今回はアニメからネタを借りました。
元ネタは『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』です。
展開が分かっている方は温かい目で読んでもらえると幸いです。
「修学旅行終わっちゃったな。」
俺は今ラビットハウスへ帰っている途中だ。1週間の海外の修学旅行でとても楽しい時間が過ごせた。修学旅行へ行く前は班決めの時は俺の取り合いになったり、ココアとチノに寂しいから行かないで欲しいとめっちゃ駄々をこねられたりとそれはもう大変だった。
「1週間ぶりのラビットハウスか、ココアたち大丈夫かな?」
出発前の事があり、少し不安の気持ちになりながらドアを開けた。中に入るとせっせと仕事をしているココアがいた。
「ただいま!」
「あ!お兄ちゃんお帰り!」
ココアは仕事そっちのけで俺に抱きついてきた。久しぶりに会ったので俺も嬉しい気持ちになり、俺もココアを抱きしめていた。
「お兄ちゃんすごい寂しかったよー!」
「ごめんなココア。それよりチノはどこだ?」
「え!?えーとチノちゃんは.....」
何だか言い辛そうな感じだった。
「もしかして熱でも出したのか!?」
「いやそうじゃなくて!直接見てもらった方がいいかな。チノちゃんは今部屋にいるから見てきて、私じゃどうしようもできないよ。」
「どうしようも?」
ココアが少し気になる言葉を発していたが、今はチノのことが心配だったので急いで部屋に向かった。しかし部屋の前に立つとドアからものすごい哀愁のオーラが漂っていた。
「な...なんだこれ....本当にこの部屋にチノがいるのか?」
俺はそ~っとドアを開けると中は真っ暗だった。しかし相変わらず哀愁のオーラは漂っていた。
「チノただいま、寂しい思いさせてごめんな。」
声をかけたが返事はなかった。本当にいるのか不安になったので電気をつけると哀愁を漂わせながらベッドの隅で縮こまっているチノがいた。
「チノ!大丈夫か!?」
「お兄ちゃん.....早く帰ってきてください.....寂しいです.....お兄ちゃんがいない毎日なんて辛いです......寂しい.....寂しい寂しい寂しいさみしいさみしいさみしイさミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイサミシイ。」
こ....怖い。目は完全に死んだような目をしており、壊れた機械のようにずっと『寂しい』と呟いていた。
「チノ!帰ってきたぞ!しっかりしてくれ!」
「ふぇ.....お兄.....ちゃん?.....お兄ちゃん!」
チノは俺の顔を見た途端、大粒の涙を流しながら抱きしめてきた。
「お兄ちゃん!...あっ....うっ.....寂゛し゛か゛っ゛た゛.......寂゛し゛か゛っ゛た゛ぁ゛ぁ゛!」
チノは号泣状態だった。俺はチノを安心させるために泣き止むまでギュッと抱きしめてあげた。
「もう大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます。」
「いいよ、こっちこそ寂しい思いさせてごめんな。」
俺は謝りながらチノの頭を撫でた。
「仕事が終わるまでまだ少し時間あるから一緒に頑張るか?」
「はい!お兄ちゃんと久しぶりのお仕事ですね!」
俺たちは制服に着替え1階へ降りた。ココアは元に戻ったチノを見て安心したように抱きついていたが、それとは対照的にチノはココアから離れようとしていた。
「さて、そろそろ終わるか。」
「お兄ちゃんとのお仕事久しぶりで楽しかった!」
2人ともいつもより活気的に働いており、俺から見ても楽しそうにしてたのがよくわかった。仕事が終わり着替えようと更衣室へ入ろうとした時、チノがこっちへ駆け寄って来た。
「お兄ちゃん!何か忘れてませんか?」
「え?仕事場に何か置き忘れてた?」
「いえそうではなくて、私に何が忘れてることないですか?」
チノは期待の眼差しで言ってきた。そう言われても期待されるようなことをした覚えはないけど。
「チノに何かしないといけないことあったっけ?」
「あの........いえ......なんでもないです......」
チノはそのまま落ち込んだ様子で更衣室へ入っていった。
それから数日間俺はチノに避けられるようになってしまった。俺が話しかけようとすると無視してどこかへ行ってしまったり、ハグしてあげようとすると部屋へ逃げられたりされていた。
