出来る限りキャラは原作通りにいきたいけど話によってちょっと性格変わるかもしれませんが、よろしくお願いします。
HRも終わり、休み時間。
翔介は机に突っ伏していた。
自己紹介の最後の最後で噛むという痛恨のダメージがいまだに癒えないようだ。
「なあ、大丈夫か?」
するとそんな彼に声をかける者が。
翔介が顔を上げると、そこには一夏が立っていた。
「あ、えっと…」
「ああ、俺は織斑一夏。道野翔介だったよな?」
一夏は人好きのする笑顔を浮かべる。
あまり同年代との付き合いが少ない翔介だが、女性にモテる王子様というのは彼のことを言うのだろう。
「あ、うん。よろしくね、織斑君」
「ああ、よろしくな。俺のことは一夏で良いぜ?」
またも笑顔を浮かべる一夏。
少し困惑した様子の翔介。
「えっと、ごめんね。僕、同年代の友達っていなかったから。名前で呼ぶの慣れてなくて…。悪いんだけど、しばらくは織斑君でいいかな?」
「あー、そうか。そういうことなら仕方ないか」
バツが悪そうにしているも、笑顔を崩さない。それを見ていると申し訳なさが込み上げてくる。
翔介の言う通り、彼には同世代の友達がいなかったため友達との距離というものがわからなかった。しかし、そんな自分にも笑顔で接してくれる織斑一夏という少年はとても好ましく思えた。
「この学園で二人しかいない男同士だし、仲良くしようぜ」
「うん、ありがとう」
少しぎこちないが笑顔を返せていたと思う。この少年とは仲良くなれると翔介もそう思えた。
「これはフラグが立った?」
「えっ、マジで? 織斑×道野?」
「織斑君の美形攻めに道野君の姫受けね」
「いや、私は織斑君の男前受けに道野君のわんこ攻めを推すわ」
「は?」
「あ?」
なにやら教室の傍らが騒がしい。同じ女子同士だからか、仲良くなるのも早いようだ。
一部ピリピリとした雰囲気を感じるが。
すると、ツカツカと二人の下へ女子生徒がやってくる。
「少しよろしくて?」
二人で声の方を向くと、長く美しい金髪に碧い瞳が目を引く。故郷の祖母の家にあった外国製の人形を思わせる容姿が厳めしい表情で仁王立ちしている姿は迫力がある。
「俺たちに何か用か?」
「まあ! このわたくしが声をかけてあげたと言うのになんですのその態度は!」
「と言われても俺、君のこと知らないし」
お前は?と言いたげに一夏が翔介を見る。
翔介も首を振る。
「はあ、まったく…」
やれやれと首を振る。
「わたくしはセシリア・オルコット。イギリスの代表候補生ですわ」
自慢げに語るセシリアと名乗る女生徒。
すると、一夏は彼女をじっと見つめる。彼女ほどの美貌であるならば当然やもしれないが。
「なあ……代表候補生って、何?」
ズデデッと教室中がズッコケる。
「なっ、本気で言ってますの!?」
「ああ、翔介はどうだ?」
とまた翔介に問いかける。
「えっと、字面的にはなんとなくわかるけど…」
代表候補生。
聞く限りではIS操縦者としてその国の代表に成りうる人物の事だろう。
元々ISという物を身近に感じていなかった身としては詳しいところまでは分からないが。
「なら教えて差し上げますわ。代表候補生とは国の顔となる資格を持ついわばエリート! あなたたちはそんなエリートと同じクラスであることを感謝するべきなのですわ」
「そうか、それはラッキーだ」
「あなた、馬鹿にしてますの…?」
剣呑な空気の二人。
そんな二人の間に挟まれる翔介はオロオロ。
「まったく…これだから男は…」
どうやらセシリアは極度の女尊男卑主義者のようだ。
女尊男卑。これが今、この世界の法則だ。
ISという存在は既存の兵器を凌駕する。そんなISを動かせるのは女性のみ。その事実は今まで男尊女卑に苦しめられていた女性たちを活気づけた。
男性と女性が戦争をしたら三日と持たないとさえ言われ、今や世界は女尊男卑が主流となっていた。
「まあ、いいです。それよりもあなた方に朗報ですわ」
「朗報?」
「ええ、あなた方にISのことを教えて差し上げてもよろしくってよ? なにせわたくしは唯一教官を倒した新入生。そんなわたくしに教わる栄誉を噛み締めるといいですわ」
得意げな表情で告げるセシリア。
きつい物言いだが、案外いい人なのかもと考えた翔介。
しかし、一夏が口を開く。
「あ、教官なら俺も倒したぞ?」
「……はあ!?」
一夏の一言に声を上げるセシリア。
「わ、わたくしだけと聞いていましたが…」
「女子の中ではって話じゃないか?」
入学試験の際に教官との模擬戦闘がある。勝敗は関係なく、どちらかと言えばどれくらい動かせるかを見極めるものらしい。
ちなみに翔介は入学試験も一通り終わった後に入学が決まったため、この模擬戦闘を受けてはいなかった。そもそも男性操縦者という時点で入学は決まっていたようなものかもしれないが。
「あ、あり得ませんわ…!」
よろめくセシリア。
「あ、で、でも…」
「なんですの?」
口を開く翔介にセシリアがジロリと睨む。
その迫力に気圧されながらも言葉を続ける。
「女子で唯一でも十分凄いんじゃないかな? ほら、新入生の女子百何人かの中でオルコットさんだけっていうなら十分凄いことだと僕は思うけど…」
「……ん、まあ、確かにその通りですわね…」
一応少しだけは怒りを鎮めたセシリア。それでもやや不機嫌なのは完全に納得はしていないということなのか。
「それで、どうしますの? 代表候補生であるわたくしが直々に教えて差し上げますわよ」
「あ、俺はいい。君にそこまでしてもらう義理はないし」
「えっと、僕も…」
一夏は本気でそう思っているようだが、翔介はどうやらセシリアという少女に気圧されてしまったようだ。人見知りする質ではないが、初めて会うタイプの女性に終始押されっぱなしであった。
「わ、わたくしの厚意を無下にするというのですね…これだから男は…!」
セシリアが何かを告げようとした瞬間、時限のチャイムが鳴る。
「ここはこれくらいにしてあげますわ…」
終始不機嫌な様子で自分の席に戻っていくセシリア。
「なんだったんだ、あれ?」
「さ、さあ…」
残った一夏と翔介はまるで金色の台風のような女子生徒の背中を見送るのだった。
本日はここまで。
セシリアのキャラ、大丈夫でしたでしょうか?
まだツンツンとしていますが、後々の彼女を思えばこの頃も可愛いと思えます。
次回はファースト幼馴染の篠ノ之箒登場、のはず。
本作品のヒロインの候補は考えてありますが、早めに登場させればなぁと考えてます。
では次回もよろしくお願いします。