「禁忌目録違反だけど愛さえあれば関係ないよねっ!」「えっ」   作:練れば練るほど色の変わるお菓子

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 うんうん。投稿して三日でUA10000越え、高評価もたっくさんもらったかぁ………うん?………うん?(三度見)

 えっ?あっ、その…え、ええ…?み…皆さん作者を甘やかし過ぎでは?一時間平均200アクセス越えとか見たことないんですが…

 何はともあれ、感謝しかありません。ありがとうございます。皆さまの応援のおかげで頑張れます!

 評価と感想ありがとうございました。先日初の誤字報告いただきました。教えていただきありがとうございます。

 ところで、アンケートで青薔薇の剣♂に50票近く入っていたように見えるのも、作者の見間違いでしょうか。最近目がよく悪くなります…

 合言葉は
 システム権限<愛の力

 今回は書く予定がなかったのですが感謝の舞を踊りながら作者が急ピッチで書き上げたものです。急いで書き上げたので出来がちょっと悪いかもしれない…

 北セントリア学院の春休みの話です。時系列的には一話の後ですね。春休みがあるかどうか?違う、作るんだ。



なんでも言うことを聞いてくれるルクス君

「─い──よ。先──。」

 

 誰かの声が聞こえる。誰の声だろうか。僕が、呼ばれている気がする。

 

「先輩、先輩。朝ですよ〜」

 

 誰の声だろう。少しだけ知覚すると、毛布のもこもこで保たれた暖かさが、とても気持ち良かった。このまま、もう少し、もう少しだけこうしていたい。

 

「もう…ちょっとだけ…」

 

 返事は返ってこなかった。ただ僕は、ふかふかの感触と、暖かな人肌の感覚に身を任せて…

 

(…ん?人肌?)

 

「んん!?」

 

 僕は驚いて目を開ける。視界に入ってきたのは高い天井、朝の日差し。そして…何故か裸の大好きな人。

 

「あ、おはようございます。目が覚めましたか?」

 

「なななな!な、何で裸なの!ロニエ!?」

 

 目の前にいる許嫁さんは、きめ細やかな白い肌を惜しげもなく露出し、一糸まとわぬ姿になっていた。寝起きドッキリにも限度がある。

 

「…相変わらずウブですよね。ほら、おはようのキスですよ…」

 

「んむぅ!?!?」

 

 キスされたことで、ようやく自分がロニエにのしかかられている事に気がついた。

 

 やっと目覚めきった意識が、突然の快楽でまた靄がかかったようになる。三十秒、四十秒。キスが続けば続くほど、意識は朧げになっていく。

 

 呼吸が苦しい。酸素を体が求める。それでも、接吻は終わることがない。

 

(あ、意……識…が……)

 

 酸欠で意識が無くなる寸前、ようやく口同士が離れた。繋がったいやらしい唾液の橋が途切れるのを感じながら、荒い呼吸を繰り返す。

 

「ふぅ…目は覚めましたか?」

 

「はぁ…はぁ…な、何で、裸?」

 

「夜這いですよ。夜、這、い。まぁ、先輩の寝顔を見てたら一緒に寝てしまったので、精々口付けしかしてないですけど。」

 

「大事件じゃないか!?」

 

 また寝ている間に禁忌を犯させられている。数えているだけ百十三回。また数が増えてしまった。

 

「さて、とりあえずその赤くて蕩けた可愛い顔をやめてください。朝からしたくなっちゃいます。」

 

「!?!?!?」

 

 突然の襲う発言に慌てて手で下半身を隠す。流石に朝から襲われたら色々とマズイ。今更だけど男女逆じゃないのか、これ。

 

「…冗談ですよ。しかし…私はキスをしたいって言っただけなんですが、何で手を下の方に持っていったんですか?」

 

「…なっ!?そ、それはその…あの…」

 

「わかってますよ。先輩が想像したことぐらいお見通しです。それに……さっきから視線がやらしいですしね。」

 

「…ごめん…」

 

 …それは健全な男の子として許して欲しい。裸で詰め寄られると、こう…見えるのだ。色々と。

 

「まぁ、狙ったんですけど。実は嬉しいですよ。改めまして、おはようございます、先輩。朝ごはんは出来ていますよ。」

 

「……」

 

 悪戯が成功したと言わんばかりに微笑む彼女に、僕は朝から完全敗北を喫したのだった。

 

 

━━━━━━━━━━

 

「…ねえ、僕が食べてるの見て楽しいの?」

 

