サンタクロースパイ    作:COLK

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20.たった一人の理解者だった

そして、次の日、彼女は会社にはいないが、

 

窓河は、いつも通り働いている。しかし、やっぱり、

 

仕事は冴えない。

 

 

 

 

 

「は~。やっぱ俺、仕事はダメだな~・・・」

 

 

 

 

 

それは、相変わらずだった。しかし、そんな中、昨日、

 

彼女が言っていた言葉を思い出した。「いつでも来てね」と。

 

「いつでも来てね・・・か」

 

 

 

 

 

その日、夜になり、仕事が終わった後、窓河は、そのまま、

 

昨日のお言葉に甘えて、彼女の家へ向かった。

 

 

 

 

 

〝ピーンポーン〟

 

 

 

 

 

「は~い」彼女が出た。

 

「ハァハァハァ」窓河は、息を荒げている。

 

「アレ?窓河君?どうしたの!?」

 

「ごめん!ちょっと、すぐ聞いて欲しい話があって、走って来たんだよ!!突然ごめん!!!」

 

「良いわよ!窓河君、息が切れてるから、

 

とりあえず、中に入って落ち着いて!!」

 

「うん・・・ハァハァハァ・・・」

 

 

 

 

 

「で、何があったの?」

 

「俺、もう、この仕事、辛いんだよ・・・限界なんだよ・・・」

 

「どうして?窓河君、いつも、仕事、一生懸命頑張ってるのに」

 

「いや、頑張るとか頑張らないとかじゃなくて、俺、この仕事、

 

上手くこなせてないし、いつも、

 

君や職場の皆やお客さんには迷惑かけてばかりだし、

 

周りの皆とは上手く打ち解けられねぇし・・・」

 

「そうなの?」

 

「〝そうなの?〟って、そりゃ、見てりゃ分かるでしょ」

 

「あ~、ごめん!私は、そう思った事が全くないから。」

 

 

 

 

 

「そうか・・・でも、俺、昔から、いつも一人で、

 

名前が〝窓河〟で、そんで、席替えの時も、たまたま〝窓際〟に

 

なる事が多かったから、〝窓際族の窓河〟なんて、昔から

 

呼ばれてたんだ。でも、〝窓際族〟なのは、

 

今も変わってないんだけど・・・その上、

 

俺を採用した上司にだって、〝何でお前みたいなヤツを採用したんだろ?〟って言われる始末だし・・・・・・」

 

「そうなんだ」

 

「もう、嫌なんだよ!!この忌々しい蔑称も!!!自分も!!!」

 

 

「そうかしら?私はその呼び名、好きだけどな」

 

「え!?〝窓際族〟だよ!!こんな名前のどこが良いの!?」

 

「いや、そりゃ、確かに、窓河君は、個性的で、色々とモノ好きだし、頑固なところもあるから、〝気難しい〟って感じる人も

 

いるかもしれないけど、だから同時に、しっかり信念もあって、

 

何事も途中で投げ出さないで常に一生懸命だし、そして、

 

何より優しいし。〝理解してくれる人が少ない〟っていうのは、

 

それだけ、窓河君の良さは、たとえるなら、かつての

 

〝ゴッホの絵〟みたいに、誰にでも解るワケじゃないくらい

 

〝魅力が強い〟って事じゃないかしら?」

 

「そう・・・なのかな・・・?」

 

「うん!きっとそうよ!!いや、絶対そうよ!!そうに違いない!!だから、物解りの悪い上司の人達の言う事なんて、

 

気にしなくて良いでしょ!!」

 

 

 

 

 

そう言われて、

 

嬉しさのあまり、窓河は泣きだし・・・

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と叫んだ。

 

たくさん泣いた。

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