斯くして俺はこの世界を攻略する   作:神威ツバサ

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リアルが落ち着いてきたので書けました。




第三話

「ぬおっ...とりゃ...うひゃ...」

 

 クラインの奇妙なかけ声と共に剣先が、スカスカと空気のみを切った。

直後、攻撃者にめがけて青イノシシが突進を見舞い、クラインが吹っ飛ばされ俺たちは思わず笑ってしまった。

 

「クスクス...クラインさん下手すぎです」

 

「あはは、いろはそれは言うな」

 

「ははは...いろはもハチも笑うなよ、クライン重要なのは初動のモーションだよ」

 

「ってて...おまえら笑いすぎだ...にゃろう」

 

 クラインは俺らをチラ見して一言言った後に青イノシシを見たが、俺たちをチラ見して情けない事を

言ってきた。

 

「んなこと言ってもよ。あいつ動くしよ」

 

 すると俺の隣にいたいろはが「見てて下さい」と言いながら手に持っていた槍を構えて

単発刺突技ソードスキル<スラスト>をクラインの前で発動させた。

 

「こんな感じでタメをしてやるんですよ、クラインさん」

 

 いろはは飲み込みが早く俺が教えたらすぐにソードスキルを使えるようになった。

 

「モーションとタメ」

 

 クラインは呪文のように(つぶや)きながら、曲刀を振り回しながら考えていたが、何かを閃いたらしく

腰を下ろして、肩に担ぐように構えた。するとクラインの持つ曲刀がオレンジに輝いた。

 

「おりゃ!」

 

 クラインのかけ声と共に片手用曲刀基本技<リーバー>が突進に入りかけていた青イノシシの首に見事命中し、HPを吹き飛ばした。

 

「うっしゃああああ」

 

派手にガッツポーズを決め、クラインはこちらに寄ってきてハイタッチをかわした。

 

「初勝利おめでとう、でも今倒したやつは某有名RPGで言うスライム相当だかんな」

 

「嘘だろ...てっきり中ボスあたりだと思ってた」

 

「そんな事あるわけないですよ。少しお馬鹿ですね」

 

 いろはの辛辣(しんらつ)な言葉にクラインは見るからに落ち込んだが、すくに立ち直りぐるりと周りを見渡した。

 

「しっかしよ...何度見ても信じられねえな」

 

「私もこれがゲームの中なんて信じられません」

 

「キリトは知らんがβテストで初めてログインしたときは驚いたよ」

 

「俺だって興奮したよ」

 

 なんて会話をしていたらクラインが俺とキリトを羨ましそうに見つめクラインは話を続けた。

 

「つーか、お前らはすげーよなあ、SAOのβテストに当選してんだからな」

 

「そんなに凄いんですか?」

 

「たりめえよ!なんせ十万人が応募して千人しか当選しないんだからな」

 

「うえ!せんぱいすご!」

 

「凄くないぞ、そんなことよりまだ狩りを続けるか?」

 

 現時刻は5時を少し超えたくらいだ。

 

 クラインは視界の端に表示されている現時刻を確認して、ピザの配達を頼んでいるらしく一度落ちるらしい。

そして、その後に[始まりの街で]他のゲームで知り合った奴らとフレンド登録しないかと持ちかけられたが、俺とキリトが歯切れの悪い返事で察したのか首を振った。

 

「いや、無理にとは言わねえよ。いつか紹介するだろうから」

 

「...ああ。悪いな、ありがとう」

 

「すまんな、助かる」

 

 俺らが謝ると、クラインは派手にかぶりを振った。

 

「おいおい、例言うのはこっちの方だ!お前らのおかげで助かったからよ、この礼はいつか精神的にな!」

 

 クラインはにかっと笑い、時間を確認した。

 

「....そんじゃ、ここで一度落ちるわ。キリト、ハチ、いろはちゃん。マジ、サンキューな これからもよろしく頼むぜ」

 

 握手をかわした後、クラインが一歩下がり右手の人差し指と中指を揃えて下に降った。ゲームの[メインメニュー・ウインド]を開き操作を始めた、キリトも近くにあった岩に腰掛けウインドを操作したため俺はいろはと始まりの街に戻るか相談をしようとした。

 直後。

 

「あれ?ログアウトボタンがねえよ(、、、、、、、、、、、、)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想や評価をよろしくお願いします。

いろはが、平仮名になっている理由は、単純にカタカナだと見にくいかなと思ったからです。逆にハチは、カタカナの方が見やすいからです。

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