サンタクロースパイ    作:COLK

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4.少年の正体と、サンタクロースについての疑問

―そして、情景は戻り、霧河の自宅・・・―

 

 

 

 

 

〝ガバッ〟

 

 

 

 

 

「は~、夢か~」そう、今のは夢。

 

「網田謎留あみだなぞる」は霧河の本名であり、

 

「霧河竜令 (きりかわりゅうれい)」というのは、実は、偽名である。

 

 

 

 

 

そして、

 

さっきまで見ていた夢は、霧河自身の実体験なのだ。

 

 

 

 

 

そう、彼は毎年、クリスマスに、スパイのようなやり方で色んな子供達に

 

プレゼントを与えているのだ。

 

 

 

 

 

これは霧河が毎年、冬に

 

調査をして、クリスマスに色んな家でプレゼントを渡す

 

〝サンタクロース〟となるきっかけ、全ての始まりだったのだ。

 

ちなみに偽名は、万が一何かあって、「クリスマスに色んな家に

 

サムターン回しなどの

 

ピッキングで入っている人間がいる」

 

という事が世間に知られた時にそれが自分だと特定されないようにするために使っている。

 

 

 

 

 

もちろん、

 

前日していた「盗み聞き」による調査も、

 

クリスマスの夜に色んな子供達にプレゼントを渡すために行っていた事だ。

 

 

 

 

 

霧河はリビングへ移動した。テレビを観ながら朝食を食べたり、コーヒーを飲む。

 

 

それから数日後、霧河はいつものように仕事へ向かう。今日は、12月6日(月)だ。

 

 

 

 

 

会社でも、「クリスマスプレゼントは〇〇が

 

・・・」などという声が何人もの人から聞こえてきた。

 

 

 

 

 

その中には、霧河と同じように、幼い頃、サンタクロースを信じていた者、

 

子供がいて、その子供にクリスマスプレゼントを渡す者もいる。

 

 

 

 

 

霧河は、(へ~。やっぱり、大人でも、クリスマスが好きな人が多いんだな)と思った。

 

 

 

 

 

ある女性社員が霧河に

 

「霧河君、サンタさんって、本当にいると思う?」と尋ねてきた。

 

 

 

 

 

それに対し霧河は、

 

「あ~、昔は信じてたよ」と答えた。女性社員は、「そっか。私と同じね」と言う。

 

霧河は、

 

「え?」と言った。

 

 

 

 

 

女性社員は、「だって、

 

そもそも、良く考えたら、遠い国から空飛ぶソリで色んな国に行って、たくさんの家の子供達にたった一日でプレゼントを渡すなんて、出来るワケないし、疲れるじゃん(笑)。

 

しかも、おじいさんがよ(笑)」と言った。

 

 

 

 

 

「確かにそうだね(笑)」

 

「でも、あたし、何であの頃は本気で信じてたんだろ?」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

その時、霧河は、自分と彼女が重なった。

 

(そうだよな~・・・俺も昔は本気でいると思ってたんだよな~・・・)と思った。

 

 

 

 

 

彼女は、「でも、毎年、自分が寝てる間に

 

枕元にプレゼントを置いてくれてたのはお母さんだって知った時はショックを受けたわよ。

 

〝サンタさんはいなかったのか〟って。でも、

 

プレゼントをもらえるなら、別にサンタさんがいない事には困らないのに。何でだろうね?(笑)」と言った。

 

 

 

 

 

それを聞いて霧河は、

 

(確かに。言われてみれば、そんな事考えた事なかったな。そういや何で、クリスマスにプレゼントをもらう時は、サンタさんにもらいたいんだろ?別の人からもらっても、欲しいモノは手に入るのに)と思った。

 

 

 

 

 

それは、霧河が今まで抱いた事のない疑問だった。

 

 

 

 

 

やがてその日も夜になり、仕事が終わった。

 

伸びをして、「ん~!疲れた~!今日も仕事が終わったな~!!」と言った。

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