平和すぎる。確かにおれは最下位で試験に受かり一番平和な場所、王都に配属された。
「あーあ...最悪だ...こんなことならもっと頑張っておくんだったよ!」
「アラン、そんなこといってももう遅いんだよ、僕らは」
アドレッド...俺はこいつがすきになれない。なんでこう、悩んだりしないのだろうか。俺が悩みすぎてるだけなのか?錯覚してきているような気がする。
「まぁ、そうカッとなるなよアラン君」
「アスタ先輩だって同じような感じでここ来たんでしょ?」
アスタ先輩も『おそらく』同じように王都に配属されたエクソシストだ。
ファンファン...
「んっ?」
先輩のもっている通信デバイスが鳴った。
「はい、こちら王都警備配属のアスタ・クライド」
「...気を、つ...けろ...イーターが..王都に...むかっ...」
ザー...
その場にいた全員がその状況を理解していなかった。
だが、理解するのに時間はかからなかった。
その場にいるものの顔が青ざめる。
「おい、今イーターが王都にくるって...?」
「たしかにいってましたね...」
王都警備隊長の野太い声が響く。
「全員至急対イーターへの準備をととのえろ!!」
俺以外の王都警備のエクソシスト達が一斉に動き回る。
もう一人、俺の隣から動かない奴がいた。
「アラン、戦おう。」
一番嫌なやつに、一番言われたくないセリフだ。
「あぁ、当たり前だ...」
俺がそういった瞬間。一瞬だった。誰もがまだ油断をしていた。俺もそうだった。一瞬のうちに見張りの剳が二つになり、大きく響く音、吹き飛ばす風をおこしながら地面に落ちていった。
「人間の文明は、こうも下らないものばかりなのはなぜだ?私達イーターに全てを渡すべきなんじゃない?」
翼を羽ばたかせ、鋭い爪を輝かせながらその悪魔は言う。
俺達は、動くこともしゃべることもできなかった。
呼吸すらわすれていた。
「さぁ、君たち人間は邪魔だ、消えてもらおうか。」
翼を細かく羽ばたかせ、猛スピードでこちらへむかってくる。
「俺が倒す!」「俺がやってやる!」
回りのエクソシストたちが自分の作った魔方陣から魔道具を取り出し、イーターへと立ち向かう。勇敢にも。
だが、その速さと鋭い爪は立ち向かうエクソシストたちの肉を裂き、軽々しく命を奪っていく。
イーターの輝かしかった爪はドス黒い赤色へと色を変えていく。
「こんな弱い人間共の魂なんて喰らってもつよくなれないなぁ...王都だからもっと強い奴がいるのかとおもってたよ。」
一人、また一人と減っていく。
俺は、その足を動かすことができなかった。
「うぉぉぉぉぉっ!!!!」
一人のエクソシストが槍(ランス)型の魔道具を持ち、果敢に立ち向かう。
アドレッドだ。
「やめろっ!!死ぬぞっ!!逃げろよ!!」
それでもアイツは足を止めない、イーターの猛攻に耐え、まだ懸命に魔道具を振るう。
「アランッ...!!!いつまでそうやってるんだよ!!」
「ッ!」
「そうやっていつまでも逃げるのか、!強く、偉大なエクソシストになりたいんじゃなかったのか!!俺は!!落ちこぼれだ!!!本当は上位のエクソシストになって国の平和を任される存在になりたかった!!でも、努力しても無理だったから!!だからこそ、いま、ここで、諦めたらだめなんだ!!」
俺は、大事なことを忘れていた。
「フッ!!遅いッ!!!」
「まずいっ!!」
アドレッドがイーターの猛攻に崩れた。
イーターがアドレッドの胸の付近で腕をふる。
だが、イーターはからぶった。
俺が、アドレッドの腕を引いた。
「おっと...死ぬかとおもったよ...」
「いや、間違いなく死んでたな。おれがいなきゃな」
「ふふっ..サンキュ!」
「さぁ、イーター...俺達を舐めるなよ...!」