突如学園都市に姿を現した怪獣…魔導人形 グールギラス、グールギラスは顎に火炎を集め口を開けるとその巨大な顎から巨大な火球を放った
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
山なりの軌道を描くその火球はある市街地の一角に火球が落ちる、すると着弾と同時に炸裂し広範囲を焼き払って周囲の建物を破壊する、焼き尽くされた街の光景が窓から乗り出している初春達の目に映った
「あの火力…間違いなく
「何なんスかあれ?!」
猟虎と誉望がグールギラスを見て大声で叫ぶ、それとは対照的に心理定規は携帯を開けグールギラスの写真を撮っていた。グールギラスは再び火球を放とうとするがグールギラスの背中に何かが命中し爆炎と火花が散る
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?!ーーー
グールギラスが首を向けると3機のヘリがグールギラスの上空を飛翔していた。第二十三学区・制空権確保全管制センターから出動命令を受けた機体の左右に機銃やミサイル等の兵器を搭載するための『羽』を六枚持ち、回転する翼の補助動力としてロケットエンジンが搭載、HsAFH-11 …通称 六枚羽と呼ばれる無人攻撃ヘリが空から襲来する
「へぇ、 六枚羽か…250億円する高級品を化け物にぶつける気か…」
垣根がグールギラスに攻撃を仕掛ける六枚羽を見て、
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?ーーー
グールギラスの身体に丸で粘土細工の様にヒビが入り左腕が地面に落ちる…取れた左腕の断面は乾燥した粘土を無理矢理引きちぎった様な断面図であり、グールギラスが純粋な生物でないことが理解できる
「あの程度で傷つく程度か…大した事ねーな、怪獣てヤツも」
「……あのメカカッコいいですね」
垣根はあの程度の攻撃ヘリに傷つけられる程度のグールギラスに興味を無くした様な顔をする、初春はメカが好きなのか六枚羽を見て若干興奮している…とはいえ全員がグールギラスは六枚羽に倒されると思ったその時グリッドマンが叫ぶ
『まだだ!もう一体怪獣がいる!』
「「「!?」」」
「あ?」
まだ一体怪獣がいるとグリッドマンが伝えると初春、誉望、猟虎が驚きの表情でグリッドマンを見つめ、垣根は視線をグリッドマンに向ける…が、先程までパソコンの画面に映っていたグリッドマンの姿はなく、代わりに画面には
ーーークカキャウウゥゥゥ!ーーー
第二十三学区・制空権確保全管制センター、六枚羽をコントロールする場所である…その制空権確保全管制センターにあるコンピューターワールドというどんなコンピューターでも存在する
ーーークカキャウウゥゥゥ!ーーー
ギラルスはコンピューターワールドにある建物や建造物を手当たり次第に殴りつけ、蹴り付けて破壊していく、建物が音を立てて崩れ未来都市風のコンピューターワールドを破壊していく、この世界には邪魔者はいない、ギラレスは安心してコンピューターワールドを破壊し尽くす…その破壊が現実世界にも影響を齎す、制空権確保全管制センター内部の機械類が機能不全となり機械類が放電し始め、オペレーターが混乱し始める
「何だこれは!?能力者のハッキングか!?」
「わ、分かりません!原因不明です!こんなのあり得ない!」
彼等は知る余地もない、コンピューターワールドがある事など知らない、これは怪獣の仕業だと知る事は無い、彼等にこの事態を解決する方法等ない
「…何だこりゃ…」
垣根はジャンクに映し出された光景を唖然として見つめる、映し出された場所は未来的な大都市に見える、夜の様に暗く建物は青や緑等の不可思議な色合い、非現実的なその世界に明らかな異物である怪獣…ギラルスが暴れ回る、それに同調するかの様に六枚羽の動きがおかしくなり始める
