夏休みに入ってから夜更かししまくりで生活スタイルがボロボロです。
元に戻すの大変そう..........。
「今日は違う道で帰ってみるか!」
ラビットハウスへ帰る途中、ふといつも通って帰る道とは違う道で帰りたいと思い、少し回り道して帰ることにした。
「へぇ〜、こんな所にパン屋なんてあったんだ。」
辺りを見ながら歩いているとパン屋、床屋、ファストフード店等、まだ見たことなかった店がたくさん並んでいた。
「たまには知らない道を通って帰るのもいいものだな。......あれ?こんな所に学校?」
見てみると俺が通っている学校よりもかなり大きい学校がそびえ立っていた。門もその分大きく、いかにもお金持ちの人が通いそうな学校だった。
「こ、こんな大きな学校見たことないぞ。あれ?あの制服......」
門から出てくる生徒を見ていると、全員女子生徒だった。それをみてここは女子校なのだとすぐにわかったのだが、俺が気になったのは制服だった。
白が目立つ制服をしており、リゼとシャロが着ている制服にすごく似ていた。
「ここってもしかしてリゼとシャロが通っている学校なんじゃ....」
そう思いながら立っていると門の近くにいた女子生徒がこっちに走ってきた。
「あの!もしかして如月リョーマさんではありませんか?」
「え?は、はいそうですけど。」
俺は質問に答えるとその生徒は長年探していたものがやっと見つかったみたいな顔をし始めた。
「やっぱり!リゼ先輩からあなたのことをよく聞いてるんです!とても料理がお上手だとか妹思いの優しい兄だとか気配りができて素敵な人だと!」
その生徒は次から次へと俺についてのことを言い始めた。.......リゼ、学校では俺のことをこんなにも褒めてくれてたのか。
「あ、ありがとうございます///」
「そうだ!せっかくですから、この学校を見て行ってください!」
何を言い出すんだこの人は!?どこからどう見ても俺は他校の生徒なのに無断で俺が入っても大丈夫なのか?
「勝手に入ってもいいんですか?許可とか取らないと駄目なんじゃ......」
「大丈夫です!さっき許可を取りましたから!」
この人用意周到だな。さっき門の近くにいた時に許可取ってたのか。
「じゃあせっかくですしお願いしてもいいですか?そうだ!リゼがいる所へ案内してもらってもいいですか?」
「わかりました!こちらです!」
俺は女子生徒に案内された。リゼの所へ案内してもらっている途中、学校でのリゼを教えてくれた。
リゼは学校ではかなりの人気者らしく生徒みんなからの憧れの存在のようだ。そして今は部活の助っ人をしているらしく体育館にいるみたいだ。
「ここです。リゼ先輩は今バスケ部の助っ人をしていますよ。」
「ありがとうございます!じゃあ行ってきますね。」
中に入るとリゼへの声援が一斉に聞こえた。リゼがシュートを決め、ゴールに入るとキャーという声が響き渡った。......耳が潰れる。
「あれ?あの人って......」
少し離れた所から俺の方を向いて何か言っている生徒がいた。まあ他校の生徒がしかも男子がいたらそうなるのは当然か。
「あの!如月リョーマさんですよね!」
「えっと。はい、そうです。」
俺はそう返すと周りにいた人もざわざわとし始めた。
「やっぱり!リゼ先輩の言った通り素敵な人!」
「本当にあの如月リョーマさん!?」
「まあ!すごいカッコイイ!」
なんだろう?無意識のうちになんだか体がだんだん震えてきた。俺にとって恐怖の記憶(5話参照)が蘇ったとでもいうのか?
