「けひひっ♪ このページは、君の前に這い寄る混沌のボクがジャックしたよ」
ミル
「まだブラウザバックしないでこれを見ている君は、モン娘☆は~れむをプレイしている魔王様……って事でいいのかな?」
ミル
「……うん。知っての通り、モンはれは今月の28日でサービスを終了するんだ」
ミル
「ボク達の世界はこれからも続いて行くけれど、皆と会えなくなるのは寂しいよ」
ミル
「だから、最後に思い出としてこうしてSSを綴る事にした
……って家の魔王様が言い出してね。見て行ってくれると嬉しいな」
ミル
「……さぁ! それじゃあお待ちかね、冒険の始まり始まり~」
~アイキャッチ~
ヘンゼル
「さぁ、君の
グレーテル
「数えろなのだわ!」
フィート
「今更数え切れるか!!」
~アイキャッチここまで~
アンフィー
「さて、ここに取り出したるは一冊の本。書かれているのは何気の無い日常。
死を想い今を懸命に生きる蚕の娘の行く先には、果たして何が待つのか」
初級:幻の糸を求めて
天空樹魔界
~地表部~
シャロン
「魔王様、今日は付き合って頂いてありがとうございます♪
まゆねさんもラザニアちゃんも、来てくれてありがとう」
ラザニア
「き、気にしないで。わたしもシャロンちゃんと冒険できるの、楽しみだから……」
まゆね
「わたしの事も呼んでくれて、とっても嬉しいですっ!
ところでシャロンちゃん、今日は一体どこに向かうんですか?」
シャロン
「はい。今日はこの天空樹魔界にあると言う【オシラ花】と言う植物を探しに行きます」
まゆね
「オシラ花……ですか?」
シャロン
「そうです。その茎からは上質な糸が出来るらしく、ヌイグルミの材料としてどうしても手に入れたいんです。
……あたしには、いつもあたしの事を気遣ってくれている妹がいるのですが、その子にオシラ花の糸で作ったぬいぐるみをプレゼントしたいんです。
自分の糸で作ってもいいのですが、折角なら貴重な糸を使って作ってあげたいなあ……って」
まゆね
「わぁ! とっても素敵だと思いますっ」
ラザニア
「うん……妹ちゃんもきっと喜んでくれると思う」
シャロン
「えへへ、ありがとうございます。
では、さっそく探しに行きましょう」
~数時間後~
シャロン
「見つかりません……」
まゆね
「見つからないですね……」
ラザニア
「ふ、二人とも気を落とさないで。きっとどこかに手掛かりがある筈だから……」
ラザニア
「(いきなり暗礁に乗り上げた!?
ど、どうしよう、二人を元気づけないと……!)」
???
「あれ、大魔王じゃない。みんなで集まって、こんな所で何してるの?」
シャロン
「あなたは確か……アーヴァンクのヴァレリアさん」
まゆね
「実はかくかくしかじか、あらあらくねくね……」
ヴァレリア
「うーん、オシラ花ねぇ……」
ヴァレリア
「(……!)」
ヴァレリア
「もしかしたら、知ってるかも知れないなあ」
シャロン
「本当ですかっ!?」
まゆね
「あのっ! よかったら教えて下さい!!」
ヴァレリア
「ん? 今何でもするって言ったよね?」
ラザニア
「(えっ? 誰もそんな事言ってない……)」
ヴァレリア
「じゃあお代は、君達の身体で払ってもらおうかなぁーーっ!?」
まゆね
「きゃーっ!?」
ヴァレリア
「ふおぉ……! まるで上質な羽毛の様な柔らかくてふんわりとした感触!