「何で六枚羽同士が撃ち合ってお互いを攻撃してるんスか!?」
同士討ちを始める六枚羽に誉望が困惑する、するとギラルスが暴れる映像が映し出される画面からグリッドマンの声が聞こえた
『これはあの怪獣…ギラルスの仕業だ、ギラルスはコンピューターワールド…コンピューター内空間に存在する異世界をギラルスが破壊する事によりあの機械が不具合を起こしているんだ』
「こ…コンピューターワールド?じゃああのヘリの暴走はあの怪物…じゃなくて怪獣?の仕業なんですか?!」
『その通り、魔王カーンデジファーがかつてある少年を唆して生み出した怪獣 ギラルスがあのヘリの機能を暴走させている!』
グリッドマンはあらゆる機械の中に存在する異世界 コンピューターワールドをギラルスが破壊する事により六枚羽が暴走を起こしているのだと説明し初春を含めた全員がそんな非科学的な事を信じられないでいた…そんな一同にグールギラスの咆哮が聞こえ全員が窓の方を見る、左腕を破壊されたグールギラスは攻撃が止んでいる時を見計らい損失した左腕を建物にぶつけ建物が崩壊する…そしてその崩れた建物が浮かび上がりグールギラスの損失した左腕部分に集まっていく
「な……!左腕が再生しただと?!」
そして破壊された建物の破片がグールギラスの新たな左腕となり、左腕を再生させたグールギラスは獰猛に唸るとその巨大かつ右腕と比べアンバランスな巨腕で六枚羽の一機を握り粉砕する、粉々に握り潰された六枚羽の残骸をグールギラスは左手から捨てると、顎から火球を放ちもう一機を炎上させて破壊、残る一機も制御が失われている、グールギラスが何もしなくても勝手に火花を散らして街へと墜落し地面に激突し爆発する、邪魔者が消えたグールギラスは目玉をキョロキョロさせ獲物を探し…初春達がいる建物を凝視し獰猛な笑みを浮かべる
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
「……あれ?あの怪物…わたくし達がいる方を見ていませんか?」
「…いやいや…気の所為……じゃないっスね、完全にこっちガン見っスね…」
猟虎が自分達を見ているのではと恐る恐る言い誉望が否定しようとするが、完全にグールギラスが自分達を見ている事を理解してしまい顔を青ざめていく…初春は風紀委員として自分が
「「「あ……」」」
三人の口から声が漏れる、その火球はゆっくりと…だが確実に垣根達を焼き殺す為に建物に迫り来る、今から逃げては遅過ぎる、数秒程で建物ごと消滅すると本能的に理解する
(あぁ…最後に…佐天さん達に会いたかったなぁ…)
もう死ぬのかと諦めた初春は目を閉じて死の恐怖から逃れようとしたその時
「お前ら邪魔だ、退け」
「え?」
垣根が窓際に集まっていた初春達を無理矢理押し退ける、そして垣根は迫り来る火球を眺める、同時に窓際が
「……天使?」
垣根の背中に出現したのは三対の純白の翼、初春はそれを見て丸で天使だと錯覚してしまう、その翼の内右側の一枚が火球に向かって伸び始める、その長さは10メートル程で火球に向かって翼を振り下ろすと火球が切り裂かれる、切断された火球は空中で爆散、その白い翼は爆炎による焼け跡はなくサイズを元の大きさに戻す
「…この程度か化け物?」
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
挑発する垣根の言葉に乗ったグールギラスは顎を閉じ三発も火球を放つ、垣根は薄く口元を歪めると翼で空気を叩く、それだけで垣根の身体が空に向かって飛び上がる…人は空を飛べない、そんな常識は垣根に通用しない、宙に浮かんだ垣根は翼を弓形に大きく曲げありったけの力を込めて衝撃波を放つ、その衝撃波が火球に激突し一つ目の火球を消滅させ二つ目の火球とぶつかりお互いに消滅、三つ目の火球は垣根が放った烈風に掻き消される
