フローズン・スノーデン sideE:ReBoot   作:塩唐少尉

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今回は最初期に公開された1~4話を新規カットを交えて再編集したスペシャルエディションです。そして読むにあたってこれらを読んで頂けると嬉しいです。
・今回は挿入歌として[PINK ROSE]、[STARS☆☆☆]、[3・2・1→Smile!]などを聞いてみることをお勧めします。
・ベルジィの脳内CVは宍戸留美さんでお願いします…(^_^;)
・2021/9/25:更に新規カットを追加、一部セリフ変化あり


激突 第一次有志連合戦

 非公式ツール、ブレイクデカールを扱うマスダイバーの存在は、GBNにとって脅威になりつつあった。その力を日に日に進化させてゆく彼らによって、ついにはロンメル率いるフォース[第七機甲師団]が敗北に追い込まれてしまう。事態の深刻さを知ったフォース[AVALON]のリーダー、クジョウ・キョウヤはGM(カツラギ)と接触したのだった。

 

 それからある時、フローレス率いるフォース[フローズン・スノーデン]一同は[AVALON]のフォースネストに召集された。

 [AVALON]のフォースネストには虎武龍やアダムの林檎、そして結成して間もないビルドダイバーズといった様々なフォースが招集を受けていた。

 

「ん?あの人は…噂に聞いたことあるけど確か腕利きのマスダイバー狩りの…。」

 

「なんや、あんたらも招集受けてたんか。オレはアーク。よろしくな。」

 

「あっ…はい。よろしくおねがいします。」

 

 

 そうした中、クジョウ・キョウヤとロンメルはマスダイバーの討伐と事件の黒幕を突き止めることを目的に有志連合を結成したのだった。

 

 

「あの、キョウヤさん。なぜ私たちを招集したのですか?」

 

 フローレスは気がかりだった。チャンピオンが自分たちのフォースの事を知っていても、それだけでは招集された理由がわからないのである。

 

「フローレスさん、貴女たちのフォースが傷一つ無い完璧な勝利を活動目的としているのは聞いています。だから…。」

 

 チャンピオンの眼差しに、フローレスは自分たちが期待されているのではと感付いた。

 

「…わかりました。このフローレス、キョウヤさんの期待に応える為に全機無事に帰ってくることを誓います!」

 

 

 

 ついに、有志連合とマスダイバーの決戦の幕が上がった。

 

 フローレス達は防衛隊としてマスダイバーを討伐しつつ、突入隊が資源衛星に到着し黒幕の正体を突き止めるまでの時間稼ぎをすることとなった。

 

 初心者用サーバー[エリア11]の転送ポイントへ到着した一同。そこでフローレスは一つだけ指示を出した。

 

 

「メンバー全員へ通達。各員の単独行動は許可しますが、必ず傷一つ付くことなく全員無事で帰ってくること。いいですね?」

 

「了解!」

 

「了解ですよお嬢様!」

 

「了解です!それじゃあ俺は少し離れさせてもらいます!」

 

 

 エンはそう言ってフローレス達の元から離れた。一方、ロビンは二人にある事を通達した。

 

 

「エンは敵機殲滅のために単独行動をしたから…君達は僕やフローレス様の援護をよろしく!」

 

 

「はい!」「りょーかいっス!」

 

 

 エンが本隊と離れ敵機と交戦を続ける中、どこかで見覚えのあるドムトルーパーを見つけた。

 

「ベルジィ!?ベルジィなのか!?なぜアンタが"そっち"側にいる!?」

 

 エンはそのドムトルーパーの使い手…ベルジィに通信を入れた。

 

「そうね…今のあなたと戦ってみたいから、かしら…?」

 

「それだけの理由で!」

 

 

 

 一方、有志連合に参加しているフォースは他にもいた。

 

「ミミちゃん、そっちはどう?」

 

「なんとか一機は撃墜したけど…数が多すぎるよ!それにこのゲルググ、強すぎない!?」

 

 [ポッパーズ]もまた、有志連合に参加していたのであった。ニャミのガンダムはシャア専用ゲルググに、ミミのガンダム試作1号機フルバーニアンはゲルググM・ライターの他、ザクⅡやドラッツェに苦戦を強いられていた。

 

 

 

 そして…エンとベルジィの戦いはなかなか終われなかった。それはなぜか?エンがいくらダメージを与えようが、ドムトルーパーはブレイクデカールの力によってすぐに再生してしまうのである。

 

「このままじゃらちが明かない…!勝負はひとまずお預けだ!次はお互いフェアで戦おう!」

 

 エンはシャア専用ザクのようにドムトルーパーに蹴りを入れるとベルジィを援護しようとしたザクⅡ改の元へ向かった。

 

 

