S10地区司令基地作戦記録   作:[SPEC]

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なんでか今回は難産だったよ!執筆放り投げて他のドルフロ二次とかゲームに行っちゃうくらいには難産だったよ!


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工場の破壊(作戦完了)を確認後、S10基地の強襲部隊を乗せたヘリがS11基地に帰投。作戦に関わった指揮官二名と技術スタッフ、部下の人形達が歓声をもってブリッツたちを出迎えた。その中には、先に撤退していたWA2000にSV-98といった第四第五部隊の面々も混じっていた。

 

ヘリから降り地上へと降りたブリッツは、ジルフォードとダニエルのもとへと歩を進める。その後ろを強襲部隊の人形達が着いていく。

 

「ダニエル指揮官。ジルフォード指揮官。任務完了しました」

 

報告し敬礼。合わせて、彼の背後の人形達も敬礼。

困難な任務を終えたばかりだと言うのに、一切の疲労感を見せない一糸乱れぬ動きは、兵士としての練度の高さを感じさせ、感嘆を溢すのに十分であった。

 

「ご苦労だった、ブリッツ指揮官。やり遂げたな」

 

「お見事でした」

 

ジルフォードとダニエルも答礼しブリッツを労う。

ブリッツの戦闘服(BDU)は埃にまみれ、硝煙や火薬の匂いが染み付いている。彼だけでなく、彼の部下たちも皆同様だ。とくに一〇〇式は、全身が鉄血兵の返り血まみれで真っ赤であるからより顕著だ。

それだけで、この任務がいかに過酷なものであったか。想像するに難くはない。

 

「全く・・・・・マンティコアと接敵したって聞いた時びっくりしたわよ」

 

「相変わらず無茶しますねぇ」

 

呆れのため息混じりにWA2000と、安堵した様子のSV-98がブリッツに歩み寄る。

 

「なんて事はなかったさ。そうだろ二人とも」

 

「楽勝だった」

 

「え、あ。よ、余裕よ余裕」

 

Vectorが無表情ながら(しかしどこか自慢気に)親指を立てて見せ、LWMMGもそれに慌てて合わせてサムズアップ。

実際には余裕なんて無かったし通信記録からもそれがわかるのだが、結果だけ見れば撃破したのは事実。強がりは勝者の特権である。

 

ブリッツがよく聞こえるように手を叩く。

 

「S10基地所属人形は直ちに撤収準備!後片付けと挨拶を済ませて帰投する!」

 

あちこちから「了解」と声が聞こえ、にわかにだが騒がしくなり始める。ブリッツは細かな指示を出しながら、時にはハイタッチや拳同士をかち合わせ、時には頭を撫でてやり、出撃した人形たちを一人一人労っていく。

ジルフォードも撤収の準備に入りダニエルのもとから離れていた。

 

その様子を、ダニエルは見ていた。

 

「なあジェリコ」

 

不意に、すぐ後ろに立っていたジェリコにダニエルは声をかける。

 

「なんでしょう」

 

「自分も、いつか彼のような指揮官になれるだろうか」

 

羨むような、そんな口調で問うダニエルに、ジェリコは一度ブリッツを見てから、すぐにダニエルへと視線を戻す。

 

「過去に彼の部下になった私から見て、まず無理でしょう」

 

容赦のない答えに思わずダニエルは苦笑をこぼした。

 

「容赦がないな」

 

「当然です。貴方は指揮官であって兵士ではない。彼は自ら戦場に立つことで信頼を得た。だから貴方は、貴方が出来る事で指揮官としての実力を身に付けて戦術人形(私たち)を率いてください。勝利に導いてください。その為ならば、私は助力を惜しみません」

 

まっすぐに揺るぎなく、その作り物の双眸をもってジェリコはダニエルを見据えながら答える。

 

「頼りにしているよ」

 

「もちろんです。そのために私はここへ来たのですから」

 

教導官の頼もしい一言にダニエルは破顔して、自分も撤収作業をしている人形やスタッフに混じった。

 

