三ノ輪銀は勇者である オラトリアの緋跡   作:大腿筋膜張筋

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すみません、遅くなりました。
なるべく早く仕上げようと思います。


ダンジョンへの道のりは長いようで短かったのである

右方向から降りかかってくる斬撃に木刀で受けるが、衝撃を殺しきれずに体勢を崩してしまう。その隙に体の中心部に向かって突きが迫ってくる。突きに対しては体を横に向けようとするが先程の斬撃で体に痺れが残り、体を無理矢理逸らすことでギリギリかわす。

逸らした勢いで、重心が体の後ろに残っているのを、後ろ足を軸にして体を回旋させ、勢いづけて左斜め下から振り切る。

 

「むっ!」

 

タケミカヅチ様は私の攻撃に対して、反応が遅れるも綺麗に衝撃を後ろへ流すと、その勢いで私の体は前のめりになり、隙だらけの顔に斬り掛かる直前で寸止めで木刀を止める。

 

「今日はここまでだな。」

 

顔の前で寸止めしていた木刀で肩をを叩きながらタケミカヅチ様はそう言った。すると私は体の力を抜き、地面へ座り込んだ。

 

「さっきの返しは良かったが、受け流された時のことも考えておかないと体が流れて逆に返されてしまうからな。注意しとけよ銀。」

 

「はい!」

 

私がタケミカヅチ様の所へ稽古をつけてもらって早2ヶ月が経とうとしていた。

ヘスティア様の友達であるタケミカヅチ様は私の稽古をつけてとお願いした時はたいそう驚かれたが、快く承諾してくれた。

だが、いざ稽古をつけてもらってみると私は木刀を振るったことがなく、初めての稽古は型から入ることになった。それからは素振りや木人形に対しての打ち込みなどを経て、ようやく実戦形式の稽古にたどり着くことが出来たのが1か月前。

そこからはタケミカヅチファミリアの命さんや桜花さんと掛かり稽古を行い、今日でダンジョンへ行くことを決める試験が行われた。

 

「試験の結果だか…合格だ!」

 

「ほんとですか!?」

 

「あぁ。」

 

私は思わず立ち上がり、その場でグッと拳を握り込む。その反応に対してタケミカヅチ様は私の頭を乱暴に撫でる。

その稽古を見てみたヘスティア様や命さん、桜花さん、千草さんは駆け寄ってくる。

 

「銀くん!おめでとう!」

 

「良かったなぁ、銀!」

 

「銀殿、おめでとうございます!」

 

私の周りを囲って、胴上げをする勢いで近づいてくる。千草さんや桜花さんは私の稽古も手伝ってくれたので弟子のように感じているのだろうか。

 

「けど、初めてのダンジョンはほんとに俺らと一緒にいかなくていいのか?」

 

「はい、初めてのダンジョンは自分の力がどこまで試せるかやってみたいので!」

 

私の力を試してみたいのでヘスティア様やタケミカヅチ様にお願いしてみた。その時は滅茶苦茶心配され、桜花さん達を連れて行くと言って話を聞かなかったが、日本の必殺技のDOGEZAをして許可が出るまで頭を上げないという力技でゴリ押しした。

 

「仕方がない。だがほんとに気をつけておけよ。」

 

タケミカヅチ様はもう一度私の頭を乱暴に撫でながらそう言ってくれた。

今日のお昼頃にバベルへ行き、冒険者として登録するつもりだ。そこからダンジョンに入るために講座などがあり、ダンジョンへの道のりはあと少しということになる。

 

「じゃあ、銀殿。ギルドの講習会頑張って下さい!」

 

千草さんと握手を交わし激励を受けてギルドへ向かうため、ヘスティア様と共に歩みだした。

 

 

ギルドの講習会を受けて、廃教会へ戻る途中で講習会の内容を思い出していた。

私の担当はベル君大好で有名なエイナさんだった。とは言ってもベル君会っていないため、少し厳しそうな綺麗なお姉さんであった。

まず講習会を受けるために冒険者登録を行おうとしたが、そこで一悶着あり、自分年頃の子がダンジョンへ行くのは有り得ないと言われ、門前払いを受けそうだったが、タケミカヅチ様の指導を受けたと言うと、渋々登録してくれた。

講習会で筆記試験などを受けてやった、ダンジョンに潜れるという事だったので、もう少しかかりそうだなっと思った

 

 

そして2週間後には筆記試験が終わりダンジョンの入口にやってきた。筆記試験については千草さんや桜花さんにダンジョンのモンスターの特徴などを稽古の合間に話してくれてたので話の内容的には入りやすかった。そして今日に筆記試験を受けて、合格判定を貰ったのでダンジョンに潜ろうとしていたのであった。

ほんとならタケミカヅチファミリアのみんなやヘスティア様に合格したと報告するべきなのだろうけど、ダンジョンに行きたいという気持ちが勝り、試験直後にダンジョンに潜ろうとしていた。

 

「これからダンジョンの始まりか…」

 

長いようで短かった。自分が病室の中で意識が朦朧していく中で、目覚めたらアニメの世界でしたとかどんなの冗談だと初めは思っていたが、今自分が生きている世界はここであるということはそろそろ自覚し始めていた。だが夢の延長戦であると思う時が多々ある。例え夢であってもこの世界に来てよかったと思える自分がいる。

これから色んな人に感謝していこうと決意し、1歩踏み締めていた。

 

 

 

 

向かってくるのはゴブリンというブダのような見た目のモンスターであった。このモンスターは正直、あまり強くはないが『冒険者は冒険してはならない』という言葉を忘れてはならないとエイナさんに口酸っぱく言わてれていたことを思い出していた。

ここがダンジョンということを思い、桜花さんから貰った斧の柄を握りしめていた。

防具については千草さんからお古を貰ったのだが、斧については装備をどうするかと迷っていると桜花さんから冗談交じりに斧を貸してもらい、扱ってみると想像以上に扱いやすかった。重さに振られると思ったが、稽古で使っていた木刀よりも扱いが簡単で驚いた。

それならばと桜花さんから前に使っていた斧を譲ってもらうことになった。

自分の体格で斧使いというのは笑えてくる。その時に稽古中であったことを思い出してみると肩の力が抜けた。

そのままリラックスした状態でコボルトに近付き、1歩踏み込んで右斜めから振り斬った。

するとゴブリンはグギャ!と叫びながら血を流し後ずさる。そのままもう一歩踏み込み、左斜め下からアッパースイングの要領で斬り込む。そのまま稽古で注意された相手の反撃に対して構えていると、魔石がボトっと地面に落ちて転がる。

 

「まずは1匹!」

 

今日の調子は悪くない。体も思ったより動いてくれるし、流されることも無い。とはいえ調子に乗りすぎると自分の不注意で簡単に殺されてしまう。1層とはいえ、どんなトラブルがあるか分からないのだ。

 

「なるべく注意して、4層までを目指そう!」

 

落ちた魔石を回収しながら奥へ進み、身丈に合わない斧を担ぎながらダンジョンの奥へ走り出すのであった。

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