小学生の時に貞子を見たことがあるんですけど怖すぎて号泣しました(笑)。
今日も俺たちはラビットハウスで働いていたが今日の天気は生憎の雨。お客さんは全然いなかったがチヤとシャロが来てくれたので今は2人に話し相手になってくれている。
「今日は来てくれてありがとな。」
「ちょうどバイトが休みになっただけなので。」
「リョーマ君、制服姿が似合ってるわね。」
「そうか?ありがとう。」
3人で話をしているとリゼがシャロの頼んだコーヒーを持ってきた。
「なあシャロ、コーヒーダメなのに大丈夫か?」
「少しなら大丈夫です。」
まあ、少しならシャロも大丈夫だろうと思った。
が、それが良くなかった。
「みんなー!今日は私と遊んでくれてありがとー!」
シャロはただいま絶賛酔っ払い中である。少し飲んだだけでも酔うなんて想定外だった。
「シャロ、大丈夫か?」
「リョーマ先輩、一緒にコーヒー飲みましょー!」
「おい、それ以上飲むな!」」
「なんれすか?私はコーヒー飲んじゃダメなんれすか?」
ダメだ。呂律が怪しくなってきている。
「えへへ~、抱きついちゃいますね。」
「おい!抱きつくな!ココア、止めてくれ!」
「お兄ちゃんに抱きついていいのは私だけだよ!」
「何言ってるんだお前は!チヤ、何とかしてくれ!」
「え?せっかくだし写真撮っちゃいましょ。」
「今はそんな場合じゃないだろ?」
シャロは俺に抱きつき、ココアはそれに文句を言い、チヤはそれを写真に撮ろうとしている。リゼとチノは巻き込まれたくないのか我関せずといった顔だ。店内はまさにカオスだ。
「早く早く、リョーマ先輩もコーヒー飲んれくらさいよ。」
「俺はいいよ。ていうかシャロ、一旦落ち着け。」
「わら...しは......おちつ....。」
「?」
「zzz....zz....zz...。」
どうやら眠ってしまったようだ。
「はあ〜、眠ったか。」
「面白かったわ〜。」
「まったく、見てないで助けてくれよな。」
本当に大変な目にあった。これからはシャロにコーヒーは飲ませないようにしよう。
さっきまでよりどんどん雨が降ってきている。このままじゃシャロとチヤが帰れないかもしれない。
「なあ、チノ。雨強いし今日はチヤとシャロを泊めてあげてもいいかな?」
「ええ、私は構いませんよ。」
「チヤ、今日はもう遅いし雨も降ってるし泊まっていってくれ。」
「あら、いいの?」
「ああ、シャロもまだ酔ってるし。」
「そうね、じゃあお言葉に甘えようかしら。」
せっかくだしリゼも誘ってみよう。
「リゼも泊まっていくか?」
「え?いいのか?」
「人数は多い方が楽しいからな。」
「じゃあ私も泊まらせてもらおうかな。」
チノからも承諾をもらったので全員泊まることになった。
チヤとシャロが先に風呂に入りに行ったので俺たちはチノの部屋で寛ぐことになった。
「チノちゃんの部屋って可愛いでしょ?」
「たしかにチノらしいな、うさぎの人形があるし可愛い部屋だ。」
「よかったねチノちゃん。お兄ちゃんに褒めてくれたよ。」
「////////」
チノの顔が真っ赤だ。
「.........。」
さっきからリゼがそわそわしている。
「リゼ、緊張してるのか?」
「いや、親父の部下に誘われたワイルドなキャンプしか経験したことないから.....。」
「は、はぁー。」
どんなキャンプだったんだ?サバイバルみたいなことでもしてたのか?
「お風呂終わったわよー。」
風呂に入っていたチヤとシャロが戻ってきた。
「次は私たちだね!」
ココアがそう言いココアとチノが風呂は入りに行った。
ココアとチノが部屋に戻ってきた後リゼ、俺の順に風呂に入った。全員チノの部屋に集まるということだったので今はチノの部屋に向かってあるところだ。
「今日は賑やかな夜になりそうだな。」
そう思いながらチノの部屋に入るとそこにはチノの制服を着たリゼがいた。
「リゼ、お前何やってんの?」
「ち、違う!こ、これはじゃんけんで負けて!」
「へえ〜可愛いじゃん!」
「こ、こっち見るな!!/////」
「あ、そうだ!チヤ!」
「ええ、わかってるわ!」
俺とチヤは迅速に携帯電話を取り出し写真を撮り始めた。
「と、撮るな/////」
「いいじゃん、かわいいんだし。なあチヤ?」
「ええ、とってもかわいいわ!」
「チヤは何枚撮れた?俺は28枚だ。」
「私は39枚よ!」
「す、すぐに消せーーー!!!」
真っ赤になったリゼが一瞬で俺たちにCQC(近接格闘術)をかけ、携帯電話に撮った写真を一瞬で消された。
時刻は10時を回ろうとした時、チヤがみんなに提案をした。
「こんな機会だからみんなの心に秘めてる事を聞きたいんだけど。」
なんだ?恋バナでもし始める気か?苦手なんだよなー。
「とびっきりの怪談を教えて♪」
「「「「「............。」」」」」
ここにいる誰もが思っただろう。恋をしたような瞳で言うなと。
「怪談ならうちにもありますよ。」
どうやら1番手はチノみたいだ。
「このラビットハウスは夜になると白い物体がふわふわと彷徨っているという目撃情報がたくさんあるんです。」
一生懸命怖がらせようとしてるのはよくわかるのだが、ティッピーのことでしかない!
「では次はリゼさんの番です。」
もう終わりのようだ。早すぎないかな?
