兄というのは苦労するが、やり甲斐はある   作:P&D

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どうもP&Dです。
最近涼しくなってきましたね。僕の好きな冬まであと少し!


-31話- 写真は笑顔の方が良い!

朝、自室で宿題をしているとココアが元気よく部屋に入ってきた。右手には手紙を持っており、誰かからの手紙だろうか。

 

「お兄ちゃん!お姉ちゃんからお兄ちゃんにお手紙だよ!」

 

「モカから?」

 

手紙を受け取り、中を見るとモカからの手紙だった。内容はこの前のお礼の内容だった。

 

「何て書いてるの?」

 

「この前モカがこの街に来た時のお礼だよ。」

 

 

 

リョーマ君へ

 

この前は本当にありがとう!とても楽しい時間が過ごせたよ!

木組みの街で楽しく過ごせているようでとても安心しました。チノちゃん達に迷惑かけないようにね。あとご飯はしっかり食べるように。

ココアったらちょっと目を離すと勉強サボるからみっちり特訓してあげてね。

いつかこっちに戻って遊びに来てね!

 

 

 

 

「お姉ちゃんってば心配性だね。」

 

「なんだか母さんみたいだな。」

 

「ん?お兄ちゃん、手紙がもう一枚あるよ。」

 

よく見ると手紙がもう1枚あった。1枚目よりかなり小さいメモ用紙くらいの大きさだった。

 

「どれどれ。」

 

 

 

追伸

 

また一緒にお風呂に入って一緒に寝ようね♪

 

 

 

 

 

俺はこの瞬間、神業の如く一瞬で破り捨てた。なんで手紙にこんなのを書くんだ。あの時の事を思い出してきて恥ずかしくなってきた。

 

「お兄ちゃん顔すごく赤いよ!なんて書いてあったの?」

 

「.......また遊ぼうって書いてあった///」

 

「だったら顔赤くすることないよね!?本当になんて書いてあったの?」

 

ココアがしつこく聞いてきたが何とか誤魔化して事なきを得た。そしてココアは実家に手紙を書くと言って自室へ戻ってしまった。

 

「仕事まであと1時間くらいあるけど、もう着替えるか。」

 

俺は気分を変えるためにもいつもより早く仕事場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃんどうしたんですか?なんだか顔が赤いですよ?」

 

仕事を始めたはものの、手紙の事が頭から離れないでいた。チノは熱かと心配されたが大丈夫だと伝え仕事をしていた。

 

「チノちゃん!写真撮らせて!」

 

制服に着替えたココアがカメラを持って駆け寄ってきた。チノは突然のことに戸惑っており、ココアはそれでもお構いなしにぐいぐいと寄ってきた。

 

「急に言われてもチノが困るだろ?どうしたんだよ急に?」

 

「お姉ちゃんとお母さんに可愛い妹のチノちゃんの写真を送りたいの。だから撮らせて?」

 

するとチノはムッとした表情になった。

 

「私はココアさんの妹じゃありません、私はお兄ちゃんの妹です。」

 

「え!?私はお兄ちゃんの妹でしょ?チノちゃんがお兄ちゃんの妹ってことは私の妹でもあるの!」

 

「勝手に決めないでください!私はお兄ちゃんの妹です!」

 

また言い合いが始まった。この2人は俺関係の話になるといつもこうなる。

 

「チノ、少しだけ撮らせてあげてくれないか?後でハグしてあげるからさ。」

 

「本当ですか!?じゃあ......ちょっとだけなら。」

 

チノが許可するとココアは喜んで写真を撮り始めた。チノはお盆を持ちながら立ったままだったので傍から見ればなんだか証明写真を撮ってるかんじだった。

 

「チノちゃんもっと笑って!」

 

「そう言われても難しいです。」

 

「じゃあココアと一緒に撮ってあげるよ。誰かと一緒ならやりやすいだろ?」

 

