インフィニット・ストラトス -光の約束-   作:メビネク

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一日休んで、また投稿。

こんな感じにゆっくり投稿していきます。


4話

昼休みが終わり、午後の授業も滞りなく終わる。

そしてLHRの時間。

明日の連絡事項を告げ、解散となる前に千冬が教壇に立つ。

 

「解散の前に再来週に行われるクラス対抗戦の代表者を決める」

 

千冬の言葉に首をかしげる。

 

「クラス代表とはそのままの意味だ。生徒会の会議や委員会への出席…まあ、クラス長だな。決まれば一年は変更はない。自薦、他薦は問わない。誰かいないか?」

 

「はい、織斑君を推薦します」

 

「私も賛成ー」

 

「はあっ!?」

 

突如推薦された一夏が声を上げる。

自分が指名されるとは思わなかったようだ。

 

「なら候補者は織斑一夏…他にはいないか?」

 

「ま、待ってくれ、俺はクラス代表なんてやりたくないって!?」

 

「自薦他薦は問わないと言ったはずだ。選ばれた以上は覚悟しろ」

 

にべもなく切り捨てられる。

すると、ガタリと席を立ちあがる女生徒が。

 

「お待ちください! 納得いきませんわ!」

 

そう声を上げたのはセシリアだった。

 

「そのような選出は認められませんわ! 大体男がクラス代表なんて恥さらしもいいところですわ!」

 

端正な眉を吊り上げて熱弁する。

先程話した時もそうだったが、徹底的に男性が嫌いなようだ。よっぽど男性に思うところがあるらしい。

 

「第一実力からいえばわたくしが代表になるの当然! 私はこんな極東にサーカスや見世物をしに来たわけではございませんわ!」

 

セシリアはさらにヒートアップしていく。

 

「クラス代表は実力トップであるわたくしが相応しいはずですわ!」

 

始めは代表を逃れられるかと嬉しそうだった一夏だが、だんだんとその表情が険しくなっていく。

 

「大体文化も後進的な国で暮らさないといけないこと自体、私にとって耐えがたい苦痛だというのに―――!」

 

そこまでセシリアが告げると、ついに一夏が立ち上がる。

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろう。世界一マズい料理何年覇者だよ」

 

言ってしまった。

その一言でセシリアの顔がさらに真っ赤になる。

 

「あ、あなた! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

互いににらみ合いが始まる。

そしてバンッと机を叩く。

 

「決闘ですわ!」

 

「ああ、良いぜ! 四の五の言うより手っ取り早い!」

 

もうクラス代表そっちのけで話が進んでいる。

流石にこれ以上はマズいと思ったのか、翔介が一夏を止めに入る。

 

「お、織斑君。マズいよ、流石に止めたほうがいいんじゃ」

 

「でもここまで言われて黙ってられるかよ」

 

「でもさ…」

 

「あなた!」

 

セシリアがビシッと翔介を指差す。

 

「あなたもですわ! 道野翔介!」

 

「へっ?」

 

一夏を宥めていると今度は翔介に矛先が向いてきた。

 

「どこの秘境の地から来たかは知りませんが、何も知らず何の覚悟もなしにこの学園に来るなんて愚の骨頂ですわ!」

 

ほぼほぼ言いがかりに近いものだった。

もう引くに引けなくなってしまったのか、もう本人も止まれなくなってしまったように見える。

 

「えぇ…そう言われても…」

 

とはいえ喧嘩なんて慣れていない翔介。

セシリアの剣幕にただただ気圧される。

そんな翔介の様子にさらに苛立ちを募らせる。

 

「いいですわ。あなたにも決闘を申し込みますわ。そのなよなよとした性格、わたくしが叩き直してあげますわ」

 

「うえぇえ!?」

 

「そうですわね…ハンデをあげますわ。あなたたち二人と同時に相手して差し上げますわ」

 

「いらねえよ! 一対一でやってやる!」

 

「ええっ!?」

 

それは必然的に翔介も一人で戦うということになるのだが。

しかし、火の点いた二人を止める術もなく。

すると、今まで黙っていた千冬が止めに入る。

 

「そこまでだ、餓鬼ども。勝手に話を進めるな」

 

千冬が止めに入ったことでようやくこの事態も落ち着く。

と思われたが。

 

「ならば五日後だ。五日後にアリーナで試合を行う。試合は総当たり戦。勝利数の多いものがクラス代表だ」

 

試合日程が決まってしまった。

それどころかクラス代表には無関係だったはずの翔介まで入ってしまっている。

 

「では今日はこれで解散だ」

 

そう言うとクラスメイト達は三々五々と教室を出ていく。

 

「首を洗って待っていなさい」

 

セシリアもそう言い残すと教室を出て行った。

後に残ったのは一夏と翔介だけだった。

 

 

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「本当にすまん!!」

 

「ひどいよ、織斑君…」

 

ようやく頭が冷えたのか、ひたすらに謝り倒される。

 

「どうしようか、代表決め試合…」

 

「本当に悪い…」

 

「もういいよ、決まったことだし。なら、後はやるしかないよ」

 

そう言うと一夏は不思議そうに翔介を見やる。

 

「どうかした?」

 

「いや、お前意外と肚座ってるなと思って」

 

「別にそういうわけでもないよ。でも起きたことに文句を言う前に出来ることしなきゃと思って」

 

セシリアは翔介をなよなよした性格と評したが、本当はそんなことないのでは、一夏は思った。

出会って一日目だが、少し彼を理解できた気がした。

 

「織斑君はどうするの? ほとんどISについてわからないんだよね?」

 

「まあな、でも一応当てはあるっていうかさ」

 

「ふぅん…僕はどうしよう…」

 

試合をするにあたってもう一つ条件が出された。

それは実際に試合を行うまで互いに干渉しないということ。

これにはお互いの手の内を敢えて知らずに試合をさせるためだという。

曰く、戦う相手がいつも知っているとは限らないからとのこと。

 

「本当にすまん…」

 

「だから、もう気にしないで。ちょっと織斑先生に相談してみるよ」

 

すると教室の扉が開き真耶が入ってくる。

 

「あ、良かった。織斑君まだいたんですね」

 

「どうしたんですか?」

 

「はい、急遽なんですけど寮の部屋が決まりました」

 

「部屋ってまだ決まってないからしばらくは家から通うって聞いてたんですけど」

 

「政府からの要望でして…あ、道野君は既に寮に入ってますよ」

 

真耶の言う通り翔介は前日から寮に入っている。東北の田舎では実家通いなんてできる訳もないため、大急ぎで用意されたそうだ。

 

「一応、必要なものは織斑先生が用意したので足りないものは後日持ってきていただくということで」

 

「じゃあ、今日はもう行ったほうがいいかもね」

 

「ああ、そろそろ夕飯だろうしな」

 

「僕は職員室に行ってから戻るよ」

 

「わかった、じゃあ先に戻ってるぜ」

 

そう言うと一夏は教室を出ていく。

 

「……はあ、どうしよう…」

 

一夏にはああいったがわからないことだらけの状況。

ISもたまたま起動させただけでそれ以上動かしたことはない。

でも、一夏に行ったことは嘘ではない。起こってしまったことは仕方ない。ならば、どうするか行動するべきだ。それは幼い頃から彼が祖母に教えられてきたことだった。

 

翔介は気合を入れるように頬を叩き、教室を後にした。

 

 




本日はここまで。

少し強引な感じになってしまいました。
ですが、セシリアからすれば言い返すこともほとんどしない翔介は嫌いなタイプだろうということでこのような流れになりました。

では次回もよろしくお願いします。
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