「はい、とっても。先輩は特に美味しそうに食べてくれますから、作る甲斐があります。」

 

「そう、なんだ…こ、この魚美味しいね。どうやって作ったの?」

 

「先輩、照れたからって話題を逸らすの下手すぎますよ。顔に出てます。」

 

「うぅ…か、顔に出ないように頑張ってるのに…」

 

 ここしばらく、北セントリア学院はお休み。向こうでの春休みに入っている。キリトやユージオ君は寮に残るそうだが、僕みたいに実家が近い人は、この機会を使って帰省しているのだ。尤も、うちは父親も母親も仕事だから誰もいないのだけれど。

 

 そしてロニエとの約束通り、ロニエをしばらくうちに招待し、二人でゆっくりすることになった。主にその為の帰省と言っても過言ではない…というか、それが全てである。

 

 ロニエの実家のアラベル家でもいいのだが、向こうは大所帯なのでどうしても小さい義妹や義弟に構って二人きりの時間が短くなってしまう。僕は全然構わないのだが、ロニエが不満そうにしていたのでまたの機会だ。

 

「ところで、おに…先輩。今日はどうしましょうか?」

 

「…うーん。ここ数日でめぼしいことは全部やったしなぁ…」

 

 ここ数日は本当に楽しかった。ひたすらに広い裏庭で神聖術ありの全力鬼ごっこをしたり、剣士らしく剣の立会いを繰り返したり。新しい神聖術の研究は酷かった。素因(エレメント)から棉を作ってモコモコしようという目的だった筈が、最終的に人食い植物に立ち向かうことになったのだ。

 

 しかし、恋は世界を鮮やかに〜なんてありきたりな言葉は、実際に体感してみるとよくわかる。こんなくだらない日常でも、彼女となら退屈じゃなくなるのだから。

 

「あ、せっかくだし、晩御飯の買い出しついでにこの辺りを散策してみる?お昼ご飯に丁度良さそうな景色のところ、知ってるんだ。」

 

「いいですね!私、外で食べられるお昼の準備しておきます!」

 

 提案は、どうやら受け入れてもらえたようだった。手を合わせて食事を終え、お出かけの準備に入る。

 

「じゃあ僕は、いつもの水やりと、洗濯物を干してくるよ。楽しみにしてる。」

 

「はい!任せてください!先輩も案内、よろしくお願いしますね!」

 

 …彼女が台所に行ったのを見て、僕はホッと安堵の溜息をついた。断られることも考えて、色々なプランを練っていたが、どうやら無問題だったようだ。きっとそろそろ(・・・・)だから、下準備しておいてよかった。

 

(また大変だよね。彼女に幸せな一日を過ごしてもらうってのは。)

 

 それでもその努力を苦だと、どうしても思えないのは、やはり恋のせいなのだろうか。

 

 

 

━━━━━━━━━━

 

「この通り、久し振りに来ます…。あ、あのパン屋さん、まだ残ってるんですね。」

 

「懐かしいね。うちに来たのが許嫁の挨拶以来だから…十年前か。あそこのりんごパイ、今も忘れられないよ。いくつか買って行こうか。」

 

「昼ごはんもありますから、一つだけにして、分けて食べましょう。すみません!りんごパイおひとついただけますか?」

 

 僕とロニエは外用の服に着替えてから、貴族用の商店街と呼べるところに来ていた。といっても、僕の家は3区。貴族の豪華な屋敷が立ち並ぶ場所なので、物価はそれなりに高い。

 

 ロニエも最初にここへ来た時は、目を丸くして買い物すらしなかった。今は何とか慣れて平常心で買い物しているが、買うときに神妙な顔で値札を確認している。やはり家事をするものとして思うところがあるのだろう。

 

 僕?僕はさほど気にしない。感性はロニエ寄りだが、僕の家にはお金が余るほどあるし、それは大体我が家を一等爵家へ引き上げた時の副産物だ。僕が作ったお金なのだから、僕が使って何が悪いという話である。両親も文句は言わず黙認している。

 

「むむ…にしても、本当に高いですね…。物はその分いいですけど、戸惑ってしまいます…」

 

「あはは…別にお金はそこまで気にしなくていいんだよ。僕の所持金、知ってるでしょ?教会にたくさん寄付してあれなんだから、びっくりしちゃうよ。」

 

「まあ、あれだけあったらお金には困りませんよね…。先輩、出世し過ぎです。その歳で私のお父さんの年収を月収で超えてどうするんです。」

 

「家族共々幸せにします…なんて回答じゃ、ダメかな?」

 

