兄というのは苦労するが、やり甲斐はある   作:P&D

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どうもP&Dです。
旅行といえば最後に行ったのは高校の修学旅行でしたね。いつか友達とどこか旅行に行きたいですね。


-33話- 恋人同士(仮)の旅行ってどんな気分?

旅行当日、待ち合わせは駅になっている。今回の旅行先はこの街から離れた所にある旅館だ。今は駅に向かっているところだが、ラビットハウスを出る前はココアとチノから絶対に変なことをしないようにと念を押され、もし変なことをしたら尋問じゃ済まないと脅された。練習のための旅行なのに変なことをする必要がどこにあるのやら。

 

「リゼおはよう!」

 

「おはようリョーマ!今日はありがとう、旅行にまで付き合ってくれて。」

 

「出来ることならなんでもするって言ったしな。今日は目一杯楽しもうな!」

 

「ああ、よろしくお願いするよ。じゃあリョーマ早く電車に乗ろう!」

 

俺はリゼに手を引かれ電車に乗った。リゼはだいぶ慣れてきたみたいだ。

この街に来た時に乗った電車と同じでどこか懐かしみを感じた。

 

「リゼ、演劇の練習は順調か?」

 

「ああ、最初は緊張したけどお前とのデートのおかげでだいぶ上手くなったと思うよ。」

 

「それは良かった。」

 

「それよりリョーマの方は大丈夫なのか?ココアとチノに何か言われたんじゃないのか?」

 

「.........気をつけて楽しんできてって言われた。」

 

「......なんだ今の間は。」

 

脅されたなんて言ったら多分リゼが黙ってないだろう。今はリゼの演劇のために全力を尽くそう。

 

「そういえば旅館の予約リョーマがとってくれたんだな。ありがとう、何から何まで。」

 

「どういたしまして。演劇の練習が上手くいってるみたいでこっちも嬉しいよ。」

 

「でも急に上手くなった所為か、何でそんなに急に上手くなったのか後輩たちから何回も聞かれるんだ。」

 

「あれ?みんなにこの事言ってないのか?」

 

「当たり前だろ!こんな事言ったら恥ずかしいに決まってる!それに言ったらお前のとこにも押し寄せてくるだろうから。」

 

まあ確かに前にリゼが足を捻挫してしまって俺が保健室に運ぶためにお姫様抱っこをした時、周りから歓喜の叫びが聞こえたからな。強ち間違いじゃないかもしれない。

 

「そうだな。言わない方がいいかもしれない。」

 

「お前、私の学校じゃかなり人気だからな。」

 

「嬉しいけど......押し寄せられるのは嫌だな。」

 

「私もお前の立場だったら嫌だよ。」

 

こんな感じでお互いの学校での出来事などを話しながら目的地へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

電車を降り、旅館に到着するとかなり大きな旅館だった。和風ということもありどこか甘兎庵と似ているところがあった。

 

「旅館に来たのも初めてだけど、意外と大きいんだな。」

 

「リゼって意外とアウトドアじゃないんだな。」

 

「そんなことないぞ。旅行や遊園地に遊びに行ったことがないだけで、サバイバルの訓練やキャンプは何回もしたことあるぞ。」

 

「......それは俺がやったことがない。」

 

お互いやることの方向は違うが、その事は気にせず旅館に入ることにした。

中に入るとこの旅館の女将が立っていた。

 

「すみません、2名で予約した如月です。」

 

「ようこそお出でくださいました。ここの旅館の女将ございます。」

 

女将さんは丁寧なお辞儀をし自己紹介をしてくれた。そして女将さんは俺の後ろにいたリゼに目が留まった。

 

「そちらの方はあなたの恋人ですか?」

 

それを聞いたリゼは顔を真っ赤にし、しどろもどろになっていた。

 

「えっと、その、こここ恋人.......で、です///」

 

「リゼ、そんなに緊張しなくても。」

 

「誰だって緊張するだろ!」

 

練習とはいえ他人に恋人だと言うのはさすがに恥ずかしいみたいだった。

 

「ふふ、とても仲が良いのですね。」

 

女将さんに微笑ましく見られそのまま部屋へ案内された。部屋に入ると2人用にはかなり広い和室でそれを見たリゼは驚いていた。

 

「おお!結構広いな!」

 

「あれ?女将さん、予約した部屋もう少し狭かったような気がするんですけど。」

 

俺が聞くと女将さんはリゼに聞こえないように小声で話し始めた。

 