そして休日の日ラビットハウスに遊びに来ていたリゼに原因を聞くことにした。
「なあリゼ、俺が修学旅行から帰ってきてからチノの様子が変なんだけど何かあったのか?」
「え!?お前気づいてないのか?」
「気づいてないのかって言われても避けられるようなことした覚えはないし。」
リゼと話をしているとチノがやってきて、俺を見つけるとじーっと見てきた。
「どうしたんだチノ?」
「........なんでもないです。」
そう言ってチノは再び部屋へ戻ってしまった。
「俺、チノに何かしたかな?」
「.......本当はお前自身が気づくべきなんだけど、覚えてないか?お前が修学旅行に行く前にチノとした約束の事。」
「........ん?」
修学旅行前日
「お兄ちゃん本当に行っちゃうんですか?やっぱりここにいてください!1週間も会えないなんて無理です!」
「大丈夫だよ、たった1週間なんだから。」
「なんですかたった1週間って!私からしたらこんなの地獄です!いじめです!体罰です!」
「いやさすがにそこまではいかないだろ!?」
「.......でも。」
「大丈夫!お土産いっぱい買ってきてあげるから!」
「本当ですか!?」
「ああ、だから良い子にしてて待っててくれ。」
「はい!約束ですよ!」
「か....完全に.....忘れ......てた.....」
そういえばそんな約束した。だからチノは俺のこと避けてたのか。
「チノの奴、いつ言ってくれるかずっと待ってたんだぞ。」
「早く言ってくれよ!もうけっこう経ってるぞ!」
「買い忘れたんならちゃんと謝らないとダメだぞ。」
「ちょ、ちょっとチノの部屋に行ってくる!」
俺は慌ててチノの部屋に向かった。中に入るとめちゃくちゃ落ち込んでるチノがおり、俺に目を向けてくれなかった。
「なあチノ、約束してたお土産なんだけどさ。」
「.........」
「実はな.....」
「!?........」
チノはきっと忘れてしまってたんだろうなと思っていそうな表情だった。
「実はな、すごい美味しいお土産買ってあるんだ!豊葦原の瑞穂の国っていう所の名物の水饅頭って聞いたことあるだろ?」
「はい!知ってます!」
チノの表情が嬉しそうになった。
「どうやらクラスメイトの荷物の中に紛れ込んでたみたいでさ、すぐに取ってくるからま、待っててくれ!」
「はい!えへへ///」
俺ってバカだ。なんで後にはもう引けない嘘をついてしまったんだ。俺は後悔しながらリゼの所へ戻った。
「どうだった?」
「チノの顔見てたら言えなくて。」
「正直に言った方が良くないか?」
「でも、チノが悲しむところは見たくないし.....」
「親父に頼んでみようか?何とかなると思うけど。」
たしかにリゼのお父さんに頼めば何とかなるかもしれない。でもそれじゃダメだ。これは俺が何とかしないと。
「いや、これは俺が蒔いた種だ。自分で何とかするよ。ココアには出かけてくるって言っておいてくれ!」
俺はそのままラビットハウスを飛び出した。こうして俺の水饅頭探しの旅が始まった。
俺はクラスメイトの人たちにしらみ潰しに聞いて回ることにした。
「水饅頭ってまだあるかな?」
「ごめんなさい!もう食べちゃったわ。」
「そっか、わかったありがとう!」
「水饅頭ってまだある?」
「水饅頭は買ってないわ。あわまんじゅうならあるけど。」
「他のはダメなんだ。大丈夫ありがとう!」
「水饅頭ってまだある?もしあったら譲って欲しいんだ!」
「すっごく美味しかったわ!」
「......いや、そういうのを聞いてるんじゃなくてさ。」
それから俺はクラスメイト全員に聞いて回ったが誰も持っていなかった。俺はどうしたらいいのか公園のベンチで途方に暮れていた。
「あら?リョーマ君どうしたの?」
声のする方を見るとチヤが立っていた。買い物袋を持っていたから恐らく買い物帰りだろう。
「俺、チノのお土産買い忘れてしまって.....忘れたなんて言えなくて。」
「そうだったの。だったらあの店がいいかもしれないわ!」
チヤが言うには近くの路地裏にいろんな国の食べ物が売っている見た目が怪しそうな店があるという。もしかしたらそこに水饅頭があるかもしれないとのことだった。
「ありがとうチヤ!早速そこに行って探してみる!」
「せっかくだし私も行くわ!」
「いいのか?」
「もちろんよ!」
