兄というのは苦労するが、やり甲斐はある   作:P&D

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どうもP&Dです。
最近全然眠れなくていつも夜中の3時頃になってやっと眠れます。
やっぱりこういう時って睡眠導入剤とかを飲んだ方が良いんでしょうか?


-17話- 隠し事は誰にでもある..........多分。

俺とリゼは今、明日行うパン祭りに向けてチラシ配りをしていた。きっかけは前に食べたスコーンがきっかけでココアがパン祭りがしたいと言い出したのだ。ちなみにチノとココアはラビットハウスで明日のパンの準備をしている。

 

「ココアっていつも唐突に言いだすよな。悪い気はしないけど。」

 

「まあリョーマの作るパンは美味しいからな。」

 

「そうか?まあ前に作ったスコーン、リゼが一番多く食べてたからな。夢中になりながら。」

 

「そ、その話はやめろ!!」

 

「おい!こんな所で拳銃出すな!」

 

リゼはポケットから拳銃を出そうとしていたので慌てて止めた。こんな所で他の人に見られたら洒落にならない。

 

「はぁ〜なんか変な疲れが出た。」

 

「誰のせいだ!誰の!」

 

「こんな所で騒いでもしょうがないし早くチラシを配ろう。」

 

変な神経を使って少し疲れてしまったが、チラシ配りを再開した。配っている途中近くにフルールの制服を着ているシャロが俺たちと同じチラシ配りをしているのが見えた。

 

「あれ?シャロか?」

 

「あ!リョーマ先輩、こんにちは!」

 

「こんにちは。シャロもチラシ配りか?」

 

「リョーマ先輩もですか?」

 

「ああ、明日ラビットハウスでパン祭りをするんだよ。シャロも来るか?」

 

「行きたいんですけど、その日はバイトが入ってて。」

 

シャロは絶好の機会を逃してしまったかのような表情だった。パン祭りが終わったらシャロにパンを作って持って行ってあげようかな。

 

「おーいリョーマ!私の分のチラシ暮らし配り手伝ってくれないか?」

 

チラシ配りに手こずっていたリゼが手伝って欲しそうに俺の所へ駆けてきた。

 

「え?リゼ先輩も!?」

 

「あれ?シャロ?シャロもチラシ配りか?」

 

「はい、フルールのチラシ配りです。」

 

少しシャロと世間話をした。最近はバイトで忙しいだのチヤの家に入るといつもあんこに噛み付かれて困っているだの愚痴を話していた。

 

「なあシャロ、パン祭りが終わったら近いうちにパン作って持って行ってあげるよ。」

 

「え?いいんですか!?」

 

「もちろん!何のパンがいいかな?」

 

「じゃあメロンパンが食べたいです!」

 

「シャロってメロンパンが好きなのか?」

 

リゼがシャロに聞くともちろんです!と言わんばかりの表情で頷いていた。

 

「わかった。それじゃメロンパン多めに作っておくよ。」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

「それじゃ俺たちは向こうの方でチラシ配ってくるよ。」

 

「わかりました。頑張ってください!」

 

俺とリゼは再びチラシ配りを再開した。リゼの分のチラシを少し分けてもらい街を歩く人々に配っていると先日会った青山さんに出会った。

 

「リョーマさん、こんにちは。」

 

「青山さん、こんにちは。今日もネタ探しの彷徨いですか?」

 

「はい、この街はたくさんのネタがありますからね。ところでさっきロップイヤーを付けた方からチラシをもらったんですけど.....。」

 

そう言いながら青山さんはシャロからもらったのであろうチラシを俺に見せてきた。

 

「この店はいかがわしいお店なんでしょうか?」

 

「普通の健全なハーブの喫茶店です!ご心配なく!」

 

なんだろう、この光景どこかで見たぞ。というよりこのフルールのチラシ、少し変えた方がいいんじゃないか?

