兄というのは苦労するが、やり甲斐はある   作:P&D

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どうもP&Dです。
2020年始まっちゃいましたね!
でも気が付くと2020年も終わりですねって言ってるんでしょうね。
時の流れは早い!


-39話- ポーカーフェイスは大事!

「お゛兄゛ちゃ゛ん゛あ゛り゛か゛と゛う゛~~!」

 

ココアが泣いている理由を話そう。今日で俺たちは学年が1つ上がったのだ。つまり俺が高校3年生、ココアが2年生になったわけだ。そしてココアが泣いているのは、進級してそれに感動して泣いているわけじゃない。なんとか進級出来て泣いているのだ。学年最後の期末試験1週間前、相変わらず文系の勉強を全然していなかったココアは焦りだして俺に勉強を教えてくれと縋り付いてきて、その間仕事はチノとリゼに任せて俺はココアに試験までみっちりと勉強をさせた。それでなんとか功を奏して赤点をギリギリ回避することができ、無事に進級できたわけだ。

 

「頼むから少しでもいいから普段から勉強しようという意欲を持て。留年なんかされたらおばさんに申し訳が立たん。」

 

「うん....。」

 

さすがのココアも今回のことで少しは反省しているようだ。ちなみに今一緒にいるチヤはいつも高得点でそんな心配はないが。

 

「ごめんなチヤ。学校では面倒見ててもらって。」

 

「いいのよ。ココアちゃんといるといつも楽しいから。それにリョーマ君、ココアちゃんには何かと厳しい所があるけど、ちゃんと心配してくれてるもんね。」

 

まあなんだかんだ妹のように慕ってるから、自然とそうなっているのかもしれないな。

そのココアはまだ泣いており、制服の袖で涙を拭んでいる。

 

「ココア、もう怒ってないから泣くな。俺もちょっと言い過ぎた。」

 

ココアの頭を撫でながら謝ると、まだすすり泣きだったが涙を流すことはなくなった。考えてみればココアもココアで頑張ったんだよな。ちゃんと褒めてあげないと。

 

「ほんとに?怒ってないの?」

 

「ああ。それに1週間ちゃんと頑張っただろ?ココアはやればできる子なんだからもう泣くな。」

 

ココアはやればできる子だ。ただやろうとしないだけで、頭が悪いわけではない。いつも小テストで赤点ばかり取ってるとやる気が出なくなるのはわからなくはない。ただそこから頑張ろうという思いが出てくるかどうかだけだ。

ココアの場合はハグをしてあげればやる気が出てくる。1日くらいしか持たないが。

今回はしっかりと頑張ってたしご褒美をあげようかな。

 

「ふぇ?お兄ちゃん?」

 

「ちゃんと頑張ったご褒美。よく頑張ったなココア。」

 

「.....えへへ///」

 

頭を撫でながらハグをしてあげるとさっきまで泣いてたのが嘘みたいな笑顔だった。まあ2年生になっても特訓をさせることになるんだろうけど、ココアがちゃんと頑張ってくれればそれでいい。

 

「良かったわねココアちゃん!」

 

「うん!」

 

「そうだわ!リョーマ君、私も頑張って高得点取ったんだしハグして欲しいわ!」

 

「え!?チヤも?」

 

「ええ!思い出してみれば私、まだリョーマ君にハグされたこと1回もないし。」

 

そういえばしたことがなかったな。いつもココアとチノにしてたし。チヤはウキウキしながらハグしてくれるのを待っている。

 

「さあリョーマ君!ハグさせて!」

 

「わかったから落ち着け。ほら。」

 

俺は腕を広げると、ゆっくりと抱きついてきた。そのまま頭を撫でてあげたが、なんだかチノみたいに甘えてくるな。チヤって意外と甘えん坊?

 

「いいわねこれ。とっても落ち着く。ココアちゃんの気持ちがすごくわかるわ!」

 

「でしょ!」

 

「ええ!リョーマ君、もっとハグさせて!」

 

「おい!ちょっと!」

 

チヤは半暴走状態になってしまった。引き離そうとしても、いったいどこからこんな力が出るのかと思ってしまうくらい強く抱きしめてきた。

 

「お兄ちゃん!」

 

聞き覚えのある声がする方を見るとチノが立っていた。チヤが俺を抱きしめているのを気にしている様子だが、このことは触れないでおこう。

 

「あらチノちゃん!リョーマ君のハグってすごくいいわね!」

 

「ずるいです!お兄ちゃんのハグは私専用なんです!」

 

「ちょっと待ってチノちゃん!お兄ちゃんのハグはチノちゃん専用じゃないよ!」

 