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…ーーー
「もうお終いか?」
グールギラスが悔しげな唸り声を漏らすと垣根はその程度かと鼻で笑い部屋に降り立つ、グールギラスの火球は並大抵の者なら防ぎようがない、それを軽々と防ぐ垣根に初春が自分がよく知る常盤台の超能力者を連想していたその時、グリッドマンが叫んだ
『このままでは駄目だ!そこの君!』
「…俺か?」
グリッドマンが垣根を呼ぶと垣根は不審な目でジャンクを見る
『君の力を貸してくれ!私と合体すれば怪獣達を倒せる!』
「…合体だと?何を言って…」
『説明する時間はない!強制ですまないが私にもやるべき事がある!』
グリッドマンの言葉に垣根が何か言いたげな表情に変わるが垣根が何か言う間も無く、未だにギラルスが暴れまわる映像を映し出しているジャンクが光り始め垣根達が手で目を覆う、その瞬間ジャンクからメタリックブルーの腕が現れ垣根を無理やり掴む
「な…!?何しやが…」
「か、垣根さんがパソコンに吸い込まれたっス!?」
「かかかか垣根さんが食べられてしまいましたわ!?」
「え!?え!?何ですかさっきの!?」
「……パソコンて怖いわね」
垣根は抵抗するもジャンクに吸い込まれてしまう、それを見た誉望や猟虎、初春が先程の現象の意味が分からず混乱する、対照的に心理定規は表情も口調も冷静なままだった、すると画面が光ったままのジャンクからグリッドマンから聞こえる
『誰か戦闘コードを打ち込んでくれ!アクセスコードはGRIDMAN!』
「え、戦闘コード?!え、えっと…これで良いですか?」
グリッドマンが戦闘コードを打ち込んでくれと叫ぶと画面に何やらコードを打ち込む画面が映し出されて初春がそれにGRIDMANと打ち込む、すると画面に幾つもの表示が現れジャンクの光が強まっていく…
ーーークカキャウウゥゥゥ?ーーー
制空権確保全管制センターのコンピューターワールドで破壊の限りを尽くすギラルスはふと動きを止め上空を見上げる、上空にパサルートが開きそこからグリッドマンが現れるのをギラルスが見ると口元を歪める、その光景は初春達もジャンク越しに確認出来た、
「…あれ?何かおかしい所が…?」
初春が何か違うな〜と画面をもう一度見る、画面には
「……大きさが違い過ぎません!?」
「普通こういうのって同じ大きさじゃないんスか!?」
「何倍とかそういう違いじゃありませんわ?!」
そうギラルスとグリッドマンの大きさが違い過ぎる、ギラルスは70メートル程、対してグリッドマンは180センチ…垣根の身長と同じ…簡単に言い表すなら鯨と人の違い、これで勝負になるのかと三人が疑う中ギラルスが動き足でグリッドマンを踏み潰そうと動く
『!?チ!この身長差とか巫山戯てんのか!?しかも能力も使えねえし…クソが!』
グリッドマンの口から垣根の声が漏れる、
ーーー相変ワラズ逃ゲ足ガ速イナ、グリッドマンーーー
『!喋っただと!?』
ギラルスが喋った事に驚く垣根、ギラルスはAIを組み込んである怪獣でありギラルスは丸でグリッドマンを知っているかの様な口ぶりで語りかけてくる
「…ギラルス、私が最初に戦った怪獣…覚えているぞ」
ーーーソレハ嬉シイナグリッドマン、私ノ役目ハ貴様ノエネルギーヲ消耗サセル事、ソノ役目ハ果タサセテ貰ウゾーーー
「…現実世界のグールギラスに確実に勝つ為に自分を犠牲にする気か」
ーーーソノ通リ、全テハカーンデジファー様トキロカーン様ノ為ニ…ソシテ魔王様達ヲ復活サセタ魔術師ノ為ニーーー
グリッドマンは嘗て自分が最初に戦った怪獣の名前をギラルスに言うとギラルスがニヤリと笑う、自分を覚えていて嬉しいと零すと自分の役目はエネルギーを消耗させ現実世界のグールギラスがグリッドマンに勝てる様にするお膳立てをする事と告げる
