「でも、サンタさんが本当にいたなんて、私、すっごく嬉しい!!」
「え・・・!?」
「だって、この前、友達に〝サンタさんは本当はいないかもしれない〟って言われちゃったから、いるかいないか不安だったから!!だから、今年はお父さんやお母さんに〝プレゼントが欲しい〟って言わなかったの」
霧河は、まさか、そんな事を言ってくれるとは思っていなかった。
(そうだったったのか・・・なんて純粋な娘なんだ!!)
「そういえばお兄さん、さっき言ってたけど、
何で〝サンタクロースパイ〟って言うの?」
「あ~、俺ね、〝スパイ〟みたいなやり方で子供達にプレゼントをあげてるからさ」
「そうなんだ~」
「うん」
「でも〝スパイ〟ってなぁに?」
「〝スパイ〟っていうのは、コッソリ何かのグループや他人の事を調べたり、建物の中とかに忍び込んだりする事だよ。ホントは
あんまり良い事じゃなんだけどね・・・」
「へ~」
「だから、真似しちゃダメだよ!!それに、俺の事は、もちろん、たとえお父さんやお母さんだろうと、他の人達には言っちゃ
ダメだよ!もし、言わないなら、毎年クリスマスに
君にプレゼントをあげに来るから!!」
「は~い!!」
「ありがとう!!ところでさ、実はこの前、君と君の友達の会話を聞いたんだけど、何で犬が好きなら、犬そのものを欲しいって思わないの?」
「あ~、私も、ホントは本物のワンちゃんが
欲しかったんだけど、ペットを飼おうと思ったら、凄くお金が
かかっちゃうし、しつけも大変だから、お父さんとお母さんに
迷惑かけちゃうから」
「・・・・・・!!なんて親思いな娘なんだ!!こんな良い娘、
初めて見る!!」
「ねぇお兄さん、私の欲しいモノが何か聞いたんだよね?」
「うん」
「じゃあ、この箱の中には、ワンちゃんのお人形さんが
入ってるの?」
「それは、明日の朝、確かめてみると良いよ!!お楽しみに!!」
「うん!!分かった!!」
「ところで君、名前なんて言うの?」
「私は、〝空野叶そらのかなえ〟!!」
「そっか!良い名前だね!!」
「ありがと!!お兄さんは!?」
「俺は〝網田謎留〟!!」
霧河はここで、本名を名乗った。
「分かった!!じゃあ、名前、覚えとくね!!」
「ありがとう!!じゃあ、また来年来るね!!」
「うん!!お兄さん、頑張ってね!!」
「うん!!君も頑張ってね!!おやすみなさい!!」
女の子が手を振り、
「元気でね~!!」と言った。
霧河は叶の家を出た。家を出た後、
入ってきた時と同じ〝サムターン回し〟で
外側からカギをかける。
霧河の活動はもちろん、まだ続いていた。が、
叶は、再び眠った。