崩壊3rd Sinister's sin   作:アーヴァレスト

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それは罪と罰を抱えた男の最期
語られる真実は、何よりも深く・・・

最終話にして最後に・・・


罪と罰、最後の清算

「・・・」

 

アレから私は、とある人の墓に来ていた

その人は・・・私のDNAの素体、カレン・カスラナ

 

「やっと、終わりましたよ」

 

そう言って、彼女の好んでいた花を供える

 

「・・・」

 

一つの時代が終わり、私の戦争は終わった

だけど私には、やらなくちゃいけない事がある

 

「はぁ・・・」

 

最後に課せられた罰は・・・自分をこの世から抹消する事

 

「それが私の、最後のミッション」

 

拳銃を取り出し、マガジンを抜く

既に装填されている一発で、私を絶命させる

 

「今、そちらに・・・」

 

決意と共に引き金を絞った・・・けど

 

「はぁ・・・!!はぁ・・・!!」

 

突発的な発作で、未遂になってしまった

発作自体は、その前兆があるのを最後の戦闘時に気づいていた

それが今になって襲って来たのだ

 

「そうだ、それでいい」

 

どれほど発作に苦しんでいただろうか・・・しばらくしてその声が聞こえた

 

「まだ、逝く必要はない」

「・・・」

 

ゆっくりと、顔を上げていく

黒い服を着ているその人は、優しい声で私に語り掛けてくる

 

「また逢えたな・・・カレンの遺児」

「藍澤カズマ・・・さん!?」

 

近づいてきた瞬間に、反動でマガジンを装填して初弾を装填しながら構えていた

 

「つっ・・・!!」

 

ゆっくりと構える彼に照準を合わせる

 

「・・・」

 

何も言わず、彼はそのまま構えて・・・銃を落とした

それを思わず追従してしまい・・・CQCに対応できなかった

一瞬で銃を無効化され、抱きしめられる

 

「もういい・・・もういいんだ・・・戦う事はない」

「何を・・・!?」

「もう、終わった・・・銃を捨てて生きていいんだ」

 

銃を取られ、私は無言で彼を見る

 

「全ては一人の男の妄執から始まった事・・・元凶となった全ては閉ざされ、過ちの時代は終わった・・・最後に残されたこの俺も・・・もうじき終わる」

「何故・・・生きてるんですか!?」

 

彼を殺したのは・・・私だ

私がオットー・アポカリプス大主教に近づくために彼の死を利用した

その死体も確認したはず・・・それなのに!!

 

「あの時、君が見た死体は私ではない・・・アレは俺の複製だ」

「複製・・・貴方もあの人と同じ事を!?」

「いや、それ自体はオットーの差し金だ」

 

彼の後をついていき、その先に居たのは・・・車椅子に座る老人

その体には、人工呼吸器がつけられている

 

「天命の再建がなされている今、作ろうとした未来も白紙に還った・・・全ての発端はオットーだ・・・その行為が、世界を破滅に導いた」

「・・・」

「しかし今は、その事すらも分かっていない」

 

記憶転写をし続けた代償は、本来の自我の消失・・・

 

「恨みあった俺達が再会して感じたのは・・・懐かしさと・・・深い哀れみだ。不思議な事に、憎しみは沸いてこなかった」

「何故・・・ですか?」

「疑問に思うか?」

「はい・・・」

 

彼は薄く笑い、続けた

 

「そもそも・・・オットーは俺が憎かったのだろうか・・・それとも恐れていたのだろうか・・・それさえも聴く事が出来ないからだ」

 

そう、今やどうしても、質問に答える事はない

 

「始まりを作ったほぼ全てが死んだ・・・残るはオットーのみ」

「・・・」

 

これから彼がしようとしている事を、私は止める気はない

 

「全てには始まりがある、そして始まりは1ではない・・・その遥か以前のカオス、世界はゼロから生まれる・・・全てを1に戻したところで何も解決しない・・・こうなるまで止められなかった俺にも罪はある」

「そう・・・ですね」

「だからこそ、自らの手で、無に還そう」

 

そう言って、後ろに座って人工呼吸器のスイッチを切り・・・首を絞めて殺した

そして、立ち上がり再び私を見る

 

「あなたもまた・・・」

「あぁ、俺もまた無に還る」

 

その瞬間に、彼は崩れ落ちる・・・反射的に、その身体を支えていた

 

「済まないが・・・俺を彼女の所に連れて行ってくれないか?」

「えぇ・・・」

 