『こいつ…自分が負けるて前提で戦ってんのかよ、厄介だな、それにこの身長差…勝てるもんも勝てねーぞ…』
垣根は厄介な敵だとギラルスを認識する、暗部でもこういう敵が案外厄介だったりする…垣根なら超能力で蹴散らせるがグリッドマンになった今は自分の能力が使えない、それにこの身長差でギラルスに勝てるのかと考える…それをジャンクで眺めていた初春は突如として動きキーボードを叩き操作し始める
「な、何してるんスか?」
「巨大化プログラムです!身長が小さいなら大きくすればあの怪獣に勝てるんじゃないでしょうか!」
誉望が何をしているのか初春に尋ねると初春は両手でキーボードを叩きながら巨大化プログラムを生み出しグリッドマンに取り込ませれば怪獣と同じサイズになれると伝える、そして素早くキーボードを叩き初春は巨大化プログラムを作り出すとグリッドマンに巨大化プログラムを転送させる
『!巨大化プログラムか!』
グリッドマンが送られてきた巨大化プログラムを取り込むとグリッドマンの身長が70メートル程に巨大化する、ギラルスと同じ身長になったグリッドマンは先程までの反撃とばかりにギラルスの顔に拳を叩きつける
ーーークカキャウウゥゥゥ!?ーーー
ギラルスは痛みに呻き口から白いガスを吐き出すがグリッドマンはそれを避け、左腕を突き出す事で光弾を放つスパークビームを数発放ちギラルスの身体に火花が散る、ギラルスは後ろへと後退するもグリッドマンは接近し至近距離からスパークビームをぶつけギラルスを吹き飛ばす
ーーークカキャウウゥゥゥ!ーーー
「く!」
だが一方的には終わらずギラルスは白いガスを放ち、グリッドマンに命中する、同時にジャンクにも火花が散り初春達が驚くがそれを垣根が知ることは無い、ギラルスは何度も何度もグリッドマンに自らの拳をぶつけグリッドマンを攻撃し口からガスを放ってグリッドマンを傷つける、その度にジャンクから煙や火花が散る
『チ…調子乗ってんじゃねえぞ!』
ーーーク…!流石グリッドマン…ソウ簡単ニハ勝テンラシイーーー
垣根が調子に乗るなとグリッドマンの身体を動かし回し蹴りを放ちギラルスを吹き飛ばす、ギラルスも負けじとガスを放つがグリッドマンはそれを避けつつスパークビームで応戦
「ギラルスの弱点は鼻先の結晶だ!スパークビームで破壊しろ!」
『俺に命令すんじゃ…ねえ!』
ーーークカキャウウゥゥゥ!?ーーー
グリッドマンが垣根にギラルスの弱点を教えると垣根はグリッドマンの身体を操作し、スパークビームでギラルスの弱点である鼻先の結晶を破壊する。ギラルスが大音量で破壊された鼻先を抑え動きが止まってしまう、その隙にグリッドマンが回し蹴りを放ちギラルスの顔面に直撃しギラルスは地面に倒れる
「今だ!グリッドビームでトドメだ!」
グリッドマンがトドメを刺すなら今だと叫び、グリッドマンは左腕にエネルギーを溜め、左腕のグラン=アクセプターから膨大なエネルギーを放つ光線 グリッドビームを地面から起き上がったギラルスに向かって放つ
ーーークカキャウウゥゥゥ!?ーーー
ギラルスは身体を爆散させるのではなく雲散霧消する、呆気ない程の結末に垣根はこんなもんかと感じてしまう
「これでギラルスは倒した…後はここを
『あ?直すだと?』
グリッドマンは後は
『…世界を直した?』
「私のフィクサービームは破壊されたプログラムを修復する、だがこれで終わりではない!次は現実世界だ!」
垣根がフィクサービームの効力に驚くがグリッドマンは次は現実世界のグールギラスを倒さなければと叫ぶ、そして再び左腕のグラン=アクセプターにエネルギーが集まり左腕で何もない空間に拳を突きつける、すると突きつけた場所に穴が空く
『……これは?』
「現実世界に繋がるパサルートに似た空間だ、これで現実世界へ行ける!」