俺はココアからカメラを受け取り、ココアにチノの隣に並ぶように指示を出した。それでもチノは少し表情が硬かったが、俺の合図で写真を撮った。しかし写真を見てみると1人の時より暗い表情だった。すごい陰気な喫茶店って思われそう。

 

「チノちゃんお願い笑ってください!」

 

ココアはチノに土下座で頼みこんできた。チノは少し困っていたが何かを思いついたような表情になり俺のところに来た。

 

「お兄ちゃん!一緒に写真撮ってください!お兄ちゃんとなら良い写真が撮れそうです!」

 

「俺と?」

 

「はい!」

 

「わかった!ココア、悪いけど写真撮ってくれ。」

 

ココアにカメラを渡しチノの隣に並ぶとココアの時よりものすごい近くに寄ってきた。俺はほんの少し離れるとチノはその分近寄ってきた。何回離れても何回も近寄るので俺は諦めてそのままの状態で写真を撮ってもらった。

 

 

 

「なんでなのチノちゃん!?なんでお兄ちゃんとだとこんなに眩しい笑顔ができるの!?」

 

撮ってもらった写真を見てみるとココアとの写真とは180°正反対の表情だった。見てるとすごく可愛く見える表情で、記念にもらっておきたいほどだった。

 

「確かにココアとの写真とは全然違うな。」

 

「チノちゃん!私との写真でも笑ってよ!」

 

「無理です。お兄ちゃんとじゃないとできません。」

 

チノがそう言うとココアは頬を膨らませながら俺を嫉妬の目で睨みながら近づいてきた

 

「しょ、しょうがないだろ?チノがそうじゃないと笑えないみたいなんだから。」

 

「それでもずるい!お兄ちゃんばっかりチノちゃんの笑顔が見れて!」

 

「じゃあココアさんもお兄ちゃんみたいに頑張ってください。」

 

「じゃあチノちゃん!今度はチノちゃんが私たちの写真を撮って!お兄ちゃん!私と一緒に写真撮って!」

 

ココアはそう言い俺を無理やり引っ張った。カメラを手に取ったチノは写真を撮る準備をしていた。

 

「撮りますよ。」

 

「うん!お兄ちゃん腕貸してね!」

 

チノが写真を撮った瞬間、ココアはそのまま俺に腕組みをしてきた。俺は突然のことに驚いたが一番驚いていたのはチノだった。カメラを持っている手はフルフルと震えており、さっきのココアと同じ嫉妬の目をしていた。

 

「ココアさん何してるんですか!腕組みなんかして!お兄ちゃんから離れてください!」

 

「今は私がお兄ちゃんと写真を撮ってるんだから、私の勝手だよ!」

 

なんだか今のココアからは笑顔の写真を撮らせてくれなかった事の憂さ晴らしのオーラを感じた。

 

「2人とも少し落ち着け。」

 

「こんにちは〜。」

 

2人の言い合いを止めようとした時、入口から青山さんが入ってきた。そして青山さんは何かあったんですかみたいなキョトンとした表情だった。

 

「チノさんとココアさん、どうかされたんですか?」

 

「青山さん聞いてください!チノちゃんが笑顔の写真を撮らせてくれないんです!」

 

「お兄ちゃんと一緒じゃないとできないって言ったじゃないですか!それに聞いてください青山さん!ココアさんったら誰の許可も無くお兄ちゃんの腕に抱きついたんですよ!」

 

2人は青山さんにお互いに対してのことを一気に話し始めた。青山さんは突然のことであたふたしており、俺に助けてくださいみたいな目で見られた。

 

「おい2人とも、青山さんがせっかく来てくれたのに困らせるようなことするな。」

 

「あの〜、一体何があったんですか?」

 

俺は青山さんに事の経緯を話すと青山さんはすぐに納得してくれた。すると青山さんはある提案をしてくれた。

 

