サンタクロースパイ    作:COLK

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18.特別な〝ただの水道水〟

「やっぱりか。俺には、友達なんて、いつも無縁だ・・・何でこうも、どこ行っても誰とも仲良くなれねぇんだよ・・・今日はせっかく晴れて、桜もこんなに綺麗に咲いてるってぇのによ・・・」

 

 

 

 

 

窓河は、とても個性的で、かつ、とても頑固なため、小学校でも

 

中学校でも、いつも、周囲からは、「変なヤツ」、「絡みづらい」、

 

「仲良くなりたくない」などと言われ、

 

あまり良い印象を持たれていなかった。

 

 

 

 

 

そして、苗字が「窓河まどかわ」であり、

 

席替えの時でも、たまたま窓際のところに

 

座る事になる事が多かったため、

 

「窓際族の窓河」などという蔑称をつけられて呼ばれていた・・・

 

 

 

 

 

「チェッ、全然爽やかじゃねぇし、クソつまんねぇ入学式だぜ」

 

 

 

 

 

それから月日は経ち・・・

 

 

 

 

 

1979年3月1日(木)。

 

 

 

 

 

高校も、

 

全く友達が出来ないまま卒業式を迎え・・・

 

 

 

 

 

その卒業式も、全く楽しくなかった。

 

 

 

 

 

「結局、なんもねぇまま終わっちまったな~。ホント、

 

クソつまんねぇ青春時代だったぜ。

 

いや、全く青春なんてなかったよ・・・

 

こんな面白くも何ともなかった高校は、

 

卒業して寂しくも何ともねぇ。むしろ、

 

せいせいしてざまぁって感じだ」

 

 

そう言って、そのまま、窓河は、運送会社

 

「Wind’s Delivery」に就職した。

 

 

 

コンセプトは、その名の通り、

 

「風のように速く」である。

 

 

 

 

 

しかし、窓河は、

 

その会社で働いても、

 

学生時代と同様、なかなか他の人達と上手く打ち解けられず、

 

手際が悪いため、商品を上手く様々な家に届ける事が出来ず、

 

同じ職場の人達だけでなく、

 

お客さんにまでしょっちゅう迷惑をかけて、とにかく、

 

何かとただただ誰かに謝って、頭を下げるばかりの日々だった。

 

 

 

 

 

「すみませんでした!!!」と言い、

 

自分の机の前のイスに、大きなため息をつきながら座る。

 

「はぁ。もう、これで、この会社で頭を下げるの何回目だろ?」

 

 

 

 

 

窓河は要領が悪く、事務作業も遅いため、しょっちゅうの事だが、

 

その日も、遅くまで働いていた。

 

仕事を終えた後、帰ろうとすると、窓河の同期の女性社員が

 

「お疲れ様!!!」と言って、コップに入った水をくれた。

 

 

 

 

 

「あ、ありがとう」

 

〝ぐぐぐぐぐ〟

 

「プハ~ッ!!」

 

 

 

 

 

窓河は、そのコップの中の水を見つめた。

 

 

 

 

 

「アレ?コレ、いつも俺達が飲んでる水道水と変わんねぇよな?」

 

「そうだけど」

 

「今、飲むと、何でこんなに美味いんだろ?」

 

「頑張って働いて疲れた後だからじゃない?」

 

「そうなのかな~?」

 

 

そこで、その同期の女性社員が

 

「窓河君、今日は良かったら、私ン家に寄ってかない?

 

自分で言うのも何だけど、ウチは結構良い家だし、

 

家族も皆、良い人達だから!!!」と言った。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」と窓河が答える。

 

 

 

 

 

彼女に案内してもらい、彼女の家へ向かった。

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