ほどなくしてバスは目的地の旅館に到着した。
四台のバスからIS学園の1年生達が出て来る。
「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」
『『『よろしくお願いしまーす』』』
千冬の言葉の後、全員で旅館の女将さん達に挨拶をする。
「はい、こちらこそ。
今年の一年生も元気があってよろしいですね。
ではお部屋へどうぞ」
と部屋へと案内されていく。
「やっぱり、女将さんでもアレを見たらヒクついてたわねー」
鈴が言う。
アレと言うのは勿論、みんなのグミ嫌い英雄バルバトスである
色んな人を見てきた女将さんでも、十代後半に突入したばかりの生徒達の中に異様な雰囲気を醸し出しているおっさんがいれば流石に驚くだろう。
あと忘れているかもしれないがバルバトスの戦闘時以外の服は明らかにサイズの合っていないピチピチのIS学園の制服である。
コレで驚かない方がおかしい。
「それでは海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになっていますので、そちらをご利用なさってくださいな。
場所がわからなければいつでも従業員に訊いてくださいまし」
女将さんが言う。
女子達ははーいと返事をしてそれぞれ分れていった。
ちなみに一夏の部屋が千冬と同じ教員室、バルバトスは一人部屋だった。
妥当である。
-----------
「「………………」」
海に行こうとしていた一夏、箒が微妙な表情で一点を見つめている。
なにを見ているのかと言うと、何と地面から“ウサ耳”が生えているのだ。
正直見ない方がおかしい。
「なぁ、コレって……」
一夏が口を開き何かを言おうとする
「知らん。私に聞くな。関係ない。」
しかし、一夏が何かを言い切る前に拒否る箒。
よほどこのウサ耳と関わり合いたくないようだ。
箒が嫌悪するウサ耳……
何だ、新種のピク〇ンだろうか。
「えーと、抜くぞ?」
「好きにしろ、私には関係ない」
そう言って箒はスタスタと歩いて言った。
「…………俺も行こうかな
出来れば抜きたくないんだけど……」
一夏がそう呟いた時
「ぶるぁ……」
バルバトスがウサ耳の前に佇んでいた。
「うおわ!? いつの間に……!?」
驚く一夏を気にする事なく、バルバトスはディアボリックファングを振り上げ
「ぬん!!」
ウサ耳へ振り下ろした。
ドゴォ!!
小さなクレーターが出来る。
ウサ耳は見事に潰れている、が、コレと言って特に何かが埋まってるモノはなかった。
「ちっ」
(舌打ち!? ウサ耳じゃないナニカが潰れてた方がよかったのか……?)
バルバトスは顔をひくつかせる一夏を尻目に海の方へと歩いていった。
「な、何をしていますの?」
バルバトスと入れ替わるように怪訝な表情のセシリアがやって来る。
「ウサ耳が潰れた」
「は、はい?」
一夏の変な説明にちょっと困惑気味のセシリアだった。