それにお日様の匂いと程良い暖かさがあって思わず駄目になっちゃいそうだよぉ……。」
シャロン
「あぁっ! まゆねさんがヴァレリアさんに色んな所を触られてますーっ」
ラザニア
「て、手つきが何かいやらしい……」
まゆね
「ひーん! やめて下さいー」
ラザニア
「あわわ……ま、まゆねちゃんを助けないと」
シャロン
「と、とにかく魔王様! ヴァレリアさんには何とか大人しくなってもらいましょう!」
ヴァレリア
「アイルビーバック!!」
シャロン
「はわっ、勢い余ってヴァレリアさんが飛んで言っちゃいました」
ラザニア
「(何かアイルビーバックって言ってたよね!?)」
まゆね
「ちょっとやり過ぎちゃったみたいです。ヴァレリアさん、大丈夫かな
……え? 魔王様。よくある事だから大丈夫、ですか?」
シャロン
「魔王様が言うなら、きっと大丈夫なんでしょうね」
ラザニア
「うん……で、でも、結局手掛かりは見つからないね……」
シャロン
「場所を変えてみましょうか。下層浮遊部なら、モン娘の皆さんもいっぱいいますから何か知っている方もいるかも知れません。
と言う訳で魔王様。下層浮遊部に向かいましょう♪」
~アイキャッチ~
クロゥリア
「勝ち逃げは許さんぞ」
ヒスイ
「私と契約してウナギ衣装になってよ!」
リネア
「ちょちょちょちょっと待って下さい!?」
~アイキャッチここまで~
アンフィー
「どうやら大魔王一行は、下層浮遊部へと向かったみたいだね。
下層浮遊部――天空樹魔界の中心でもある場所で、別次元にある大魔界の魔王城が空に浮かんで見える場所。
大魔王達が普段探索を行っている主な場所で、行きやすさからか集まって来るモン娘も多い。
さて、シャロン達の探し物は見つかるのだろうか」
中級:聞き込み開始
天空樹魔界
~下層浮遊部~
シャロン
「と言う訳で、下層浮遊部までやって来ました」
まゆね
「やっぱりここは、モン娘の皆さんも多いですね!」
ラザニア
「う、うん……ここなら、手掛かりがあるかも……」
シャロン
「魔王様、早速聞いてみましょう!」
ヨモギ
「すまない、そんな名前の花は聴いた事が無い」
テンセイ
「うーん……リンネ、聴いた事ある?」
リンネ
「ごめんなさい。私も初めて聴く名前です……」
フィーザ
「幻の糸と言うのは、皆で一緒に紡いだ糸の事だったってオチなんですね。大丈夫! 分かってますよ」
みぽりん♪
「けぴっ☆ みぽりんよくわかんな~い♪
……おいそこの「うわうぜぇw」とか思った画面の前の奴、後で楽屋裏な」
ティルティン
「既にお気づきの方もおられるかとは思いますがオシラ花と言うのは作者のオリジナル素材です。その由来は地球のトウホクチホーに伝わる民話のオシラサマと言う神様となっています。神様ですよ神様! むかしむかし馬を愛した女の子がいまして、色々あってその子が神様となったのが始まりだと言われています。馬を愛するなんてケモナーですね。ですが愛の在り方に種族の違いなんて無いとティルティンは思うのです。ちなみにオシラサマは養蚕業の始まりの神様だとも言われているんですよ。これは神様となった娘が父親の夢枕に立ち後に蚕と呼ばれる様になる虫を育ててその糸で衣服を作る事を教えたからだと云われています。もうお分かりだと思われますが今回のチョイスは蚕のモン娘であるシャロンさんに因んで考えられているんですよ。そうそうシャロンさんと言えば彼女の種族はメメントモルスと呼ばれていますが実はメメントモルスと言う名前のモンスターは存在しません。では彼女の種族のモチーフは一体何なのかと申しますと恐らくは古代ローマを経てキリスト教へと伝わった言葉であるメメント・モリから来ているとティルティンは思うのです。ちなみにこのメメント・モリとは「死を想え」と言う意味があるそうです。ただしこの訳はキリスト教でのもので古代ローマで語られていた意味としてより正確には「我々は何時かは必ず死ぬ。だからこそ今を楽しめ」と言う意味となっています。シャロンさんのどこか弱弱しく儚げな印象的には前者のイメージが強いですがシャロンさんだって今をしっかりと楽しんでいるとティルティンは思うのです。みんないつか死ぬ。だが今日じゃない!さて話が随分と脱線してしまいました。えぇと確か何を話していたんでしたっけ。