「恋人さんと一緒だったので急遽部屋を変えました。お代はそのままで大丈夫ですよ、私からのサービスです!」

 

それを聞いた俺はリゼを見るとこの広い部屋を気に入っており、部屋に置いてあるものに興味津々な様子で見て回っていた。ここはお言葉に甘えよう。

 

「すみませんお手を煩わせてしまって。」

 

「お気になさらないでください。そのかわり恋人さんと楽しんでください。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「ごゆっくり寛いでくださいね。では私はこれで失礼します。」

 

女将さんは一礼し、そのまま部屋を出て行った。リゼはまだ広い部屋を見て回っていた。

 

「リゼ、とりあえず少し休憩しようか。」

 

「ああ!それにしても見てて飽きない部屋だな!」

 

俺は湯呑み茶碗にお茶を淹れ、リゼと一緒に暫く休憩をすることにした。子供みたいに部屋を見て回っていた姿が今ではだいぶ落ち着いていた。

 

「リョーマ!まずはどこに行く?」

 

「まずはいろんな観光スポットに行こう。この辺りはそれがたくさんあるみたいだし。」

 

この辺りは観光スポットが多いと聞いたことがある。そのあとはここの名物とかを巡ったり、ココアたちへのお土産を買ったりするといいだろう。

 

「よし!そうと決まれば早速行こう!」

 

リゼは再び純粋な子供のようになり、俺の手を強引に引き旅館を出た。旅館から出る際、女将さんからまるで兄妹を見送るような感じだった。確かに今のリゼの状態はココアに似ているようなところがあり、そう見られるのも仕方ないかと思った。

 

 

 

 

「おお!すごい大きい寺だな!」

 

「確かに大きいな。よし入ってみるか?」

 

俺たちは一番の人気スポットの寺院を訪れた。流石人気ということもあり、観光客も大勢いた。そばにいないとすぐに逸れそうなほどだった。

 

「リゼ大丈夫か?離れるんじゃないぞ。」

 

「リョーマ待って!ちょっと!」

 

「まずい!」

 

俺は大勢の中、逸れそうになったリゼの手を慌てて掴みこっちへ引き寄せた。しかし少し引く勢いが強かった所為で抱きしめる形になってしまい、リゼは顔を赤くし動けなくなってしまっていた。

 

「大丈夫か?」

 

「う...うん///...だ、大丈夫///」

 

「逸れちゃまずいし、手繋いで行こう。」

 

俺が手を差し出すと、俯いたまま手を繋いできた。しばらくの間リゼは顔を赤らめながら何も喋らなくなり、俺が大丈夫かと聞いても無言で頷くだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

寺院の最上階に着くと町の絶景が広がっていた。ここが観光スポットと言われるだけのことはある。

 

「リョーマ!すごい景色だぞ!」

 

「折角だし写真撮ろうか。」

 

「よろしかったら写真撮りましょうか?」

 

俺は誰かに写真を撮ってもらうよう頼もうかと思った時、後ろからお年寄りのおばあさんが声をかけてくれた。

 

「すみません、お願いしてもいいですか?」

 

「ええ、もちろんですよ。」

 

俺たちは町の景色を背に写真を撮ってもらうことにした。リゼは少し緊張しており顔が引き攣っていた。

 

「ほらほら、彼女さんもっと近づいて笑顔で。」

 

「は、はい!」

 

「リゼ、手繋ごうか。」

 

「そ、そうだな。」

 

リゼは俺のそばに寄りながら手を繋いだ。そのまま写真を撮ってもらいおばあさんにお礼を言ってカメラを受け取った。カメラを見てみるとリゼの引き攣っていたのが嘘だったかのような笑顔だった。

 

「どうしたリョーマ?」

 

「いやなんでもない。さあもっといろんな所に行ってみよう!」

 

俺はカメラをしまいそのままリゼと観光を続けた。観光中リゼはすごく楽しそうだったが、周りの人たちから恋人だと思われる度に顔を真っ赤にして俺に隠れることが多かった。男女が手を繋いで観光してたらそう思われるのも当然と言われれば当然かもしれないけど。

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜、いい湯だな。」

 

観光から帰ってきた俺たちは歩き疲れていたので温泉に入ることにした。リゼは少し準備があるから先に入ってくれと言われ今は1人で満喫している。

 

「明日には町に帰るのか。.....もう1泊予約しておけば良かったかな。」

 

そんなことを思っていると入り口から誰かが入ってきた。他の宿泊客かと思って見たらなんとリゼだった。

 

