∀・)つ


久し振りにマジ切れだわ byエルシャ

 

あの後は睨み合いが長く続き、余りにも居心地が悪かったので俺が明日部室で話し合いましょう。と言い、帰ることにした。

そして、今は家に黒歌さんと向かって歩いている。夜の道というわけで黒歌さんは何時もより静かだ。怖すぎるぐらい静かなのだ。俺がそんな事を思っていると黒歌さんが口を開く。

 

「……心配したんだよ。突然、転移反応がエル君の部屋に二回も感じて、慌てて行ったらエル君がいなくなってて」

 

何も言えない。こんなに黒歌さんを悲しませてしまっている。

 

「捜して見つけてみれば、『銀髪の殲滅女王』がいて、本気で心配したんだよ」

 

声が震えている。目に涙が見える。俺は何をやっているのか。

 

「ごめん」

 

それしか言えない。なんて情けないんだろう。本気で心配して捜してくれたのに。俺のために涙を流てくれたのに。

そこからは一切言葉を交わさず家に着いた。

家に着くとレイナさんが涙を浮かべ心配してくれていた。ごめんなさいとしか言えなく、そのまま部屋に戻りベットに潜り込む。

 

パチィンと音が鳴った。

 

『何を悩んでいるんだ』

 

ルシフェルが現れ、疑問ではなく悩んでいると確信して言ってくる。

 

「………」

 

無言。何も答えることが出来ないからだ。

 

『取りあえずまずはその状態を直さないとな。結婚してくれ』

 

ルシフェルがそう言うと俺は男に戻った。戻ったのはありがたいがなんでルシフェルがその事を知っているのだ。

 

『ん?ああ、君にプロポーズすると男に戻るって知ってるかって?それは秘密だ』

 

ハハハ、と笑って答える。それにしてもルシフェルは何者なんだ。

 

『君に私の携帯の番号を渡しておこう。なに、近い未来必要になる。何故知ってるかって思っているな。それは私にとっては過去の出来事だからだ』

 

そう言ってもう一度指を鳴らし消える。どういうわけか指を鳴らしたと同時に俺の意識もなくなる。

 

 

◇◇◇

 

朝になり、目が覚める。体が元に戻っている事を確認し、朝食を作るために階段を降りる。すると、いい匂いが漂ってきた。どうやらキッチンから匂ってくる。俺は匂いに釣られるように向かう。

 

「あ!レイナそれは砂糖にゃん!塩はこれ!」

 

「え?そうなんですか!?だいぶ入れてしまいました」

 

キッチンでは黒歌さんとレイナさんが料理を作っていた。俺も手伝わないと。と思い、2人に挨拶をして、エプロンを着ようとする。

 

「黒歌さん、レイナさん、おはよう」

 

「おはよ───にゃ!?駄目にゃん!エル君は料理しちゃ駄目!」

 

「そうです!エルシャ様は料理しちゃ駄目です」

 

「え?なんで?」

 

料理禁止宣言をされる。何故だ、と思っていると黒歌さんがその問いに答えてくれるように言う

 

「昨日、レイナと話し合った結果。先ずは胃袋から掴んでいこうって事になったにゃん」

「そこから段々と規模を広げていってエルシャ様のハートを掴む。というわけです」

 

「でも、俺普通に料理出来るから胃袋は掴めないんじゃ───」

 

『選べ

─1「今後の食事は2人に作ってもらう」

─2「冷たく断わる」』

 

此処で逃げられない選択肢か。食事ということならお菓子は作って良いんだよな。なら、2人に任せてもいいのかな

 

「それじゃあ、これからは2人に頼もうかな」

 

「「やったー」」

 

「けど、食後のデザートは作らせてもらうよ」

 

え?と2人はキョトンとする。そこから、俺は手際良くお菓子作りを開始する。黒歌さんとレイナさんが何か言ってくるが今は気を紛らわせたいのだ。恐らく、俺は2人から逃げているんだ。

2人は諦めたのか再び調理を再開していた。黒歌さんはともかくレイナさんがとても危なっかしく冷や冷やしている。いや、訂正する黒歌さんも危ない。此方を見て包丁を使わないでくれ危ないから。

 

料理が完成し、俺の作るデザートも完成する。テーブルに運び、椅子に座り、いただきます。

 

「「男に戻ってる!?」」

 

随分と遅い反応が来た。流石に俺も気付いていてスルーしているのかと思ったけど。2人共物凄く天然だったりするのか?そこからは沈黙は無く、色々質問され続けた。

 

後さ、なんで味噌汁なのに甘いんだろう

 

◇◇◇

 

「本当にレイナさんもついてくるんですか」

「当たり前です。黒歌さんが行って私が行かないのは負けた気がしますので」

 

レイナさんは部室に一緒に行くと一点張り。意外にも頑固なんだなと思う。しかし、部室に近付くにつれ、顔色が悪くなっていく。大丈夫?と聞くと大丈夫です。と無理に答えている。

 