そうそう今回のオシラ花はシャロンさんをイメージして考えたと言う話でしたね。このシーンで聞き込みを行ったモン娘達も実は全員馬っぽいモンスターがモチーフの方で統一していると言うこだわりがあるんですよ。さてここで勘のいい方はお気づきかと思われますが私ティルティンのモチーフであるジャバウォックは馬とは何の縁もゆかりも無いモンスターです。そんな私が何故この場面で出させて頂いているかと言いますと作者さんきっての願いでどうしても私に喋らせたかったとの事です。私の様な何の個性も無い地味なモン娘に特別枠で出番を頂けるなんて今でも夢の様です。特別枠ですよ特別枠!そうそう特別と言えば皆さんこの私ティルティンにも限定グラがある事はご存知でしょうか?詳しく説明しますとキャビ」
シャロン
「皆さんご存知無かったですね……」
まゆね
「今度こそ大丈夫だと思ったのですが……」
ラザニア
「(またこのパターン!? ど、どうしよう……
ん? あれは……)」
シャロン
「あの方は、確か桜魔界の……」
まゆね
「エヴェリーナさん! 桜魔王の側近で、大の旅好きの方です」
ラザニア
「あ、あの……エヴェリーナさんならオシラ花の事も知ってるんじゃないかな」
シャロン
「きっとご存知です! 急いで追いかけましょう」
ラザニア
「しゃ、シャロンちゃん。あんまり無理すると……」
シャロン
「折角見えてきたチャンスを、逃すわけには行きませんっ……ふぅ」
まゆね
「シャロンちゃん、少し苦しそうですけど本当に大丈夫ですか?」
シャロン
「少し疲れただけですから、大丈夫ですよ。
さぁ、早く追いかけないとエヴェリーナさんが行ってしまいますっ」
ラザニア
「シャロンちゃん……ま、魔王様。シャロンちゃんをお願い……!」
エヴェリーナ
「いきなり何するんですか~!?」
ラザニア
「ご、ごめんなさい。勢いに乗って戦っちゃった」
エヴェリーナ
「勢い!?」
シャロン
「はぁ……はぁ……あのっ、あたし達エヴェリーナさんに聴きたい事があって……っ!」
エヴェリーナ
「あの、大丈夫ですか? 息が荒いですが……」
シャロン
「あ、あたしは大丈夫――(ふらっ)」
(バタン)
まゆね
「シャロンちゃん!?」
シャロン
「あ……あれ。あたしは……」
エヴェリーナ
「気が付きましたか? 急に倒れたので、びっくりしました」
シャロン
「そうですか……ごめんなさい、ご迷惑をおかけして」
エヴェリーナ
「私の事はお気になさらず。でも……」
シャロン
「?」
エヴェリーナ
「お友達に心配をかけるのは、あまり感心しませんよ?
……まぁ私も、ちょっと前までは人の事は言えなかったのですが」
シャロン
「あっ……」
まゆね
「シャロンちゃん、無理し過ぎです」
ラザニア
「ほ、本当に心配した……よ……?」
シャロン
「まゆねさん……ラザニアちゃん……。
魔王様も、ごめんなさい。あたし、皆があたしの為に集まってくれたのがとっても嬉しくて……。
だから、このまま目的を果たせないまま終わってしまいたくなかったんです。
エヴェリーナさんも、あたしが目を覚ますまで看てくれて、ありがとうございます」
エヴェリーナ
「気にしないで下さい。シャロンさんが倒れたまま立ち去るなんてしたくありませんでしたから
……さて、魔王様達からお話は聴いています。シャロンさんは、オシラ花を探してるんですよね」
シャロン
「えっ? あ、はい。もしかして、ご存知なんですか?」
エヴェリーナ
「はい。オシラ花は、ここより上の上層浮遊部の一部に群生しています。
地図を描いておきましたから、此処を目指せば見つけられる筈ですよ」
シャロン
「(ぱあぁ……)エヴェリーナさん、ありがとうございます!」
エヴェリーナ
「どういたしまして……さて、私はそろそろ行きますね。幸運を!」
シャロン
「魔王様、まゆねさん、ラザニアちゃん、心配かけてごめんなさい」
まゆね
「別に良いですよっ! シャロンちゃんは、もう大丈夫なんですか?」
シャロン
「はい、まゆねさんのフカフカの身体で休ませて貰ったので、元気爆発ですっ♪」
ラザニア
「あの、シャロンちゃん。もし疲れたら言って。魔力を送る事ならわ、私も力になれるから……」
シャロン
「はい、疲れた時はお願いしますっ!