-何故こうも敵の数は増え続ける!?―

 

 

 ザクⅡ改の攻撃を防ぎながら、エンはそう思った。

ただでさえブレイクデカールの力で強化されている相手に一対一で戦っても善戦するのがやっとのことである。しかし、その間に続々と敵が攻め込んで来る。

 

「ちぃっ!どうすれば!」

 

 ふと、彼は何かを思い出した。

 

「ブレイクデカールの力でガンプラが強化されているのなら、その武装も強化されているはず。ならば…!」

 

 そう考えたエンはビームサーベルをホルダーに戻し、シールドのスパイクでザクの左腕を突き、ヒートホークを弾いた。そして…。

 

「このっ、このっ、このォ!」

 

 弾いた直後にヒートホークを奪い、そのまま相手の胴体にめがけておもいっきり叩きつけ、じわじわと相手にダメージを与え続けた。そしてロングレンジビームライフルを構えたエンはコックピットめがけてトドメの一撃を放った。再生不能のダメージを受け、ザクⅡ改は爆発四散した。

 

「とりあえず一機は仕留めたか…。」

 

 ひとまず安心した彼だったが、次の戦いはすぐに来る。撃破したザクから奪ったヒートホークを片手に、次なる戦場へ飛んだエンが向かった先にはジム・カスタムとジム・コマンドのコンビがマスダイバーのリック・ディアスと量産型ゲルググの2機と交戦していた。

 

 同じジム系使いとして援護せざるを得なかったのか、エンは交戦中の2機に加勢した。

 

「君たちを援護する!後は任せてくれ!」

 

「援軍か!?ありがとう!協力に感謝する!」

 

「これで状況は3対2、余裕だな!」

 

 その時、ジム・カスタムをロックオンしたゲルググはクラッカーを上に投げた。

 

「クラッカーなど!」

 

 すると分かれた6つの爆弾はファンネルミサイルの如くジム・カスタムを追尾した。

 

「ブレイクデカールの影響で、クラッカーに追尾能力が追加されたのか!?」

 

 ジム・カスタムはシールドを構えるも、その強化された火力によってシールドもろとも左腕を失ってしまった。

 

「それでも!」

 

 3機のジムはゲルググに接近。まずジム・コマンドがゲルググの顔面に蹴りを入れ、続けてジム・スナイパーⅡがヒートホークを脇腹に当て、さらにジム・カスタムがライフルをコックピットに向けたまま弾切れになるまで撃ち込んだ。

 

「これで…チェックメイトォ!」

 

 3機はそれぞれバックパックやリアアーマーからビームサーベルを引き抜いては構え、一直線に突撃してゲルググに一撃を与えた。

 三位一体の攻撃に耐えきれなかったのか、ゲルググはそのまま爆散するのであった。

 

「やっと仕留めたか…!」

 

 しかし、安心するのはまだ早かった。なんと、エンの目の前にリック・ディアスが現れ、今まさにビームサーベルを振り上げようとしていたところであった。

 

(しまった…!このままでは…やられる!?)

 

 その時だ。横から無数のビーム弾がリック・ディアスに命中、さらにオレンジ色のジムⅢがベースと思われるガンプラが乱入するかのようにリック・ディアスに蹴りを入れた。

 

「俺を援護してくれたのか…?それに、あのガンプラは…!」

 

 マスダイバーのリック・ディアスに襲われそうになったエンの危機を救ったオレンジ色のジム。彼はそのガンプラとそれを駆るダイバーに見覚えがあった。

 

「あ、あんたはもしかして…!」

 

「大丈夫!?ここは僕に任せて!」

 

「ありがとう!それじゃあ一緒に戦おうか!」

 

 エンのジム・スナイパーⅡはバイザーを下げ、そのままライフルを構えた。

 

「なら僕も!」

 

 続けて、オレンジ色のジムは手持ちのライフルを腰のバスターバインダーとドッキングした。

 

「これで仕留める…!いけーっ!」

 

「フュージョンビーム!」

 

 放たれた2つの閃光はリック・ディアスを貫いた。

 

「やった!協力に感謝するよ!また会おう!」

 

「はい!」

 

 オレンジ色のジムと別れたエンはまた別の場所へと向かう。

その瞬間、一発の砲弾がエンのジムを横切った。そしてその先にはボールが待ち構えていた。

 

「ボールか!?ならば!」

 

 エンのジム・スナイパーⅡは勢いよくボールに接近し、サッカーの要領でボールを蹴り飛ばした。

蹴られたボールは吹っ飛んでゆき、マスダイバーのジムに命中。ボールは所詮ボールでしかなかったのだ…。

 

 