「ちょ!?リゼなんで男湯に来てるんだ!?」

 

「ここの旅館、夜からは両方とも混浴になるらしいんだ。」

 

そんなシステムがある旅館なんて初めて聞いたぞ。ていうか混浴になるんだったら暖簾を変えようよ女将さん。

 

「混浴って知ってたんだったらなんで女湯の方に行かなかったんだ?」

 

「だって折角だし、一緒に入ろうかなって///」

 

リゼはタオルで体を隠しながら言ってきた。モカが来た時もこんな感じだったが年頃の男女が一緒に風呂に入るなんてなんだか罪悪感を感じる。

 

「まあ、リゼがいいなら入っていいけど。」

 

「ああ、じゃあ失礼するよ。」

 

 

 

 

 

 

 

「「.............。」」

 

何を話せばいいんだろう。もう5分ほど経つがずっとこの状態だ。リゼはさっきから何も話さずずっとモジモジしてるし。

 

「リゼ、今日は楽しかったな。」

 

「ああ、今日は本当に楽しかったよ。旅行も悪くないものだな。」

 

 

「「............。」」

 

ヤバイ、緊張しすぎて何も浮かんでこない。いつもならすぐに話題が浮かんでくるのになんでこういう時に限って浮かんでこないんだ。

 

「この後の夕食楽しみだな。さっき女将さんが味には自信があるから楽しみにしててって言ってたよ。」

 

「じゃあリョーマの作る料理とどっちが美味しいか審査だな。」

 

「当然俺の方が美味しいと思うけどな。」

 

「お!珍しいなリョーマがそんなこと言うなんて。よし!じゃあ厳しく審査してあげよう。」

 

会話を和ませるためにわざと見栄を張ったが効果はあったようだ。いつものように自然と会話ができるようになった。

 

 

風呂を上がり浴衣に着替え、部屋に入ると女将さんが夕食の準備をしていた。

 

「おかえりなさいませ。温泉の方はいかがでしたか?」

 

「はい、すごく気持ちよかったです。」

 

「それは良かったです。お食事の準備ができましたのでごゆっくりと召し上がってください。」

 

「ありがとうございます。いただきます。」

 

俺たちは早速夕食をいただいた。リゼが温泉で厳しく審査すると言っていたので、俺も気合を入れて審査してみたのはいいが.....。

 

「......リョーマのより断然美味しいな。」

 

「.......そ、そうだな。」

 

わざと見栄を張ったとはいえ心のどこかで勝負心に燃えていたが、あっさりと負けてしまいショックを受けている自分がいた。

 

「そんなに落ち込むなよ!リョーマの料理もすごく美味しいから!」

 

「ありがとう、審査のことは忘れて美味しく食べようか。」

 

俺たちはそのまま夕食を楽しんだ。

布団を敷き寝る準備が整った後、今日のことをココアとチノに言っておこうと思い寺院で撮った写真を添えてメールを送った。

 

「リョーマ何してるんだ?」

 

「ココアとチノに今日の事を教えてたんだ。あれ?もう返ってきた。」

 

着信メールが来たので内容を見てみると。

 

『お兄ちゃん♪帰ってきたら尋問だね♪

ココア&チノより』

 

ああ.......帰りたくなくなってきた。やっぱりもう1泊予約しておけばよかったかな。

 

「どうしたんだよ、世界が終わってしまうみたいな顔して。なんて返信が来たんだ?」

 

「........楽しんでるようで良かったって。」

 

「........いや、絶対嘘だよな?」

 

当然と言わんばかりのツッコミをされた。不思議そうな顔をされたが俺は何も言わずに布団に入った。

 

「リゼ、そろそろ寝よう。」

 

「そうだな。あの.......リョーマ///」

 

「どうした?暗いのが怖いのか?」

 

「そうじゃなくて、その......手..繋いでくれないか?」

 

「もちろん!構わないよ。」

 

俺は部屋の電気を消し布団に入りリゼと手を繋いだ。心なしか少し震えてるような気がした。

 

「やっぱり怖いんじゃないのか?」

 

「.....ち、違う///」

 

そう言ってリゼはそっぽ向いてしまった。どうやら当たりみたいだ。

 

「無理しなくていいよ。一緒の布団に寝るか?」

 

「......うん、寝る///」

 

リゼはそのまま何も言わずに布団に入ってきた。手を差し出してきたので手を繋いであげるとさっきまでの震えは完全に消えていた。

 

「本当に暗い所が怖いんだな。」

 

