出直して来ていいですか?   作:ブルーな雛菊

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筆者は考えます。
主人公が活躍する物語は原作があるじゃないかと。
同じ内容を書いてしまうよりはオリジナル要素を色々ぶちこんで読者に楽しんで貰った方が良いのではないかと…
ということでこの物語は原作や設定を色々と無視して都合のいい感じに改変した物語にしてみました!
NESTの構造や次話で登場する法案、兵器や暗証コード等は全て適当に引っ張ってきたり、作り上げた設定ですので……そのまま知識として吸収してしまわない様に注意願います。



~下水道~
「シェリー!しっかりして!シェリー!」

固く目を閉じたシェリーは目を覚まさない。Gに追われた末にシェリーをGが通過出来ない、小さな配管に避難させる事にしたクレア。自身もGの気を引くように囮になってシェリーから引き離したのだが、再びシェリーに再開したときには、既にウイルスに感染したあとだった。

「あぁ、何て事……ちゃんと言い付けを守って警察署に居ればこんなことには……」

パニックになりながら一人でブツブツと一人言を漏らすアネットにクレアの堪忍袋が切れた。

「あんたにこの子がどんな気持ちで探し回ってたか分かるの!?何で傍に居てあげなかったのよ!何とかしなさいよ!母親でしょ!」

その言葉は傍に居ながら、守りきれなかった自身にも深く突き刺さる言葉だった。

「感染した時点でもう……いえ、NEST……研究所のワクチンを摂取させればまだ間に合うかも……」

「ワクチン?ワクチンがあるのね!?」
「えぇ……ええそうよ!ケーブルカーに乗って先にいって!私も保管庫の鍵を取ったらすぐに向かうから!その子をお願い!」
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8、一つの物語の終わり

研究所へのアクセスは大まかに別けて3つ。一つは孤児院から被検体を連行する下水道近くのルート。2つ目は企業の幹部などのゲストが、悪臭等で不快にならないように研究所入口へ直接アクセスできる高速エレベーター。3つ目は物資搬入口。

研究施設となれば消費される物資は莫大なものとなる。当然、研究所への搬入口もそれなりの規模になってくる。

勿論、ラクーンシティー地下に存在する研究所、通称NESTにも搬入口が存在する。研究からラクーン郊外へと続く線路、そしてラクーンシティーから物資を搬入する為の大型エレベーター。

ゲーム版ではその様な物は存在しなかったが、現実となったこの世界では最低限、この3つが必要となってくる。

搬入口は線路だけで問題ないのでは?と思われるだろうが、仮にも企業。消耗品の運搬の為に街から郊外へトラックを走らせ、線路で搬入していてはコストの無駄である。

 

~ラクーンシティー 倉庫搬入口 ルフィーナ~

「まさか、こんなところに搬入口があったなんてね~」

[木を隠すなら森のなかって言うしね~]

 

バイオハザード3、冒頭で登場した倉庫だった。コンテナを摘んだトラックが頻繁に訪れても不審ではない。そしてその中の一角に、地下へと続く昇降機があったとしても気付く者はいないだろう。

のんびりと地下へ降下していく大型昇降機の上で、店舗から拝借したバイク(H2R)を停め、足を伸ばしながら寛ぐルナ。

 

「随分と深いですね、まだ着かないのでしょうか?」

[後2分ってところかな。]

 

「エマさん?もしも~し?」

[地下深いから電波が---中継機------して--]

 

地下深くまで降下しているため、通信に影響が出始めているようだ。

 

現在IP無線を使用しているが通信局が破壊されている為、一旦セーフルームの無線を中継して通信を行っていた。その無線範囲から外れる地下施設では当然電波は入らない。

 

(NESTで働く職員が、容易に情報を外部へ漏らさない為でもあるのでしょうけど。)

かといって完全に外部から隔離されているとも考えにくい。管理の元、無線中継機が存在すると考えた方が妥当だろう。ならば、見つけ出して利用させてもらえばいい。

 

