初めましての方も、常連様もいらっしゃいませ
今回は咲夜さんをヒロインとさせていただきます
「○○○っ!」
懐かしい夢を見た
まだ、それは私が紅魔館に拾われた当時の記憶
お嬢様と、狂気が安定している妹様、パチュリー様、美鈴、小悪魔が全員で門に立っていた
確か、満月が終わった十六夜の夜
誰かを見送っていた
「ほら、咲夜。泣かない」
お嬢様に頭のなでられて、美鈴にぐずっている、幼い頃の私
なんで、あんなに泣いていたんだろう
「行っちゃ嫌!」
「全く、○○さん。咲夜さんをこれだけ泣かせるって、罪ですよ?旅立ちの日じゃなかったら、肉体勝負でボコボコにしてあげますのに」
美鈴の笑っているけど笑っていない珍しい声。
彼女は基本温厚なのに
何でそんなに怒っているんだろう
「この馬鹿。出来る限り早く帰ってきなさい」
「あはは、○○さん、帰ってきたときに、いろいろ溜まっていたら私がお相手になりますよ」
「ちょー!?こあ!?私の
「冗談ですよー」
パチュリー様と小悪魔の怒りの声と楽しそうに、からかう小悪魔の声
パチュリー様は、まるで、大図書館が異変の時に崩壊させられたときの怒りの声を上げていた
「ねぇ、○○。本当に行っちゃうの?」
狂気に染まっていないルビーのように透き通った赤い瞳の妹様
狂気に染まっていない瞳はこんなにも美しかったのか
寂しそうな声で誰かの名前を呼んでいる
「そっかぁ、仕方ないか。・・・・それじゃ、帰ってくるときは絶対にお土産とお話をしてね!え、そんなに面白い話はできないかもしれない?うーん。でも、フラン、○○の話好きだよ?」
あんなに嬉しそうに話す妹様はもう、いつ以来見てないんだろう
「○○。まぁ、私の生は長いけど、咲夜は人間なんだから、それまでに帰ってこればいいんじゃない?あ、それと、帰ってくる時に、土産がなかったら、グングニルの刑だから」
お嬢様も楽しそうに笑っている
「それと、あんまりパチェを寂しがらせない事。わかってると思うけど。え?手紙が届かない?そんなの、○○の鳥がいるじゃないの。その手があったか?全く。魔法使いの癖して、抜けてるから心配だ」
困ったように笑うお嬢様
みんなと話しをしている人物の顔が逆行で見えない
大切な気がするのに
最後にその人は全員に一言づつ言っていく
「咲夜」
テノールだけど、それよりも少し高めの声
すごい心地良い声
「君が大人になる頃には戻ってくるから」
「嫌!」
小さい頃の私は駄々をこねた
顔が相も変わらず見えないけど、その人は困ったように頬をかいた
「美鈴、この子を頼むね」
「誰に物を言ってるんですか」
「中国」
「あーー!もう!○○さんの馬鹿っ!」
「悪かったよ。美鈴。でも、この子は人間なんだ。僕たちみたいに、人外じゃない。この館は人外だらけだから・・・・。この子が人外になるとしても、きちんと意志を確認できる年齢までは、人間でいさせてあげてね」
「わかってますよ。○○さん」
「レミィもこの子の血を吸い過ぎちゃ駄目だからね?」
「・・・自重するわ」
「義姉さん。無理言ってごめん」
「そう言っているなら、やめなさいよ」
「うーん。それは無理かも」
「そうね、知ってたわ」
パチュリー様の弟?
駄目だ。顔が思い出せない
名前の部分も聞き取れない
「それじゃ、皆、いってきます。」
片手をあげて、手を降る男の人
いや、行っちゃ嫌
待って!行かないで!