さあ魔王様、上層浮遊部へ向かいましょう♪」
~アイキャッチ~
メイカ
「もうすぐモンはれも終わっちゃうんだね……なんだか寂しいな」
ノルン
「まだ分からないよ! サービス終了後に始まったアニメが大ヒットして、作った人達がドッタンバッタン大騒ぎしたすごーいゲームみたいに……」
ウル
「ノルン、その表現は色々と危険では!?」
~アイキャッチここまで~
アンフィー
「いよいよ見えて来たようだね、目的地が。
だけどどうやら、そう簡単には目的は達成できそうになさそうだ」
上級:最後の試練
天空樹魔界
~上層浮遊部~
シャロン
「上層浮遊部に到着ですっ♪」
まゆね
「わわっ、下層浮遊部があんなに小さく見えます!」
ラザニア
「は、初めて来る場所……魔王様はその、こ、ここに来た事があるんだよね」
シャロン
「確か、大雨が降った時でしたっけ。バンシーのクララさんを仲間にしたのがここだって聴きました」
まゆね
「魔王様達は、本当に色んな所に冒険へと向かっているんですねっ♪」
シャロン
「さぁ魔王様、今度こそオシラ花を見つけましょう!」
ラザニア
「シャロンちゃん、あ、あれ!!」
まゆね
「綺麗な白いお花、まさかあれが……!」
シャロン
「間違いありません、オシラ花です!
魔王様。ついにやりましたっ♪ 早速摘み取って――」
ラザニア
「……!? シャロンちゃん、危ない!!」
シャロン
「えっ……きゃっ!」
まゆね
「シャロンちゃん、大丈夫ですかっ!?」
シャロン
「あ、あたしは大丈夫……でも一体何が……?」
???
「ふふっ、もう少しで命中したのに、ラザニアちゃんが余計な事をしてくれました♪」
シャロン
「え……!?」
???
「…………」
まゆね
「しゃ、シャロンちゃんが……」
ラザニア
「もう一人……!?」
シャロン
「はわわ……あ、あなたは一体何者なんですかっ!?」
???
「あたし? あたしはあなたですよ~?」
シャロン
「あ、あたしはあたししかいませんよっ!?」
ラザニア
「この禍々しい気配……も、もしかして、影のモン娘?」
まゆね
「えぇっ!? でも確か、影のモン娘の事件は解決したんじゃ……」
シャロンの影
「ふふふっ、解決しましたよ? あたしは所謂、試練みたいなものです♪」
シャロン
「試練……ですか?」
シャロンの影
「そうです。このままオシラ花を手に入れてはいオシマイ……なんてつまらないでしょう?
だから、少しイジワルしちゃいます。
……っと、このままの姿だと紛らわしいですよね。衣装チェンジ♪」
ラザニア
「そ、その衣装は私がシャロンちゃんにあげた……」
シャロンの影
「この方が分かりやすいですよね。
さあ、あたしをやっつけないとオシラ花は手に入りませんよ~」
シャロン
「行きましょう魔王様! ここまで来たら、もう一息ですっ!!」
BOSS BATTLE
Muse
「さぁ始まりました影のモン娘とのバトル!
果たしてシャロンさん達は無事にオシラ花を手にする事が出来るのか!?
実況は私、Museと――」
ヴァレリア
「今戻った!
ボクでお送りするよ!」
ラザニア
「(えっ! 何このモン娘達、どこから……!?)」
シャロン
「ラザニアちゃん、まゆねさん、まずはあの影の動きを封じましょう!」
まゆね
「はいっ!」
ラザニア
「(みんな気にならないんだ……)
う、うん分かった。じゃあ私は、シャロンちゃんが動けるように魔力を……。
ま、魔王様? 魔力の供給は自分がやるから気にせずに一緒に戦ってって……いいの?
……う、うん。ありがとう魔王様、シャロンちゃんの事、お願い……!」
Muse
「おぉっと、一体どうしたのでしょうか! シャロンさん達が3方向に分かれ、影を囲むような配置に陣取ったぞ!? 一体何をするつもりなのでしょうかっ!!」
まゆね
「くも糸しゅるしゅる~!」
ラザニア
「う、動かないで……っ!」
シャロン
「縫い付けちゃいますっ!」
Muse
「三人が別々の方向から影に向かい、まゆねさんとシャロンさんは糸を、ラザニアさんはワイヤー状の触手を放ち、シャロンさんの影を縛り上げるっ! 見事な三位一体攻撃だァーっ!!
果たして、このまま勝利を掴むことが出来るのでしょうかっ!?」
シャロンの影
「ふふっ、甘いです。大道寺あんこパンやセレニアパフェよりずうっと甘いですよ~……えいっ!」
シャロン
「え? ……きゃぁっ!」
まゆね
「ひゃっ!」
ラザニア
「わっ……!」
Muse
「こっ……これは! 何と言う事でしょうかッ!! 影は三方向から絡まって来る糸を掴んで、力いっぱい引き寄せるッ! 結果、シャロンさん達はお互いに頭をぶつける形となったーっ!」
シャロン
「痛た……」
Muse
「影のモン娘、戦力差をものともしません! 一体彼女は何者なのでしょうかっ?」
ヴァレリア
「ふんふん……きっとあれは、むむちゃんが手違いで生み出したクローンだね。ボクは詳しいんだ!」
ラザニア
「(多分違うと思う!?