エレベーターが軽い衝撃と共に停止し、目的地にたどり着いた事を知らせる。厳重な防護壁の様な扉は固く閉ざされており解除用のパネルが設置されている。

 

「アイザック、久しぶり。扉を開けて。」

[データ解析開始…所要時間残り5分]

 

「随分と時間かかるわね。エマなら30秒よ?」

[現在2% 残り推定時間4分50秒]

 

人工頭脳のオペレートシステムに不満を言っても仕方ないのだが…

(それだけエマが優秀って事かな)

今は待つしか無さそうだ。

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扉を抜けてNEST内部へ。施設は研究室のある上層、物資保管所及び各エリアへ物資を搬入する資材エレベーターのある中層、郊外へと続く線路のある下層に別れている。

上層は更にイーストエリアとウエストエリア、休憩室やロビー、ゲートのある居住エリアに別れ、エレベーターのある中央に橋をかけるかたちで各エリアにアクセス出来る仕組みとなっていた。

 

(やっぱりマップがかわってるわね。)

周辺をスキャンしマップを更新。

(エマとの通信回復が第一ね。)

 

「アイザック、無線設備がありそうな場所をピックアップ」

マップを確認して移動を開始する。場所は居住エリア。

中層はエレベーターが密集している、地上や郊外からの物資搬入用大型エレベーター、各エリアへ物質を運ぶ為の資材エレベーター、居住エリアに繋がる作業員用のエレベーターだ。

 

資材エレベーターはセキュリティー上、人が乗った状態では起動しないようにプログラムされているが……

(端末弄ってプログラム書き換えるだけ。エマなら10秒かからない。)

SHDエージェントの前では脆弱なセキュリティーでしかなかった。

 

バイクを中層に停車させ、ガチェットの入ったウエポンケースを下ろしズルズルと引きずりながら作業員用のエレベーターに乗り込み居住エリアに……入り口付近の端末にアクセスして無線をジャック、エマとの通信を回復させる。

 

[ただいま、ルナちゃん!寂しかった?]

「ん~……ん~~……特に[泣くぞこの野郎!]」

 

「ではウイルスの情報、証拠となるアンブレラの行動記録の確保ですね。端末から抜ける情報全部お願いします。それと、私達以外からの無線アクセスを制限してくださいね」

[?「ただの賭けみたいなものです」]

[了解~]

 

無線を終えた直後、ゲートが開いた為G36を入り口へと向けて様子を伺う。

「クレア?」

「貴女…無事で何より。手を貸して、シェリーが感染しているの!」

 

クレアの腕にはぐったりとしたシェリーの姿があった。

「ウイルスのワクチンがこの施設の中にあるみたいなの!」

「……わかった、取ってくるわ。クレアはその子の側にいてあげて。」

 

 

クレア達を受付近くの守衛室に残しワクチンの確保へ向かう。

[ウエストエリアが最もセキュリティーの高いエリアよ、おそらくワクチンも其処にある。]

 

培養層、シャワールームを抜けた先のウイルス保管所。

「また鍵ですか!手榴弾でぶっ飛ばしていいですか?いいですよね?やりますよ!?[待って!まって!ルナちゃん!]」

[多分、厳重なセキュリティーが敷いてあるはず!強行すると最悪の場合、施設ごとボン!よ?]