男の人何かを呟くと、光が集まりはじめた
「ごめん。補助よろしく」
「わかってるわよ」
パチュリー様が魔道書を開き、魔法陣を展開し始める
「○○っ!!」
彼の名前を呼ぶと、彼は私の方に振り向いた
「咲夜、元気で!」
光と魔方陣が同調し、光が強くなる
目がくらむほど、まぶしい光が夜なのに、昼間のように照らした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お嬢様。おはようございます」
「おはよう、咲夜。あら、今日はいつもよりも早い時間なのね」
昨日見た夢で、目が覚めてしまったため、いつもよりも早くお嬢様のお部屋に私はいた
正直に言うと、夢の内容なんて覚えてはいないけど
行くと、お嬢様は珍しく、目が覚めていて、本を読んでいた
「何をお読みになられているのですか?」
「魔術書よ」
「魔術書?」
「そう、なんか久しぶりに気になってね。それで、咲夜は、いつもよりも早いけど、どうしたの?」
「私はいつもよりも早く目が覚めてしまっただけですよ」
お嬢様の時間は夕方
最近は、昼間に起きていることが多くなったのだが、今日は無理矢理、夜の時間に合わせたようだった
「また、どうして、魔術書を?」
「あいつが帰ってきそうだから・・・かしら」
「あいつ?」
「ええ、咲夜もよく知るアイツよ」
アイツ・・・?誰だったかしら
「え?咲夜。もしかして、アイツの事覚えていない?」
「すみません、お嬢様。わからないです」
「・・・えーと・・・。えぇー。本当に覚えてない?」
「正直、心あたりがないのです・・・」
「え。えぇぇー。あんだけアイツに懐いてたのに・・・。柚月も大変だな」
「ゆづき・・・?」
「まぁ、小さかったから覚えてないんだろう。しょうがないな。こればっかりは」
「それで、その、柚月という方は、どのような方なのでしょうか・・・?」
私は紅茶を入れてつつ、訪ねてみる
「一言でいうと、多才で妖怪タラシだな」
「・・・。タラシ」
「優しいんだよ。アイツは。人外に対して。まぁ、その分、人間にあんまり興味なさそうだけど。・・・でも例外がいたなぁ。まぁ、詳しい話を聞くなら、パチェの方がいいんじゃないか?」
「パチュリー様ですか?」
「あぁ。あいつは、パチェの
「パチュリー様に弟様がいたのですか」
「あー。これは駄目だな。完全にアイツの事忘れてる。多分、私以外でも、アイツの事知っている奴はいるから・・っと。咲夜。20時に門の前に出ていてくれ」
「20時ですね。わかりました」
愛用している懐中時計で時刻を確認すると、現在、18時。
あと2時間か
「それじゃ、今から私はフランの所に行ってるから。あと、20時には自室に戻ってるから」
「かしこまりました。本日のおやつは何にいたしましょうか」
「・・・そうだな。今日は、バナナカスタードパイがいい。いつもよりも大き目で」
「いつもよりも大きいバナナカスタードパイですね」
お嬢様がバナナカスタードパイとは珍しい
パイなら、アップルパイかと思ったのに。
「ついでに、晩ご飯のリクエストもいいか?」
「はい。材料のそろう物でしたら」
「ビーフシチュー」
「ビーフシチューですね。かしこまりました」
「ん。それじゃ、今日もよろしく頼むよ。それじゃ、行ってくる」
お嬢様を見送ると、すぐに私は行動に入る
屋敷のお掃除は既に終わらせてある
先ほどのお嬢様の言葉、20時には自室にいるとの事。
私が20時に門にいると言うことは、20時30~21時の間におやつをお持ちしないといけない
急いで厨房に向かう。
冷蔵庫の中を確認して、材料があることを確認する。
まず、ビーフシチュー。煮込むまで完成させたものを私の時計の針を進める事で、熟成させる
次に、バナナカスタードパイ
カスタードを作り上げ、パイ生地にバナナとカスタードを重ねていく
それをしながら、ふと、私は思った
(そういえば、私が初めて作ったお菓子もバナナカスターパイだったな)
なんとなく、懐かしい記憶に駆られ、鼻歌交じりにパイを作っていた所を休憩に来た美鈴に聞かれたのは別の話
初めましての方も、常連様もいらっしゃいませ
いつも、あなたの心に和菓子の甘さを。どうも、和菓子屋蜜柑です
ちょいと予定よりも早く投稿してしまいました
緑妖想、終わってないじゃん!!とかいうツッコミは、まぁ、うん。
とりあえず、現在は、主で緑妖想。次に麗霊想の早苗さんのif、最後にこの月咲想という順番にしていきたいと思っています
麗霊想のIF、緑妖想の本編が終り次第、月咲想を優先的に書かせていただきます
中途半端にはしません
とりあえず、現在の月咲想の位置づけは、緑妖想と麗霊想の息抜きと思ってください。まぁ、そのうち、本気で書き出すけども・・・
それでは、最後に、この、月咲想をお読みくださり、誠にありがとうございます
今後とも是非、よろしくお願いします