「誰かと一緒なら全然平気なんだ。でも1人だとやっぱり怖い。」

 

「そうか!だからリゼの部屋に眼帯をつけたうさぎの人形があったのか。リゼにも可愛い所あるんだな。」

 

「な!?もういいだろ!早く寝るぞ!」

 

「そうだな、早く寝ないとどんどん暗くなっていくからな。」

 

「ふん///」

 

リゼは反対側を向いて寝てしまった。しかし手は繋いだままなので怖いのには変わりはないんだなと思いながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?もう朝か。そろそろ起きよう。........リゼ!?」

 

起きようとした時何かにしがみつかれている感覚がしたので見てみるとリゼが俺に抱きつきながら寝ていた。しかも足を絡ませながら。

 

「おいリゼ起きてくれ!」

 

「ん〜〜リョーマ〜♪」

 

リゼは起きるどころかさらに抱きついてきた。俺を抱き枕と勘違いしてるのか?

 

「リゼ起きろってば!」

 

「えへへ〜リョーマったらそんなに抱きついてきて〜♪」

 

夢で抱きつかれてるのはリゼみたいだが現実で抱きつかれてるのは俺だ。早く起こさないと女将さんが朝の挨拶に来てしまう。

 

「リゼ!頼むから起きてくれ!女将さんが来てしまう!」

 

「ん?リョーマどうしたんだよ急に離れて。もっとハグしよ〜♪」

 

起きたは起きたがまだ寝ぼけているみたいだ。まだ夢の中だと思い込んでるなこれは。

 

「おい寝ぼけてないで起きろ!」

 

「なんだよリョーマ。私達恋人同士だろ?もっとハグさせてくれ。」

 

リゼってもしかして寝てる時はけっこうハグ魔だったりするのか?リゼを起こすのに必死になっていると襖が開く音がした。

 

「おはようございます。昨日はよく眠れました.......か?」

 

見ると女将さんが俺たちに朝の挨拶をしに部屋に入ってきた。そして俺たちのこの状況を見て少し呆然としていた。

 

「あ、女将さん違うんです!これはリゼが寝ぼけてるだけで!」

 

「あれ?なんで女将さんがここに?.........あれ?.......え!?.........え!!!???」

 

「やっと目が覚めたみたいだな。おはようリゼ。」

 

「今のって夢じゃ.......」

 

「ないよ。」

 

「あらあら、お2人とも本当にラブラブなんですね。大変失礼しました。1時間後にまた来ますのでごゆっくり。」

 

そう言って女将さんはそっと襖を閉め何事も無かったかのように去って行った。

 

「待って!女将さん待ってください!女将さーーーん!!!」

 

リゼは必死で女将さんを呼び止めに行ってしまった。.......この光景どこかで見たな。

 

 

 

 

 

 

 

 

リゼは女将さんに寝ぼけていたと誤解を解いた(本当に解けたのかは知らない)後、少し遅めの朝食をいただき帰る準備をしていた。

 

「さてと、リゼ準備できたか?」

 

「ああ、いつでもいいぞ。」

 

「よし、じゃあ出るか。」

 

俺たちは旅館の玄関まで行き女将さんに挨拶をすることにした。

 

「女将さん、本当にお世話になりました。」

 

「いえいえ、私もいろいろと楽しかったですよ。またいつでもいらして下さいね。」

 

「はい、ありがとうございました!」

 

俺たちは女将さんにお礼を言い旅館を後にした。電車に乗る頃にはお昼を過ぎており、町に着く頃には夜になっているだろう。

 

「本当に楽しい旅行だったな。」

 

「ああ、リョーマと来て正解だったよ。」

 

俺たちはしばらく旅行での出来事を振り返り語り合った。寺院に訪れたこと、お土産巡りやグルメ巡りその他の観光スポットに行ったことなどを話し気がつくと2時間くらい話していた。

 

「旅行は楽しかったし、出来ることは全部できたし、これで練習の方も大丈夫かな。」

 

「え?練習?」

 

リゼは何の事か分からずポカンとした表情だった。

 

「演劇の練習のことだよ。もうこれでバッチリだろ?」

 

「............あ、ああ!そうだな!もうこれでバッチリだ!本当に助かったよ!............そっか......練習だったなそういえば。

 

リゼは最後に何かを呟いた後すごく寂しそうな表情になり俯いてしまった。

 

「どうしたんだリゼ?どこか具合悪いのか?」

 

「ううん、大丈夫。少し眠いから寝てもいいか?」

 