 

「…………どうするんですか?」

[鍵を探すしかないですね]

「…………」

 

「貴女何者!?」

保管庫を前に途方に暮れていた時だった、レーダーで接近は感知していたが背後から声をかけられる。

タイミングがいいと思う、これが彼女以外の人物なら詰んでいたかもしれない。流石メインキャラクターであるといったところだろうか……シェリーは私が手を出さなくても助かる運命らしい。

 

「うん、お待ちしていましたアネットさん。取引をしましょう。」

「取引?「見たところお時間がないご様子なので手短に」」

 

「我々の元で働け。貴様がやった罪は法廷に立ち、牢獄に監禁されて償える程軽いものではないくはない。ウイルスは既にUSSの手の内にある、いずれこの街と同じ悲劇が繰り返される。故に、ワクチンや生体兵器に使用されているウイルスを即座に死滅させる程の特効薬を開発しろ。それが、其だけが貴様に残された唯一の償いだ。」

 

交渉という名の脅迫、彼女には一切の同情などかける気などない。

協力の引き換えに彼女とシェリーの安全を保証するというものだった。

(もっとも……決裂してもシェリーは助けるからブラフでしか無いのだけど。)

 

「条件を飲めばシェリーは助かる?」

「貴女達の安全は保証する「分かったわ取引に応じる」」

 

やはり仕事一筋だとしても母親ということだろうか……最後の最後では我が子の安全を心配する。

「そんなに暗い顔しなくても悪いようにはしないわよ。」

 

保管庫の前を離れアネットがワクチンを取り出すのを見守った。

 

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~生体培養層~

円状の広間、中央には保管庫とウエストエリア入口を繋ぐ通路。壁には4mはありそうな巨大なタンク、大型の装置が並んでいる。

2人が通路を通過した時に天井を突き破り落下してきたG

 

「あらいらっしゃい、しつこいわね。」

「私がやる。「貴女はワクチンを持ってシェリーの元へ、私の事は待たなくていい。」」

 

ピストルグレネードを取り出すアネットを止める。暴走した夫を、せめて自らの手で解放してあげたい気持ちは分からなくないのだが、彼女では不可能なのは予想できる。

 

上体だけ体積を増しアンバランスになっている足を、ペイロードライフルで撃ち抜き、バランスを崩した所に手榴弾を投げ込み通路外へと転倒させる。

下の階へ落下したGを追うようにガチェットケースを下に投げ入れた後、自身もタンクの上に乗り継ぐ様に飛び降りる。

 

タンクの上に落下しているケースのロックを解除し、ドローンストライカー3機、タレットアサルト2機、スナイパータレット1機の中からアサルトだけを取り出しGを挟む様に左右に投げ込み設置した後、下階の床に舞い降りる。

 

「随分と逞しくなったものですね…新しい顔の具合は如何ですか?」

前回遭遇した時にはまだ、人間らしい面影が残っていたが、現在は見る影もない。筋肉の肉体は更に強靭に、頭部は人間の骨格ではない獣の様なものに変化し、腕は更に2本追加されて4本になっていた。

 

(小火器では有効打にはならなさそうですね)

前回でさえ退けるのにライフル弾を90発程消費してるのに更に耐久力が上がっているとするなら、いよいよお手上げだろう。

(暫く様子を見てみましょうか。)

 

SHD内でアレグロと呼ばれる発射レートを向上させたチューニング、補給物資に入っていた総弾数50発のロングマガジンを装着したG36で頭部、露出している目を中心に射撃を開始する。

タレットを使用し3方から集中砲火しダメージを与えていく。

 

(右凪ぎ払い、次は左のコンボ)

知能や人間としての自我は、完全に消えているようで単純な攻撃の繰返しを行うだけだ。

一向に此方を捉える事が出来ないGは痺れを切らして周囲にあった小型タンクを持ち上げて投げつける。

 

勿論、難なく回避するがタンクが落下した先で爆発炎上し、戦闘領域が狭まっていく。

 

(振り下ろしからの凪ぎ払い)

相手の予備動作から次の攻撃を予測し、最適な方法で回避を行う。

ステップで横へ移動し、壁を踏み台に空中へと舞い、強烈な凪ぎ払いを難なく回避した。……だが、一つルナは見逃していることがあった。

 

凪ぎ払いを回避した直後に視界に入った()()()()()()

4本の腕があることを完全に失念していたのだ。

 

[ルナちゃん!]

