その後、家に帰る最中、霧河は、
また考え事をしていた。
「にしても、俺は、自分でも気づかないうちに、こんな良いモン
手に入れてたなんてな~」と、いつも、どこか影のある霧河が、
いつになく明るく笑っている。
「〝興奮〟〝感動〟〝刺激〟それら全てがある最高の物語か~
俺がクリスマスにいつもやってる事は、
俺からプレゼントをもらった子供達にとって、
そんな〝Excitement Story〟になってるのかな?もし、
本当にそうだったら凄く嬉しいんだけど。
そんな都合の良い事があるかな?(笑)」
帰ろうとする最中、また、さっき見た、悩んでいる中年の夫婦を
見た。
(ア、アレ?また?)
気になるので、二人の跡をつけて、二人が
帰って、その二人の自宅の庭で、座って缶コーヒーを飲みながら
話し合っているところを物陰から覗いて、聞いた。
すると、
二人の話を聞くと、どうやら二人は、
同じ会社で知り合い、結婚し、
同じ会社で働いていたそうだが、半年前に
リストラさせられたという。
それに、
二人とも、特別な才能もなく、色々と冴えないのだそうだ。
そして、二人は現在、
〝中卒〟という低学歴や不景気などのせいもあって再就職も
出来ず、今までに得た財産ももうすぐ尽きてしまうらしい。
「一体、どうすれば?」と泣きながら
言っている。だが、それを見て、霧河は、
「あ、そうだ!」と、閃いた。
霧河にとって、休日という事になっている
元日に、クリスマスが終わって数日経った後だが、クリスマスに
着ているサンタクロースの服を着て、その家に、いつもの
〝ピッキング〟で侵入する事にした。
それから、時間が経ち・・・・・・
2011年1月1日(土)。年が明けたその日の深夜、霧河は、
その家にやって来た。
「う~ん・・・深夜とはいえ、元日だし、
相手は大の大人だ。起きてなきゃ良いけど」
〝ガチャ〟
入ってみると・・・・・・
「おっ!良かった!!大丈夫だな!!」
リビングには誰もおらず、至って静かだった。なので、そこで、
その夫婦が寝ている事が分かった。寝室へ向かい、枕元に、
あるプレゼントを置いた。そして、帰った。今回も、
ちゃんとヘマをせず、相手を起こさず、プレゼントを置き、
その家を出た。
「フ~ッ!!コレで、あの夫婦、幸せになれると良いな!!」と
言って去った。
翌朝、その夫婦の二人が枕元を見てみると、
とても大きな箱があった。
「ん?何だコレ?」
箱を開けてみると、その中には、
「読者の才能を発掘するための本」が3冊、
「社会心理学マニュアル」が4冊
「事業をする起業マニュアル」が5冊、
「接客の心理学マニュアル」が3冊、
計15冊の本、そして、「1000万円のお金が入っているケース」と、
「手のひらサイズほどの招き猫の置き物」と、
「手紙」が入っている。