垣根がこの穴はなんだと問いかけグリッドマンは現実世界へ移動出来るパサルートの様な物と答える、そしてグリッドマンはその穴に飛び込み現実世界へと向かう
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?ーーー
グールギラスは上空を見上げる、そこには幾何学的な紋章が浮かびそこからグリッドマンが現れ、グリッドマンが地面に着地する。グールギラスはグリッドマンを睨みつけると火球を放つ、グリッドマンはそれを手で払いつつ、グールギラスに向かって走り始める、そして勢いよくジャンプし上空から超電導キックを放ちグールギラスを勢いよく吹き飛ばす
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?ーーー
「行くぞ!」
グリッドマンが吹き飛ばしたグールギラスに向かっていき、スパークビームを放つ、命中し火花を散らしバラバラとグールギラスの肉体が崩れる…だがグールギラスはビルの残骸を身体に埋め込んで体を再生させ顎から勢いよく火球が放たれる、火球をグリッドマンは殴りつけて破壊するがグールギラスは一発、二発、三発と火球を連射しグリッドマンは全て防ぎきれず身体に命中してしまう
「がぁ…!」
グリッドマンが火球を喰らい吹き飛ばされ地面に倒れると突然ビームランプが音を立てて点滅し始める、それと同時にジャンクから火花が散りパトランプが音を鳴らして点滅し煙が漏れる
「はわわぁ!?何ですこれ?!」
『不味いな…活動限界が近い!フィクサービームや現実世界に来るのにエネルギーを消費し過ぎたようだ!』
初春がジャンクが起こした現象に慌てるとグリッドマンがジャンク越しに何が起きたのか伝える、ギラルスとの戦いとコンピューターワールドを修復する為に使ったフィクサービーム、そして現実世界に来る等エネルギーを消費し過ぎた性で活動限界が近いと漏らす、グールギラスはそれを知ってか嘲笑うかの様にグリッドマンに接近しグリッドマンを踏みつける
「がぁ…っ!?」
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!ーーー
何度も何度も踏みつけては至近距離が火球を放ちグリッドマンを痛みつけるグールギラス、自分の体が自分の攻撃で壊れても建物の残骸が集まってすぐに修復される、グールギラスは楽しそうにグリッドマンを踏みにじる
『テメェ…調子に乗ってんじゃ…ねえぞ!』
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?ーーー
だが垣根が調子に乗るなと言い放ちグリッドマンが勢いよく立ち上がる、グールギラスは体勢を崩しグリッドマンの拳を受けて吹き飛ばされる、ヨロヨロと後退するグールギラスだがその目に怒りを宿らせ火球をグリッドマンに飛ばす、グリッドマンの地面が爆ぜ炎上し身体を焼く、だが垣根は自分を舐めているグールギラスに静かに怒る
『ムカついた、再生出来ない程のスクラップにしてやる』
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?ーーー
グリッドマンの背中から白い何かが溢れ始めた、グールギラスはそれを見つめ…何か理解する、それは翼だ、白い翼、垣根がグールギラスの火球を防ぐ際に使用した翼だった、先程まで能力が使えなかった筈の垣根がグリッドマンの身体から未元物質の翼を展開したのだ、何故いきなり使える様になったのか分からないが細かい事はいい、まずは
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥ…?ーーー
『…覚悟はいいか化け物』
グールギラスの状況を把握できていない咆哮が響く、その瞬間グリッドマンは一瞬でグールギラスに接近するとグールギラスの顔面を殴りつける
