一話分おまけのお話が入っています。
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みにゆりつば「好きな理由!」
「ねぇ〜ゆり?」
「なに?」
「ゆりってさ、私の何処が好きなの?」
「…………笑顔が可愛いところとか、困ったことがあるとすぐ、捨てられた子犬みたいな顔で私を見てくるところかな?」
「も、もう良いから!」
「えぇ〜、結芽が聞いてきたんじゃん!」
この後、何個も好きな所を上げていったら、その日一日口を聞いてもらえなかった百合なのでした。
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みにゆりつば「ガッチャ」
「ゆりー、今回のイベント報酬のキャラゲットした?」
「魚釣りのやつでしょ? ゲットし終わったよ」
二人が話しているのは、「イチゴ大福ネコの冒険」というスマホのゲームアプリだ。
以前軽くゲームシステムは紹介されたので、今回は補足事項を話そう。
基本的にゲーム内の資金は他と変わらずコイン、ガチャを引くための課金アイテムは「虹の鰹節」だ。
その他にも、強化素材として大福とイチゴ大福がある。
最後に、スタミナ回復用には猫缶(半分)とゴージャス猫缶(全部)。
イベントでは、基本的にSRのキャラが配布され、配布されたキャラ同士で合成すると甘味増量という限界突破が起きてステータスが向上する。
それ以外にも、イベントキャラを強化するための強化素材や、キャラに持たせる為の武器なども、交換させてくれる。
ランキングイベントでは、順位によってのキャラ配布ではなく、ドロップアイテムとの交換でゲットできる良心設計。
勿論イベント上位者には、それ相応のプレゼントも用意されており、やり込みたい人もほのぼのやりたい人も楽しめるゲーム。
「イベント限定のガチャキャラは?」
「う〜ん今回は私はいいかな、あんまりタイプじゃないし」
「えぇー! 可愛いのに! 漁師イチゴ大福ネコ! ……ふっふっふ、私は引くよ! これを使ってね!」
結芽が胸を張ってスカートのポケットから取り出したのは、青いリンゴが描かれたカードだ。
右上の角には「10000」と書かれている。
百合は呆れた顔で、結芽を見る。
相手の金遣いにどうこう言う権利はないが、結芽の課金額は給料の三分の一。
……流石に注意せざるを得ない。
「結芽、そろそろ止めた方が良いよ。今月買いたい服があるんでしょ? マニキュアも見に行きたいって言ってたし」
「だって、欲しいんだもん! 大丈夫だよ! 天井が百回なんだから、五十回も引けば出るって!」
何を隠そうこのゲーム、天井があるのだ。
天井に到達すると、イベントSSRが確定。
天井までは二万でいけるので、百合や結芽のようなブラック国家公務員には懐に優しい額だ。
排出率はSSRの確率が五%で、SRが四十%、Rが五五%。
確率的には悪くない。
「じゃあ! いっくよー!!」
十分後。
「うわ〜! 当たらなかったよ〜!」
「はいはい、泣かないの」
爆死。
五十連引いて、SSRは一体も来ず。
出てきたのは、SRばかりだった。
百合の胸に蹲りながら、結芽はチラリと百合のスマホを見た。
そこにはなんと、虹の鰹節を二百個も貯められていた。
「ゆり! 二百個もあるじゃん! ガチャ引こうよ!」
「い、嫌だよ。私は次回のイベントまで取っておくつもりなんだから」
「ぶぅ〜! じゃあ、チケットで!」
「まぁ、チケットなら…」
百合は渋々頷きながら、ガチャ画面に移動する。
基本的に、一回のガチャに虹の鰹節が五個必要。
それの代わりとして、チケットがある。
正確には「ガチャチケット」だ。
排出率は変わらず、一枚で一回引くことが出来る。
「じゃあ、五枚しかないから五回だけだよ?」
「イイヨイイヨ! 私が引いてもいい?」
「はぁ〜、別に良いよ」
「やった!」
ウキウキした顔で、ガチャを引く結芽。
ガチャを引く、と言うボタンをタップすると白い皿とイチゴ大福ネコが居る空間に移動する。
フリックで虹の鰹節を皿の上に五個置くと、イチゴ大福ネコがそれを食べ始めた。
すると、体の色が徐々に変わっていく。
銀から金、金から虹。
虹は最高レアであるSSRが出る確定演出。
最終的に、虹色になったイチゴ大福ネコが、口から虹色の毛玉を吐き出す。
ここだけが少しショッキングな映像だが、慣れれば可愛いものだ。
「ゆり! 虹出た! 虹出た!」
「へっ? 嘘!?」
出てきたキャラは、結芽が欲しがっていた漁師イチゴ大福ネコ。
気まずそうな表情な百合と、瞳をうるうるとさせる結芽。
百合はため息を吐きながら、立ち上がった。
「あ〜、なんかコンビニのお菓子食べたくなっちゃったな〜、結芽も一緒に行く?」
「……行かない」
「残念だな〜、一万円まで奢ってあげようと思ったのに」
「一万円!」
態とらしい言い方で結芽を誘い出すことに、見事成功。
今にも泣きそうだった結芽の顔は見る見るうちに、花咲く笑顔に変わっていく。
