フローズン・スノーデン sideE:ReBoot   作:塩唐少尉

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フローズン・スノーデンsideE第一部、ついにリブート開始!その記念すべき第1話はすべての始まりのストーリー…


ReBoot:第1話「大地に立て-Dive to Dimension-」

 GUNPLA BATTLE NEXUS online(ガンプラバトル・ネクサスオンライン)―通称"GBN"――それはディメンションと呼ばれる電脳仮想空間内でガンプラを使い、様々なミッションをこなしてゆく新時代のネットワークゲームだ。

 

 そして今、ある一人の少年はディメンションへダイブする――すなわちGBNを始めることを決意した。彼の名は白崎 縁(シラサキ・エン)。ちょっとおっちょこちょいだが心優しくお人好しな彼は、ガンプラバトルこそGPデュエルの頃から続けているが、GBNへのダイブは初めてだ。

 彼が使うのはホワイト・ディンゴ隊仕様のジム・スナイパーⅡ。これは彼がかつて作ったガンプラの中でも最高傑作ともいうべきもので、GPデュエルへの実戦投入を躊躇するほどの完成度を持っていた。

 

「ついにこの日が来たか…。今日からよろしくな、相棒!」

 

 親戚から貰ったお年玉と今まで貯めていた金で惜しみなく買ったダイバーギアで準備万端。エンはついにGBNへダイブしたのだった。

 

 

 

「ここがGBNか…!」

 

 エンはGBNのロビーを見渡した。AEUのエースパイロットのような姿をしたダイバーやSDガンダムみたいな姿、中にはハロの姿をしたダイバーがいてとても賑やかだった。

 とりあえずまずは肩慣らしに、エンは初心者向けのミッションを選択した。いくらGPデュエルの実戦経験があっても、ここしばらくはご無沙汰だったのでまずはGBNのシステムに馴染みながら、昔のカンを取り戻す必要があると考えたからである。

 

 

 「エン、ジム・スナイパーⅡ!出るぞ!」

 

 

 ミッションエリアに到着したエン。そこには3機のリーオーNPDが待ち構えていた。だが、所詮は初心者向けに調整された機体。動きも読みやすく、肩慣らしにはうってつけの相手だった。

 

 

 

 その頃、とある2人組のダイバーはエンの戦いをこっそり観察していた。

 

「アイツ意外とやるんじゃね?」「じゃね?」

 

 2人は何か企んだかのような表情を浮かべ、それぞれのガンプラであるハイザックとジンに乗り込んだ。

 

「倒せば結構なポイントをゲットできるはずだからぁ…。」「だからぁ…。」

 

「「やっちゃおっか!」」

 

 この時、2人は知らなかった。彼らが目をつけたダイバーがGPデュエルの中堅プレイヤーだったということを…。

 

 

 

 ベース基地へ戻って無事ミッションを終え、GBNに慣れてきたエン。そんな彼のもとに1人のダイバーが近づいてきた。

 

「いや〜先程のバトルすごかったですよ。見たところあなた、結構な実力を持ってるようですね。どうです?俺とフリーバトルで勝負するのは。」

 

 見るからに怪しさ全開の口ぶりに、何か裏があると見たエンはあえて勝負に乗った。

 

「いいだろう!その勝負受けて立つ!」

 

 こうして、GBNで初めて対人戦をすることになったのだが、エンは"フリーバトル"という言葉に引っかかりを覚えた。

 

(フリーバトルって確か、ランクに関係なく自由なバトルができると聞いたことがあるような…。)

 

 2機がカタパルトから発進した後、ジンの後に続くかのようにハイザックも発進したのだった。

 

 

 

 フリーバトル開始直後は、特に違和感もなく、相手もそこそこの実力を持っていた。

 だが、バトル開始から1分経った時、ジンが横へ回避すると同時に何者かがビームを撃ってきた。まるでジンを援護するかのように…。まさか…!

 

「そこかっ!」

 

 エンはすかさず撃ってきた方角にビームライフルを撃った。すると、今まで隠れていたハイザックが姿を現した。

 

「卑怯だぞ!1対1に見せかけて味方に闇討ちをさせるとは!」

 

「申し訳なかったなぁ!相棒がついてきたんだから!」

 

 これが、フリーバトルのシステムの穴を突く彼らのやり方なのだ。彼らによる被害にあったダイバーは少なくもないため、現在は要注意ダイバーとして警戒されていた。

 

「人を見かけで判断しないってことをよーく教えてやるよ…あんたが負けることでさぁっ!」

 

 突然の1対2という変則バトルになってしまったが、それでもエンは怖気づくことなく、むしろ正義の怒りに満ち満ちた。

 

「見くびるなよ…GPデュエルではそれなりの実力者だったこの俺を!」

 

「エーッ!GPデュエル!?」「だってぇ!?」

 

 2人が驚くまでもなく、エンはまずハイザックにターゲットを固定し接近した。

「ちぃぃっ!」

ハイザックはとっさにヒートホークをブーメランの要領で投げ飛ばしたがで、エンがそれをうまくキャッチすると同時に勢いよく顔面に叩きつけ、最後はビームライフルを胴体に照準を合わせ撃った。

 

「ひとぉつ!」

 

「のおぁぁぁ…っ!」

 

 

「あ、相棒!くそぅっ!!」

 ジンは76mm重突撃機銃を乱射したが、相方をやられて混乱したのか全く当たらなかった。ならばならばと重斬刀を構えエンめがけて飛びかかった。だが、エンは「待ってました!」と言わんばかりにビームサーベルを引き抜いて構え…。

 

「ふたぁつ!」

 

 まるでどこかで見たような構図でビームサーベルがジンのコクピットを貫通した。

 

「まさか…ギャアァァァ!!」

 

 ダイバーの断末魔と共にジンは大爆発を起こした。

 

「騙し討ちなんて卑怯な真似はするなよ。まったく…。」

 

 よもや、初の対人戦がこんな形になってしまうとは思わなかったが、これで少しは懲りて大人しくなるだろうとエンは思うのだった。

 

 

To be continued…


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