あらすじとしましては、暇過ぎる<マスター>が41人のクラスメイトにラインを送り一緒に異世界を旅する仲間を招集するところから始まります。
ご都合主義や血も涙もない面子。または大幅なカットも含まれているのでご注意下さい。
大変長らくお待たせしました。それでは『鬼畜過ぎる五人組みが魔王と戦った結果』短編物語が幕を開けます。
あっ、R-15は一応保険としてつけています。
本作は4千文字を超える短編小説です……小説……なのかな。
41人のクラスメイトにラインを送りまくって集まったこのがたったの五人ですか。
「仕方ないだろ、だってお前人脈がないんだから」
「態々集まったこの5人にも感謝しろよな。で、今から何をするんだよ」
本当ならクラスメイトのみんなで今から異世界のゲートをこじ開けてゆっくりとした異世界ライフを送ろうと思っていたんだけど、たったの五人だからあっと言う間にストーリーを進めちゃうよ。
「成程、じゃあゲームの進行役はお前が担当するのか?」
そうだよ、進行役は僕が担当するよ。名前は単純に<マスター>と呼んでくれたら良いよ。
「だから人が集まらなかったのか……」
はいはい、それじゃあ軽めの自己紹介と異世界に持って行く所持品を教えてね。
「一番手は俺からだな。俺の名前は赤崎三麗、三麗と書いて“みれい”と読む。要望する所持品は<ショットガン>だ。異世界だし別に構わないだろ?」
構わんよ、魔王相手に乱射しても良いよ。
「二番手は俺だ。俺の名前は横綱烏帽子。所持品は<B1ランサー>1機だ」
搭載兵装はどうする? 飛行機だけ持って行っても意味はないでしょう?
「B61を16発要求する」
いいでしょう、許可します。異世界にスマホを持ちこむ人間がちらほら居るみたいだし、別に戦略爆撃機を1機持って行っても問題はないよね。
「私の名前は早澤夕美。所持品と言うか私の相棒はポケモンで<ディアルガ>を1匹連れて行きます」
異世界だもんね、伝説のポケモンが1匹ぐらい空を漂っていても別に問題は何一つないよね。核爆弾を16発も持ち込もうとしている人も居るぐらいだしね。
ボールはどうする? モンスターボールにする?
「勿論、マスターボール一択でお願いします」
伝説のポケモンだからね。仕方がないね。
「アタシの名前は蓬芽衣、所持品は<キリン>を1匹要求するわ」
そのキリンさんは某考察系ユーチューバーの方ですか? それともキリン科のキリンですか? それとも飲料水などを取り扱っている某企業の事ですか?
「モンハンよ! モンハンに出てくるあの一角獣のような外観をしたあのキリンよ!」
降り注ぐ雷光で数多のハンターを苦しめたと言うあの伝説のモンスターですか。でも流石に無理があるんじゃあないかな?
「飼いならしていると言う設定でお願いね。魔王相手ならこれぐらいで充分でしょ?」
ショットガンやB1ランサー、それにディアルガが居るパーティーに一角獣モンスターキリンが参戦するんですか……少し、魔王さんが哀れになってきますね。いっその事、魔王の全ステータスをカンストしておきましょうか、可哀想ですし。
それでは、早速異世界に参りましょう。着地地点は既に魔王城の門前と言う設定で。
「この世界観は一体どうなっているんだ?」
君達が来る前の世界は人類が絶滅の危機に瀕していた……と言う設定だよ。最も、君達が送り出した戦略爆撃機やディアルガ。怒らせたキリンなどによって異世界がもう一度灰になりかけたけどね。
「魔王城の一歩手前なんですよね? 人類は助かったんですか?」
君が飼いならしているキリンの仕業によってその人口は三分の一にまで減少したよ。王様が君を侮辱したのを気にキリンが暴走。異世界の村約半分は炎の海と化したよ。
「飼いならしていると言う設定は何処に行ったのやら……」
勿論、この村の焼き討ちには烏帽子君の戦略爆撃機も参加しているからね。王都を核爆弾の雨で火の海にした事は記憶に新しいね。
「もうやだこのパーティー」
三麗君だって此処に到るまでに相当な事をやらかしているからね。
「……何をやらかしたんですか?」
所持品のショットガンで、王都に住まうその国の王様を射殺した事。無論、戦略爆撃機が街を火の海にする前の出来事だよ。
「全く記憶にないんだが」
僕が消したからね。仕方ないね。
「おいマスター。話が随分と脱線したが、俺たちは目の前に聳える魔王城を廃城にすれば良いんだな?」
そうだよ、魔王様はこの中に居るよ。
「良い事を聞いた。俺は先ず門を守るコブリンを躊躇無くショットガンで射殺するぞ。これで門は突破だ」
接近戦用の武器しか持たないコブリンは呆気なく射殺されました。悲しいな。
「続けて、キリンの特に理由のない怒涛の雷光が魔王城を襲います」
十発近くの雷光が魔王城に落雷したね。多分中に居たモンスターや子分が半分近くお亡くなりになったと思うよ。もう少し手加減をしても良いんじゃあないかな。
「相手は魔王なので手加減はしません。続けて私のディアルガがラスターカノンを発射します」
ラスターカノンによってお城の見張り棟が一棟文字通り崩壊したよ。
「殺伐とした魔王城に颯爽と現れたB1ランサーがクールにB61を3発投下する」
B61って確か核爆弾だよね、溢れ出る放射能はどうするの?