 次にエンはマスダイバーの百式を発見、そのまま交戦する事になった。

百式の運働性に苦戦するエン。しかし、彼はあることを考えていた。

まずはビームサーベルをホルダーから引き抜いて構え、そのまま百式に突撃して右腕を切り落とした。

 しかし、切られた右腕はすぐに再生した。

 

「いくらダメージを与えようが、こいつは再生できるんだよ!」

 

「そう…だからそのシステムの穴を突かせてもらった!」

 

 エンは切断した右腕からビームライフルを回収、左腕に装備した。

一方、相手の百式はライフルを手放し、すぐにクレイバズーカに持ち変えた。

だが、エンはクレイバズーカの攻撃を見事に避け、逆に奪ったライフルを当て続けて相手を不利にさせた。

 しかし、百式のバルカンがロングレンジビームライフルに直撃、爆発してしまう…。

 

 そんなとき、ウイングガンダムがたまたま近く通りかかろうとした。それを見たエンはまたあることを閃いた。

 

 

 ウイングガンダムの元へ向かったエンは、その使い手であるプリッドに向けてこう言った。

 

「ちょうどよかった!それ、一旦貸してくれないか!?」

 

「えっ!?別にいいけど…無駄撃ちはしないでよね!」

 

 ウイングガンダムからバスターライフルを借りたエンのジムはまず左手のライフルで牽制、その次にバスターライフルを百式に向けて発射した。

 バスターライフルから放たれた一筋の光は百式を飲み込み、蒸発させた。

 

 

 百式を撃破した後、プリッドはこう言った。

 

「あなた、戦いのセンスはあるのね。どう?私の仲間にならない?」

 

「遠慮しておくよ。それに、俺には帰るところがあるから…。」

 

 

 しかしその直後、資源衛生から巨大MAが出現した…!

 

「あ…あれはまさか…!」

 

 

 

 敵の本拠地である資源衛星ペズンから超弩級MA、ビグ・ザムが出撃した。その直後、機体に搭載された計26門のメガ粒子砲が一斉掃射された。

 

放たれたビームは枝分かれし、エンのジムスナイパーⅡはそれを回避するのがやっとであった。

 

「何としてもアレを避けながら敵を倒さないと…!」

 

その時、ビグ・ザムが放つオーラが禍々しい色に変わると同時に、マスダイバーのガンプラも同じような禍々しいオーラを放った。

 

「どういうことだ?」

 

 彼が不思議に思ったその瞬間、ビグ・ザムのメガ粒子砲は再び発射された。その時、エンは思わぬ光景を目撃した。

 

「宇宙が…"割れた"!?」

 

 ビームを避けながらエンは驚愕した。むしろ、驚愕しすぎて割れた宇宙の先に"刻"を見たような気がした。

 だが、すぐに我に帰って他のマスダイバーと交戦した。

 

様々な武器を奪い、我を忘れるくらいにマスダイバーのガンプラを破壊し続けた。その姿はまさにガンプラを"ブレイク"するものの姿だった。

 

 その時、エンはまたある光景を見た。

 

「なんだ!?あのガンプラ、急に赤くなってビグ・ザムに接近したぞ!」

 

 そして、その赤いガンプラ――ガンダムダブルオーダイバーエースがビグ・ザムに急接近して攻撃する姿を見て、エンはある決意をした。

 

「そうだ…俺達の居場所であるGBNを…誰にも壊させはしない!やらせはせん!GBNをやらせてたまるかぁー!」

 

 エンの機体は、他のダイバーと共にビグ・ザムを攻撃した。その時、ビグ・ザムに急接近した赤いガンプラから緑色の光が放たれ、大きな翼となり、ビグ・ザムに覆いかぶさった。

 

「あの光は…そう、"希望の光"だ…!」

 

 光の翼が起こした奇跡か、割れた宇宙が元に戻り、マスダイバーのガンプラからオーラが消えていく。そして…。

 

 

 ー以上をもって、ミッションを終了する!ー

 

 ついに、長きに渡る最終決戦は有志連合側の勝利に終わった。

 

「守れた…GBNを守れたんだ!俺達、ついにやったんだ!」

 

 エンは勝利を喜んだ。そして、どこからか日の出が有志連合の勝利を祝福するかのように、または新しい時代の幕開けを示唆するように現れた。

 

 終戦後、アヴァロンのフォースネストで有志連合の勝利記念パーティーが開かれた。みんなで乾杯したり、あれやこれやと話し合ったりした。その時、エンはビルドダイバーズの姿が無いことに気づいた。しかし彼はこう思った。

"きっとまたどこかで会えるよな"と…。

 

to be continued…!




皆さんこんにちは。やっとsideEをここでも連載することができて本当に良かったです。問題は今までのエピソードを投稿しないといけないので新作はしばらくお待ちください。

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