「カッ……ハッ……」

直撃し、反対側の壁まで吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。肺の空気が全て吐き出され呼吸が整わない。嘔吐し、視界が涙でぼやける。

滲む視界の端にゆっくりと此方へ近付くGの足が映った。

 

「ルナちゃん!しっかりして!敵影更に接近、残り5m!」

ピンを抜き前方へ投げる。直視すれば目に焼き付く様な閃光と、鼓膜を破り平衡感覚を狂わせる様な轟音が辺りを包む。光が収まった頃には地べたで嘔吐していた少女の姿は消えていた。

 

「一撃でアーマーは全損、修復不可。貫通しなかったのは幸いね。」

Gの視界外、そびえ立つタンクの上で冷静に被害確認しながら息を整える。

 

「タレットは両機弾切れ、5.56は150発…」

[撤退しましょ!手に終えない。]

「フラググレネード3発、スタングレネード1発」

[ルナちゃん!もう充分時間は稼いだ、これ以上危険をおかす必要は無いわ]

「25mmペイロード弾、6発……」

[ルナちゃん!?]

「その他武器、ガチェットは消耗なし」

[聞いてる!?聞こえてる!?]

「敵、出来損ない1体……」

 

破損したプレートアーマーを放り捨てる。損傷が激しすぎて交換するしか方法はない。ならば無駄な荷物でしかない。弾切れになったタレットに自壊コードを送る。G36背中にはXM109、白のワンピースドレスの上にマガジンと手榴弾を突っ込んだジャケットを羽織り、再び戦場へと舞い戻る。

 

「こう見えても私はこの世界に感謝しているのですよ?」

もしこれがバイオハザードではなくディビジョンの世界ならば敵となるのは人間だ。それぞれが自身の意思を持って戦っている。

生きるために、家族を守る為に仕方なく他者を傷付け奪う事を選んだ暴徒達。

ウイルスの拡散を防ぐために息のある保菌者をも焼き払ったクリーナズ。

政府の対応に不満を持ち、より強い国家の設立の為に武器を持った元傭兵部隊、ラストマンバタリオン。

各々の勢力が、それそれの信念をもって闘っていた。

彼等を撃たなければならないとき何を思うのだろうか?もし、自分がSHDに所属していなかったら、自身の銃口は誰に向けていただろうかと思う事が多々ある。

今となっては訪れることのなかった未来だが…。

 

それに比べ今は単純だ。自我を無くした化け物に、己の富と権力の為に命を弄んだ愚か者達。私の銃の引き金は、羽の様に軽い。

 

此方の存在に気付いたGは、その筋力を活かした凄まじい速度で肉薄してくる。4本の腕を使った連打で私を挽き肉にしようと畳み掛けてくる……

 

「もう、見飽き(覚え)ました。」

前世の記憶を参考に習得した銃術、ガン=カタ。

一体多数を想定し敵の攻撃を交わしながら倒していくというものだ。派手な銃撃に目が行きがちだがその真髄は他の場所にある。

幾万、幾億とある戦闘データを統計して、次に敵が行う行動を()()()最適な位置で反撃を行う。故に相手が人間なら相手の立ち位置を確認するだけでいい、戦闘が始まった時点で勝敗が決まっている。暗闇の中、敵が見えない状況でも同様。ただ決められた結果をなぞるようにして死体が増えていく。

 

銃撃しながら上半身を退きスエーを行い右腕を回避、足をその場で開脚し床側に頭一個分沈みこむ事で凪ぎ払いを避ける。頭上を激しい風切り音を残して重い物体が通過する。

回転しながら横へ移動し、振り下ろしを避ける。壁を足場に宙に舞う。

 

今まで手こずっていたのは所詮、相手のデータを収集していただけに過ぎない。

 

狭い場所で腕を振り回した結果、周囲のタンクに爪痕が入り可燃ガスが漏れている。

 

「地獄の業火よ、豚共を焼き尽くせってな」

離脱と同時に残されたフラググレネード。爆発と共にタンクに誘爆し火柱が上がる。

 

[やったか?]