「…ズルイですね、先輩。そんなこと言われて、ダメって言えるはずないじゃないですか、もう。」

 

 可愛い。やっぱりお世辞でなく、僕の許嫁は可愛い。頰を膨らませて怒る姿も、はにかむように笑う姿も、やっぱりどうしようもなく好きだ。…僕をからかうのはちょっと困るけど。

 

「さて、買い出しは大体終わりましたし、そのお昼ご飯にぴったりな場所、案内してくださいね。」

 

「任せてよ。まぁ、そろそろ着くんだけどね。」

 

「えっ?でも、先輩。ここ、行き止まりですよ。」

 

 確かに、ついた場所は街の外れ。目の前は深い森のようになっていて、とても進める気配はしない。が、家からの逃走ルートをひたすら探していた僕がたまたま見つけた場所は、ここの奥なのだ。

 

「まぁ見ててよ。システム・コール。ジェネレート・ルミナス・エレメント。」

 

 人差し指に光素を作り出して、何も詠唱せずに光素を投げる。投げられた光素はそのまま森へまっすぐ飛んでいき…その本当の姿を映し出した。

 

「えっ!?み、道が出来てますよ!?これ、高度の幻覚神聖術じゃないですか!?どうしてこんなものが街中に!?」

 

「んー、僕もよくわからないんだけどね。ロニエと会うちょっと昔に、ここを見つけたんだ。まぁ、聞くより実際に見たほうがいいと思う。行こう。」

 

 そうして僕は、驚くロニエの手を引いて森の奥へと入っていった。

 

 

 

 しばらく続いた緑のアーチに目を楽しませながら進んでいくと、比較的簡単に広いところに出た。

 

「わぁ…綺麗…」

 

 出たところにあったのは、それなりに大きな湖だ。湖のほとりには少し大きな桜の木があって、いい具合に木陰を作ってくれている。そしてその木陰には、僕が数日前、個人的に買った木製の長椅子が置いてあった。

 

 そしてこの方向でこの高さだと、ちょうど水面にセントラル・カセドラルが綺麗に映るのだ。湖の青と、カセドラルの白。桜の桃と、芝生の緑。飽きさせない色のちょっとした空間が、そこには広がっていた。

 

「いいでしょ。誰も来ないし、静かだけど長閑で。かなり昔に見つけてから、誰に話すこともなくそのまま。僕とロニエだけが知ってる、とっておきの場所だよ。」

 

「私と…お兄ちゃん、だけの。」

 

「さ、ご飯にしよう。風がちょうど気持ちいい。桜も、僕たちを歓迎してくれてるみたいだよ?」

 

 頑固な老人が鷹揚に頷くようにして、桜は満開の花を揺らしたのだった。

 

 

━━━━━━━━━━

 

「ふぅ…食べた食べた。ご馳走様でした。」

 

「はい。お粗末様でした。こんな良いところが、三区にあったんですね…。人気になってないのが不思議です。」

 

「うーん。なんでだろうね。あの幻覚の神聖術といい、謎は多いんだけど…どうにも明らかにしようとする気は起きないかな…」

 

 不思議なものだ。解き明かそうにも明かせないのは確かなのだろうが、それにしても、やる気を起こさせない(・・・・・・・・・・)ようにしているが如く、そのままにしておきたいという気持ちが湧き上がってくる。

 

「まぁ、偶にはいいんじゃないですかね。こんな幻想的なところに、わざわざ不粋な理屈を持ってくる必要はないですし。」

 

「同感だ。」

 

 しばらく長椅子に座って食後の余韻を楽しむと、いい加減行動を起こすことにした。

 

「ロニエ、ちょっとこっちに来て。」

 

「?なんです?先ば…」

 

 こちらによってきたロニエの頭を、僕の膝の上に乗せてあげる。所謂膝枕という体勢だ。

 

「先、パイ。これって…」

 

「ん、甘えたかったんでしょ?ここ数日、何回かお兄ちゃん呼びに戻ってたし。今は周りに見てる人もいないし、煩わしい学院則もない。しっかり甘えていいんだよ?」

 

 ここ数日、ロニエが甘えようにもタイミングを逃しているのは知っていた。いつか甘やかしてあげようとも。

 

 けれど、突然言っても驚くだろうし、そもそもからかわれてばかりで言いだす機会が無かった。

 

 だから作った。僕が思うに、最高で、デートも楽しんでもらえて、ロニエが僕に最も甘えやすいと思うシチュエーションを。

 

