お久しぶりです。
それでは、新作、どうぞ
いきなり来たあのお嬢様の知り合い。
妙に紅魔館を知っていた
それも、パチュリー様の弟様らしい。
私も知っているような事を、お嬢様からも、美鈴からも言われたけど、私は覚えていない
でも、あの人を見た瞬間、胸の奥がつきり・・・と傷んだ。訳がわからない
この痛みはよくわからない。本当になんなんだろう。
そうそう、ずっとメンテナンスをしようと思って出来なかった銀時計をパチュリー様の弟様がメンテナンスをしてくれた
・・・あの人も私の事を知っているようだった
なんで私は覚えていないんだろう
あの人がメンテナンスをしてくれた時計は、ずっと使っている時計で、くすんできていた銀時計がまるで、綺麗な銀色をしていた
いくら磨いても、こんなに綺麗にならなかったのに・・・ちょっと悔しい。
ぱたんと、幼い頃からつけている日記を書き終え、私はペンを置いた
このまえ、半人半妖のやっている店から、ボールペンというものを買ってきた。あれは、羽ペンとかよりもかなり便利。最近のお気に入り。
ふぅ、と一息、ため息を付き伸びをすると、ふと、窓を見た。朝焼けが綺麗。
今日は最近昼型となったお嬢様が珍しく、夜の行動としたため、サイクルが変わって、ちょっと眠い
もしかしたら、あの人が来ることを知っていて、わざと夜にしたのかもしれない
「・・・ほんと、何なのかしら」
重い瞼を何とか開けながらベッドに潜り込む。
その手には、銀色に輝く時計を枕元に置いて
(・・・ホントは、枕元に置きたくないんだけど・・・、こうしないと明日起きれなさそうだし・・・)
1回、枕元に置いた時計を落としてしまった事で、大切な時計を置くのを辞めていたが、お嬢様のお世話が出来なくなることの方が悪い事だと考え、枕元に時計を何とか置いた時点で、私は夢の世界に意識を手放した
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コチ、コチという時計の音が、聞こえる
「咲夜」
「○○」
「はい、僕が作った時計。咲夜と同じ、髪の色にしたんだ。綺麗だろう?」
その声は男の人の声
また、自分の声が聞こえない
多分、名前を呼んでいるのだろうが、私には聞こえなかった
私は男の人から、時計を受け取り、両手で、大切に握った
「ありがとう」
「よかった。喜んでくれた。ちょっとレミィ!見てた!?咲夜が笑ってくれた!」
近くにお嬢様がいた
その顔は楽しそうに、嬉しそうに笑っていた
「お前が咲夜にプレゼントを渡すから、付いてきてくれって頼むから、何かと渡すと思えば懐中時計か。お前にしては、いい選択じゃないか」
「だろう?」
自慢げに言う男の人は、私に背を向け笑う
「それに僕が留守の間、咲夜が寂しがるかもしれないし」
「・・・心配性だな。○○は。まぁ、実際の所、お前が寂しいんだろう?」
「・・・しょうがないだろ。僕の魔力はーーーーーになってしまったんだから。」
「大丈夫だ。咲夜が私の手元にいるなら、きちんと守ってやる」
「・・。ありがとう、レミィ」
私と少し離れた所で話す男の人のお嬢様が気になり、私は男の人の来ているコートを引っ張った
「ん?どうした?」
「ありがとう。ゆづ」
最後にはっきりと聞こえた自分の声
それは、ずっと昔に呼んでいた名前
ずっと忘れていた名前
自分の声が聞こえた瞬間、一気に思い出した
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コチ、コチという懐中時計の音で目が覚めた
いつも寝起きが悪い私は、珍しくスッと起きれた。でも、その代償は
「思い出した・・・」
全て、思い出した
彼が誰なのかも、私の中でどんな存在だったのかも
