サンタクロースパイ    作:COLK

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25.初めて友情の素晴らしさに気づいた霧河

そして、霧河は店を出た。その後、街を歩きながら、

 

考え事をしていた。

 

 

 

 

 

(にしても、あの店の前の名前、何だったんだろう?気になるな。それと、まさか、コーンスープの時のあの言葉も、元々は、

 

あの人が別の人から言われた言葉だったとは。

 

あと、〝あの人が実は頑固で、しかも昔はぶっきらぼうだった〟

 

って事にも驚いた。今でも、喋り方こそ男らしいものの・・・

 

やっぱ、人って、変わるんだな。いや、というより、

 

人が人に変えられるんだ。

 

俺が、俺を育ててくれた親戚、それから、

 

実は意外と仲が良い事に自分でも気づかなかった同じ会社の社員、

 

プレゼントをあげて喜んでくれた子供達、それから、窓河さんも。皆、俺を変えてくれたんだ。大切な存在なんだ)

 

 

 

 

 

そうして歩いていると、偶然、会社の同僚達に会った。

 

 

 

 

 

そう、以前、霧河に居酒屋に誘った事がある男性社員達だった。

 

彼らは、全員で5人だった。

 

 

 

 

 

「ア、アレ?」

 

「ん、ん~?」

 

「霧河じゃねぇか~!!」

 

「お~!!君達こそ、どうしたの!?」

 

「いや、俺達、忘年会しようと思ってたんで、今日は、

 

皆で有休取ったんだ」

 

 

 

 

 

霧河は、あ然とし、固まった。

 

(良く5人も一斉に有休取れたな・・・・・・)と。

 

 

 

 

 

「なぁ霧河、今からゲーセンで遊ばねぇ?」

 

「ゲーセン?また?大人なのに。パチンコじゃなくて?」

 

「いや、童心に返りてぇ事だってあるだろ?」

 

「う、う~ん・・・まぁ、良いけど」

 

「よっしゃ~!!決まり~!!皆~!!霧河が一緒にゲーセンに行ってくれるってよ!!!」

 

すると一同が

 

「イェ~イ!!最高~!!!」と言った。

 

 

 

 

 

「そんなに喜ぶ事かな?(笑)僕一人が一緒に行く事になった

 

ぐらいで」

 

「何言ってんだよ!?お前だから嬉しいんじゃねぇか!!」

 

「そう?」

 

「ああ!!お前は俺達と一緒に遊んでくれる事、少ねぇだろ?特に、ゲーセンやパチンコみてぇなとこは1回も一緒に行った事ねぇし!!!」

 

「そうだけど・・・あの・・・」

 

「というワケで、行っきましょ~う!!!」

 

「しゃ~~~!!!」

 

 

 

 

 

「おい!皆、話、聞けよ!!ったく・・・強引だな~・・・」

 

 

 

 

 

だが、この時、霧河は、少し嬉しそうに笑い、

 

「まぁ、いっか!!!」と言った。

 

 

そして、

 

ゲームセンターで色んなゲームを遊ぶ。

 

 

 

 

 

霧河は、大好きな、「グロリアスライダー」の格闘ゲームばかり

 

プレイしていた。

 

 

 

 

 

〝ガチャガチャガチャガチャ〟

 

 

 

 

 

「お前、ホント、それ、好きだな~」

 

「いや、だって、そりゃ、僕の幼い頃からの憧れのヒーローなんだもん!!仕方ないじゃん!!」

 

 

 

 

 

そこで、同僚達は笑った。

 

 

 

 

 

「ブッ!!アッハッハッ!!」

 

「笑うな~!!何がおかしいっ!?」

 

 

 

 

 

すると・・・・・・

 

 

 

 

 

「いや~、悪りぃ悪りぃ。お前、ゲームが

 

そこまで上手いの意外過ぎてよ」と皆が言う。

 

 

 

 

 

確かに霧河はその時、そのゲームで一番強いはずの敵キャラを

 

ノーダメージで秒殺していた。

 

 

 

 

 

霧河は、少し顔を赤くしながら笑い、

 

「あ・・・ありがと・・・」と言った。

 

 

 

 

 

「しかしよ~、お前、そんなにゲームが上手いんなら、何でいつも俺達と一緒にゲーセン行かねぇんだよ」

 

「ちょっと皆、耳貸して」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

「いや、ここで言うのも、アレなんだけど、僕、騒がしいところやハメを外してどこまでも暴れるような人が多いところ、

 

苦手なんだ」

 

「・・・・・・そうか」

 

 

たっぷり遊んだ後、本日のメインイベントである呑み会を

 

するため、居酒屋へ向かった。

 

 

 

 

 

しかし、

 

向かう最中、悩んでいる中年の夫婦を見かけた。

 