 

「なるほど....耳を付けた少女たちを拝みながらお茶をする。こういった趣向もあるんですね。」

 

「お、拝むって.....。」

 

青山さんって普通の人と比べて考え方や見方が少しズレているのでは?と思う自分がいた。青山さんはチラシを見ながら機会があったら行ってみようと意気込んだ後、再びネタ探しへ行ってしまった。

 

「さてと、チラシ配り続けるか。」

 

チラシ配りを再開しようとした途端、ココアとチノが慌てて俺たちの所へ走って来た。

 

「お兄ちゃん!リゼちゃん!チラシ配りストップ!」

 

「どうしたココア?」

 

「はぁはぁ、ごめんお兄ちゃん。ラビットハウスのスペル間違えちゃった!」

 

「何!?」

 

チラシのラビットハウスのスペルを見てみるとHouseがHorseになっていた。『うさぎうま』って何?ケンタウロスの類か?そう突っ込まずにはいられなかった。

 

「仕方ないな、残りは書き直して配るか。」

 

そう言った直後、強い風が吹き持っていたチラシ全てが飛んで行ってしまい、俺たちは慌てて急いでチラシの回収に向かった。回収してる最中、木に引っかかったチラシを取るためにココアが土台になりチノがその上に乗りチラシを取ろうとしていた。なんだかチラシの文字通りになっている感じだった。

 

「チノ、大丈夫か?俺が代わりに取ろうか?」

 

「いえ、大丈夫です。あと少しで取れそうなので。」

 

「お兄ちゃん!私の心配は!?」

 

「.....スペルを間違えたお前が悪い。」

 

「うぅ~お兄ちゃんが冷たいよ~。」

 

ココアは明らかなウソ泣きで落ち込む素振りをしていたが、俺は見なかったことにしてチラシを回収した。

 

「あ!大きい虫が落ちました。」

 

チノがもう少しで木に引っかかったチラシを取れそうになった瞬間、近くにいた虫が落ちてしまいタイミング悪くリゼの頭の上に着地した。

 

「キャーーーーーーー!!なんてことを!」

 

リゼは頭に落ちた虫に驚き、怖さのあまりしゃがみこんでしまった。

 

「リゼ、お前虫苦手なのか?てっきりキャンプやサバイバル系で慣れてると思ってたけど。」

 

「そ、そんなこと言ってないで早く取ってくれ!」

 

リゼはもう半泣き状態だった。俺は急いで虫を払ってあげたがリゼは立ち上がろうとしなかった。

 

「リゼ?立たないのか?」

 

「ごめん.....腰を抜かして立てない。」

 

「しょうがないな。」

 

「リ、リョーマ!?何を!?」

 

「腰抜かして立てないんだろ?そこのベンチまで運んであげるよ。」

 

俺はリゼの腰を支えながら、近くのベンチまで運んであげた。

 

「あ、ありがとう///」

 

「どういたしまして、なんか顔赤いぞ?熱でもあるのか?」

 

俺はリゼのおでこに手を当てると顔がますます赤くなっていき、されるがまま状態になっていた。

 

「さっきより赤いぞ?やっぱり熱があるんじゃ。」

 

「だ、大丈夫だ!心配いらない!は、早くチラシ回収するぞ!」

 

そう言ってリゼはチラシ回収に向かった。耳まで赤くしながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペルの誤字を修正し、全てのチラシを配り終えたので俺たちは今ラビットハウスへ戻っているところだ。

 

「スペル間違えて本当にごめんね。」

 

「だからいつも勉強しろって言っただろ?」

 

「だって文系苦手なんだもん。」

 

「よし、しばらく文系特訓するか!」

 

俺がそう言うとココアは受験勉強の時のことを思い出したのか、急に顔が青ざめ始めた。

 

「ヤダ!あの時は本当に辛かったからヤダ!」

 

「でもその日の特訓が終わった後はいつもハグしてあげてただろ?あ!もしかしてココアはもうハグは必要ないのかな〜?」

 

俺は少し挑発気味で言うと、ココアはすぐさま葛藤し始めた。

 

「う〜、特訓はイヤ、でもハグはしてほしい。あー!どうしようー!」

 

ハグして欲しさに悩むなんてすごい純粋な子だな。俺だったらハグがない代わりに特訓も無しにして自習で頑張るが。

 

「リョーマってココアの扱い上手いな。」

 

「伊達に幼馴染してないからな。」

 

「チノも特訓してもらったらどうだ?来年受験生だろ?」

 

「私は大丈夫ですよ。」

 

「でも特訓したらハグしてくれるみたいだぞ?」

 