全部思い出した
顔が真っ赤になっていくのがわかる。
昔の記憶も思い出した。いや、思い出してしまった
あの人は、ゆづは・・・私の初恋の人だ・・・
こうしてはいられない。めいりんに・・・美鈴に聞きに行こう
すぐに時を止め、私は身支度を済ませる
瀟洒なんて気にしていられない。今は一刻の時間も欲しい。走り、美鈴の部屋の前まで来る
走ったせいで呼吸が乱れているのも忘れ、時を動かす
「美鈴!!」
バンッと扉を開けると、そこに美鈴の姿はなかった
忘れてた。そうだ。美鈴の朝は私よりも早いんだ
かなり焦っている事にも気がつかず、私は再び紅魔館内を駆ける
目指すは、花壇。この時間は美鈴は趣味の庭仕事をしてるはずっ
花壇にやってくると、そこには探していた美鈴の姿が。
既に庭仕事を終えていたようで、拳法の型をやっていた
「おや、咲夜さん。おはようございます。そんなに急いでどうしたんですか?」
「め、美鈴っ!どうしたらっ・・・」
「・・・?どうしたんですか?まずは、落ち着きましょう?」
美鈴は近くにあったベンチに私を誘導し座らせた
「それで、どうしたんですか?咲夜さんがそんない取り乱すなんて」
「どうしよう、美鈴・・・。思い出しちゃったの・・・」
「思い出した?」
「ゆづの事・・・」
『ゆづ』と一言聞いた瞬間、全て美鈴は悟った顔をした
「柚月の事、思い出したんですか・・・そう・・・ですか」
「美鈴・・・どうしよう、どうしよう美鈴。私、ゆづとまともに顔合わせられない」
「・・・はぁ、咲夜さん。ほら、落ち着いてください」
美鈴は優しく私を抱きしめた
小さい頃を思い出す・・・
「咲夜さん、咲夜さんは何をそんなに焦っているんです?柚月の事を思い出した・・・・・ってだけじゃなさそうですし」
「・・・忘れてただけじゃなくて、昨日、柚月にあんまりな態度を取って・・・」
その時点でぽろりと、10年近く流さなかった涙があふれてきた
「さ、咲夜さん!?」
流石にこれには美鈴も驚いたらしく、私に、着ていた上着を頭からかけ、近くの妖精メイドを呼び止めた
「そこの方、すいませんが、メイド長と、私は今日休暇を取ります。後のことはよろしくお願いします」
あっけにとられた妖精メイドを置いて、美鈴は私を抱え、走り出す
連れられてきた場所は美鈴の自室
「はい、咲夜さん。ちょっと私は今からお嬢様の所に・・・」
その瞬間、バンッと美鈴の部屋の扉が開かれる
「その必要はないわ。咲夜は今日は休暇よ」
「「お嬢様!?」」
「美鈴、あなたは門番の仕事に戻りなさい」
「ですがっ・・・」
「心配なのはわかるけど、咲夜はもう子供じゃないのよ」
「・・・っ。わかりました・・・。でも、半休をください」
「・・・ふぅ。あなたも咲夜の事になると本当に昔と変わらない」
「すいません…。でも…」
「わかってるわ、だから、午後からだけよ」
「あ、ありがとうございます!」
「お、お嬢様!私は休む訳にはっ」
「咲夜。なら、貴方は一日、里に行ってきなさい。帰ってくる時は…そうね、貴方の時計で22時まで帰ってきては駄目。帰ってくる時は、里のお土産を持ってくること。」
「でもっ……!」
「咲夜、私は咲夜の土産が楽しみなの。だから、行ってきなさい?」
有無を言わせない言い方だけど、それは、確実に私を労わって下さっていることがわかった
仕事という名の休暇
「わかり…ました」
「あ、そうそう。咲夜。貴方は今日はメイド服じゃなくて、私服で行きなさいね?」
「咲夜さん。後で合流しましょう!」
こうして、私は今日、一日、仕事と言う名前の休暇を頂いてしまった
どうも、和菓子屋蜜柑です。
詳しいことは、活動報告にて、色々ぼやいてます。
あ、気に入らない方はすぐに帰ってください。
それでは、また次回まで…