崩壊3rd Sinister's sin 作:アーヴァレスト
「やはりここにいたか・・・」
「待ってましたよ」
作戦は開始された、俺は真っ先に出迎えるであろう人間のいる所に向かった
そして案の定、そこにいた・・・
「リタ・・・姉さん」
「やっと、その言葉が聞けました」
微笑む彼女の顔が、記憶を上書きする前に見た最後の顔とそっくりだった
「全てを思い出したんですね?」
「あぁ、そうだよ」
「では、そろそろ決めなさい」
鎌を構える彼女に隙はない、だが・・・
「そういう姉さんこそ・・・感情がブレてるぞ?」
「・・・」
「あぁ、全く・・・これじゃあ計画が台無しだ」
渡すものがあったのに、これでは渡せないじゃないか
「私なんて見捨てればよいでしょう?簡単に人を殺せる貴方にそれは容易なはずです」
「あぁ…俺は、人は簡単に殺せる。でもきっと、誰かを見捨てるのは駄目だ。理解はしても、慣れないだろうな」
そう言って剣の切っ先を突き出しながら、俺は呟く
「俺は殺すことが得意で、それしかできないけど。誰か一人でも・・・助けられる人になりたい。姉さんやビッグボスのように」
姉さんはこれまで、天命の指示に影で反してきた
それは巻き込まれる人間を最小限にしている事から明らかである
無関係な人を巻き込むのを、是としない・・・それがこの人の優しさであり、俺への罪滅ぼしだろう
「どうしても、取り戻したいのですか?」
「あぁ、そうする事が俺の生きた証になる」
「私を選んではくれないのですね・・・」
「姉さんにはもっといい人がいるさ、その人を見つけて、幸せになってくれ・・・家族としての願いだよ」
俺はそう言って、片手で上着を脱ぎ棄てる
「やはり、貴方が持っていましたか・・・」
「あぁ、持ち逃げさせてもらった」
俺が着ている服、記憶を取り戻すまで転生特典だと思っていたそれは、極騎士・月天をハンター計画で改修した極騎士・月燼
それをさらに、ダイアモンドドッグズ技術陣により最高レベルに改造したモノ、RX-0・フェネクス
記憶を取り戻したことにより、仕様を本来に戻して再運用している
「決死行ですね・・・互いに」
「譲れないからな・・・お互いに」
自分よりも大切な生徒を取り戻すために、自分よりも大事な男の目的のために
譲れない想い、果たさねばならない願い
「俺は貴女を乗り越える」
「私は貴方を、倒します」
だからこそ・・・
「行きます」
「来い」
ここに、実にくだらない姉弟喧嘩が始まるのだった
「どうしてあなたはいつも自分の都合で動くんですか!!」
「アンタに言われたくねぇよ!!恋に盲目すぎて視野狭窄に陥ってるバカ姉!!」
「なっ・・・!!」
「自覚さえないのかこのバカ姉は!?」
驚いた事にそれに関して自覚さえなかったらしい、うん、バカだ
まぁ、俺も大した事は言えないが・・・
「大体そもそも、あんな人間の屑に惹かれるのアンタだけだわこのバカ!!」
「何度もバカと言わないでください!!」
「いくらでも言ってやるぞこのバカッ!!」
攻撃の余波でマイクロ波を作り、通路に送り出すための回路が吹っ飛んだ
それと同時に発生した爆熱で周りの可燃物が燃え出す
「あぁ・・・!?」
「ほら見ろ、大事なモノが燃えてくぞ!!」
俺は彼女がマイクロ波の放射される通路へとエネルギーを送る場所にいると最初から読んでいた
というか、俺がオットー・アポカリプスなら間違いなくそこに配置する
汎用的に使えるし、何より施設への被害の少なく済む人材は彼女しかいないからだ
その采配や、バルキリー部隊の運用能力に関して奴は天才的だと言える
だが、根本的には全てを使い捨てに出来るからだ・・・次がない
将来的な運用能力の維持に関心がないのだ、だから離反されもする
第一、彼がカレン・カスラナ・・・キアナの祖先にあたる人物と死別する理由となった事態も、根はソコにあると彼自身理解していない
「選んでもらうぞ、リタ姉さん。俺達か奴か」
「つっ・・・!!」
蒼騎士・月魂の性能は俺が良く知っている、何せ開発した当事者の一人であり、試験運用を担当した人間だからだ
性能をうまく引き出してくれている事は嬉しいが、俺にしてみれば全てを使い切っているわけではない
何せ、俺がお遊び感覚で入れた機能を使いこなしているわけではないからだ
「姉さんの装甲を開発したのが誰だと思っている?対策の一つや二つくらい考えてあるさ」
蒼騎士・月魂は粒子流発散特化の装甲だ、それ故に瞬発力より長時間運用のためのチューニングが施されている、高い身体能力を暗殺向けに鍛え上げた彼女によって高レベルの作戦でも難なく実行できるポテンシャルを有している
たいして俺のフェネクスはそれも含めた総合性能を限界まで向上させた試作型全領域作戦装甲、短期決戦のチューニングである
俺の性格からくる高レベルの危機察知能力と高い身体能力を限界まで引き出す事に特化した改造を施されている
両方とも替えのないワンオフだからこその性能であり、これが使用者が逆転しても維持される
何故なら俺達姉弟は性格が似ているからだ、ゆえに戦闘が非常に長引いている
そろそろ決着をつけたいのはやまやまだが、それがなかなかうまくいかない
「それは私も同じです!!」
「なら、俺との勝負をあきらめてくれないかな?」
「出来ない相談ですね!!」
「デスヨネー・・・」
俺の剣が弾かれる、勝利を確信した彼女の踏み込みに俺は半歩、斜め左後ろに下がりながら左手と右足太ももでその刃を防いだ
「つっ・・・!?」
「残念だが、近接では俺の勝利だ」
その瞬間に、腹部に3連射、麻酔弾を叩き込む
こうでもしないと彼女には効かないだろう
「卑怯ですよ・・・そんなにまっすぐ生きられるのは」
「卑怯でも何でもないさ・・・俺は自分に忠を尽くしただけだ」
迷い、悩み、得た答えを貫く事・・・それがどれほど難しいかは俺自身わかっている
それでも、俺は貫いてみせる・・・この命の終わりに
主人公の死は近い・・・?
これからのルートはどちらがいいですか?
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死ねよ貴様ら、塵屑だろうが!!
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ごめんなさい、ごめんなさい
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勝利とはなんだ?
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勝つのは己だ
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いいや、まだだ