「…先輩、ズルイですね。そんなこと言われちゃ、嫌って言えないじゃないですか。」

 

「うん、そうだね。だから、しっかり甘えなさい。僕が君を甘やかしている時、嫌だなんて言ったことが、十年間一度でもあったかい?」

 

十年間、愚痴も、悪態も……愛も、全て受け入れてきた。今更受け入れられないものなんてない。あっても次から受け入れる。そう言うものに、僕はなりたいのだから。

 

「…お兄ちゃん。お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!!」

 

「うん、何だい?」

 

 泣き出してしまった。僕をお兄ちゃんと呼ぶ、いつも通りの彼女(いもうと)だ。

 

「私、ずっと怖くて。お兄ちゃんの傍付きになるのが決定した時、他の人達が私と先輩が釣り合わないって、噂してるのが聴こえて。」

 

「…そりゃあ酷い話だ。でも、僕は釣り合っていないなんて思わないよ。寧ろ、僕が君に釣り合っているか不安なぐらいだ。」

 

本心だ。この世界からしたら紛い物の部類である僕と、純粋無垢である彼女が釣り合っているとは、僕は到底思えない。けれど、彼女からしたらそれは違うらしい。すぐに否定の言葉が返される。

 

「違う、違うんです。私は、悪い女なんです。お兄ちゃんが逃げないようにって、許嫁になってから、ずっと色仕掛けに頼って。私が、捨てられるのが怖くて。お兄ちゃんが私を好きでいてくれるのは、わかってるんです、でも私は、それを信じきることができなくて…!」

 

「そうなんだ。それはちょっと、悲しいね。」

 

「…ッッッ!」

 

「でも、いいんだよ。君が僕を信じない分、僕が君を信じよう。

 

君が僕を変にしか愛せないと言うなら、僕はその分まっすぐ君を愛そう。全部君が補う必要なんてない。僕は君と許嫁になった時、心から幸せだと思った。満たされたと思った。

 

だからね。君がどれだけ悪い子でも、それが君ならいいんだよ。僕は君を愛して、愛するためだけに、今こうしてここにいるんだから。」

 

「…ズルイ。ズルイですっ…そんな言い方されたら、私はっ!私はっ…」

 

 彼女の瞼が、だんだんと重くなっていく。泣き疲れたのだろう。発する声もだんだんと、はっきりしなくなってきている。

 

「いいよ、ゆっくりお休み。君となら、一日中膝枕に付き合おう。君の可愛らしい寝顔を見ていれば、きっと一日なんてあっという間だ。だから、今日はもう、お休み。」

 

 最後に彼女の唇に自分の唇を重ねて、頭を撫でる。安心できるように、この子が、いい夢を見られるように。愛する彼女が、優しい顔で眠りにつくまで、僕は頭を撫で続けたのだった。

 

「お、兄……ちゃん…」

 

 寝言でそう漏らす彼女は、それはそれは、可愛かった。

 

 

━━━━━━━━━━

 

 

 

「…むぅぅっ……」

 

「どうしたの?そんなに顔を膨れさせて」

 

「…先輩(・・)からの、その、告白は嬉しかったのですが、先輩のいいように転がされたのが、なんだか癪で…」

 

「僕の評価酷くない…?で、スッキリできたかい?」

 

「そりゃもう!ぐっすり昼寝もできましたし、今夜の夕食は期待してくれていいですよ!」

 

「おお、そりゃあ楽しみだ。幸い明日も明後日も休みだ。やりたいことがあったら、遠慮せず言うんだよ?」

 

「だったら、その、先輩…」

 

「ん?どうしたの?」

 

「あの…今日、一緒に寝ていただいても大丈夫、ですか?先輩の膝枕、すっごく暖かくて…その…」

 

「夜這いしといて今更だと思うけどね…」

 

「なぁっ!?そ、それは言わない約束でしょう!」

 

「あはは、冗談冗談。いいよ、いくらでも言いなさい。君のお願いなら、なんでも聞いてあげるからね!」

 

 

なんでも言うことを聞いてくれるルクス君 fin




ルクスママー!

…ルクス君マジヒロイン。長くなってしまい申し訳無かったです。

ロニエちゃんとのデートを書きたかったんや…糖分これで足りてますかね。追い砂糖も一応用意してますけど、使われますか?

さて、投稿時間から十五分でアンケートが終了いたします。どんな結果になるか、お楽しみに〜

あ、青薔薇の剣♂入れた奴!あとで職員室(感想欄)な!
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