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?ーーー
グールギラスは何が起こったのか理解出来なかったが顎を開き鋭い歯でグリッドマンの装甲を噛み砕こうとする、だがグリッドマンはそれを未元物質の翼を盾にしグールギラスはそれに噛み付く…そしてグールギラスの歯が欠けて砕けた
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥ?!ーーー
『確かにテメェのその鋭い歯なら
驚く怪獣に垣根は淡々と告げる
『だが俺の未元物質にその常識は通用しねえ』
次の瞬間未元物質の翼がギロチンの様に振り下ろされグールギラスの首が切断された、その速さには誰もついていけず、グールギラスは鳴き声を出さずに首が地面に落ちた、これで普通の生物なら即死で戦いは終わる、だがグールギラスにはそれが通じない、胴体だけになっても動き始めグリッドマンに尻尾をぶつけようとする
『チッ、まだ生きてやがんのか』
グリッドマンはそれを避ける、切り落とされた首の断面に赤く輝く三角形がある…あれがコアなのだろう、垣根が翼を動かしグリッドマンが身体を動かして接近しようとするが足元に鈍い痛みを感じ足元を見るとなんと切り裂いた筈のグールギラスの首が噛み付いていた
ーーーグギャガルルゥゥ…ーーー
「ま、まだ動けるんスか!?」
「規格外過ぎますわ…」
噛み付くグールギラスに首に胴体が地響きを起こしながら突進して来る、対してグリッドマンは噛み付かれている足を動かしサッカーの様に足を振り上げグールギラスの首を胴体にぶつける、そしてギラルスを倒した時と同じ様にグリッドマンは左腕にエネルギーを集める
「グリット…ビィィィィム!」
ーーーグギャガルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?グギャ……ガ……ゥ……ーーー
ギラルスに放った時よりも遥かに太い光線がグールギラスの身体を覆い尽くす、グールギラスの土塊の様な身体がボロボロと崩れコアである三角形も徐々に亀裂が入り砕け散った、そしてそのままグールギラスは身体を維持出来ずに消滅した
「た、倒しましたよ!」
グールギラスが倒れたのをジャンク越しに確認する初春、それと同時にジャンクが光り、ジャンクから垣根が吐き出される
「……何だったんださっきの…」
吐き出された垣根はグリッドマンと一体化したのはどういう事なのかとジャンクを見る、するとパソコンにグリッドマンが映る
『君のお陰で助かった!感謝する!』
「…お前が無理やり手伝わせたんだろうが…」
『だがこれで終わりではない』
「…え?」
グリッドマンが垣根のお陰で怪獣達を倒せたと礼を言い、垣根はお前が無理やり手伝わせたんだろうがと睨む…が、グリッドマンはまだ終わってはいないと告げると初春が目を見開く
『まだ敵は残っている、これからも怪獣は現れ続けるだろう、だから君の力が借りたいんだ』
「……まだ現れる…だと?」
グリッドマンは告げる、まだ敵は残っている、だからこれからも力を貸してくれと垣根に頼み込む、垣根はまたあの怪物が現れるのかと眉間にしわを寄せる…初春達も驚きの目でグリッドマンを見つめる中グリッドマンは垣根達に言葉を放つ
『頼む、私と共にこの世界を守ってくれ!』
窓のないビルで『人間』が微笑んだ
『グールギラスとギラルスは倒せるか、そうでなくては…さて次は幻想殺しと超電磁砲だ…次の怪獣の用意をしなくてはな』
六枚羽が出したかった、後悔はない…さて次回は原作ヒロインと主人公の登場、マイナーな怪獣も出てくるかも。因みにグリッドマンは記憶をある程度覚えています。まあそこはおいおい説明します
次回もお楽しみに