「ああ、町まで着くのにまだしばらくかかるし、着いたら起こすよ。」

 

「悪いな。じゃあお言葉に甘えて少し寝るよ。」

 

リゼは俺の肩に寄り添って眠りについてしまった。俺は到着するまでの間、あのリゼのすごく寂しそうな表情が頭から離れずにいた。

 

 

 

 

 

町に到着する頃にはすっかり夜になっていた。俺は寝ているリゼを起こし電車を降りた。リゼを家まで送るまでの間リゼはずっと電車の時と同じ寂しそうな表情だった。

 

「やっぱり1泊だけじゃ物足りなかったかな?」

 

「う〜ん、かもしれないな。すごく楽しかったし。でも本番まで時間が無いし我儘は言ってられないからな。」

 

話をしながら家に向かっているとあっという間に到着した。

 

「リョーマ、いろいろと本当にありがとう。」

 

「いいよ気にしなくて。俺も旅行すごく楽しかったから。さて、俺はもうラビットハウスに戻るよ。また明日な。」

 

「.......リョーマ!」

 

俺がラビットハウスへ帰ろうとした途端リゼに手を掴まれ呼び止められた。

 

「どうした?」

 

「その.....さ、最後の練習に付き合ってくれないか?」

 

「いいよ、やり残した事があるならもちろん最後まで付き合うよ。」

 

「ありがとう。それで....えっと....今日はうちに泊まっていってくれないか?最後は恋人らしく練習を終わらせたいんだ。」

 

「わかった。じゃあお邪魔しようかな。」

 

「ありがとう!さあ早く入ってくれ!」

 

俺は今日、リゼの家に泊まることになった。中に入るとリゼのお父さんが立っていた。

 

「ただいま!」

 

「お帰りリゼ、お!リョーマも来ていたのか。」

 

「はい、リゼに今日は泊まってくれって頼まれたので。」

 

「そうか!泊まっていってくれるのなら俺も大歓迎だ。旅行で疲れただろう、夕食の準備はできてるから旅行での話を聞かせてくれ。」

 

俺たちはリゼのお父さんと一緒を食べることになった。楽しそうに旅行での事を話すリゼ、それを嬉しそうに聞くリゼのお父さん、なんだか団欒とした感じでとてもいい気分だ。

 

「いい旅行だったじゃないか。そういえばリョーマ知ってるか?リゼ、お前に演劇の練習に付き合ってくれるか最初はすごく不安がっていたんだぞ。」

 

「ちょっと親父!それは言わなくていい!」

 

「いいじゃないか過ぎた事なんだから。そしてお前が練習に付き合ってくれると分かると大喜びで俺に報告を「それ以上喋るな!」」

 

リゼはお父さんの言葉を遮って懐にしまっていたモデルガンを突き出した。......待って、旅行中ずっと持ってたのか!?

 

「おいやめろ!父親に銃口向ける娘がいるか!」

 

「だったらそれ以上喋るな!」

 

途中からドタバタな夕食になってしまったが、なんだかんだ楽しそうにしていた。

就寝時、お父さんから今日はリゼと一緒に寝てやってくれと頼まれた。元からそのつもりだったが、俺は頼みを受け入れリゼの部屋へ向かった。

 

「リゼ今日も一緒に寝るか?」

 

「ああ!早く入ってくれ。」

 

俺はそのまま部屋に入った。もう夜の11時だ、そろそろ寝ないといけないな。

 

「ありがとな、最後の練習に付き合ってくれて。」

 

「気にするな、やり残した事がある方が嫌だしな。」

 

俺はリゼと同じベッドに入った。するとリゼは突然俺を抱きしめ始めた。

 

「リゼ急にどうした?」

 

「まだ練習は続いてから眠るまでは恋人同士でいさせてくれ。」

 

リゼはそう言って強く抱きしめてきた。なんだかこの状況を堪能しているような感じがした。

 

「そうだな、じゃあこのまま寝るか。」

 

「ああ、おやすみリョーマ。」

 

「おやすみ。」

 

俺たちはそのまま抱きしめあいながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何で私練習だってことを忘れてたんだろう。その分すごく楽しかったというのももちろんあると思うけどそれだけじゃないような気がする。それに練習だって思い出した時の寂しい思い、なんだったんだろう?.......今はまだわからないけどいつかわかる日が来るといいな。)

 

 

To be continued




今回はここで終わります。
今回思ってた以上に長く書いてしまって気づいたら8000字超えてましたww
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