「リョーマ!?なんでここに!?」
振り向くと、そこには驚きすぎているリゼがいた。
「よお。近くを通ったらここの学校の生徒に案内されてな。」
俺はリゼに訳を話すとすんなりと納得してくれた。しばらく話をしていると周りの生徒達がまたざわざわとし始めた。
「あの!如月さんとリゼ先輩って恋人同士なんですか?」
「「こ、恋人!?」」
俺とリゼは同時に驚いた。おそらく今の俺の顔は赤いと思うがリゼはそれ以上に真っ赤だった。
「ち、違うぞ!リョーマとは確かに仲は良いけど、こ、恋人じゃ........ないぞ////」
リゼはそう言って顔を赤くしながらこっちをチラッと見た。ここは俺も言った方がいいかな。
「俺はリゼと同じ店で働いてるんだ。仲は良いけど恋人ではないかな。」
俺はそう言うとみんなは残念そうな顔をしていた。リゼはさっきの言葉を発したきりずっと顔を赤くして俯いたままだし、どうしたものか。
「そ、そろそろ続きしてもいいか?」
しばらく沈黙だったリゼが雰囲気を変えるために部活を再開しようとしていた。周りの生徒も応援に集中するようになり、さっきの話の空気はもう無くなっていた。
「リゼ先輩頑張ってください!」
「ドリブルの姿も素敵です!」
周りは歓声の嵐だった。俺は人が少ない隅で見ていたが、助っ人とは思えないほどの動きをしていた。
水分補給の時、リゼがこっち向いてきたので手を振ってあげたが顔を赤くしてプイッとそっぽを向かれた。.......なんで?
休憩が終わり再び練習が再開した。リゼは相変わらずの動きだったが、俺が来てから1時間以上経っているが、実際はもっとしていたはずだ。流石のリゼも少し疲れが出ているように見えた。
「ちょっと心配だな、怪我しなければいいけど。」
そう思った矢先、突然リゼがバランスを崩し倒れてしまった。俺は頭より体が先に動き真っ先にリゼの元へ向かった。
「リゼ!大丈夫か!」
「うっ......あぁ.........大丈.......っ!」
リゼは足を抑え苦しそうに悶えていた。運動靴と靴下を脱がすと足首の辺りが赤く腫れていた。
「捻挫か。保健室はどこにありますか?」
「えっと、それなら体育館を右に出て奥にあります!」
俺は近くにいた生徒に保健室の場所を聞き、俺はそのままリゼを抱えた。お姫様抱っこで。
「リョーマ!何を!?」
「こうしないと運べないだろ?」
「お、降ろしてくれ!恥ずかしい////」
「怪我人は静かにしてろ!行くぞ!」
俺はそのまま保健室へ急いで向かった。体育館にいた生徒達は俺たちの姿を見て、顔を赤くしていたが今の俺には気にする余裕がなかった。
「すみません!誰かいますか?」
保健室に入るとそこには誰もおらず、ベッドや薬棚などがあるだけだった。
「そういえば今日、保健室の先生休みだった。」
「こんな時に限って。」
俺はとりあえずリゼをベッドに寝かせた。包帯と氷を拝借し、リゼの足を冷やしてから包帯を丁寧に巻いた。
「これで大丈夫だろ。少しの間安静にしてろ。」
「ああ、ありがとう。」
俺たちはしばらく無言の状態が続いた。リゼは申し訳なさそうな顔をしていたので、ここで怪我のことを注意するのは野暮だと思ったので何も言わないでおくことにした。
「ごめんな、心配かけて.......」
「いいよこれくらい。小さい頃よくココアが怪我したのを手当てしてたから。」
俺は昔のことを話して気を紛らわそうとしたがあまり効果がなかったようだ。
「そんなに落ち込むなって、怪我なんて誰だってするだろ?俺だってもちろんしたことあるんだから気にするな。」
「......優しいなお前は、私が怪我したことを責めようとしないんだもんな。」
「ここで注意しても余計に落ち込むだけだろ?次からは気をつけようっていうのはお前が1番わかってるだろ?だから責める必要は無いよ。」
そう言うとリゼは少し安心した様子だった。もう30分程経ったからそろそろ歩かせても大丈夫だろう。
「リゼ、そろそろ歩けるか?」
「ああ、まだ少し痛むけど歩けるよ。」
「せっかくだしお姫様抱っこしてあげようか?」
「し、しなくていい///」
リゼが真っ赤になって拒否されたので、肩を貸して帰ることになった。
「で、デカい.......」
リゼの家に到着したが、家がめちゃくちゃデカい。門の前にはサングラスを付けた男の人が立っており、遠くから見ても威圧感があった。