でもあの影のモン娘……確かに禍々しい気配はするけど、影にしては悪意を感じない様な……)」
シャロンの影
「今度はこちらから行きます。それっ」
シャロン
「きゃぁっ!」
まゆね
「シャロンちゃん!」
シャロンの影
「つ~かま~えたっ♪」
Muse
「ここでシャロンさんの影、糸をシャロンさんに絡みつかせ動きを止める!!」
ヴァレリア
「う~む。純白の衣装に身を包んだ病弱な女の子に白くて粘り気のあるもの(意味深)が絡みついて、実に素晴らしい光景ですな」
シャロン
「はわーっ!? 変な目で見ないで下さい~」
まゆね
「シャロンちゃん、どういう意味なんです?」
シャロン
「ハッ……」
シャロンの影
「ふふっ、あたしはむっつりですからね。そう言う言葉にはすぐに反応しちゃいます」
シャロン
「そ、そんな。あたしそんなイケナイ子じゃ……」
シャロンの影
「例えば、あなたがベッドの中で魔王様のヌイグルミを使って毎晩」
シャロン
「キャーッ! キャーーッ!!」
Muse
「シャロンさん、影からの精神攻撃に苦しめられる! これはピンチでしょうか!?」
ヴァレリア
「噂では彼女、純朴そうな見た目に反して意外と煩悩の多い子らしいね」
シャロン
「なっ……ちっ、違いますもん! あたしそんなに煩悩ありませんもん!
ちょっと嫁クエやIFシナリオをベッドの中で妄想したり、ウェディング衣装を自前で作ったりするだけですもん!」
ラザニア
「(割りと煩悩まみれだよシャロンちゃん!?)」
シャロン
「うぅ……もうお嫁に行けません」
ヴァレリア
「ボクが結婚してやんよ!!」
シャロン
「お気持ちは嬉しいですが謹んでお断りしますっ!!」
シャロンの影
「良い反応ですね~けひひっ♪」
ラザニア
「(え? 今の笑い声……)」
シャロンの影
「はっ……こほん。さて、このままどうしちゃいましょうか?
思いっきり振り回して、魔王城の方へと投げ飛ばしちゃいましょうか」
まゆね
「させませんっ」
シャロンの影
「おっと」
Muse
「あーっと! まゆねさんが自らの糸を捕らわれのシャロンさんに纏わりつかせて、糸ごとシャロンさんを引き寄せたぁーっ!」
まゆね
「大丈夫ですかっ!?」
シャロン
「まゆねさん、ありがとうございます」
まゆね
「待っててください。今糸を解きますからね」
シャロンの影
「隙だらけですよ~? 二人纏めて縫い付けちゃいます♪」
Muse
「シャロンさんの影が放った糸が二人に迫る。これは万事休すかーっ!?」
ラザニア
「させない……っ!」
Muse
「おっとここでラザニアさん、二人を庇う様に前に立ち塞がった。一体何をするつもりなのかっ!?」
シャロン
「何だか急に風が吹いてきました」
まゆね
「ラザニアちゃんの周りに、風が集まって行きますっ!」
ラザニア
「――吹き荒べ暴風、刃となって。鋭斬糸『イタクァの暴風』」
Muse
「これは……!? ラザニアさんの雰囲気が突然変わったぁ! まるで別人です!」
ヴァレリア
「ラザニアちゃんは風の力を操る時はああなるみたいだね。一族の血がそうさせるのかな。
身体に流れる悪魔の微笑みって奴? ギャップ萌えも良いですなぁ~ぐふふ」
シャロンの影
「はわわ……凄い風です! 流石はラザニアちゃんですね……!」
Muse
「何と言う凄まじい暴風でしょうかっ! まるで獰猛で巨大な獣の様です!
このままでは我々も危険だぁーーっ!!」
ヴァレリア
「それにあの風……腰回りだけ風の流れを微調整して、スカートがまくりあがらない様にしている。
恐ろしく精密な風力調整、ボクじゃなきゃ見逃しちゃうね」
Muse
「この状況で何という観察眼でしょうかっ! ヴァレリアさん、あなたは一体今までその眼でどれ程のモン娘の秘密を見てきたのかーっ!?」
ヴァレリア
「百人から先は覚えていない!
