サンタクロースパイ    作:COLK

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17.〝窓際族〟と呼ばれた店長

次の日は

 

仕事が休みだった。その日、昼から

 

「窓際族」に向かった。

 

 

 

 

 

〝カランコロン〟

 

 

 

 

 

「はい。いらっしゃい」

 

 

 

 

 

店長が声をかけてくる

 

 

 

 

 

「お~!この頃、良く来てくれるね!!

 

ウチが気に入ってくれたようで、俺は、凄く嬉しいよ~!!」

 

「あ~、いや、店長さんが凄く面白いお方で、

 

いつも話していて凄く楽しいんですよ!!」

 

「そうか~!そりゃ良かった~!!」

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

「面白い・・・か。そんな事言ってくれる人は、

 

今までほんの2、3人しかいなかったな・・・」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

霧河は、昨夜考えて、やっと分かった事について店長に話した。

 

 

 

 

 

「あの~、以前、店長さんが教えてくださった〝僕にとっての

 

コーンスープが酒と同じくらい高価だ〟という事の意味が、最近、やっと良くわかりました」

 

「あ~、アレか~。あれからずっと考えてたんだな~」

 

「はい。まぁ。あの、この前、ある女の子が、ボロボロになって

 

使えなくなったマフラーを〝大切な人からもらった大切なモノ

 

だから〟って言って、ずっと大事に持ち続けていたんです」

 

「ほうほう」

 

「それから僕も、最近、亡くなってしまった両親がくれた色んな

 

モノが、全て、自分にとっては凄く大切なモノだったと、今、

 

改めて実感したんです」

 

「なるほどね~。ところで君、聞いてすまないけど、両親が

 

亡くなってるのかい?」

 

「はい。僕が小学6年生だった頃に」

 

「そうか~。そりゃ可哀想に。あともうちょっとってとこで、小学校を卒業するところも、両親に見てもらえなかったんだな・・・」

 

「はい」

 

 

 

 

 

「哀しいな~。両親も、さぞ見たかっただろうよ」

 

「ありがとうございます。いたわってくれて」

 

「いやいや、そんなに大した事じゃねぇって。口で何か言うぐらい、誰にだって出来るだろ」

 

「でも、嬉しいんですよ!!」

 

「そうか。お客さん、とても素直だねぇ~」

 

「ありがとうございます!!」

 

 

そこで霧河は、前から気になっていた事を

 

店長のおじさんに聞いた。

 

 

 

 

 

「ところで店長さん、なぜ、この喫茶店に

 

〝窓際族〟なんて名前をつけたんですか?

 

本来なら、〝窓際族〟って、あまり良い意味で

 

使われる言葉じゃないのに」

 

「・・・・・・」

 

「あ~!すいません!!」

 

「良いよ良いよ。そういう事はもう、昔っから、言われ慣れてっから」

 

「そうですか(汗)」

 

 

 

 

 

「それはだな・・・」

 

 

 

 

 

そして店長は、自らの過去を語り始めた・・・

 

 

1976年4月1日(木)。この日、

 

「天野星高等学校そらのほしこうとうがっこう」の入学式だった。そこには、「窓河実爪まどかわみつめ」という名前の生徒が

 

いた。

 

 

 

 

 

そう、「窓河実爪まどかわみつめ」というのは、店長の本名だ。その日、体育館での式が終わって教室に移動し、教室内を

 

見渡せば、皆、もう既に誰かしら友達が

 

出来ていて盛り上がっていて、窓河には、

 

出来ていなかった。

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