「むぅ、レイナばっかり構って。私にも構えー!!」

 

「うわぁっ!?黒歌さん突然抱きつかないでください。周りの目が痛いです」

 

今は駒王の敷地内で駒王の生徒がいる。主に男子からの視線が痛い。

 

部室の前に着く。深呼吸をし、扉を開ける。その時、黒歌さんが

 

「あっ、拙いにゃん」

 

と言ったが気にせずに部室に入る。オカ研メンバーとグレイフィアさんが俺達に気付く。グレイフィアさんは俺を見て驚いていたがなんでだろうか?グレモリーさんが全員の顔を見て

 

「さて、揃ったわね」

 

と言うが子猫さんが黒歌さんの方を見て固まる。黒歌は頭を抱えて拙いなと呟いている。

 

「黒歌姉様?なんでエルシャ先輩と一緒にいるに」

 

姉様?黒歌さんが子猫さんのお姉さん!?

 

「私は猫魈の黒歌。悪魔の黒歌じゃないにゃん」

 

冷たく答える。悲しそうな顔をしながら突き放すように。子猫さんはその一言で悲しそうな表情をする。そして、チラッと俺の方を見た。何かを話したいように見える。後で声をかけよう。

レイナさんは兵藤を見て驚いていた。驚くというよりは怯えるといった方が正しいのか?兵藤は兵藤で目線がどこに行っているのかわかる。

 

そんな事を考えている内に部室に魔法陣が現れ、炎が渦巻く。

 

「……フェニックス」

 

木場君がそう呟いた。炎が消えると強面のホストがいた。

 

「やぁ、愛しのリアス」

 

キザったらしくそう言って。

 

 

 

◇◇◇

 

俺は取りあえず大人しくしている。悪魔事情はあまり関係ないからだ。ただ、このライザー・フェニックスっていうのがグレモリーさんの婚約者で、それをグレモリーさんが拒絶しているというのはわかる。

 

「リアス、此処にいる君の下僕と其処にいる奴らを全て焼き払ってでも連れて帰るぞ」

 

俺は黒歌さんとレイナさんの盾になるように2人を後ろに下がらせ偶然出て来た銃を構える。

 

「なんだ?人間の癖に立ち向かおうとしているのか?それにお前の後ろに居るのは堕天使と此方で言う妖怪か?」

 

ライザーはレイナさんと黒歌さんに向かって言う。レイナさんは俺の背中に隠れる。

 

「人間より頑丈な堕天使と妖怪が何隠れているんだ。…だから屑なんだよ」

 

コイツ今なんて言った?黒歌さんとレイナさんが屑だって?

 

「撤回しろ」

 

「人間がなに命令してるんだ。それに撤回してくださいだろ?まあ、撤回する気はないがな」

 

プツンと俺の中の何かが切れた。右手の銃の引き金を引く。そして、爪楊枝が鳥頭の額を貫く。殺っちゃたと内心焦るがすぐさま復活した。

そう言えばフェニックスって不死鳥だったよな。そんな事を考えながら鳥頭を見る。物凄く怒っている。そして、炎が目の前まで迫ってくる

 

「ライザーやめなさい!」

 

グレモリーさんがそう言うが炎は止まらず襲いかかってくる。が、グレイフィアさんが一瞬の内に消し去っていた。

 

「ライザー、私の友人にッ!」

 

「友人?おいおい、リアス。お前は堕天使を友人にしているのか?だとしたら不味いんじゃないか?どう考えても有害だろ」

 

「おい、鳥頭。レイナさんが有害だと?記憶喪失で何も覚えてない彼女が?」

 

「だとしても、悪魔にとっては敵だ。記憶の有無で解決できる問題じゃ……ッ!」

 

「黙れ、鳥風情が───」

 

流石にこれ以上は抑えられない。

 

「───殺すぞ」

 

久し振りにマジ切れだわ。右手の銃の引き金を───

 

「其処までです。これ以上やるのなら私も介入させていただきます」

 

引けなかった。グレイフィアさんが止めに入ったからだ。グレイフィアさんのお陰で少し落ち着くことが出来た。あのまま、だったら歯止めが利かなくなっていただろう。

 

その後、レーティングゲームというので婚約をかけて勝負する事になった。その際に、鳥の眷属が現れた。全員が女性で統一されており、正直引いた。兵藤は泣きながら鳥を睨みつけて殴りにかかっていったが見事に返り討ちにされていた。俺はというと鳥からは因縁を付けられ、俺も参加することになった。グレモリーさんの眷属ではない為、普通は出られないが俺個人として出してくれる様にするらしい。簡単に言えば俺の戦力は俺1人というわけだ。レイナさんと黒歌さんは鳥野郎が出るなとか意味わかんないこといって、出場させてくれなかった。どう考えても不利すぎるだろう。拙いということでグレモリーさんに同盟を───

 

「いいわよ。元々そのつもりだったもの。それよりも、何故アナタの家族に堕天使と子猫の姉がいるのかしら?」

 