俺はチヤと一緒に行くことになり路地裏の店まで案内してくれた。店の外観を見てみると確かに怪しそうな店だったがそれなりに人で賑わっていたのでめちゃくちゃ怪しいとまではいかなかった。
「へぇ〜いろんな物が売ってるんだな。」
「ええ、面白い店でしょ?」
「ああ確かにな。おっとこうしちゃいられない!早く水饅頭探さないと!」
俺は隈なく探してみたがなかなか見つからなかった。そしてふと見てみると包装紙で包まれた物があり水饅頭と書かれていた。
「あ、あったーーーー!」
「あら、見つかったの?」
「ああ!これだ!幻じゃないよな!?本物なんだよな痛って!」
俺は水饅頭を手に取ろうとした瞬間この店の店主らしきおばあさんにハエ叩きで手を叩かれた。
「誰が触っていいって言った?売り物に気安く触るんじゃないよ!」
「あ!おばあさんこんにちは!」
「おや?チヤじゃないか?このガキんちょの知り合いかい?」
「チヤ、このおばあさんと知り合い?」
話を聞いてみるとこのおばあさんとチヤのおばあさんはとても仲が良いらしくチヤもよくこのおばあさんと話をするらしい。
「おばあさん!この水饅頭売ってくださ痛った!」
「だから気安く触るんじゃないよ!うちは上品な店なんだ。」
「そんなこと言わないで売ってくださいよ!こっちは緊急事態なんですよ!」
「ほぉ〜緊急事態ね〜。ならば聞かせてもらおうかい、一体どんな緊急事態なんだい?」
「その.....妹のお土産を買い忘れてしまったんです。それでこの店なら売ってるかもしれないって聞いて来たんです。」
その瞬間おばあさんの目がほんの少し見開いたような気がした。
「ほぉ〜そんなに妹のことが大事かい?」
「当たり前ですよ!すごく可愛くて守ってあげたくてたまにわがまま言われますけど大切な妹です!」
そう言うとおばあさんはしばらく俺の目をジッと見つめていた。見つめ終わるとおばあさんは棚に置いてあった水饅頭を差し出された。
「おばあさん、これって。」
「それ持ってとっとと帰んな!緊急事態なんだろ?」
おばあさんはそう言って俺たちを店から追い出した。
「あのおばあさん!まだお金払ってません!」
「水饅頭の1つくらいくれてやるさ!まったく、あんたのおかげで忘れっぽいクソ兄貴を思い出してしまったよ!はぁ〜気分が悪いね!」
「.....!!おばあさん!」
おばあさんはそのまま店のシャッターを閉めてしまった。
「.....帰りましょうかリョーマ君。」
「あ、ああ。」
俺たちはそのまま店を後にした。しかし俺はシャッターを閉めようとした時のおばあさんの少し悲しそうな顔が頭から離れなかった。
「........」
「どうしたのリョーマ君?水饅頭手に入ったのにあまり嬉しそうじゃないみたいだけど。」
「俺、やっぱりチノに正直に話すよ。」
「どうして?せっかくバレずに済むのに。」
「嘘ついてまで喜ぶ顔は見たくないからな。それなら正直に話した方がいいよ。」
「ふふ、それでこそリョーマ君ね!」
「今日はありがとう!おかげで助かったよ。」
「どういたしまして、頑張ってね!」
俺はそのままラビットハウスへ戻った。ドアを開けると待っていたチノが駆け寄ってきた。
「お兄ちゃんお帰りなさい!」
「チノ、これ約束してた水饅頭。」
「ありがとうございますお兄ちゃん!えへへ、お兄ちゃんからのお土産///」
チノは嬉しそうにお土産を抱えていた。やっぱり言った方がいいな。
「チノごめん!それ本当は修学旅行で買ったお土産じゃないんだ!」
「.....,え?」
「街中を探しまくって見つけた物なんだ!本当にごめん!」
「.......嘘ついたんですか?」
「......ごめん。」
しばらく無言の状態が続いた。そして最初に話したのはチノだった。
「でも、私のために一生懸命探してくれたんですね。じゃあお兄ちゃん、この水饅頭一緒に食べてください。それで許してあげます。」
「いいのか?」
「はい、だから一緒に食べましょう!」
「もちろん!」
俺はチノと一緒に水饅頭を食べた。チノはそれで許してくれたが俺の気が収まらなかったので今日は一緒に寝ることにした。
後日怪しい店のおばあさんにお礼を言いに行くと妹を大切にと言われたのでその日はココアとチノにいつもよりもっと優しく接すると2人にいつものお兄ちゃんじゃないと言われ病気かと疑われたので結局いつも通りに接することにした。
To be continued
今回はここで終わります。
もしかしたら今後もアニメネタを借りるかもしれませんが読んでくれると嬉しいです。