「そういう所、だ〜い好き!」
「もう、調子いいんだから…」
その後、天井目前でSSRを当てて結芽が歓喜したのは、また別の話。
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みにゆりつば「ファッションセンス」
「ゆりってさぁ、ファッションセンスないよね〜」
「そ、そう? そんなにダサい?」
「そうじゃなくてさぁ〜、素材を生かしきれてないんだよ!」
夢神百合と言う少女は、中学生女子でありながらファッションセンスは皆無である。
特にファッション雑誌を見ることも無く、ようやく最近マニキュアなどをやり始めたばかり。
……刀使として真面目なのは良いが、世間体として今のファッションセンスではいけない。
今日のデートだって、上がロングTシャツにカーディガン、下はロングスカートとにショートブーツ。
一見ダサくないように見えるが、色が絶妙に合ってない。
ロングTシャツが白なのにカーディガンは緑、加えてロングスカートは茶色でショートブーツは黒。
服の買い物くらい一人で出来ると豪語して買いに行った服がこれである。
……結芽からしたら、最高の素材を持ってるのに勿体ない、そう言いたい所だろう。
「決めた! 今日のデートの予定変更。映画は後回しにして服を見ます!」
「えぇ〜! 私、あの映画見たくて今日楽しみにしてたのに…」
「はいはい、文句言わない。すぐ済ませるから」
「…この前、そう言って三時間は付き合わされたんだけど」
恨めしそうな視線を向ける百合。
結芽は知らん顔をしながら吹けていない口笛を吹いて先を行く。
「待ってよ、結芽〜!」
……最終的に、服の買い物が終わったのは九時過ぎ。
五時に来て、六時の回を観るはずだったのだが叶わず。
九時の回は年齢的に観ることが出来ず、結芽は帰り道で百合のご機嫌をとるので手一杯だったらしい。
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みにゆりつば「十回クイズ」
「十回クイズやろうよ!」
「え~。私、まだ仕事が……」
百合がそう言おうとした瞬間、結芽は目尻に涙を貯め始める。
「わぁー! やりたいなぁ! すっごくやりたいなぁ!」
「ホント!! やったー!」
何とか泣かれるのは回避した百合だったが、少しだけ顔を暗くした。
出来ればすぐにでも片付けておきたい仕事だったのだ。
時間に余裕が無い訳でもないが……
「どんな問題出そうかな~」
(…結芽が楽しそうならいっか)
結芽の笑顔の前には、片付けておきたい仕事など無いに等しい。
どうせ、すぐに飽きるだろうとたかを括り、百合は結芽が出す問題を待った。
「ん~と。じゃあ、最初は簡単なやつから。ピザって十回言って」
「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」
「じゃあここは?」
ニコニコ笑いながら肘を指差す。
百合も微笑みながら返した。
「肘でしょ?」
「正解! まっ、これくらいは出来なきゃね」
「じゃあ、次は私ね」
スマホで十回クイズを調べて、面白そうな問題を出してみる。
引っかかればいいなぁ、程度のものだ。
「温泉って十回言って」
「温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉」
「3000の次は?」
「舐めないでよ! 4000!」
「残念。3001だよ」
「あっ!? むむむ~」
頬を膨らませて、明らかに怒ってますアピールをする結芽に、百合は軽く謝りクイズは再開された。
「…可愛いって十回言って」
「可愛いかわいーー」
「しっかりと私の目を見ながら言うの!」
「か、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い」
百合がしっかりと目を合わせて十回言い終わると、結芽は小悪魔のような笑顔でこう言った。
「ありがとッ!」
「へっ?」
「ゆり、知らなかったんだ。十回クイズの中にはお巫山戯でこう言うのもあるんだよ?」
「……結芽嫌い」
「えぇ?! ご、ごめん。ちょっとした悪ふざけで…」
「好きって千回言ったら許してあげる」
「ひゃ、千回!?」
「…言えないの?」
物悲しそうな瞳で訴えかけてくる百合に負けて、結芽が本当に千回好きと言ったのはまた別のお話。
本編が完結してAfterをやっているのですが……新しいストーリーが書きたい(オリジナルで)。
勿論、構想は出来ていて、終わりも…いつも通りっちゃいつも通りですが出来ています。
見たい方も見たくない方も、是非ご意見を貰えると幸いです。
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結芽の誕生日は……
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