???「ソウゴくーん。そろそろ朝だよ。起きなさーい。」
その男は誰かに呼ばれて目をさました。
ソウゴ「うん、わかったー。」
眠くてほそむ目をこすって身体を起こす。
この男、普通の高校生常盤ソウゴ。彼には魔王にして時の王者、「オーマジオウ」となる未来が待っていた。
最高最善の魔王となるべく日々「アナザーライダー」と戦い、歴代のライダーの力を手にし、着々と魔王の道を歩み続けている。
これはそんな彼が、見たこともない異世界へと飛ばされ、ある男と出会い、王の在り方を探す物語...
おや、申し遅れました。私はウォズ。オーマジオウの従者であり、我が魔王常盤ソウゴを魔王へと導く者。この物語の語り手です。
先ほども言った通り、我が魔王は異世界へと飛ばされます。
そこは、多くの「怪人」があらわれる世界。
逃げ惑う人々を見て我が魔王は...
おっと、ここから先はまだ未来のお話、でしたね。
***********************
ソウゴ「おはよう。おじさん。」
おじさん「ああ、おはよう、ソウゴ君。ご飯できてるよ。」
ソウゴ「うん。」
我が魔王におじさんと呼ばれたこの男は常盤順一郎。
我が魔王の大叔父で、幼い頃に両親を失った我が魔王を引き取っている。時計店クジゴジ堂の店主である。
おじさん「今日は、目玉焼きとソーセージだよ。」
ソウゴ「うん。いただきまーす。」
そういうと我が魔王は朝ごはんを食べ始める。
おじさん「いやーしかし、やっぱりゲイツ君とツクヨミちゃんがいなくなると寂しいね。なんだかテーブルが広くて。」
ソウゴ「...うん。」
少し寂しそうな笑顔で頷く我が魔王。
ゲイツ君とツクヨミ君は我が魔王がオーマジオウになるのを阻止するため、2068年からやってきた未来人だ。最初は我が魔王を抹殺しようとしていたが、しだいに我が魔王の人間性に惹かれ、クジゴジ堂に住まい、共に過ごすことになる。しかし、次第にその力を増し、着々とオーマジオウへと近づいていく我が魔王を脅威と感じ、我が魔王と決別した。
それからは、ゲイツ君がオーマジオウを倒した、私とは別の未来からやってきたもう1人の私、通称「白ウォズ」ーちなみに私は黒ウォズと呼ばれているー と共に行動し、我が魔王を倒すため力を蓄えている。
ーピンポーンー
おじさん「はーい。...誰かな?」
そういうと順一郎は玄関へと向かう。
ーガチャリー
おじさん「ああ!君か!どうぞどうぞ、さあ、入って!」
嬉しそうな声を出しその人物を迎え入れる。
おじさん「ソウゴくーん!お友達が来たよー!」
黒ウォズ「やぁ、おはよう。我が魔王。」
そう、何を隠そうこの私ウォズである。
ソウゴ「ああ、黒ウォズか...おはよう。」
我が魔王は私を見て、少し乾いた笑いをした。
そのような態度をとられるのには少し不満があるが、いちいち反応しても仕方がないので話を続ける。
黒ウォズ「我が魔王、すまないが呑気に朝ごはんを食べている場合ではないよ。ついてきてもらえるかな?」
我が魔王は一瞬怪訝そうな顔をしたが、
ソウゴ「うん、わかった。」
と言い席を立つ。
おじさん「あれ?ソウゴ君もう出かけるの?まだ朝ごはん残ってるけど...」
ソウゴ「ごめん、おじさん。ちょっと用事ができたから...」
おじさん「...わかった。いってらっしゃい。」
ソウゴ「うん。行ってきます。」
少し悲しそうな顔になる順一郎を我が魔王は少し気にかけている様子だったが、私が家をでたのでそれに続いて家を出る。
ソウゴ「何があったの?黒ウォズ。」
黒ウォズ「時空間に歪みが発生している。それもかなり大きなね。」
ソウゴ「...まさか、アナザーライダー?」
黒ウォズ「その可能性は大きいね。いま原因を探っているところだよ。」
アナザーライダーとは歴代の仮面ライダーの力を奪い、タイムジャッカーたちが作り出した怪人だ。そして、タイムジャッカーたちは、アナザーライダーを生み出し、オーマジオウにかわる新たな王を擁立しようとしている未来人である。
黒ウォズ「! 我が魔王、アナザーライダーが現れた。」
ソウゴ「ええ!?噂をすれば...」