支えながら歩き、私は質問する

 

「私は・・・死ぬんですよね?」

「老いは、誰にでも来る・・・止める事も、逃げる事も出来ない。これは俺からの告知だ・・・余命を、戦い意外に使いなさい」

「・・・」

「それに俺は、君を彼女のクローンだと思った事はない・・・むしろ、一人の人間として、尊敬さえしている」

 

流れる汗は、末路が近い証か・・・

 

「あの時の俺が、君だったなら・・・あのような過ちは、起こさなかったかもしれない」

「・・・」

「俺は彼女の死んだあの日から・・・既に亡者だった・・・」

 

そう言って彼は崩れ落ちるようにカレンの墓石の前に座る

 

「カレン、君が正しかったよ・・・世界を変えるのではなく、ありのままの世界を残すために最善を尽くす事・・・他者の意思を尊重し、自らの意思を信じる事・・・それが君の・・・遺志だった」

「ぁ・・・」

 

一瞬、誰かが憂いている表情が浮かんだ

 

「やっと、あの時の行動の意味・・・君の勇気の真実が・・・分かった」

 

そう言って彼は敬礼する、その敬礼はとても奇麗で、そして悲しいものだった

 

「俺はもうすぐ去る・・・不毛な抗争の火種が消える・・・これで、元凶は全て消えることになる・・・悪しき発端が0に戻った後、新しい未来である1が生まれるはずだ・・・その新しい未来を、誰かの影ではなく、人として、生きろ」

「はい・・・」

「俺達はどこまで行っても、内なる自由・・・リバティしか得られなかった。だが君に与えられているのはフリーダム・・・外へ向けた、真なる自由だ!!」

 

今にも血を吐きそうなのに、彼は最後の力を使って私に話しかけている

私も、答えないと

 

「もう、運命に縛られる事はない・・・その身体も、心も君の物だ・・・その目で、外の世界を見ろ」

「はい」

「俺達の事なんて忘れて、自分の為に生きてくれ・・・そして、新しい余命を生きろ」

 

そう言ってタバコを咥え、火をつけようとしたけど、ライターを落とし、タバコも落とした

もう、満足に身体も動かせないのだろう

 

「カレン・・・蛇は一人で・・・いや・・・蛇はもう、いらない・・・」

 

彼に寄り添うように、人が見える・・・カレン・カスラナが

悲しむように、憂いるように・・・私を見て微笑んで手を振った

彼を連れていくために、ここに来たのだろう

 

「つっ・・・!!」

 

自然と、涙が出ていた

こんなにも辛い別れがあると思ったのはこれが初めてかもしれない

 

「ここに居たのね」

「テレサ学園長・・・」

 

振り返るとキアナの通う学校の校長がいた

私もついそう呼んでしまう・・・キアナの記憶があるから

 

「全く・・・なんて顔して死んでるのよ・・・背中を追って来た私がバカみたいじゃない・・・」

「面識が・・・?」

 

そう質問すると、テレサ学園長は苦笑いした

 

「ヴァルキリーになる時の試験官だったのよ」

「あぁ・・・」

「それ以来、尊敬する人だったわ・・・今も」

「そう・・・ですか」

 

恐らくそれが、市井に下る手向けだったのだろう

 

「こんなに奇麗な死に方を出来たんだから・・・本望なんでしょうね」

「きっと・・・そうだと思います」

 

その顔は奇麗なまでに安らかで、眠っているだけにも感じてしまう

 

「何処に行くの?」

「自分の行きたいところに」

「全部、終わったわよ?」

「いいえ、まだ残している事があります」

 

私はそう言って、彼女を見る

 

「見届ける事です。私達の選択が正しかったのか、否か」

「そう・・・それじゃ私達と同じね」

 

彼女がそう言って私の手を優しく掴む

 

「掴んだこの手を放さない・・・彼の遺志を継ぐために」

「それが彼の望みでしょうから」

 

歩いていく先には、キアナを含めてみんながいた

 

私もあそこに入れるだろうか・・・不安だけど

この選択で間違いがなかったと、心から思う

それがたとえ、残り時間の短い私であっても

誰かを守ろうとする事は、そのために必死になる事は正しいから




これが最終話かよぉ!!

これからのルートはどちらがいいですか?

  • 死ねよ貴様ら、塵屑だろうが!!
  • ごめんなさい、ごめんなさい
  • 勝利とはなんだ?
  • 勝つのは己だ
  • いいや、まだだ
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