大きな原作設定改変がありますので、苦手な方はご注意を。
もしくはブラウザバック推奨です。
それでも良い方は⋯⋯
お暇な時にでもどぞ
──レミリア⋯⋯紅魔館、レミリアの部屋にて──
ここは幻想郷。東方のある国、その中でも人里離れた山奥の辺境の地に存在する世界。外の世界とは『博麗大結界』というもので遮断され、外の世界で『幻想』となったモノを除いて入る事は許されない。
そして、その世界のある霧が立ち込める湖の近くに、真っ赤な館がある。何を隠そう、私はそこに住む住人である。
私の名前はレミリア・スカーレット。妖怪の中でも高位な種族である吸血鬼であり、私が住むこの館──紅魔館の現当主でもある。紅魔館は妖精メイドやそれらを統べるメイド長の人間、十六夜咲夜。門番の妖怪である紅美鈴。図書館に居候する魔女のパチュリー・ノーレッジやその小間使いである小悪魔など、多種多様な種族が住む館である。種族は違えど、みんな私の家族であり、友であり、頼れる存在だ。
「お姉様、お腹空いた。何かない?」
そんな多種多様な種族が住む館の中でも、一際目立つ存在が私の姉妹だ。私と同じ紅の瞳と、煌びやかな金色のサイドテールを持つ背の低い少女。その名もフランドール・スカーレット、通称フラン。彼女はその能力の危険性と、情緒不安定で気がふれてるという理由で、地下に幽閉されていた。
されていた、というのも、幽閉は私の父親である前当主の意向であり、私は幽閉の必要性がないと判断してその意向を解いたのだ。しかし、彼女は地下から出ようとは一向にせず、それから何百年もの間、ずっと地下で生活してる。稀に地上に出てくる事はあっても、食事を取るためやお風呂に入るためだったりと、彼女はかなり引きこもり気味だ。
「すぐ咲夜に用意させるわね。何がいいかしら?」
「何でもいいよ。どうせいつも通りお姉様が持ってきてくれるんでしょ? なら、お姉様が決めていいよ。私は選り好みとかしないから」
優しくも素っ気ない声でそう答える。多分、その本心も手間をかけさせたくないという私への優しさと、選ぶのが面倒臭いというのが両立しているのだと思う。
「あ、そ、そう⋯⋯。なら、用意ができたらすぐに持っていくわね」
「別に急げなんて言ってないから、ゆっくりでいいよ。私は地下で待ってるね」
「ええ、また後でね。⋯⋯咲夜」
フランが部屋を出たのを確認して、誰も居ない部屋でメイドの名を呼ぶ。
「はい、ここに」
すると、いつの間にか、瞬きをしたわけでもないのに、気付かないうちに、目の前に銀髪のメイド服を着た女性が立っていた。その女性、咲夜は『時を止める』という能力を持ってるから、それを駆使して私に気付かれないように部屋に入ったのだろう。
「話は聞いてたでしょ? フランが好きそうな料理を作ってちょうだい」
「はい。⋯⋯お優しいですね。いえ、優しいというよりは⋯⋯」
「さーくーやっ! 早くー!」
その次の言葉を察し、慌てて遮る。咲夜の事だから誰かに聞かれる心配はないだろうし、直接的な言葉ではないだろうから、警戒して損は無い。信頼できる人以外に私の、私達の秘密を知られるわけにはいかないから。あの人が私のために、隠し通すと決めた事なのだから。
「ふふっ、はい。承知致しました」
「はあ、もう⋯⋯意地悪ね。⋯⋯あれ?」
その言葉を口にした時には既に咲夜は居なかった。やり切れない気持ちに私はため息をついた。
地下深くに位置するとても暗い部屋。フランはそこに閉じこもってる。気がふれてるという噂からか、それとも能力の危険性からか、私以外に地下に近付く者はいない。
私としては、私達の秘密を守れるから好都合なのだけど。
「フラーン。私よー、持ってきたわよー」
料理を乗せたワゴンを手に地下に着くと、すぐさま扉をノックする。すると、すぐさま扉が開かれ、中からフランが出てきた。暗い部屋でも人間と違って私はよく見える。
「いらっしゃい。⋯⋯うん、誰も居てないみたいだね。わざわざこんな場所まで持ってきてくれてありがと、
「ううん。だって持ってこないと食べないし、
私の秘密⋯⋯いや、フランことお姉ちゃんとの秘密。それは実は当主である私の方が妹で、フランの方が姉であるという事。この事実は今は亡き私の両親か、メイド長の咲夜、親友のパチュリー、そして一番最初にこの館にやって来た信頼のおける門番の美鈴しか知らない事だ。
何故私とフランの立場が逆転したのか。それはフラン曰く能力や気がふれてる事から当主として相応しくないと判断されたらしい。最初それを知った時は私が当主になったのもあって負い目を感じ、悪く思ったけど、今はあまり気にしてない。
フランが「気にしてない」と言ってくれたから。「気にしないで」とも言ってくれたから。今では甘えても構ってくれるし、どんな時でも相手してくれるから、私はフランが大好きだ。
「⋯⋯そっか。本当に可愛い妹だね。あ、今日はオムライスなんだ。嬉しいなー。って、なんか多くない?」
「本当に? 良かったっ! あのね、多いのは私の分もあるからだよ。一緒に食べよ!」
「うーん⋯⋯部屋散らかってるけど、それは大丈夫?」
そう言って部屋を見せてくれたけど、想像以上に散らかってる。フランは情緒不安定らしく、気がふれると物に八つ当たりするらしい。全部フランが自分で言ってた事だから間違いないだろうけど、未だに私はその現場を見た事がない。音は聞いた事があるけど、いざ現場に急ぐといつも通りのフランが居て、暴れる姿なんて一切見せない。
「お姉ちゃんが一緒なら大丈夫よ! 1人だと怖いけど⋯⋯」
「ふふっ、そっか。なら、一緒に食べようか。むしろ食べさせてあげようか?」
「え、本当に? お願い。食べさせて!」
「ふふっ、甘えん坊だね。じゃ、その料理を部屋に持ってきて。食べさせてあげるから」
「うんっ!」
でも、そんな事があっても、私はフランを嫌いになんかならない。暴れる姿を見ないのは私に遠慮してというか、気遣ってくれてる証拠だろうし。そもそも優しいし、私のためを思っていつも助けてくれる、そんな立派なお姉ちゃんだから────