見えないのは残念だけど、それはそれでヤキモキ出来て……」
ラザニア
「(ど、どうしてそんな所まで分かるの!? あの変態さん怖い!
と、と言うかそんな所見ないで……!)」
シャロンの影
「ふふっ、集中力が乱れましたね。えいっ!」
ラザニア
「!! しまっ……きゃっ」
Muse
「シャロンさんの影、ラザニアさんの僅かな心の乱れから生じた一瞬の隙をつき、彼女をグルグル巻きにしたぁーっ!!」
シャロンの影
「そ~れっ♪」
ラザニア
「うっ……」
Muse
「そしてそのまま、地面にラザニアさんを叩きつけるっ!
……ってうわっ!? 制御を失った暴風がこっちに吹いてきて……」
ヴァレリア
「ギャーッ!?」
Muse
「ヴァ、ヴァレリアさーーん!? 何と言う事でしょう、暴風によりヴァレリアさん吹っ飛ばされたーっ!!
私も危険ですが、いち実況者として耐えてみせます!!」
まゆね
「ラザニアちゃん、大丈夫ですかっ!?」
ラザニア
「う、うん。私は大丈夫……」
シャロン
「ラザニアちゃんが時間を稼いでくれたお陰で、何とか脱出出来ました。
ここから反撃と行きましょう。」
Muse
「ここでシャロンさん達が再び三方向に散った! 今度は何をするつもりなのか!?」
ラザニア
「もう一度風よ吹き荒べ!」
Muse
「またしても凄まじい暴風だーっ! 私達も飛ばされない様に必死です!!」
シャロンの影
「またそれですか? 同じ事を何度やっても……」
ラザニア
「二人とも、今だよ……!」
シャロン
「行きますよっ!」
まゆね
「それーっ!」
Muse
「こっ、これは!? シャロンさんとまゆねさんの糸が、ラザニアさんの暴風に乗って舞い上がり、暴風の中心に居るシャロンさんの影を徐々に捉えていくーっ!!」
ヴァレリア
「まるでわた飴製造機だね。影のモン娘も美味しそう(意味深)」
Muse
「ってうわっ!? ヴァレリアさんもう復活したのですかっ!?」
ヴァレリア
「当然さ。ボクの夢はハーレムを作る事だからね!
魔界全ての女の子を我が物とするまで
何度でも何度でもな・ん・ど・で・も立ち上がるよ!」
Muse
「おぉ……!? 何と言う凄まじい執念でしょうかっ! これは私も見習わなければなりませんっ!!」
ラザニア
「(もうこれ何の実況なの!?)」
シャロンの影
「はわーっ!? 身動きが取れません!」
ラザニア
「……それっ!」
シャロンの影
「きゃーっ」
Muse
「ラザニアさんが風の流れを変え、わた飴の様になったシャロンさんの影を上空へと投げ飛ばしたーっ!
どんどん地面に落下していきますっ!!」
まゆね
「行きますっ! クモ足百裂キック!!」
シャロンの影
「あ痛たたた!!」
Muse
「まゆねさんが落下してきたシャロンさんの影に、八本の脚を器用に使って連続キックをお見舞いするっ!!
影が再び宙へと舞っていくーっ!!」
ラザニア
「シャロンちゃん……!」
まゆね
「今ですっ!」
シャロン
「行きますっ! 衣装チェンジ!」
Muse
「シャロンさんの姿が変わる! クリスマスのプレゼントの様な赤を基調としたカラーリング……。
プレゼントシャロンのコスチュームだーっ!!」
ヴァレリア
「クリスマスに着るオシャレ着って奴だね。髪もツインテールに編んでいて可愛い!
何より、白い肌を包む黒ストッキングがたまらないなぁ……」
シャロン
「高速ラッピングで包んじゃいます!」
シャロンの影
「はわーっ! 動けません!!」
Muse
「シャロンさんから放たれた糸で落下中の影がぐるぐる巻きにされてしまったーっ!
さぁここからどう繋げるのかっ!」
シャロン
「これが本家本元の、ラザニアちゃんがくれた衣装ですっ!」
Muse
「シャロンさん再び衣装チェンジ! 影と同様の小悪魔コスへと変化したーっ!!」
ヴァレリア
「やはり本物の方がチャーミングでエロティックだねぇ。
控えめながらも胸元から見える二つの膨らみに、いつも以上に開放的な太腿……!」
シャロン
「だ、だからそう言う所は見ないで下さいっ!