リゼがそう言うとチノは言葉を発せず黙り込んでしまった。数秒後、考えておきますと言ったきり帰るまでずっと顔を赤くしながら俯いたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、昨日から準備していたパン祭りが始まった。チラシの効果があったようでたくさんのお客さん来てくれた。さらに俺の通ってる学校のクラスメイトの人たちまで来ていた。..........全員女子だが。

 

「このパン美味しいわね。」

「お母さん!このパンもっと食べたい!」

「この店すっごい気に入っちゃった!」

 

どうやらお客さんに大好評みたいだ。子供からお年寄りの人まで気に入ってくれたようですごく嬉しかった。

 

「このパン美味しい!これ本当に如月君が作ったの?」

 

「うん、上手く出来たか不安だったけど。」

 

「不安なんてする必要無いよ。すごく美味しいよ!ねえねえまた来てもいい?」

 

「もちろんいいよ。」

 

クラスメイトの人たちにも絶賛の嵐だった。こんなに美味しいと思ってくれるとは正直思ってなかったからその分の嬉しさもあった。俺はこの時嬉しさの気持ちでいっぱいだったので背後からの視線に気づかなかった。

 

「お兄ちゃん......あんなに女の子にデレデレして.......。」

 

「まあ作ったパンが美味しいって言われて嬉しい気持ちになるのはわかるからな、今だけは大目に見てやったらどうだ?」

 

「ふん.........お兄ちゃんのバカ。

 

ココアは俺がクラスの女の子と話しているのが気に入らなかったらしくずっと頬をふくらませながらヤキモチの目で俺を見ていた。

 

「いや〜こんなに喜んでくれるなんて思わなかったよ。パン祭りやって正解だったな。」

 

そう言いながら俺はリゼたちの所へ行くと、ココアにジト目で見られていることに気がついた。

 

「どうしたココア?俺の顔になんかついてる?」

 

「お兄ちゃんのバカ!」

 

「なんで!?俺何かした?」

 

「ふん!お兄ちゃんなんか知らない!」

 

俺が何かしたかを聞いてもココアは答えようとしなかった。それを見ていたリゼはやれやれといった表情だった。この後パン祭りが終わるまでココアが口を利いてくれなかったが、パン祭りが終わった後今日一緒に寝てくれたら許すと言われ、何が何だかわからなかったが俺が承諾するととても上機嫌になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、パン祭りを終えた俺たちはチヤとシャロにパン祭りのお裾分けを渡すために甘兎庵に向かっていた。

 

「パン祭り大成功だったね!」

 

「ああ、リョーマの作ったパンすごい好評だったな。」

 

「あそこまで気に入られるとは思ってなかったけどな。」

 

「あ!そうだお兄ちゃん!知ってた?パン祭りの時、チノちゃんずっとお兄ちゃんが作ったパンを食べたそうにしてたんだよ。」

 

「コ、ココアさん!なんでそれを言うんで.......は!リョーマさん違うんです!そんな顔してません!」

 

うっかり口を滑らしてしまった後、それを誤魔化そうとすごく慌てていた。

 

「そうだったんだ。じゃあ明日作ってあげるよ。」

 

「チノちゃんよかったね!」

 

「うぅ〜〜////」

 

そんな話をしながら甘兎庵に到着すると、ちょうどチヤが店から出てきた。

 

「あ!チヤちゃんこんばんは!」

 

「あら?みんなどうしたの?」

 

チヤにパン祭りのことを話しそのお裾分けを持ってきた事を話すととても嬉しそうな顔をしていた。

 

「まぁ!ありがとう!ごめんね仕事で行けなくて。」

 

「その分たくさん作ってきたから遠慮なく食べてくれ。」

 

「ありがとうリョーマ君。」

 

「あ!そうだ!シャロちゃんにもお裾分け渡したいんだけど、チヤちゃんシャロちゃんのお家知らない?」

 

「え!?え〜と......。」

 

チヤは突然言葉を詰まらせた。なんだかシャロの家の場所を隠そうとしているように見えた。しばらくシャロの家の場所を隠そうとするチヤと話をしていると隣の物置から誰かが出てきた。

 

「はぁ〜、夕飯の食材買い忘れちゃった。」

 

「「「「え!?」」」」

 

その物置から出てきたのはなんとシャロだった。シャロも俺たちの存在に気づくと驚いた顔のまま固まってしまった。

 

「な、なんで先輩たちが......」

 