「俺が行っても大丈夫なのか?」
「ああ、お前のことは前からみんなに話してるから大丈夫だ。」
俺はそのままリゼを連れ門の前まで行き、学校でのことを話すと家の中に入れてもらい、リゼの部屋まで連れて行った。
「よっと、しばらく助っ人はしないようにな。」
「わかった、ありがとう。」
俺はしばらくリゼと話をした。俺のことを学校で言ってたことを話すと事実を言っただけだと顔を赤くしながら黙ってしまった。
「失礼します。リョーマ様、旦那様がお呼びです。」
「親父がリョーマを?」
ドアのノックの音がし、見てみるとメイド服の女性が入ってきて要件を伝えると、俺をリゼのお父さんの所へ案内しようとしていた。
「リゼのお父さんが?ちょっと行ってくるよ。」
「ああ、いってらっしゃい。」
俺はそのままメイドさんに案内されドア前まで到着すると、メイドさんは挨拶をし、そのまま立ち去って行った。
「なんだか緊張するな。」
俺はドアのノックをし、部屋に入るとそこには眼帯をつけたすごい威厳があるリゼのお父さんがいた。
「来たか、リゼが世話になったな。」
「いえ、怪我をしてしまっていたので当然のことをしただけですよ。」
ヤバイ、緊張して足が動かない。
「そんなに緊張するな。そこの椅子に座れ。」
「は、はい。」
俺は近くにあった椅子に座った。リゼのお父さんは机に両肘をつき顎を両手の上に乗せながらジッと俺を見つめていた。......なんか怖い。
「フッ、リゼの言った通りだな。とても優しい目をしている。」
「え?わかるんですか?」
「これでも俺は軍人でな。今までいろんな同期や後輩、上官を見てきた。人を見る目には自信がある。」
「そうなんですか。」
「そうだな、リゼには世話になったことだし、俺もお前の事が気に入った。これからは俺のことはお父さんと呼んでくれ。」
「え!?」
何を言うのかと思ったらいきなりハードルが高いことを言われた。会ったばかりなのにいきなりお父さんと呼べだなんて。
「そんな、会ったばかりなのに。」
「気にするな、俺がいいと言ってるんだ。」
「悪いですよ。いきなりお父さんだなんて。」
「いいんだ、呼んでくれ。」
「いや、でも。」
「........呼べ。」
「........はい。」
これあれだ。逆らったらヤバイやつだ。
「えっと、これからもよろしくお願いします。お、お父さん。」
「ああ、こちらこそよろしく。そうだ、今日は泊まっていくといい。リゼを手当てしてくれた礼だ。」
「ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えますね。」
俺はリゼのお父さんにお礼を言い、そのまま部屋を出てリゼの部屋へ戻った。
「お帰りリョーマ。どうだった?」
「今日は泊まっていけって言われた。あと、お父さんと呼べって言われた。」
「お父さん!?」
やっぱ驚くよな、いきなりお父さん呼びだなんて。
「お嬢様、リョーマ様、お食事の準備ができましたので食堂の方へどうぞ。」
俺たちはそのまま食堂へ案内された。食堂もこの家のデカさ相応の広さだった。俺は食堂の広さに呆然としているとリゼに隣に座るように手招きされた。
「そういえばリゼのお父さんは?」
「親父はいつも仕事で忙しいから夕食はいつも遅いんだ。」
「じゃあいつも1人で食べてるのか?」
「ああ。でも今日はリョーマがいるから楽しくなりそうだよ。」
俺たちはそのまま食事を始めた。始めにスープを飲んでみたがこれがすごく美味しい。是非作り方を教えて欲しいな。
「そうだ!リゼ食べさせてあげようか?」
「い、いいよ別に。もうそんな年じゃないし。」
「遠慮しなくていいんだぞ?ココアとチノは喜んで食べてくれるしさ。」
リゼは俺が掬ったスープをじーっと見て、どうしようか迷っていた。もう一押しすればいけるかもしれないな。
「恥ずかしがらなくていいんだぞ。いつも1人で食べてるんだろ?今日くらいいいんじゃないか?」
「.......今日だけだぞ。」
「そうこなくっちゃ。はい、あ〜ん。」
「あ....あ〜ん///」
すごい顔が赤くなっていた。こういうのには慣れていないのだろう。
「おいしかったか?」
「....わからない。」
その瞬間食堂の扉が開き、そこからリゼのお父さんが入ってきた。俺たちの今の状況は俺がリゼにスープを食べさせていたところだ。この後の展開はなんとなく予想がつく。