とにかく、ラザニアちゃんの服を悪い事に使う子にはオシオキですっ!!」
Muse
「シャロンさん、影に向かい更に糸を放ち捕捉するっ!
そのまま地面へと叩きつけた! まさに先程のラザニアさんの分のお返しと言わんばかりの攻撃だーっ!!」
シャロン
「これで決めますっ!」
Muse
「シャロンさん、ここで通常の衣装へと戻ったぞ!
一体何をするつもりなのでしょうかーっ!」
ヴァレリア
「今更だけど衣装チェンジの合間の、魔法ヒロインめいた肌が光に包まれる演出良いですなぁ。ぐへへ……」
シャロン
「ぬ~いぬいっ!」
Muse
「おーっとこれは!? シャロンさんここで自らの糸で周囲の岩を絡めとり、まるでハンマーの様に形を作り出していく!!」
シャロン
「えーーいっ!!」
シャロンの影
「きゃああああぁ……」
Muse
「岩と糸で出来たハンマーでシャロンさんの影を遠くの彼方まで吹っ飛ばしたァ!
病弱っ娘とは思えないパワフルさ、正に纏うは土、琥珀の大地! 土属性の力を借りて、今必殺の
シャロン
「何ですか蚕アタックって!? そんな可愛くない名前の技嫌ですっ!」
Muse
「これにて勝負あり! オシラ花争奪戦、勝者はシャロンさんチームだーっ!!」
シャロン
「聴いて下さい~」
Muse
「以上、ここまでの解説は私Museとヴァレリアさんでお送りしましたっ!!」
ヴァレリア
「いや~モン娘って本当にいいものですね~。
それでは皆さん、さよなら、さよなら、さよなら」
CLEAR
シャロン
「やりました、ついにオシラ花を手に入れましたっ」
まゆね
「本当に良かったですねっ」
ラザニア
「大変だったけれど……た、楽しかった」
シャロン
「これでヌイグルミを作る事が出来ます。
それであの……よかったら、あたしと一緒にヌイグルミを作ってくれませんか?
みんなで作ったものの方が、妹も喜ぶと思うんです」
まゆね
「はい、喜んでっ♪」
ラザニア
「わ、私でよければ……」
シャロン
「えへへ、有難うございますっ!
さあ、それでは魔王城に帰りましょう」
まゆね
「本当に今日は楽しかったですねっ」
ラザニア
「う、うん
(でもあの影のモン娘は、一体何だったんだろう?
どこかで会った気がするけど……)」
シャロンの影
「あ痛た……やられちゃいました」
シャロンの影
「いくら千の貌を持つ種族だからって、馴れない変装なんてするもんじゃないね」
ミル
「皆、楽しんでくれたかな? けひひっ♪」
~アイキャッチ~
エーテル
「【蟻の思いも天からお塩】と言うわ。どんな者でも、モンはれを愛する想いは同じと言う事ね」
ティアラ
「……疑問。その言葉は、【蟻の思いも天に届く】だと記憶している」
エーテル
「そ、そうともいうわね……」
~アイキャッチここまで~
アンフィー
「やれやれ、あの混沌にも困ったものだね……さて、物語もいよいよ終わりが近い。
最後のページを開いてみよう」
魔界級:或る少女の願い
大魔界
~魔王城中庭~
シャロン
「魔王様、今日は有り難うございした。
オシラ花の糸を使ってみんなで作ったヌイグルミ、妹もとっても喜んでくれたんですよ。魔王様のお陰です」
シャロン
「自分は着いていっただけで何もしていない、ですか?
そんな事ありませんっ。あたしが倒れた時も側に居てくれたし、影のモン娘との戦いだってあたしに魔力を供給してくれました」
シャロン
「魔王様が居てくれたから、オシラ花を無事に手にいれる事が出来たんです」
シャロン
「それに、魔王様と一緒に冒険できてあたし……
はわっ!? 何でもないですっ! 何でも……」
シャロン
「…………」
シャロン
「魔王様、少しあたしの話を聴いてもらえますか?