エマが無線で旗を立ててるの無言でスルーする。回収するのは分かりきっている。

 

炎の中から現れるG

頭部や肩の瞳が潰れたせいか、胸部に複数の目が現れ視界を補っているようだった。

怒りの咆哮と共に駆け寄るG、突きを回転しながら回避すると同時に背中に下げているXM109を逆手でグリップを持ち、ぶっ放つ。

 

ペイロード弾と呼ばれるライフル弾の内部に炸薬が詰まった弾頭。40mmグレネードには炸薬量が及ばないが、その最大の特徴はグレネード弾の割には弾速が早い事だろう。軟標的では体内に侵入し内部で炸裂する。

絶叫、そしてマズルブレーキが効いていないかの様な激しい反動。

そのままXM109のスリングを引っ張り腕に巻き付けながら通常の構えに移行し胸へ撃ち込む。空になった弾倉を抜き取り、3発しか入らない新しい弾倉を叩き込む。

振るわれようとしている腕、初期動作で速度がのっていない腕にペイロード弾を撃ち込み動作をキャンセルする。

G36に持ち換え再び胸へ2本目のマガジンを撃ち尽くす。

 

反撃しようとするGの目の前にスタングレネードを放り投げ、腕で自身の目を保護する。

炸裂音。

ルナにとっても至近距離だが耳にはイヤホン、エマがノイズキャンセリングしてくれた様なので一応は無事。目も瞳を閉じた上で腕でガード、それでも多少は光が焼き付いてしまいそうになるのだが、そもそも目を閉じた状態でもルナなら戦闘可能だ。

 

3本目の弾倉を撃ちつくし、穴が空いた胸に回し蹴りと共にピンを抜いたフラググレネードを2つ、鉄で補強されたブーツの底で奥まで押し込み離脱する。

爆発と共に崩れ落ちる巨体。偶然にも、最初邂逅での決め手と同じ方法だった。

 

~ウエストエリア レオン~

激しい銃声がウエストエリアから響いていたが、レオンがイーストエリアでアクセスキーをアップグレードしてウエストにたどり着いた頃には異様な静寂が辺りを包んでいた。

生体培養層の下の階を眺めるが、ちらつく炎と瓦礫以外には人影や生物の死体等は見当たらない。

 

疑問に思いながらも先へ進み、エイダから依頼されてたウイルスを回収する。

 

[[ウイルスの不正持ち出しを検知、各フロアのアクセスを制限し処理を行います。職員は誘導に従い下層フロアへ集合してください。]]

 

「お約束ってか?泣けるぜ。」

施設と共に心中する気はない急いでエイダの元へと戻る。

 

   ・

   ・

   ・

~中央エレベーター~

「レオン!ウイルスは?ここは長くは持たない、脱出しましょう。」

 

エイダがエレベーターの端末を操作しロックを解除した姿が目にはいる。

(FBIは皆あんなことが出来るのか?それとも…)

 

この施設のパスワードを知っているのはセキュリティー面からしても其所の職員位だろう。例えFBIだとしても、コード解析等を行っている裏方の者が戦場の様な現場に赴く事があるのだろうかと。

 

(もし、違うとなると……)

レオンは誰からのヒントを与る事なく、一つの些細な違和感から真実たどり着いた。

 

「エイダ、君は本当にFBIなのか?」

「………このまま気付いてくれなければよかったのに。」

 

レオンは自身でも信じていない想像を口にしただけに過ぎなかったのだが、エイダは自分の知らないところでアネットと接触して真実を知ってしまったと思い正体をあかす。

 

「レオン、貴方を傷付けたくない…ウイルスを此方へ渡して。」

「撃てよ、撃てるなら」

 

撃たれても良いと思った。たった一晩だがお互いの命を守りあい、共に助け合った仲だ。それでも撃たれるのなら所詮その程度だったと……後で自分自身を笑ってやればいいと……