─────およそ30分後。全ての準備が整ったS10基地とS08基地の指揮官と人形はヘリに乗ってそれぞれの基地へと帰投していった。

 


 

 

グリフィン&クルーガー本部のモニタールームにて。

破壊目標の破壊をモニター越しに確認したベレゾウィッチ・クルーガーは小さく息をついた。

 

「やり遂げたか。流石と言うべきか、やはりと言うべきか・・・」

 

「これで、S地区で活動している鉄血の勢力は縮小するでしょう。大戦果です」

 

クルーガーの後ろに立っていたヘリアントスが告げる。いつもの厳めしい表情は相変わらずではあるが、声色からは厳は少しだけ抜けている。

 

ヘリアントスの言う通り、確かにこれでS地区に展開している鉄血にも影響が多少なりとも表れるだろう。これまでの膠着状態を脱し、攻勢に打って出るきっかけに繋がるかもしれない。

特に、激戦区であるS09地区における戦況に与える影響は大きいだろう。生産工場とメンテナンス施設を兼用している大規模な拠点だ。補給が行き渡らなくなり、十分な援軍の要請も出来なくなる。これから少しずつ、鉄血の動きは縮小し、やがてS地区から鉄血を排除できる。そのきっかけを、ブリッツ率いるS10地区司令基地が作った。

 

「ヘリアン。お前から見て、ブリッツ指揮官と言う男はどう見る」

 

クルーガーの質問に、ヘリアントスは顎に手を添え思案顔を浮かべる。そしてすぐに右目のモノクルをかけ直し、言葉を紡いだ。

 

「一言で言えば、爆薬です」

 

「ほう」

 

興味深い。言外にそう告げるようにクルーガーは声を漏らした。

ヘリアンは続ける。

 

「強力な破壊力と凶悪な殺傷力に指向性を付加した爆薬。というのが、上官として彼と接触して得た印象です」

 

「つまり、危険な人物であると」

 

「はい。一つでも扱いを違えれば鉄血やテロリストではなく、グリフィンを壊滅させる危険のある人物です」

 

ですが、とヘリアンは付け加える。

 

「扱い方さえ間違えなければ、彼はこの上なく頼りになる優秀な兵士です。こちらが彼に不当な理不尽を押し付けない限り、彼はこれまで通りグリフィンに貢献してくれるでしょう」

 

今度は、クルーガーが思案顔を浮かべた。腕を組んで瞼を閉じる。

 

ヘリアントスはブリッツという男を信頼している事がよくわかった。

"爆薬"などという危険物質にまで例えておきながら、これまでその事をクルーガーに伝えず上層部が正式に発令した作戦任務をブリッツに任せていたのだから。

それをブリッツは見事に遂行して見せた。今回も、そしてこれまでも。

 

ブリッツのやり方はグリフィンのやり方に反している。しかし、実績を残している以上文句も言えない。

ヘリアン自身その事に全く触れずにいる辺り、とても信頼が厚い。彼の兵士としての実力を疑っていない。

 

やがて、クルーガーは閉じていた瞼を開けた。

 

「・・・爆薬か。災害より可愛げはあるか」

 

「はい?」

 

クルーガーの独り言にヘリアンが小首を傾げる。が、クルーガーはそれを気にせず言葉を続ける。

 

「ヘリアン。ブリッツ指揮官が帰投し今回の作戦報告書を提出するタイミングで構わん。伝言をたのむ」

 

「なんでしょうか」

 

「直接会って話がしたいと。そう伝えてくれ」




数時間後

ヘリアン「今度本部に出頭するように」
ブリッツ「了解」
ライト(いったい何やったのブリッツ・・・!?)
ヘリアン「ああ、副官であるLWMMGも一緒に来るように」
ライト「Σ(゚Д゚;)」

たぶんこんな感じだったんじゃない?

そういえば最近ようやくG17とSCWがウチにやってきました。やっとだよ( ´Д`)
ドリーマーに何度ボコられたことか・・・。


ところで月末のイベントに対して資源が全く足りてないんだけどどうしよう。部品とか5000切ってるんだけど

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