あらかじめ我が魔王に頼んで借りていた「サーチホーク」がアナザーライダーを発見したようだ。
黒ウォズ「早速向かおう、我が魔王。」
ソウゴ「うん!」
私たちが現場に着くと既にアナザーライダーが暴れており、近くにはタイムジャッカーの姿もあった。
ソウゴ「え?あれってアナザーオーズじゃない!?」
黒ウォズ「なんだって?」
アナザーオーズは既に我が魔王が倒したはずのアナザーライダーだ。
しかし、そこいるのは確かにアナザーオーズだった。
ソウゴ「よくわかんないけど、とりあえず止めないと!」
我が魔王がジクウドライバーとライドウォッチを取り出し、変身の準備をする。
『ジオウ!』『オーズ!』
我が魔王がライドウォッチのボタンを押し、音声が流れる。
2つのライドウォッチをジクウドライバーに差し込み、
ソウゴ「変身!」
我が魔王の掛け声とともにジクウドライバーが回り、変身音が流れ、
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
続けてアーマーの変身音が流れる。
『アーマータイム!タカ・トラ・バッタ!オーズ!』
我が魔王の体がオーズアーマーでつつまれ、変身が完了する。
ソウゴ「いくぞ!はぁーー!」
???「待て!ジオウ!」
突然、あたりに大きな声が響き渡る。
ソウゴ「あっ!ゲイツ!」
そう、声の主はゲイツ君であった。そして、その隣にもう1人の私、白ウォズと、ツクヨミ君が立っている。
ゲイツ「お前は俺が倒す。白ウォズ!お前はアナザーライダーの相手をしていろ。」
白ウォズ「ハハハ。ノートに書いた通り魔王と会えたね。我が救世主。了解した。アナザーライダーの相手は私にお任せ願おう。」
白ウォズはノートに書いたことが実際の未来となる力を持った不思議なノートをもっているのである。
ソウゴ「ゲイツ...!」
まさに一触即発。その光景を物陰から見ている人物が3人。
オーラ、ウール、スウォルツ。タイムジャッカーたちだ。
ウール「どういうことだ、スウォルツ!アナザージオウを作ったな!」
オーラ「! アナザージオウ!?」
スウォルツ「アナザージオウ...全てのアナザーライダーを統べし、裏の王だ。まあ、見ていろ、奴の力を...」
ゲイツ「いくぞ!ジオウ!」
ソウゴ「やるしかないのか...!」
その時、大きな地響きがおき、その場にいる全員がよろめいた。
ゲイツ「!? なんだ!?」
黒ウォズ「...これは!?」
地響きは鳴り止まない。いち早く新たな異変に気付いたのはツクヨミ君だった。
ツクヨミ「なにこれ...時空間が今まで見たことないぐらい歪んでる!」
白ウォズ「なんだって!?」
ツクヨミ「時空に亀裂が...!このままだと全員生身で時空間に放り出される!」
そういった次の瞬間、目の前の風景に突然ヒビが入り、それに向かって強風が吹き込む。
黒ウォズ「まずい!我が魔王!」
とっさに首に巻いたマフラーを伸ばし我が魔王の体を包み込む。
ゲイツ「くそ!ツクヨミ!」
ウール「スウォルツ!これは!?」
スウォルツ「一体、何が起こっているんだ...!?」
ソウゴ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そしてその場にいる全員が時空の亀裂に吸い込まれた。
***********************
全身に痛みが走る。誰かが自分を呼ぶ声がする...
???「おう...が...おう...我が魔王!」
ソウゴ「う、痛っ!あれ...?黒ウォズ?」
黒ウォズ「よかった。目が覚めたようだね。我が魔王。」
ソウゴ「ん...?ここは?」
周りを見渡し、ここが見知った場所でないことに気付く我が魔王。
黒ウォズ「残念だが、ゆっくり話している暇はないよ我が魔王。早くここから逃げなければ...!」
ソウゴ「逃げる?」
そうして落ち着いてからもう一度周りを見渡すと、人々が逃げ惑い、多くの建物が倒壊している。
ソウゴ「これって、まさかアナザーライダーの...!?」
黒ウォズ「いや、『あれ』はおそらく違う...!」
ソウゴ「あれって...」
私と我が魔王の視線の先にいたのは...そう、
「怪人」だった。
続く