「全員が核爆弾用の防護服を身に付け三麗だけが最前線で戦っていると言う設定だ」
なら問題ないね。颯爽と現れたB1ランサーがクールにB61を3発投下していくよ。
「おい、待て! それじゃあ俺は一体どうなるんだ!」
門前でコブリンと未だに交戦を交わしている三麗君は此処でリタイアだね。B61の爆風や吹き飛んできた瓦礫などが身体に充分なダメージを与えるよ。防護服を身に着けているとはいえ、傷ついたら放射能に対して意味がないからね。
「三麗、奴は我らが外道四天王の中でも最弱! 四天王の面汚しよ」
「覚えてろよ……烏帽子」
そんなこんなで三麗君は魔王と戦う前に、盛大なフレンドリーファイヤーによって退場します。次の行動はどうしますか?
「骨だけは拾って行きますよ! 三麗さん! 私は再びディアルガのラスターカノンで門前を破壊します」
判定は門前なので、跨っている橋や立派な門はディアルガのラスターカノンによって粉々に粉砕されます。その場に居たコブリンやモンスターは一瞬で蒸発した事でしょう。同時に、その場に倒れている三麗君の死体もラスターカノンと言う名の火葬によって灰以下の存在になります。
「おい……夕美……」
「すみません、決してそんなつもりでは……」
「次はアタシのターンね、もう一度私のキリンが魔王城に対して落雷を発生させるわ」
キリンの落雷が偶然にも一発、魔王様の頭上に落下したようです。魔王城の中からとんでもない悲鳴が聞こえます。しかし、体力をカンストしている魔王様は何とかこれに耐えきります。
「頑丈な魔王様な事」
「次は俺のターンだ。B1ランサーで6発のB61を投下する。目標は魔王ただ一人だ」
既に王都へ対しB61が2発投下されているので、残りの弾数は5発ですね。てか、まだ5発も残っているんですね。
ランサーはもう一度旋廻を行った後、前と同じコースをとって爆撃を敢行します。この攻撃により、魔王城は半壊するダメージを負います。もう中に居るモンスターは一匹たりとも残っていないでしょう。しかも、そのうち1発が運悪く魔王様の頭上で起爆します。
「留めは私が刺します、三麗君の仇としてディアルガのドラゴンクローが魔王さんを襲います」
初めての接近戦ですね、魔王様はディアルガに気づきバリアを展開しますが命中率100パーセントのドラゴンクローが彼の身体を切り裂きます。バリアは粉々にされ、魔王様も重症を負いますが辛うじて生き残ります。接近したディアルガは少しだけ距離を取りますね。
「やっぱり、留めはアタシになるのかしら。魔王に対しキリンの落雷で対抗するわ」
クリティカルヒットの落雷が魔王様に直撃します。3発分が全て命中し、魔王様は今や生と死の間をさまよっていますね。戦闘不能に近い状態に陥っています。
「最後はランサーのB61が留めを刺す。残りの残弾を全て投下する」
5発全てですか? ランサーは再び旋廻して爆撃コースを取りますが、魔王様は最後の反撃に打って出ます。対空用の破壊交戦を手から打ち出して、ランサーはこれに被弾。核爆弾を抱えたまま魔王城に墜落します。
「と言う事は起爆しているんだな? マスター」
はい、起爆しています。しかも投下前と言う事で安全装置は既に外れています。魔王様はこの装置を知る余地もないので機体と一緒に爆散します。
こうして、長きに渡って繰り広げられた魔王城攻略戦は容赦のない核の炎と破壊工作によって幕を閉じました。魔王城があったと思われる場所には人類によって弔いの石碑が建てられます。
「その後、私達と人類はどうなったんですか?」
貴方達は魔王城を粉々にした英雄として迎えられ、後任された王様からそれ相応の報酬を頂く事になります。三麗君は既にリタイアしているため、この現場に立ち会う事は出来ません。
人類はその後も復興をとげ、人口は倍増しました。
しかし、今度は人類同士の正義がぶつかりあい異世界における第一次世界大戦が勃発してしまいます。が、人類はその後も生存をとげ繁栄の道を歩む事になるでしょう。
「俺たちは一体どうなったんだ?」
三人は灰すら残らなかった三麗君の墓を一先ず立て、祈りを捧げた後に分かれます。
烏帽子君は魔王城攻略戦に関する書物を出版して見事ベストセラーを飾り余生を過ごします。夕美さんはディアルガと共に異世界を巡り、芽衣さんは最後の最後までキリンと共に人生を歩みました。
まさにハッピーエンドですね。
「めでたし、めでたしですね」
こうして五人の鬼畜による異世界攻略戦は無事に幕を閉じる事になります。
「俺死んでいるんだけど……」
「無事だな、間違いない」
「完璧なハッピーエンドね」
「大量虐殺があったのに、ハッピーエンドなんですか……」
ではこれにて作者の思いつきで書き起こされた『鬼畜過ぎる五人組みが魔王と戦った結果』は以上で終了させていただきます。こんな作品でも、面白かった。または暇潰しになったと言う方が多くいらっしゃったら一応続編も予定しております。
勿論、開いている時間があればの話ですがね。
それでは、此処までのご愛読誠にありがとうございました! また合う日までゆっくりしていってね!
ご愛読、誠にありがとうございました。感想やお気に入り、しおりなどお待ちしております。本作は作者の気まぐれで書き起こされた物でありノリと勢いが多分に含まれております。よって、設定が何処かおかしかったりありえない現象が多々起こっているかも知れませんが、どうか暖かい目で見守って下さい。
また、本作に登場する赤崎三麗君はなろう小説にて4月1日より重要人物として登場いたします。作品名はあえて伏せておきます。一応連載小説です。
評判がよければ次作の予定もしっかりとあります。それではみなさん、またの機会にお会いしましょう。それでは。