「いいえ違いません!ココアさんは小さい頃いっぱい甘えてたって言ってたじゃないですか!だから私専用です!」

 

「昔のことは関係ないよ!」

 

「関係大ありです!」

 

チヤからのハグが引き金となり、いつも通りの言い合いが始まった。チヤは手を合わせてごめんのジェスチャーをしていた。

 

「はあ.....はぁ.....チノ速すぎ!」

 

「チノちゃん、お兄さんのとこに行く時だけ速いからね〜......」

 

チノの後に息を切らしているマヤとメグがやってきた。2人の様子からするとそれなりの距離があったはずなのにチノは一切息を切らしていない。一体どうやったらそうなるんだ?

 

「なんだ、もう来てたのか?.....ん?何があったんだ?」

 

「きっと先輩絡みでしょうね.....。」

 

不思議そうな顔をしているリゼとなんとなく察したシャロもやってきた。相変わらず言い合いをしているココアとチノだが、しばらくそっとしておけば鎮まるのでその間、状況が理解できていないリゼに説明をすることにした。

 

 

 

 

「それで今日は皆さんどうして集まったんですか?」

 

「今日は進級祝いにみんなでお茶をすることになってるんだ。チノ達も来るか?」

 

「はい!お願いします!」

 

「お〜!メグ!兄貴と一緒にお茶だってさ!」

 

「うん!やったね〜!」

 

チノ達に説明すると喜んで一緒にお茶会をすることになった。お茶会は大勢の方が楽しいからな。ココアはほんの少しチノが俺に近寄るのを監視しているような視線をしていた。また喧嘩にならないことを祈りながら俺たちは歩き出した。

 

「あの、先輩。」

 

目的地へ向かっている途中、隣にいるシャロが何か気にしているような素振りをしていた。

 

「どうかした?」

 

「チノちゃん、前に見た時より甘えん坊になっちゃってますけど、家では大丈夫なんですか?さっき見た感じだとココアとよく喧嘩してそうに見えますけど。」

 

「見ての通りよく喧嘩してるよ。この前はココアと一緒に寝る約束をしてたんだけどチノはそれを御構い無しに俺と寝ようとしてきて、それで喧嘩になってたよ。さすがにあの時はココアが先に約束してたからチノには1人で寝てもらうことにしたよ。駄々こねてたけど。」

 

「チノちゃん、先輩のことが本当に大好きなんですね。」

 

「まあその分、苦労のレベルが上がってるような気がするけど。」

 

思えば喧嘩の回数も日に日に増えてるような気が....。片方ばかり甘やかすのも問題だよな。飴ばかりじゃなく鞭もないとな。

 

「なんだ?二人とも何の話をしてるんだ?」

 

俺とシャロの間にひょこっとリゼが入って来た。ちょっと冗談言ってやろうかな。

 

「リゼがかっこよくてすごく可愛いっていう話をしてたんだよ。」

 

「な!?///」

 

急にリゼの顔が真っ赤になった。

リゼは可愛いという言葉にやたら弱いからな。まあ普段からモデルガン持ってたり、学校で憧れの的になればかっこいいの方が言われることが多いよな。

 

「先輩!?全然違うこと言ってますよ!」

 

「あはは!違う違う。ココアとチノのことを話してたんだ。」

 

「じょ、じょじょ冗談でもそんなこと言うな///」

 

「え?リゼはけっこうかわいいのは本当だと思うけど。シャロはどう?」

 

「確かにリゼ先輩はかっこいいですけど可愛いところもありますよね!うさぎが好きなところとか。」

 

シャロも参加したことによってますます真っ赤になっていった。両手を頬に添えながら頭から湯気を出している。

 

「もうやめてくれ///」

 

「自身持てって。リゼは可愛いから!」

 

「そうですよリゼ先輩!自信持ってください!」

 

「なんでココアとチノの話から私の話になるんだ///」

 

「だってリゼ可愛いから。な!シャロ。」

 

「はい!」

 

「うぅ~///チヤ~~助けてくれ~!」

 

「あらあらまぁ。どうしたのリゼちゃん?」

 

恥ずかしさに耐えられなくなったリゼはチヤに縋り付いていた。この中じゃ俺と同じ1番年長なのに、今のリゼはとてもそうは見えない。

 

「なあこれって俺が悪いの?」

 

「いいえ、先輩は事実を言っただけなので大丈夫です。むしろリゼ先輩はもっと自分に自信を持つべきなんです。」

 

今この状況を見ると、シャロの方が先輩らしく見えるぞ。後ろの方を見るとチヤがリゼを落ち着かせていた。リゼは俺と目が合うと顔を赤くしながらそっぽを向かれた。可愛いって言っただけでなんでこんなことになるんだ?

