サンタクロースパイ    作:COLK

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15.もう、孤独ではなかった

そう、霧河は毎年、クリスマスの深夜、夜通しで

 

頑張っているため、その翌日には必ずこのように、

 

いつもの優秀さがまるっきり別人であるかのように、まるで魂が

 

抜けたかのように、疲労と眠気にとてつもなく襲われてしまうのである。

 

 

 

 

 

「ア・・・ア~・・・天使ガ私ヲ迎エニキテイル・・・ヨウナ・・・」

 

「お~い!何馬鹿な事言ってんだ!!お前、まだ25だろが!!!もっと人生楽しみたくねぇのかよ~~~!!!逝くな~~~!!! お前が死んだら俺達は、いや、この会社は

 

どうなるんだ~!!この薄情者~!!!恩知らず野郎~!!!」

 

〝ガクッ〟

 

「お~い~!!!霧河~~~!!!」

 

 

 

 

 

次の瞬間、

 

霧河の両親が目の前に現れた。霧河は、

 

「・・・俺は、死んじまったのか」と思った。そこで、

 

父は謎留に、「立派になったな!!俺は、そんなお前を父として誇りに思うぞ!!!」と言い、母は、「謎留!!頑張ってるわね!!あなたの事を心配してくれる素敵な友達も

 

出来たじゃない!!!」と言った。

 

「父さん・・・!!!母さん・・・!!!」

 

 

霧河は泣いた。

 

 

 

 

 

そして・・・・・・

 

 

 

 

 

〝ガバッ〟

 

 

 

 

 

ここは、談話室のソファーだ。

 

 

 

 

 

(うっ。何だ夢か~)

 

 

 

 

 

夢から覚め、とても寂しい気持ちになった。だがそこで、

 

「父さん、母さん、ありがとう」と夢の中とはいえ、

 

自分の成長ぶりを誉めてくれた両親にお礼を言った。

 

 

 

 

 

そこで、この前、霧河とサンタクロースの話をした女性社員が

 

お茶を持って歩いてきた。

 

 

 

 

 

「あ!霧河君!!気がついた!?」

 

「うん」

 

「良かった~!!霧河君、寝ながら泣いてたから、私、とっても

 

心配しちゃったわよ!!」

 

「え?僕、泣いてたの!?」

 

「うん」

 

「そうか~」

 

「あのね、霧河君、クリスマスは、ハメを外してパ~ッ!と

 

遊びたくなる気持ちも分かるけど、自分の身体や睡眠も大事に」してよね!!」

 

「う、うん。分かったよ」

 

 

 

 

 

(夢の中で母さんが言ってた事は、本当にその通りだった。

 

俺は、あの時からずっと孤独だと思ってたけど、ただの思い込み

 

だった!!俺はもう、とっくに一人なんかじゃなく

 

なってたんだ!!!さっきの同僚もちゃんと声かけてくれたし、

 

この娘も、そして、

 

クリスマスの日、ドジを踏んで姿を見られちゃった子供達も皆、

 

喜んでくれてた!!)

 

 

 

 

 

そこで思わず、また泣いてしまった。

 

 

 

 

 

「ん?霧河君、どうしたの!?また泣いてるじゃない!?」

 

霧河は涙を拭き、

 

「いや、何でもないよ。目にゴミが入っちゃっただけ(笑)。

 

ありがとうね」と言った。

 

「全然全然。良いわよ。どうって事ないわよ。じゃ、私、そろそろ仕事に戻るから!!霧河君も、そのお茶飲んだら、

 

仕事に戻ってね。もし、今日、もう仕事をする余裕がないなら、

 

帰っても良いし」と言って、彼女はその場を去ろうとする。

 

 

 

 

 

だが、霧河はもう一度、彼女を呼んだ。

 

 

 

 

 

「あ、あのさ、もう一つ、お礼を言いたいんだけど・・・」

 

「何?」

 

「僕なんかの事、この部屋まで運んでくれて、心配までしてくれてありがとうね!!!」

 

「え?何言ってんの?仕事の仲間を心配するのは当たり前でしょ?それと、自分の事、〝なんか〟なんて言うの良くないわよ?」

 

「でも、嬉しかったんだ!!」

 

「そう?じゃあ!!」

 

「あの娘、本当に良い娘だな!!!さっき心配してくれたヤツらもそうだけど」

 

 

 

 

 

その後、霧河は、しっかり仕事を頑張った。

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