崩壊3rd Sinister's sin 作:アーヴァレスト
理想のために命を犠牲にする者の、最後の願いとは
「これでラスト!!」
最後の隔壁を破壊し、俺はキアナの捕らえられた研究施設内に侵入した
「キアナの位置は・・・」
施設内のデータ通信コネクタから管理システムをクラッキングしてキアナの位置を確かめる
特定した場所は、施設でもさらに奥のようだ
即座に全体にこの情報を拡散し、俺も急いで向かう
「つっ・・・!!」
一瞬、発作で目が眩んだ
だんだんと発作が起こる間隔が短くなりつつある・・・俺の死が近づいている
だが、まだ倒れるわけには行かない・・・取り戻すまでは
「そう・・・まだだ」
気を取り直し、再度動き出す
目的は変わらない、後は突き進むだけ
オットーの方はビッグボスが何とかしてくれるだろう
「生徒に無様な姿は、見せられねぇ・・・」
俺はいつでも、その思いで戦ってきた
誰かの為ではない、自分自身に忠を尽くしてきたつもりだ
その為に彼の、ビッグボスの影武者にもなった
その彼から、俺は薫陶を受けた
それに恥じない己でいたい・・・そして、大切な生徒の未来を取り戻すためにここにいる
「やっと・・・たどり着いた・・・」
水槽のような容器の前に、茫然自失したように立っていたのはキアナだった
ガラスが割れていることから、自分で出てきたか、内圧の上昇により外側に向かって破裂したのだろう
だが・・・
「お前、誰だ・・・?」
違和感があった・・・キアナの姿なのに、纏う気配がまるで違う
「誰って失礼だなぁ、先生!!」
「もう一度聞く、お前、誰だ?」
その瞬間、後ろから来た攻撃を見ることなく迎撃した
「あぁ、今ので分かったぞ、お前は・・・!!」
その攻撃で理解した、今の攻撃は間違いない
何度も記録映像を見た、それに対応する戦術も組んできた相手・・・
「空の律者だな・・・!!」
避けたかった最悪の事態は、現実のものになった
間に合わなかったのだ・・・だが・・・
「何としてでも、取り戻させてもらう・・・!!」
最後の可能性に賭ける時だ、そのための布石も用意してある
「勝てると思ってるの?私に!?」
「勝ってみせるさ・・・ビッグボスの、俺の勝利のために!!」
指を鳴らした瞬間、大量の崩壊獣が召喚される、そこに目掛けて、フェネクスの背面にあるシールドファンネルに搭載されているメガキャノンを投射、殲滅し加速をかける
手に持つ武装はビームマグナムとアームドアーマーDE、腕部と背面のバックパックにはビームサーベルを装備している
「舐めるな・・・対策などとうの昔にしてある!!」
躊躇なくビームマグナムで狙い撃つが、その瞬間に亜空間を展開して彼女は逃げる
と、見せかけて後ろから強襲しようとするのだろうが・・・
「つっ・・・!?」
「ほら、動きも読まれる」
フィールドバリアジェネレーターの効果により、その攻撃は無力化した
コンマ数秒の遅れでも死に至る攻撃だが、相手の攻撃パターンはキアナのそれに酷似している
だからこその成功であり、それがまだ完全に相手に取り込まれた状況でないことの証明だ
「なんで!?」
「簡単な事だよ、その子に戦闘関連の事を教えたのが俺だからだ」
だからこそ、相手の事が手に取るようにわかる
「お前はその子の体を奪った盗人だ、だから本来の力の半分も出せない」
そう言ってビームマグナムで攻撃するも、回避する
回避先にはメガキャノンの砲撃を叩き込む
「きゃあぁ!!」
「ほら、追い込まれてるのはどちらだ?」
亜空間のゲートからエネルギー攻撃してくるが、それはフィールドバリアジェネレーターで防ぐ
仰け反った瞬間に攻撃してくるが、それは機動で躱す
「くっ・・・!!」
「温い、キアナはそれほど弱くなかったぞ」
そう宣言して、俺は敵を見下ろす
「貴方に、私やあの子の何が分かるのよ!!」
「分からねぇよ、何もな・・・だが」
「つっ・・・!!」
俺は今、どんな表情をしているのだろう・・・俺自身でもわからない
「真っ直ぐで、純粋に、見ず知らずの誰かを一生懸命に助けようと努力しているのを、俺は知っている」
「その通りだ・・・キアナはそういうガキだよ」
俺の横に立ったのは、彼女の父親・・・ジークフリートだった
「つっ・・・!?」
「死んだはず、なんて言うなよ?いやまぁ、一度は死んでると言っていいのかねぇ・・・」
そう言って手にした武器を彼は構えた
「再戦と行こうぜ、シーリン・・・お前の事も分かっちゃいるが、娘を取り戻すためなんでな!!」
「ほざけ・・・一番大変な時期にいなかったくせに!!」
「後でいくらでも殴られてやるよ・・・キアナにな!!」
次の瞬間、同時に駆け出していた
「おぉぉぉぉ!!」
「はぁぁぁぁ!!」
俺のアームドアーマーDEとジークフリートの天火聖裁による同時攻撃を亜空間のシールドで防ごうとするが
「オラァ!!」
ビームキャノンの出力を最大で解放する事により、防御できる限界を飽和させ破壊する
そこにねじ込むようにして突きこまれる天火聖裁の切っ先が、彼女の腕を浅く裂いた
「つっ・・・!!」
たまらず後退した彼女は・・・
「くっ・・・」
即座に亜空間に逃げ込んだ
「待て・・・!!」
「いや、追わなくていい!!」
ジークフリートが俺を止める
「確かな一撃は叩き込んだ、ここからはキアナに頑張らせようぜ?」
「・・・えぇ」
「大丈夫だ、俺の娘は・・・以外に心が強いだろ?」
「確かに・・・」
「それにお前が教育した事で、より強くなってるはずだ、教師として信じてやってくれ」
「貴方が親として信じているように、ですか?」
「あぁ、そうだよ」
親がこう言っているのだ、俺も信じよう・・・可能性は最後に、当人の力に託された
次話、キアナちゃん視点
これからのルートはどちらがいいですか?
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死ねよ貴様ら、塵屑だろうが!!
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ごめんなさい、ごめんなさい
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勝利とはなんだ?
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勝つのは己だ
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いいや、まだだ