 

 

 

 

「着いたー!」

 

数分後、目的地のカフェに到着した。元々5人で予約していたので席が空いているか不安だったが、ある程度席は空いていたので8人席の円状のテーブルへ案内してもらった。

 

「みんなー!席を決めるよ!」

 

「何で席を決めるんですか?」

 

「もちろんくじ引きで!」

 

そう言うとココアは1〜8が書かれた8枚の紙をテーブルに裏向きで置いた。席の番号は12時方向が1番、そこから時計回りに2番、3番といった席順だ。

 

「じゃあ俺はこれにしようかな。」

 

「じゃあ私はこれにしよう。」

 

各々紙を選び同時に表に返した。席の結果は俺が1番、リゼが2番、シャロが3番、チノが4番、ココアが5番、マヤが6番、メグが7番、チヤが8番だった。

 

「なんで兄貴が隣じゃないんだよー!」

 

「ココアさんズルしましたね!」

 

「してないよ!私の席を見ればわかるでしょ!」

 

「私はお兄さんと割りと近いから別に大丈夫だけど。」

 

見ての通りの言い合いが始まった。ココアが俺と一番遠いから不正はしてないだろう。仮に不正してもドジ踏んで結局俺が一番遠くなるような気がしなくもない。

 

「テーブルは一緒なんだからいいだろ?くじ引きで決まったんだから文句は言わない。」

 

俺が3人に向けて言うと、少し不満があったようだが言う通りにしてくれ、俺たちはその席順で座り店員に注文を頼んだ。

 

「ねえみんな!待ってる間トランプで遊ぼう!」

 

ココアはそう言いながらカバンからトランプを取り出した。それを見たみんなもどうやらやる気満々のようだ。

 

「よしやるか!で、トランプで何するんだ?」

 

「ここは王道のババ抜きをしよう!」

 

誰も反対する人はおらず満場一致でババ抜きに決まった。ココアは機嫌がいいのか、鼻歌で俺たちにトランプを配っている。

配り終わったカードを見ると1つのペアが見つかり残り4枚になった。残りはスペードのA、ダイヤの8、クラブの7、ハートのQだ。スタートは俺から時計回りとなった。

 

「ねえねえ!せっかくだから1番に上がれた人は何かご褒美がもらえるっていうのはどう?」

 

ココアがまた何か言いだした。機嫌が良かった理由ってもしかしてこれか?

 

「ちなみに私はお兄ちゃんにいっぱい甘えること!1日中甘えさせてもらうんだ!」

 

「わ、私も勝ったらお兄ちゃんに1日中甘えます!なのでココアさんはその日お兄ちゃんに甘えてはダメです!」

 

「じゃあ私が勝ったらその日はチノちゃんがお兄ちゃんに甘えちゃダメだよ!」

 

「受けて立ちます!」

 

気のせいだろうか2人の視線の間に電撃みたいのが見える。2人とも勝てなかった時のことは考えていないみたいだな。ちなみに俺が勝ったら今日の......いや、まだ言わないでおこう。

 

「さあ、早く始めるぞ。」

 

俺はそう言ってリゼに俺の4枚の手札を向ける。リゼは少し迷いながらダイヤの8を取ったがペアはなかったようだ。そうしてシャロ、チノが順にカードを取っていくが一向にペアが見つかる空気がない。8人でやってるから当然といえば当然かな。

 

「よーし!私の番だね!」

 

ココアはそう意気込んでチノの手札からカードを1枚取る。するとココアが取ったカードを見ながら青ざめながらこの世の終わりみたいな顔をしていた。あれ絶対ジョーカーだ。

 

「は、はいマヤちゃん。カ、カードを1枚取って......」

 

ココアはココアなりに全力のポーカーフェイスをしているつもりみたいだが、俺には全然そうには見えない。マヤはココアの不自然さに気付く様子がなくカードを1枚取る。ココアを見てみるとジョーカーを取ってくれなかったような落ち込みの顔だった。めっちゃわかりやすい!

