真剣な顔で呼びかけていたシンドバットはヤムライハにもきいてほしいと言う。そして二人が驚くべきことを言うのだった。
「ギルダーツとヤムライハに任務を頼みたい。」
ギルダーツとヤムライハはシンドバットから任務内容を聞く。その内容はこうだ。
「バルバットに突如表れた魔導士どもが暴れてるらしい。王宮の手に負えないようでシンドリアに助力を求めてきた。そこで魔導士なら魔導士ということでお前らを送ることをきめたんだ。」
「なるほどな。それで、その魔導士の情報はあるのか?」
「あぁ、一人一人は分からないがリーダーならある。リーダーの名はブルーノートというらしい。」
その言葉をシンドバットが言った瞬間、シンドバットとヤムライハは突然息苦しくなる。なぜならギルダーツからあふれる魔力が怒っているからだ。
「そいつの名前はブルーノートであってるんだな?」
「あぁ。」
「わかった。」
ギルダーツは無言のまま王宮にもどっていく。取り残されたシンドバットとヤムライハはギルダーツがいきなり変わったことに驚いた。ヤムライハはギルダーツのことを心配な眼差しで見つめていた。
王宮にある自分の自室に戻って荷物をまとめているギルダーツのところにヤムライハがやって来た。ヤムライハはもう荷物をまとめており、いつでも出発できるみたいだ。
「ギルダーツ。ブルーノートってもしかして・・・」
「あぁ。ヤムライハの思ってることであってるさ。あいつはうちのギルドに手を出してきた闇ギルドグリモアハートの魔導士であり、俺の娘の命を奪おうとした張本人だ。」
「そうだったんだ」
「さて、バルバットに向けていくぞ。」
こうしてギルダーツとヤムライハはバルバットに向けて旅に出るのだった。そしてここから時間は流れて流れて今はバルバットに向かう船の中である。今この二人は突如出てきた海王生物と戦っている。
「クラッシュ」
「シャラール・バラク」
こういう風にどんどん出てくるモンスター達を倒しているのだった。
「なんで、こんなに出てくんだよ。」
「確かに、ちょっとしつこい!」
ギルダーツ達がモンスターを倒す数が50体ぐらいになってきた。ギルダーツとヤムライハはさすがに不信に思い、何が原因かを考える。
「このあたりの海域はいつもこうなのか?」
「いえ、たまに出てきたりはするけどこれは異常よ。このあたりで何か起きているはず。たとえば・・・・海の中とか」
「海の中か。」
いくらギルダーツといえども海の中に及ぼす魔法は持ち合わせていなくどうしようか考えていた。するとギルダーツの乗る船の近くに樽が漂っていた。それに気づいたギルダーツは船員に回収してもらい、中をあけた。するとその中には変な機械が入っていた。
「なんだ?こりゃ」
「魔法道具・・・ではなさそうね。」
見た目が車のエンジンのような機械がそこにあった。すると突然その機械が喋りだした。
「タ・・タノミマス。」
「こいつ、しゃべったぞ。」
「生きているの!?」
ギルダーツとヤムライハは機械が喋りだしたことに驚いた。
「ワタシヲ・・・コワシテ・・・クダサイ」
機械は自分を壊してほしいと言う。
「なんだ?いきなり」
「何か理由があるのね」
「ハヤク・・・コワシ・・・・・テ」
すると突然機械からどす黒い波があたりをおおいつくした。
「なっ何が起きてやがる。」
「闇?」
闇がおさまってくると機械だったものの姿が変わっていた。その姿はまるで悪魔の用でその悪魔が吠えるだけでまわりの海王生物達は狂ったように暴れだす。
「こいつは!?ゼレフ書の悪魔・・だと!」
「ゼレフ書の悪魔?てことはギルダーツの・・・」
「あぁ間違いない。とするとゼレフもこちら側にいる可能性もあるな。まぁまずはこいつをどうにかするぞ。」
「りょーかい。」
こうしてゼレフ書の悪魔とギルダーツ達の戦いが始まるのだった。