「では3人一緒に撮ってはどうでしょうか?リョーマさんが真ん中で隣にココアさんとチノさんが並べばチノさんは笑顔になれますしココアさんも笑顔のチノさんと一緒に写真が撮れますよ。」

 

「そっかー!そうすればいいんだ!チノちゃん!お兄ちゃん!3人で撮ろう!」

 

ココアは俺とチノの手を引き、俺を真ん中にし並んで立った。

 

「それでは撮りますね。」

 

青山さんに俺たち3人の写真を撮ってもらった。見てみるとチノはニッコリな笑顔で、ココアは笑顔でピースをしている写真だった。

 

「やったー!笑顔のチノちゃんと一緒に撮れた!」

 

ココアは笑顔のチノと撮れたことに大喜びで、チノは撮ったカメラを見ながら微笑んでいた。

 

「青山さんありがとうございます。」

 

「いえいえ、お役に立ててよかったです。リョーマさんも大変ですね。」

 

俺は青山さんにお礼を言い、今日の仕事が終わったら写真の現像をしようと思いながら仕事を再開した。

数日後、仕事を終えた俺は現像がし終わった写真を受け取りココアとチノに渡してあげると2人とも子供のように喜んでおり、もっと写真を撮ろうとしてきたが、今日はもうやめようと言い夕食作りに取り掛かった。

 

 

 

夜の10時を少し過ぎた頃今日はなんだか眠れそうにないと思い、気分転換にタカヒロさんの所へ行くことにした。

 

「タカヒロさん、少しお邪魔してもいいですか?」

 

「リョーマ君か、構わないよ。」

 

店内に入るとまだ客は誰もいなかったのでタカヒロさんと向かい合うようにカウンター席に座った。おじいさんはマスコットのように動かないようにしていた。

 

「おじいさん、バータイムの時はそうやってマスコットのようにしてるんですか?」

 

「まあな、おかげでその時は体中が痛むわい。」

 

「今の姿の親父が喋って動くと大騒ぎどころじゃないだろ?」

 

俺はそれはそうだろうと思いながらしばらく3人で話をしていると、実はタカヒロさんにも現像して渡していた写真が置いてあった。

 

「タカヒロさん、仕事中はここに飾ってるんですね。」

 

「ああ、この写真を見ていると3人が本当に兄妹のように見えてね。チノは君達がここに来る前は話し相手があまりいなくて寂しがっていたからね。チノが君を兄のように慕ってからは本当に笑顔が増えたよ。」

 

「わしも喫茶店の時間の時に見てるといつもお前に懐いておるよ。修学旅行で留守になっていた時はすごい大変じゃったよ。」

 

俺が帰ってきた時にあんな感じだったなら、留守中は相当だったんだろうと察した。

 

「リョーマ君のおかげでチノも楽しそうでよかった。これからもチノと一緒にいてやってくれ。」

 

「もちろんです!」

 

「わしからも頼むよ。さて、もう夜も遅いしそろそろ部屋へ戻ると良いじゃろう。」

 

「そうですね、じゃあ俺はここで失礼します。おやすみなさい。」

 

俺はタカヒロさんとおじいさんに挨拶をし、部屋へ戻った。階段を上がり部屋へ向かおうとした時、チノが部屋の前に立っていた。

 

「チノどうしたんだ?」

 

「あ、お兄ちゃん!あの、今日も一緒に寝ていいですか?

 

チノは枕と兎の人形を持ちながら言っていた。チノとはすっかり一緒に寝ることが多くなった。時々一緒じゃないと眠れないなんて言われるようにもなったけど、別に嫌な気持ちにはならないから全然構わないけどな。

 

「ああ、いいよ。それにしても週4日以上は一緒に寝てるよな。」

 

「もちろんです!だって私は、お兄ちゃんの妹ですから!」

 

 

 

To be continued




今回はここで終わります。
この前ごちうさの最新巻読みましたけど面白かったですね!
次の最新巻まで約1年.......長い。
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