崩壊3rd Sinister's sin 作:アーヴァレスト
「ここには追って来れないか・・・」
「追っては来れないけど、待ち伏せは出来るよね」
「つっ・・・!?」
空の律者・・・キアナの身体を乗っ取ったシーリンはその声の主の方向へ振り返り・・・愕然とした
そこには、自分が取り込んだはずの少女がいたのだから
「なんで・・・」
「取り込まれるギリギリの所で先生が間に合ったからだと思うよ、後は間隙を縫って何とか私の使える力でここに逃げ込んだというところかな」
「貴女は・・・」
「馬鹿だけど、馬鹿なりに創意工夫だってするんだよ?」
そう言ってキアナ・・・いや、私は崩壊した建物の瓦礫に腰かけてシーリンを再度見た
「意外に露出多いね」
「・・・」
質問を意味不明なものにしたのは、先生の真似事
尋問の際によく、先生はそうしていた
そうする事で相手を無意識に誘導しやすくしているらしい
誘導尋問の一手段だと聞いてたけど、これは私には似合わないかも・・・
「誘導しようったって、簡単にはいかないわよ?」
「だよねぇ・・・」
はぁ・・・とため息をついて、私は考える
会話は成立している、つまり相手を理解する事も出来る
戦闘になったらそれはそれで仕方がないとしても、回避するなら出来るだけ回避するべきだ
恐らくシーリンは真逆の考えだろうけど・・・
「ねぇ、質問したいんだけど」
「答えると思う?」
「なんで崩壊をもたらそうとするの?」
「それがカミの意思だからよ」
「っていう事は、自分の意志じゃない?」
彼女が律者に至ったのは、恐らく自分を利用して利益を得ようとする人間達への怒りからだ
私は彼女に取り込まれる最中にその記憶を見た
恐らく彼女には私の記憶が流れ込んでいるはず・・・その可能性に賭けたい
「何を言いたいの?」
「誰にも支配されないために、怒りで力を欲して手に入れたのに。今度は見ず知らずの誰かの為に力を揮うの?」
私の言葉に、シーリンが息をのんだ
「貴女も・・・私を否定するの!?」
「否定なんてしないよ、ただ疑問に思っただけ」
そう言って私はまっすぐにシーリンを見る
結局私にはこれしか出来ない、突き進むことしか
「ねぇ、なんでその事に気が付かなかったの?」
「それは・・・」
「気づいていたけど、あえて流されたんだよね?」
そう、気が付いていて、支配を断ち切るためにあえて流されたんだ
そうする事で、本当に復讐したい存在へと近づき、確実に殺すために
「でも、貴女の望みは叶わない・・・だって、貴女の復讐したい相手は、別の人が上手く止めてくれるもの」
先生達が止めてくれると信じている、心の底から
「キアナ・・・貴女は何を言いたいの!?」
「やっと名前で呼んでくれた」
「そんなのどうでもいいじゃない!!」
「良くないよ、私と貴女は違いすぎるんだから」
そうして私は彼女へ近づいて・・・
「復讐したいと同時に、羨ましかったんじゃない?私達が」
「・・・何を、言って」
「返事に詰まったよね、それ、図星ってことでしょ?」
「つっ・・・!!」
反射的に振るってきた手には、ほとんど力が入ってなかった
その手を優しく取り、包む
「だからさ、私達と一緒に世界を見ようよ」
思い浮かべたのは、皆で笑っている光景
運命なんて、簡単に変えられると私は先生から学んだ
記憶を失い、それさえも欺瞞に満ちていた先生の過去・・・その過去を反芻してなお、あの人は戦い続けた
世界と、未来を守るために自分の全てを捧げてきたんだ
「そんなの・・・夢ですらない幻想よ」
「だからこそ、叶えようとする事に意味があると思う」
そう、人はそうやって今を作ってきた
未来ではない、今という現実を
未来を託されて、それを後継に託す・・・ありのままの世界を
私が思うに、崩壊という現象は・・・
「貴女は、崩壊をどう思うの・・・?」
「その力を扱う準備の出来ていない技術を、封じるための抑止力・・・かな」
そう、私の辿り着いた結論はソレだった
崩壊という現象そのものに意思は介在しない、しかし律者という概念の塊を利用することで地球環境そのものを保全する働きを有するモノ・・・それが崩壊なんだろう
「じゃあ、貴女は・・・」
「永遠なんて欲しくはないよ・・・そんなのあっても持て余してしまうから」
誰かが望んだそれは私にとってどうでもいいものだった
というより、不要なものだ
私は今を生きていくだけで十分に満足しているのだから、永遠なんていらない
あったとしても、それは私以外の誰かのためであればいいし、そもそもそんなものなんてありもしない
「それでも、残せるものがあるのなら・・・」
刻みつける、全てに、世界に・・・
「そう・・・なら」
世界を壊すのではなく、ありのままの形に再編成する
それを出来るのは私達ではなく、今を生きる人間たち
明日を生きる後輩たちだから・・・
「だから私達と一緒にに戦って、皆と自分、どちらが欠けても意味は無いから!!」
「貴女に・・・貴女みたいな馬鹿な子に共感するなんて・・・一生の恥ね」
即答で返したシーリンの顔は今にも泣き出しそうで、でも綺麗だった
「いいでしょう、私を受け入れるというのなら・・・この力を上手く使って見せなさい」
シーリンはそう言って私の背中を押した
「行きなさい・・・貴女の世界に」
「シーリンも一緒に、ね?」
「仕方がないわね」
さぁ、私の未来を取り戻すために・・・
最後の幕を降ろすために・・・!!
次話、ラスボスとバトル?
これからのルートはどちらがいいですか?
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死ねよ貴様ら、塵屑だろうが!!
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ごめんなさい、ごめんなさい
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勝利とはなんだ?
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勝つのは己だ
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いいや、まだだ