「パン祭りのお裾分けに来たんだけど、シャロそこに住んでたのか?」

 

シャロはリゼと同じお嬢様ばかりの学校に通っていたからてっきりお嬢様なのかと思っていた。

 

「そうか!私の学校に特待生がいるって聞いてたけどシャロだったんだな。」

 

リゼは全てが繋がってすっきりしたみたいな顔をしていたが、それとは対照的にシャロは恥ずかしさでどうにかなりそうみたいな顔だった。

 

「シャロ、別に気にしなくてもいいと思うぞ。」

 

「え?」

 

俺がそう言うと少し驚いたような表情だった。

 

「だってお嬢様であろうとなかろうとシャロはシャロだろ?頑張り屋で気遣いができてさ。」

 

「幻滅したりしないんですか?」

 

「なんでする必要がある?」

 

「そうですか。なんだか安心しました。」

 

シャロはとてもホッとした顔をした。

 

「そうだ!せっかくだしフェアになるように、私の秘密を教えるよ。」

 

リゼはそう言ってシャロの耳元で何かを言っていた。するとシャロはそれわかるみたいな顔をしていた。

 

「あ!忘れてた。シャロ、これ昨日言ってたパンのお裾分け。メロンパン多めに入れてるよ。」

 

「ありがとうございます!これリョーマ先輩が作ったんですか?」

 

「うん、そうだけど。」

 

「やっぱりそうでしたか、すごく美味しそうな香りがしたので。」

 

今のシャロの顔はとてもワクワクした顔だった。住んでる場所がバレてしまった時と比べると随分落ち着いたようだ。

 

「それじゃ俺たちは戻るよ。パンで喉詰まらせないようにね。」

 

「わかりました。ありがとうございます!」

 

俺たちはチヤとシャロに挨拶をしラビットハウスへ帰路を歩いた。

 

「シャロさん、パンもらえて嬉しそうでしたね。」

 

「そうだね。でもシャロちゃん別に住んでる家隠さなくてもよかったのに。」

 

「バレたら幻滅されると思ったんだろう。誰だってそうすると思うよ。」

 

「それもそっか。よし!今からラビットハウスまで競争!」

 

「おい!ちょっと待てココア!」

 

ココアの号令でラビットハウスまで走って帰ることになった。走っている途中言い出しっぺのココアが転びそうになっていたのは誰にも言わないでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たのもーーーー!」

 

翌日、仕事をしているととてもテンションの高いシャロとそれに付いて来ているチヤがいた。

 

「チヤ!シャロどうしたんだ?」

 

「昨日、家がバレたことが恥ずかしさのあまり耐えられなくなったみたいでヤケコーヒー巡りを勧めてみたの。ちなみにここで3件目よ。」

 

なんてもの勧めてるんだ!こうなったらシャロは中々手強いぞ。

 

「リョーマしぇんぱい!ハグさせてくだしゃい!」

 

「ちょっと待て!」

 

シャロは俺に有無を言わせず抱きついてきた。そのままシャロは俺の胸に頬ずりをし、とても安心しているような感じだった。

 

「もー!シャロちゃんばっかりずるい!私もハグしたい!」

 

「おい!その前にすることがあるだろ!」

 

ココアも俺の言ったことを聞かず勢いよく抱きついてきた。

 

「チヤ!助けてくれ!」

 

「せっかくだし写真撮らせて!」

 

「この事態を作った本人が何言ってる!」

 

チヤは俺の言ったことを聞かずはいチーズ!と言って写真を撮っていた。

 

「チノ!リゼ!助けて!」

 

「私コーヒーの補充してきます。」

 

「私は掃除をしてくるよ。」

 

「薄情者ー!」

 

2人は巻き込まれたくないがために理由をつけて離れていってしまった。

 

「えへへ〜、しぇんぱ〜い!」

 

俺はココアとシャロを引き剥がすのに苦戦しているとタイミング悪くお客さんが店内に入って一瞬誤解されたがすぐに説明してあげると誤解を解いてくれた。2人を引き剥がした後、店内ではハグ禁止令を出したが、ココアは嫌だと駄々をこねていたが俺は無視してそのまま仕事を始めた。

 

 

 

To be continued




今回はここで終わりです。
最近雨が多くなってきましたね。
梅雨嫌い!
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