 

 

 

 

「どうしたんだろ?」

 

 

 

 

 

その事に、同僚達は気づいていない。

 

 

 

 

 

「どうした?霧河」

 

「いや、何でもない・・・・・・」

 

 

 

 

 

そして、

 

居酒屋に着き、飲み会が始まった。

 

 

 

 

 

「カンパ~~~イ!!!」

 

 

 

 

 

しかし、

 

霧河は相変わらず、酒は飲まず、飲むのは

 

コーラやメロンソーダやオレンジジュースのような

 

ソフトドリンクばかりである。

 

 

 

 

 

「お前、やっぱ、そこは譲らねぇんだな~」

 

「ん?あ~、コレ?ごめん!!やっぱ、

 

どうしても、酒は、僕の口に合わないから飲めないんだよ」

 

 

 

 

 

やっぱり、本当の事は言いづらいし、もし、言うと、

 

同僚達に気を遣わせて、同時に、

 

かなり空気を重くしてしまうため、

 

「両親が相手の車の飲酒運転による交通事故で死んだ」という

 

トラウマがある事は言えない・・・・・・

 

 

 

 

 

「でも、霧河、今日は安心したよ」

 

「ん?何が?」

 

「いや、お前、俺達の遊びや飲み会の誘いは

 

断る事がめっちゃ多くて、

 

〝ひょっとしたら俺達、お前に嫌われてるんじゃないか?〟って

 

心配してたんだよ。前にお前抜きで呑み会に行った時も、

 

実は、俺達、そんな話、してたんだけど。だけど、

 

ゲーセンにしろ、パチンコにしろ、誘いに乗らない理由が

 

〝俺達が嫌われてるから〟じゃなくて良かったよ。ちゃんとした

 

理由があったんだな!!まぁ、さっき言ってたあの話を聞くと、

 

多分、居酒屋が苦手なのも、同じような理由だろうけど・・・」

 

「ん~・・・まぁ・・・そうだけど・・・」

 

 

 

 

 

「やっぱりな。でも、悪かったな。苦手なのに、何度も

 

付き合わせようとして・・・実際、今日はもう、

 

無理やり連れてきちまったし」

 

「あ~、いや~、僕の方こそ、いつも誘いを断ってばかりで

 

ごめんね!!それに、いつもは断ってるけど、今日は皆と遊んで

 

みて、凄く楽しかったし、今日の事は全部、良い思い出に

 

なったよ!!それに、ゲーセンも居酒屋も、確かに騒がしいけど、皆と一緒に楽しめば、意外と気にならなかったし!!!」

 

「そっか!!なら良かった!!!」

 

「うん!!!」

 

 

「あ~、そういえば・・・」

 

「何?」

 

 

 

 

 

「話、変わるけど、この会社の〝Excitement Story〟って、

 

どういう意味か知ってるか?」

 

「え~っと、〝Excitement〟は〝興奮〟、あるいは、〝感動〟あるいは、〝刺激的な〟とか、たくさん意味があるから・・・

 

〝そういう物語〟って事かな?」

 

「そうだよ。俺達も、これから、俺達自身の人生の中で、

 

〝興奮〟〝感動〟〝刺激〟それら全てがある最高の物語

 

〝Excitement Story〟を

 

創っていこうぜ!!!」

 

 

 

 

 

「何だよそれ!(笑)てか、欲張り過ぎ!!

 

(笑)てか、クサ過ぎ!!そのセリフ!!(笑)」

 

「あ~、そういや、そうだな!!(笑)」

 

 

 

 

 

皆、一斉に笑い・・・・・・

 

 

 

 

 

「アッハッハッハッハッ!!!」

 

 

 

 

 

話しながら、霧河は思った。

 

 

 

 

 

(そうか~。友情って、こんな良いモンだったんだな・・・もし、今もまだ、父さんと母さんがいたら、コイツらに会わせてやりたいし、自慢してやりたい・・・でも、それは、どうやっても、

 

叶わない願いなんだよな・・・)

 

 

 

 

 

霧河は、寂しそうな顔をした。

 

 

 

 

 

「ん?どうした?霧河」

 

「ん~ん~!!何でもない!!!」

 

「そっか」

 

 

 

 

 

(ほ~ら!!また心配してくれた!!本当に良いヤツらだよ!!!コイツらは!!!)

 

 

 

 

 

「よし、じゃあ、いっぱい遊んだし、いっぱい食ったし、いっぱい飲んだし、いっぱい喋ったし、今日は、そろそろ帰りますか!!!」

 

「うん!!!今日はめっちゃ楽しかったな!!!」と一同、

 

声を揃える。

 

 

 

 

 

「じゃあ、解散!!!それでは、良いお年を!!!」

 

「良いお年を!!!」

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