「小さい頃うちの使用人から聞いた話なんだけど、仕事を終えて帰ろうとすると、ゆっくりと茂みの中から何かが地面を這って近づいて来たんだ。使用人はあまりの恐怖に逃げ出したんだ。」
少し怪談っぽくなってきたな。
「犯人は匍匐前進の練習をしていた私だ。」
「おい、バラしてどうする!」
せっかくいい感じだったのに台無しだ。
「じゃあ次はチヤの番だ。」
「私の番ね、実はとっておきの話があるの。切り裂きラビットっていう実話なんだけど。」
その瞬間、停電になり辺りが真っ暗になった。
「なんだ?停電か?」
「バーの方は大丈夫なのかな?」
「落ち着いてください。こんな時のために...」
チノがそう言いロウソクに火をつけた。
「よりによってロウソクか。」
そのままチヤが怪談を始めた。
20分後、チヤが怪談を終えたので寝ることにした。
「こ、怖かったです.....」
「絶対取り憑かれちゃうよ....」
たしかに怖かったけど怯えるほどだったかな?まあこればっかりは人によるから仕方ないけど。
「さて、じゃあ俺は自分の部屋に戻るよ。おやすみ。」
そう言い、部屋を出ようとすると誰かに袖を引っ張られた。
「お兄ちゃん、今日はここで寝て!」
「は!?みんないるし大丈夫だろ?」
「リョーマさんおねがいします。今日はここで寝てください。」
2人ともすごい怯えている。リゼとシャロもかなり怯えていた。チヤは全然だったが。
「しょうがないな。わかったよ。」
みんなと一緒に寝ることになったが、ココアとチノが一番怯えていたので俺はココアとチノの間になることになった。
「お兄ちゃんと一緒に寝るの久しぶりだね。」
「リョーマさんがいてくれれば安心します。」
「もう寝る前に怪談はやめような?」
みんな布団に入ったので眠りについた。
0時を回って少しした後、誰かに揺さぶられて起こされた。
「リ、リョーマさん、起きてください。」
「?.....チノ?どうした?」
「あ、あの一緒にトイレに来てくれませんか?」
「トイレなら廊下を出てすぐだろ?」
「そうなんですけど、その.....怖くて.....」
そういえば怪談をしたな。怖くなるのも仕方ないか。
「わかった、じゃあ一緒に行こうか?」
「ありがとうございます。」
廊下を出てトイレに向かう途中ずっとチノが俺に抱きついていた。
「チノ?大丈夫か?」
「......は.....はい。」
ものすごく怖がっている。寝る前に怪談はすべきではないと改めて思った。
「それにしても停電まだ治らないのかな?」
「あ....朝までは....な....治らないかと。」
ということは朝まではロウソクのみとなるわけか。
「チノ、着いたぞ。」
「では....行ってきます。絶対に...そこから.....は、離れないでくださいね。」
「わかってる、動かないよ。」
これはしばらく時間がかかりそうだな。
「リョーマさん、いますか?」
「いるよ。」
「本当にいますか?」
「いるって。」
「本当に本当に、ちゃんといてくれてますか?」
「いるって!ちゃんといるし置いて行ったりしないから!早く終わらせてくれ!」
「あの、無音だと怖いので大きめの声で歌でも歌ってくれませんか?」
「なにが怖くてこんな夜中にトイレの前で歌わないといけないんだよ!」
どんだけ怖いんだよ。怪談なんか2度とやるか!
「お待たせしました。」
5分程してようやく終わった。
「よし、じゃあ戻るか。」
そう言い部屋に戻ろうとした瞬間辺りが一瞬光り雷の音がなった。
「きゃあーーー!!」
「うわ!すごい音だったな。チノ、大丈.....」
チノに大丈夫かどうか聞こうとするとものすごい力で震えながら俺に抱きついていた。
「チノ、大丈夫か?」
「.....っ......えっ.......ひぐっ.....」
よく見てみると怖さのあまり泣いていた。普段はしっかりしていてもまだ中学生だ。怖がるのも無理はない。
「チノ、俺がいるから大丈夫だよ。」
「.....リ....っ.....リョーマさん......」
「ほら、大丈夫だから。ゆっくり歩いて行こう。」
数秒で1歩間隔で部屋まで歩いて行った。傍からみたらカタツムリ?と思われてしまうくらいの速さだった。
10秒くらいで着くはずの寝室に5分くらいかかってようやく到着した。
「チノ、早く布団に入るよ。」
そう言いながらチノを見るとなんだかそわそわしていた。
「チノ、どうした?」
「あの、今日はもっと側で一緒に寝てもいいですか?」
あれだけ怖がってたからな。仕方ないか。
「いいよ。おいで。」
「ありがとうございます!」
チノは喜びながら俺の隣に入ってきた。
「そうだ!せっかくだから今夜は甘えていいよ。」
「え?いいんですか?」
「もちろん!何かあるか?」
「じゃあ....その......う、腕枕......して欲しいです//////」
「お安い御用だ。」
そう言い俺はチノの頭付近に腕を差し出した。
「えへへ////なんだかすごく安心します。」
「ココアが見たらずるい!って言って駄々こねそうだけどな、」
「でも今は、私だけ独り占めできます///」
すごく嬉しそうだ。見てるだけで安心してるとわかる。
「やっぱりリョーマさんは頼りになりますね。」
「役に立てれてるようで何よりだ。」
時計を見るともう1時を過ぎていた。
「さ、もう遅いから寝よう。」
「はい。」
「おやすみ、チノ。」
俺はそう言い眠りについた。
「おやすみなさい......
............お兄ちゃん。」
To be continued
今回はここで終わりです。
トイレの付き添いシーンなんですけど、とあるアニメのあるシーンを使いました。
わかる人はすぐわかると思います。