「お前たち、もうそんな関係になっていたのか!これは赤飯を炊く日はそう遠くないかもしれないな!ハッハッハッハッハッ!」
そう言ってリゼのお父さんは食堂の扉をそっと閉めどこかへ行ってしまった。
「ち、違う!親父、違うんだ!違うんだーーーー!」
リゼは大声を上げながら食堂を出て、リゼのお父さんを呼び止めていた。食後、2度とこの家では食べさせるようなことはするなと顔を真っ赤にしながら言われた。
食後、風呂を済ませ廊下を歩いていると突然辺りが真っ暗になった。近くにいた人に聞くと、どうやら停電になったらしくしばらく明かりはつかないらしい。
「リゼ、大丈夫かな?」
リゼのことが心配になったので部屋に入ってみると、中には布団を頭ごと被りベッドの隅で縮こまっているリゼがいた。
「おいリゼ!大丈夫か?」
「あ、ああ。だ、大丈夫だ。」
「暗いとこ怖いのか?」
「そ、そんなわけないだろ!私はもう高校2年生だぞ。こ、こんなことくらいで怖がるわけな、ないだろ。」
意地でも怖くないと言いたいようだ。よし、だったら。
「そうか、じゃあ停電中でも1人で寝れるな。じゃあ俺は空いてる部屋を使わせてもらってそこで寝るよ、おやすみ。」
俺はそのまま部屋を出ようとした。するとリゼは慌てて俺を止めに来た。
「お、おい!私を1人にする気か!?女の子1人を暗い部屋の中に置いていく気か!?」
「大丈夫だよ、警備の人たちもたくさんいるし。不審者が侵入してくるようなことはないよ。それじゃあおやすみ。」
そう言って俺はドアノブに手をかけるとリゼが俺の背中に抱きついてきた。
「ごめん正直に言うから、今日は一緒に寝てくれ!」
「はぁ〜まったく、怖いなら怖いって正直に言えばいいのに。」
「だってこの歳になっても暗い所が怖いなんておかしいだろ?」
「そんなことないよ。俺だって小さい頃は暗い所が怖くなかったわけじゃないし。......さて、じゃあそろそろ寝るか。」
俺はリゼと同じベッドで寝ることになった。シングルベッドだったので少し狭いが四の五の言ってられない。
「ごめんな、迷惑かけてばっかりで。」
「気にするな、それより他にして欲しいことないか?」
「して欲しいこと?」
「前にみんなでラビットハウスで泊まったことあっただろ?その時チノが雷怖がってたから腕枕してあげたんだ。今のリゼはあの時のチノと同じだからさ、何かして欲しいことないかなって。」
俺がそう言うとリゼは少し悩んだ後、少し恥ずかしそうに言ってきた。
「じゃあ朝まで.......て、手を繋いでてくれないか///」
「ああ、もちろん!」
俺が手を差し出すとちょっと安心した表情で手を繋いできた。その手は絶対に離すまいといったような強さで握ってきた。
「そんなに強く握らなくても離さないよ。」
「こうしてないと怖いんだ。」
「そうか。」
俺はリゼに寝る挨拶をし眠り始めた。ちゃんとリゼが寝れるか不安だったのでしばらく起きていたが、安心した寝息が聞こえてきたので、俺はもう大丈夫だと思いそのまま眠りについた。
「ん?朝か?」
鳥のさえずる声が聞こえたので起き上がろうとしたが何故か起き上がれなかった。横を見てみるとリゼが俺を抱き枕のようにしながら眠っていた。
「な!?リ、リゼ!?」
俺がリゼから離れようとすると、リゼがさらに強くしがみついてきた。ヤバイ、多分今の俺の顔真っ赤だ。
「リゼ起きろ!」
「ん〜、なんだリョーマ?.....って....えぇ!?」
リゼも今の自分の状況を理解したのだろう。頭から湯気を出している。
「ご、ごめん!今離れるから!」
リゼが離れようとした時、寝室のドアが開き、リゼのお父さんが入ってきた。
「おはようリゼ。今日も訓練を......え?」
「ち、違うんだ親父!これは!」
「なんだ、やっぱりお前たちそういう関係だったんじゃないか!よし!今日は赤飯だ!」
リゼのお父さんはそう言って元気よく部屋から出て行ってしまった。
「だから違うんだってば!親父ーーー!」
リゼは再びリゼのお父さんを呼び止めに行ってしまった。これからはリゼのお父さんの前では誤解されないようにしないといけないな。あれじゃリゼが苦労しそうだ。
To be continued
今回はここで終わります。
思えば今回が初のリゼ回でしたね。意外とすんなり書けました!
少しずつ成長してるんですかね。