 

銃を下ろすエイダに安堵して近寄る。

 

「危ない!」

自爆コードが実行され崩壊しつつある施設、天井から落下してきた瓦礫がウエストエリアとエレベーターを繋ぐ橋の上へと落下する。

 

橋が崩壊して下層へと落下していく。ギリギリの所で落ちそうになるエイダの腕を掴む事が出来たレオンだが…アネットに撃たれた自身の腕から血が滴り落ち、握力と共に滑り始めていた。

 

「もういいの……貴方は生きて」

「エイダ!」

 

遂に手からエイダが滑り落ちる。

 

 

[[ウイルスの不正持ち出しを検知、各フロアのアクセスを制限し処理を行います。職員は誘導に従い下層フロアへ集合してください。]]

 

感傷に浸る時間も与えず無情にもアナウンスが終焉のときを告げるカウントを開始する。

 

  ・

  ・

  ・

崩れゆく施設、追跡者を()()()上から落ちてきたロケットランチャーで撃破して列車に乗り込む。扉を開けると懐かしい姿が其処にあった。

 

「レオン!」

「クレア無事だったのか…その子は?」

 

「この子はシェリー、私の娘よ。」

「何でお前がここにいる!?」

 

クレアと共にいる少女そして今夜、自分を銃撃したアネットがいた。

 

「私は生かされただけ……ここを出たら償いをさせてもらう」

「……」

 

「……それより、白いワンピースを着た女性を見なかった?この施設に居た筈なんだけど。」

 

気まずい空気を感じたクレアが急いで話題を替える。

レオンの脳裏に署内で出会った少女の姿が頭によぎるが、すぐにその考えを振り払う。

 

先輩は署で別れている。こんな隠された研究所にいるはずがないのだと。

 

「イーストエリア、ウエストエリアも回ったが何処にも居なかった…おそらく先に逃げることが出来た…と思うしか…」

 

「そうね…」

 

異常な振動が列車を襲う。

 

「様子を見てくる。」

クレアがミニガンを抱えながら後部車両へと赴く。

 

  ・

  ・

  ・

激しい銃声が響いている。

「弾が好きなんでしょ?遠慮は要らないわ」

 

1分間に3000発もの弾丸を吐き出すミニガンが火を吹くが、度重なる戦闘で原形を無くしたGには威力が足りないようだ。

 

列車の走行音、銃声、Gの咆哮、そして()()()()()、異変に気付いたレオンも途中から参戦する。

 

幾度となく進化を繰り返し環境に適応するウイルス…G。

弾丸を、ある時には爆発物を、または物資の詰まったコンテナを衝突させられたG生物は、ひたすらにあらゆる攻撃をも凌げる耐久性を持つ形態へと進化をしていた。

列車の車両を埋め尽くす様な、巨大なナメクジのような巨体。

その巨体を維持するためには1日に数十万カロリーが必要であるにも関わらず、獲物の捕獲に適してるとは言えない体を持った矛盾した生物……進化を繰り返した末に自身を滅ぼす進化へとたどり着いた哀れな生物の末路だった。

 

その代償に手にいれた圧倒的な耐久力は絶大で9mmや40mmだけでなく対戦車用のランチャーの弾すらものともせずにゆっくりと前方の車両へと距離をつめていく。

 

「クレア!列車の連結機を外す、手伝ってくれ。」

「駄目!ケーブルが引っ掛かってて完全に外れない!」

 

「クソ!此処まで来たというのに諦められるか!」

 

前方から光が射し込んでいた。

郊外から研究所へと続く長いトンネルがもうすぐ終わろうとしている。

 




次話で完結!近日中に投稿予定です。
ということでこの話から主人公のチート解禁です!
チートと言えば怪力や魔力やスピードなど色々ありますが、こういう形のチートは中々みないな~と思いましてw

次回、最終話 「白兎」
戦闘+フラグ回収となっております(*つ▽`)っ
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