Twenty wish 作:眠気の小五郎
僕はフロギーにRuins……いや、遺跡を案内してもらっていた。
僕がゲームのUndertaleをプレイしていた時と内装は変わっていないけど、現実であることによって色々と違った景色が見える。
例えば、ゲーム画面からは影になって見えない所にちっちゃなキノコが生えてたりとかね。
それ以外だと、フロギーとの戦闘時と同じく、壁に書いてある説明文が変わっていたりしていた。
……多分、Undertale公式日本語版と思われる。
ん〜確かに僕は公式日本語版をプレイしてみたかったけど、まさかこんな形で叶うとは夢にも思わなかったなぁ…。
まぁ、後変わったことと言えば、本当にモンスター達が僕に魔法攻撃をしてこないことくらい。
念のために回収しておいた【モンスターあめ】を使う場面も無くスムーズにトリエルさん家の前まで辿り着いた。
あ、そうそう、回収したと言えば【おもちゃのナイフ】もあるか確認してみたけど、既に持ってかれた後みたいだ。
*(ついたケロ。残念だけど、案内できるのはここまで。後は人間さんに任せるケロ)
「うん。ありがとう、フロギーさん。また会う機会があったら、その時はよろしくです」
*(ケロッ)
フロギーとも別れて、僕はトリエルさん家の庭に足を踏み入れた。
「やっぱり、この大きな木は枯れてるね…」
元々なのか、お世話を怠ったのか。…トリエルさんの性格を鑑みるに前者だと推測される。
「何はともあれ、中に入ろう」
まず、トリエルさんに会おう。家主に挨拶もせず家宅捜査なんて失礼すぎるからね。
「お邪魔しまーす!」
僕はトリエルさん家に踏み入った。
★
「……あれ?」
返事がない。
けど、その代わりに聞こえてくる声。
「……やめて…!どうしたの!?返事をしてちょうだい!」
『ああああああああああ!』
明らかに争っている音だ!けど、Undertaleにこんなイベントはなかった筈だし…。
「兎に角、様子を見ないと…!」
僕は音が聞こえる方向……原作におけるフリスクの部屋へと向い、扉を開ける。
「えっ、ドアが勝手に…っきゃぁ!?」
「うわっ!?」
すると、中から結構な勢いで飛び出してきたトリエルさんと衝突して押し倒された体制になってしまう。
(も、モフモフや………ッ!)
トリエルさんの毛を堪能するのも束の間、凄まじい【殺意】を向けられる。僕は咄嗟にトリエルさんを抱きしめて、出口の方までゴロゴロ転がり、体制を整えて問いかけた。
「大丈夫でしたか?!」
「あ、あなた……いえ、今はそんなこと気にしている場合ではありませんね。私は無事だけど、あの子が……」
「あの子?」
トリエルさんは先程までいた場所を指差す。
その場所には、シマシマの服を着て【おもちゃのナイフ】らしきものを振り切った格好のまま止まっている、物凄く見覚えのある
けど、様子がおかしい。
一見普通の人間にしか見えないけれど、何と言うべきか、こう、禍々しいオーラを纏っているようにも感じられる。例えるなら、怨霊のような。
だが、驚いたのはそれだけではない。
「おもちゃで家って斬れるもんだっけ…」
緊急回避を行ったせいで攻撃エフェクトは見えなかったけど、ナイフの軌道上には綺麗な斬撃後が残っており、完全に物理法則を無視していた。
いや僕物理法則詳しくないけどね。
僕がこうやって冷静でいられるのはきっと、驚きが一周回ったからに違いない。
……すると目の前のヤツは顔を俯かせながらもこちらに体の方向を変え、ゆっくりと歩み寄ってきた。
……此処にいても良いことはなさそうだ。
「一旦外に出ましょう!ここじゃ少し狭い!」
「…わかったわ!」
トリエルさんに指示を出しつつも、相手がどんな
……しかし、それがいけなかっのだろう。
ヤツはバッ!と顔を上げて僕と目線を合わせる。
すると世界がモノクロに切り替わり、お馴染みのコマンドとテキストが出現する。
*フリスク?が襲いかかってきた!
「やられた…!」
無理やり戦闘に持ち込まれた……一先ずは僕のターンだけど…。
【MERCY】
*見逃す
選択肢には【逃げる】選択肢は存在しなかった。
(まぁ、これは何となくは予想出来たかな…)
僕はMERCYから離れて、ACTのコマンドに触れる。
【ACT】
*調べる *話す
この二つだけ…。
だけれど、まだ話す余地はあるみたい。
だったら……。
【ACT】
*話す
「ねぇ、君はさ、何で急に襲いかかってきたのかな?」
相手をなるべく刺激しないように、そして、友好的な態度をとって話しかける。
*フリスク?は何も答えなかった。
が、そんな工夫も虚しく僕のターンは終わり、敵のターンに入ってしまう。
もう何回も見てきた画面が目の前に表示されたかと思ったら、追加説明がついていたようだ。
*腕を振った方向にソウルが動く。
僕はその言葉を信じて、試しに右腕を右方向へと振ってみる。すると、僕のソウルは右方向へと移動。どうやら正しかったみたい。
*【FIGHT】*Yuu
……そうこうしている間に敵さんは僕におもちゃのナイフで斬りかかってきて、画面中央で攻撃エフェクトを発生させる。
"ズバァッ!!"
"ビキィッ!"
「えぇ……」
その攻撃はソウルを動かす画面にすらもダメージを与え、ひび割れを起こしていた。…多分、一撃でも食らったらGAME OVERな即死攻撃。
……ターンは再び僕に回ってくる。一時の安全は確保されたけど…正直、震えが止まらない。
*怖い。だが、それでも
テキストの言う通りだ。
逃げられないけど、戦わなかったら死ぬだけ。
必死で避けまくって和解の道を切り開いてみせる!
僕は……僕なりにちっぽけな【ケツイ】を抱いた。
*フリスク?は不気味に微笑んでいる。
……上等だよ。
何で攻撃してくるかわからないけど、絶対【MERCY】してやる!
その為にも、僕は震える手を抑えながらACTコマンドに手を伸ばした————!