そしてメグ、チヤと回り俺の番が来た。

 

「う〜ん。これかな。」

 

俺はチヤからカードを1枚取ると、カードはハートの7だった。俺はクラブの7とペアを作り残り2枚となった。

 

「もうあと2枚になったぞ。次ペアができたら上がりだな。」

 

それを聞いた1部を除いたみんなは頑張れやあとちょっとなど応援をしてくれた。そしてその1部を除いたココアとチノというと。

 

「お兄ちゃん勝っちゃダメ!お兄ちゃんに1日中甘えれなくなっちゃう!」

 

「そうです!ココアさんの言う通りです!お兄ちゃん絶対に勝たないでください!」

 

「そんな頼まれ方があってたまるか!」

 

途中変なやり取りがあったが、ババ抜きを再開した。そして2周目、リゼに残りの2枚を向けるとハートのQを取ったリゼは嬉しそうな顔になりQのペアを作っていた。問題のココアは未だにジョーカーを手札から無くすことができていないみたいでこの時点で最下位だろうなと察した。

チヤの番が終わりリーチの俺の番だ。俺は運に任せることにして何も考えずにカードを1枚取った。少し緊張しながらカードを見るとダイヤのAだった。

 

「よし揃った!上がりだ!」

 

俺が宣言するとみんながおめでとうと言ってくれたが、ココアとチノはけっこうなショックを受け何も言葉を発せずにいた。このままババ抜きが再開されたがチヤ、リゼとどんどん上がっていくのにポーカーフェイスが苦手なココアはずっと上がれないでいる。そして最後はココアとマヤが残ったが予想通りココアが最下位となり、ババ抜きは終了した。

 

「1位になりたかったのに〜.......。」

 

ココアはテープルに突っ伏して半泣きだった。見てると勝たせてあげればよかったと思ってしまうが、俺にも1位になったらしたいことがあったので勝たせるわけにはいかない。

 

「お兄ちゃん、ご褒美は何にするんですか?」

 

「帰ってからのお楽しみ!」

 

ババ抜きが終わるとちょうど店員さんが注文したものを持ってきてくれた。俺たちはカフェでのお茶会を楽しんだ後その場で解散となり俺たちはラビットハウスへ戻った。

 

 

 

 

「さあ!今日はハンバーグだぞ!」

 

今日の夕食はハンバーグにした。理由は簡単、ババ抜きで勝ったご褒美を使うためだ。

 

「え!?どうしたのお兄ちゃん!?いつもは私たちが言わないと作らないのに。」

 

「もしかしてババ抜きで勝ったご褒美を使ったんですか?」

 

さすが察しが良いチノ。しかし俺のご褒美はここからが本番だ。俺はキッチンからもう一つのご褒美を持ってきた。

 

「確かにこれもご褒美だけどこっちもご褒美だ。」

 

俺はテーブルに置くと、2人の顔は青ざめていた。皿にはチノの嫌いなセロリとココアが嫌いなトマトのサラダの盛り合わせがあった。そう、これが俺の本当のご褒美だ。

 

「お兄ちゃん!これはご褒美じゃないよ!」

 

「そうですよ!こんなのご褒美じゃないです!罰ゲームです!」

 

俺の予想通り文句を言ってくる2人。だがいつまでも好き嫌いをしてはいけない。特にチノは好き嫌いが多すぎる。いい機会だからここで2人には少しでも慣れてもらおう。

 

「2人とも好き嫌いが多すぎる。この際慣れてもらうぞ。」

 

「ヤダ!トマトヤダ!ハンバーグだけがいい!」

 

「そうですよお兄ちゃん!これじゃ美味しくハンバーグが食べれないです!」

 

「だったらハンバーグは無しだ。そんなに好き嫌いするんだったらこれからはハンバーグは作らない。それでもいいのか?」

 

「「うぅ......食べ.....ます。」」

 

俺は2人にほんの少しだけ威圧的に言った。2人はハンバーグが食べれなくなるのが余程嫌みたいでかなり辛そうに時間をかけてサラダを食べていた。

 

「う~、美味しくないよ~。」

 

「に、苦くて食べれないです....。」

 

2人ともちびりちびりと食べている。仕方ないな。

 

「.....いいよ、半分食べれたらあとは俺が食べるから。」

 

「え?いいの?」

 

「ああ、ただしこれからもサラダを出すから次からは全部食べろよ。」

 

「うん!チノちゃん半分だけでいいって!」

 

「ほ、本当に良かったです!」

 

今回はしっかりと飴と鞭を与えたつもりたけどやっぱり俺は妹に甘いな。俺もまだまだ勉強が足りないのかな。半分食べ終わったらすぐさま俺の所に移動させてハンバーグ食べてるし。

まあ、今は無理でも少しずつ慣れさせていけばいいかな。

 

To be continued




今回はここで終わります
最近、朝起きると手足が冷えててめっちゃ寒いです。
なんとかなりませんかね?
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