「やっぱり、そこ聞きますか?」

 

子猫さんはジト目で俺を凝視してくる。それよりも、黒歌さんが言ってた1人の家族って子猫さんの事だったのか。そう思い、黒歌さんを見るが見事に顔を逸らされた。

 

「最初にレイナさんから───」

 

俺が誤って空に向かって拳を突き上げたら飛んできたレイナさん丁度当たり、家に連れて帰って治療した。という話しだ。恨まれても仕方ない。けどレイナさんからは責任とってくださいねと言われた。勿論、そのつもりだ。記憶を取り戻すまで養ってみせる。

そして、次に黒歌さんの話だが本人はやめてーと言っているがレイナさんが抑えてくれている。

 

「じゃあ、次に黒歌さんとの出会いは───」

 

黒猫を助け、黒歌さんに助けられる話だ。その際、絶対選択肢によって得た知識などはあやふやにして説明した。それにしても、あの時黒歌さんが助けてくれなかったら、相当やばかったんだろうな。昔のことを思い出し、そんな事を思った。

そして、衝撃な事実を俺は知ることとなる。子猫さんが俺を見ながら

 

「……エルシャ先輩。その黒猫はおそらく、黒歌姉様です」

 

「白音それは言っちゃ駄目にゃん!」

 

「え?黒が黒歌さんで、黒歌さんが黒?」

 

え?それじゃあ、黒にしたキスとか抱いて寝たりしたこととか耳を甘噛みしまくったことは黒歌さんにしていたことと同じ事?

そう考えると物凄く顔が真っ赤になっていくのがわかる。ヤバい、俺ってば黒歌さんにキスしたのか!?

 

この後、俺は暫く機能停止した。

 

 

◇◇◇

 

白音がまさかのカミグアウトしたせいでエル君は固まってしまったにゃん。

 

「質問です。アナタは『悪魔』だったのですか?」

 

メイドが威圧しながら聞いてきた。流石は最強の女王なだけある。結構ビビるにゃん。

 

「答えはYESにゃん。けど今は猫魈の黒歌にゃん。それにはぐれ悪魔の『黒歌』は討伐されたんじゃないかにゃん?」

 

負けじと私もメイドに威圧する。そう、あの日、悪魔の黒歌は討伐された。そして、エル君が助けてくれて猫魈の黒歌になった。

 

「一度悪魔に転成したのに。それは、あり得ないわ」

 

「リアス・グレモリー。その、あり得ないことが目の前で起こっているんだにゃん」

 

「あの、戻るってあり得ないことなんですか?」

 

現代の赤龍帝君が質問してくる。

 

「一度、転成してしまったら戻ることは二度と出来ないのよ。イッセー、悪魔から人間に戻るなんて不可能なのよ。それと同じ事よ。けど、この子は……エルシャはそれを可能にした」

 

この事がどの勢力にでも知られればエル君が危ない。私としては危険な目にあって欲しくない為にこの話はしたくなかった。けど、してしまったのなら仕方ない───

 

「この事は口外しないことにゃん。もしも、この事が知れてエル君が狙われる事があったら───」

 

──この命が尽きるまでその勢力を駆逐し続ける。例えそれがこの場にいる者でも。そう言い殺気を出す。唯一涼しい顔をしているのはメイドのみ。やっぱり駄目かにゃん。そう思う。

 

「あ、けど白音にはしないにゃん……何私は口走ってるにゃん!?」

 

拙い、さっきまで冷たくしてたのにいきなり優しくし始めるのは───

 

「く、黒歌姉様。……お話があります」

 

白音。その涙目は卑怯にゃん。断れるはずない。

 

その後、私と白音は2人っきりにさせてもらい、今まで溜めていた思いをぶつけ合う事が出来た。白音は吐き出すように溜まっていた涙を流した。姉として妹に格好悪い姿を見せないように私は涙をこらえた。

 

 

 

◇◇◇

 

意識が戻り、周りを見渡すと誰もいなかった。俺はみんなを捜すために部室から出る。そして、ある扉の前から黒歌さんと子猫さんの声が聞こえてきた。

 

 

決して盗み聞きするつもりはなかったが聞いてしまった。

そうだったのか。黒歌さんにそんな過去があったんだ。互いの気持ちを吐き出したのは良いけど……

すると、黒歌さんがいつの間にか隣にいた。

 

「……エル君、聞いてたの」

 

「ごめん」

 

「別にいいにゃん。これで私もスッキリしたし───」

 

「黒歌さんは頑張ったよ。妹さんを、子猫さんを守るために。だから───」

 

───泣いてもいいんだよ

 

「だ、駄目だよ…える…くん……格好悪い……姿…見られた…くない…から堪え…てたのに」

「格好悪いなんて事ないよ。寧ろ逆だ。格好良すぎる。だから、今は─────」

 

黒歌さんは俺の胸に顔を埋めて涙を流した。今まで溜まっていた悲しみを吐き出すように。俺は泣き止むまで黒歌さんの頭を撫でることにした。

 


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