……えへへ、有り難うございます」
シャロン
「魔王様もご存じの通り、あたしは元々モン娘ではなく、一匹の蚕でした。
お勉強の一環としてあたしを飼ってくれて、繭を作った後も糸を取らずに、羽化した後まで可愛がってくれましたよね。本当だったら糸を取るためにそのまま死んじゃうあたしを愛情持って育ててくれて、あたしの寿命が尽きる時には泣いてくれて……あの時間は、あたしにとって幸せでした」
シャロン
「蚕の寿命は短いです。魔王様が過ごしてきた時間の中では、きっとほんの一瞬にも満たない時間。そんな時間しか、あたしには与えられなかった」
シャロン
「あたしは願いました。もっと生きたい、不死とは言わないから、せめてモン娘の皆さんくらい生きて、その間魔王様と一緒に居たい」
シャロン
「そうしたら、願いが通じたのでしょうか。気が付けばあたしは、この姿になっていました。
あたしは嬉しかった。これでもっと魔王様と一緒に居れるって、そう思ったんです」
シャロン
「でも、魔王様の周りには色んなモン娘の方が居て……体の弱いあたしは、きっと魔王様の重荷になってしまう。そう思ったんです。
だから、魔王様の事はヌイグルミを使って妄想しよう。それで済ませようって思ってました」
シャロン
「でも、溢れてくるこの想いはどんどん大きくなって……妄想だけでは収まらなくなってきました」
シャロン
「魔王様、あたしは……!
あっ……」
…………
シャロン
「……撫でて頂いてありがとうございます。
やっぱり、魔王様は優しいです。あたしが一匹の蚕だった、あの頃と変わらず」
シャロン
「魔王様、あたしは、魔王様の事が好きです。
モン娘がその想いをぶつけるには、戦うのが一番だって聴きました。
だから……魔王様、あたしと、戦ってくれますか?」
シャロン
「……ありがとうございます。身体の方は、今は元気だから心配ないです」
シャロン
「それでは、行きます。あたしの全力……受け取って下さいっ!」
アンフィー
「――さて、これでこの物語は終わりだ。楽しんで頂けたかい?」
アンフィー
「これは、何気の無い魔界の一日の物語、或いは、一つの可能性の先にある物語だ。
モン娘達の物語は、これからも続いて行く。いつまでも、どこまでも」
アンフィー
「この先他の誰かが紡ぐ物語に出会ったら、是非ともその世界も覗いて欲しい。
きっとそれらは、素晴らしい物語だろうから……では、これでエンドマークとしよう」
Fin.
ミル
「まさかここまで見てくれるなんて思わなかったよ。有難う、魔王様達。
さて、後書きの事は作者に任せるとして、ボクはここらでオサラバとするよ」
ミル
「またね♪ 良かったらオフライン後も遊んで欲しいな、けひひっ」
はいはいミルちゃん、最後くらい私に喋らせてね。
さて皆さん。この度は拙作のモンはれSSを読んで頂き、誠に有難うございます。
文章力の無い身で出来るだけ原作の匂いを再現しながら頑張って書いてみましたが如何だったでしょうか? もし感想とかありましたなら書いて頂けるととても嬉しいです。
作品と言うものには何時かは終わりが来る。モン娘☆は~れむと言う作品は、コラボ目的でやってみたつもりが、その熱いストーリーやしっかりした伏線、モン娘同士の絆に優しい世界観と、自分がやってきたゲームの中でもかなり魅入られた作品でした。だからこそ、最後に自分も何かを残したいと思い、このSSを書いてみたのですね。シャロンちゃんがメインなのは、私が最初に選んで手に入れた相棒だからです。妹ちゃんにも会いたかったなぁ。
魔王様がやや空気キャラになってしまったかも知れません。ただ、彼は原作からして台詞もモン娘伝いでしか出ないし出しゃばらないので、このくらいがいいかなと思ってこうしてみました。
後はヴァレリアさんですね。変態発言は自重はしていません。自重するなんてらしくないですしw彼女にはパロネタをほぼ一任して頑張ってもらいました。出来るだけネタのジャンルはバラしたつもりですが、全部分かるかな?
最後のシャロンちゃんの生い立ちは完全な妄想です。原作における彼女は、魔王の飼っていた蚕がモン娘になったとしか書かれていないため、そこから妄想を膨らませてみました。恐らく種族の元ネタになった言葉【メメント・モリ】の持つ意味とかを踏まえて考えてみましたが如何だったでしょうか。
それでは、ティルティンさん程では無いとは言え、長くなりましたがこの辺で。
このSSを書いている途中で、まさかのオフライン化の発表。彼女達とは、もうしばらく一緒に居れそうです。