崩壊3rd Sinister's sin 作:アーヴァレスト
「ここは・・・」
目を閉じた瞬間、私の目の前に居たのは、共に復讐を誓った少女だった
「お久しぶりです・・・スカルフェイスさん」
「あぁ、随分と見違えるような目つきだな?」
「覚悟を、決めましたから」
その少女の瞳には、確かな炎が宿っていた
「そうか・・・」
「はい・・・だから」
私の手を取り、少女は告げた
「私の手伝いを、してくれますか?」
「当然だ、あの時の約束を守ろう」
約束を違える事はない、私にとってそれは守るべきものだ
再びの生を得て、目的のなかった私の生に意味を持たせた少女との約束・・・それはしかるべき時、然るべき場においての戦闘協力だった
「何を言ってるの・・・?」
そこに声が聞こえた・・・子供の声が
「そんなのあるわけないじゃない・・・」
黒い少女・・・彼女にこびり付いた怨念の集合霊か
「終わってるのよ、生き汚く残らないでよ!!」
その瞬間、風景が変わる
「つっ・・・!!」
反射的に武器を出そうとしたが、その手を抑えられた
「大丈夫です・・・私に任せて下さい」
「分かった」
「ここで、決着を付けます」
そう言って少女は黒い存在に目を向ける
「ふざけるな・・・私達の
その瞬間、その数が10に増えた
同時に、発言した存在が顔面を思いっきり殴りつける
「つっ・・・!!」
構える私に手を出して、来るなと目で訴えてくる
これは自分のケジメだと、言うように
「なんで反撃しないの!?避けようともしないのよ!!」
「・・・」
「そうやって無抵抗にしてれば私達が心変わりするって思ってるの!?そんなのあるわけないでしょ!!」
「・・・」
僅かにのけ反って、少女は答えた
「いいえ、違うわ・・・あなた達の気持ちもわかるから・・・せめて私を殴らないと収まらない程の悲しみが・・・」
「つっ・・・」
ただ一人の成功例を生み出すために、生命の尊厳さえも利用しつくされた私達だからこそ
「そんな連中ももういない・・・私達の敵はもういない・・・だから」
「だから何だって言うのよ!?今更おさめられるわけないのよ!!全てを利用されて殺されたのは私達なのに!!私達を殺した結果生まれた存在がのうのうと生きていくなんて・・・」
今度は鋭い蹴りが叩き込まれた
「そんなこと、許されるはずない!!」
「ごめんなさい・・・私には、謝る事しか出来ない」
「う、ぅ・・・ぐ!!」
泣きそうな顔で、そして怒りながら相手は叫んだ
「なら死ね!!死んで詫びてよッ!!貴女も私達と同じように死ね!!命を捨てろッ!!」
「それは出来ないわ・・・私はあの子を助けて、一緒に戦いたい・・・この命をそのために・・・使いたいの」
「ふざけるなッ!!認めるわけないでしょ!!貴女の命は私達の為に死ぬ命なのよ!!」
「それは、出来ないの・・・」
そこに、小さく、それでも確かな声が響いた
「ねぇ・・・もう、やめようよ」
「何・・・?今、なんて言ったの?」
「もう、やめよう?この子は悪くないよ・・・」
「なん・・・!!」
「だって!!私達は知ってるじゃない!!あそこでのこの子の姿を!!」
吐き出す言葉には、苦しむ感情があった
憎しみはある、尽きぬほどに
でもそれと同じだけ、同情する心もあるのだ
「成長して、自我を奪われる事もあって、体中を切り刻まれて最後には殺されて捨てられもした!!私達が誰一人最期を見てくれる人がなかったのと変わらないよ!!」
「つっ・・・!!」
「私達が・・・一番辛い殺され方をしたように・・・それを知ってるのに・・・同じだけ苦しんだこの子を責めて、それで満足していいの?」
「うぅ・・・」
そこで、声を出したのは、殴られていた側だった
「それでも・・・私は皆より長く生きていけた・・・幸運だよ。その事実だけで、私はあなた達よりも恵まれている」
「あなた・・・」
「覚えているよ・・・全部、忘れもしない。キアナにはなれなかったけど、この人が私を気遣って、私を人間の世界に連れて行ってくれた・・・だから今度は私の番なんだ・・・私が、あなた達をこの場所から救い出す番・・・」
「く・・・う・・・うぁ・・・あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
黒い影が、崩れていく
彼女に非がないことを認めて・・・行き場のない感情を吐き出しつくして消えていく・・・
「ごめんね・・・私にはこれくらいしか・・・」
「じゃあ・・・連れて行って・・・」
そこで声を上げるのは、先程の声の主・・・ぼやけていて分からなかったが、その姿形は同一と言っていいほど似ていた
「私達の呪い・・・みんな同じ理由・・・それは、私達のDNAが同じ事と・・・」
「あの人達の与えた最初で最後の
「うん、だから返すね・・・もう私には必要ないから・・・私の分も連れて行ってあげて」
「えぇ・・・」
そこから次々と、呪いを返していく子供たち・・・その全てを彼女は受け入れた
「ごめん・・・なさい」
「いいの・・・全て許してあげる」
そして、元の風景に戻った
「私も、終わりだな」
そして最後に、私も消え始める
「あなたも・・・」
「あぁ、私の未練はもうない・・・最後に、これを渡しておこう」
渡したのは私の武器、レバーアクションライフルだ
「私に・・・これを?」
「あぁ、呪物として最も強力な物だ」
「ありがとうございます」
「勝てよ、私の愛弟子」
「えぇ・・・必ず」
崩壊していく風景の中で、私はテンガロンハットを被りなおす
「皆、どうしていいのかわからかったんです・・・」
「あぁ、そうだな」
「ただただ怖くて、悲しくて・・・だからこんな」
「それでも、これに気づかせて人間に戻し、成仏させてあげたのは君だ、きちんと救ってあげたじゃないか」
似た境遇から、私とは違う答えを導き出した少女に私はただただ、安堵していた
間違いだとは私も知っていた過去・・・彼女は選択を間違えなかった
これでいい、これでいいのだ・・・
「さぁ、行くがいい・・・その身体も、心も・・・全て君のものだ」
「ありがとうございます」
さぁ、役者に舞台を返そう・・・ここから先は彼女達の時代だ
私はそれを外から眺めることにする
何かいい話になってしまった
これからのルートはどちらがいいですか?
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死ねよ貴様ら、塵屑だろうが!!
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ごめんなさい、ごめんなさい
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勝利とはなんだ?
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勝つのは己だ
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いいや、まだだ